BIG4出身のAIベンチャーCEOが語る「AI活用の現状と、コンサルのキャリア形成におけるAI知見の価値とは?」【株式会社aiforce solutionsオンラインセミナーレポート】

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今回は、9月16日に開催されたAIベンチャー 株式会社aiforce solutionsの代表取締役を務める西川智章様とアクシスコンサルティング株式会社の共同オンラインセミナーの内容をまとめてお伝えします。

 

当日のセミナーでは、事業会社AI活用の実情や、今求められているAI人材の具体的な要件等について、代表の西川様にお聞きしました。AI導入などDX推進において課題を抱える企業様の参考になる内容となっております。ぜひご参考ください。

AI導入の課題は、システム面よりも「費用対効果」や「導入事例の不足」などビジネス面に起因しているケースが多い

今は、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの登場や、ライフスタイルの変化によって個人がビックデータを生み出す「マイビックデータの時代」だとも言われています。一方でまだまだデータを活用されていないケースも多く、西川様に言わせると「データは21世紀の石油である。でも、使わないと価値がない」ということになります。

AIはデータを価値に転換するテクノロジーですが、2020年は新型コロナウイルスの影響で一時期、新規事業やAI投資が減少傾向にありました。

しかし、緊急事態宣言が明けた7、8月以降、世の中が「デジタルシフト」をしていく流れで少しずつAIの新規事業に対して予算を立てられる企業が増えています。

 

一方で、多くの企業ではデータが重要な経営資源だと気づいていながらも、”AI導入済みの企業”が1.8%という2017年の状況から、3年経過した今でもほとんど状況は変わっていません。一部金融業でAI導入やチャットボット導入が進んでいる以外、まだまだデータを経営資源として活用できている会社が少ないのが実態のようです。

 

このように、AI導入の進捗が鈍い背景にはいくつか理由があります。
まず費用面ですが、AI導入効果が不明なのにPoC(実証実験)の単価が500万円~8500万円と高いこと、さらにPoCの期間が3~6ヶ月と長いことが挙げられます。

大企業や大規模なAIベンチャー、外資系コンサル会社など予算が潤沢な企業でしかAIの実証実験ができず、日本を支える大多数の中小企業ではAIが浸透していません。
そもそもAIで何ができるのか理解されていない企業様も多く、実際にはメディアが言うほどAIの商品化が進んでいないのが実情です。

 

また、AI導入にあたっては実務上の課題も山積みです。
第一に、お客様とベンダーとの知識の違いです。AI開発には、開発・導入プロセスと運用・保守プロセスがあり、開発・導入プロセスでは最初にアセスメントで課題設定をして、PoC(実証実験)とインプリメンテ―ション(実装)をしていきます。ただ、ベンダーの専門用語が理解できず報告書がレビューできないお客様も多く、まずは知識の格差を埋める必要があります。

 

次に、To be構想を描いたときに、曖昧な成功基準と定量効果の算定ミスでAIの導入に失敗するケースです。AIの目的はヒトの業務を置き換えること。現状のヒトの判定精度と比較して、同等程度かそれ以上の制度かで成功基準のゴールを設定します。ですからヒトと同等の判定精度であれば、ヒトからAIに置き換え、人件費を削減できるというロジックを組んでおく必要があります。

 

また、経産省のAIガイドラインにもあるように、AI開発はアジャイルアプローチでの開発が推奨されています。つまり仮説検証サイクルを回しながら、継続的にデータを追加し、学習し、改善していくため、それを理解した上でのオペレーションを設計しなければなりません。

さらに、AIは決して1回で最高精度を出すものではありません。なかには実証実験で「絶対に失敗をしないように」というお客様もいますが、AIは判定根拠となるデータを増やしながら、順次成果を出していくシステムだということを理解していただく必要があります。

 

このように、組織としてAI導入をするにあたっては、「社内でAIについての理解が不足している」、「導入効果が得られるか不安」、「導入費用が高い」、「AI導入事例が不足している」といったビジネス面からの課題が多く挙げられ、そのような課題を解決できる人材が少ないことが根本的な原因のようです。

 

今のDX市場では、AIビジネスの"構想力"と"推進力"を兼ね備えた「ビジネスプロデューサー型AI人材」の価値が高まっている

この状況の中で、各企業はどのようなスキルを持つAI人材を採用すればよいのでしょうか。
例えば、エンジニアとしてビックデータ解析や機械学習でのモデル構築などをしてきたデータサイエンティストのAさん。営業マーケティングでDXの推進業務をしてきたBさんが採用の候補になったとします。

 

AI人材というとデータサイエンティストなどが思い浮かぶかもしれませんが、AI導入を推進するためにデータやAIを活用できるBさんのような人材のニーズが高まっています。
もちろんAIベンチャーや研究所ではデータサイエンティストであるAさんの技術を求めているケースもあります。しかし多くのユーザー企業ではAさんのスキルを引き出せるほどの業務がないのが現状で、かつAさんのような方の採用では、年収も最低1000万円以上が必要です。

 

また、BさんのようにAIビジネスを推進する役目を負う人材を、西川様は「AIビジネスプロデューサー」と呼んでいます。
では、具体的に「AIビジネスプロデューサー」とはどういった人材なのでしょうか。

まずはAIを外して「ビジネスプロデューサー」について説明すると、スキルセットとしては「ビジネスの構想力」と「ビジネスの推進力」といったコンサルスキルになります。

それに加え、AIビジネスプロデューサーは、AI技術を使って問題解決と価値創造をしていくため「データサイエンス力」といったスキルセットが加わります。代表的な人材としては、コンサルファーム出身でデジタル領域に携わってきた方や基幹業務領域に携わってきた方が挙げられます。

 

「AIビジネスプロデューサー」へのキャリアパスですが、コンサル会社の案件として多い、SAPやERP、セールスフォースの導入は、基本的には業務改善をして既存の経営基盤をつくるものです。DXは新規事業を構築する上でイノベーションを起こしたり、今あるデータを活用して新しいビジネスを作るものであり、同組織に在籍しながら「AIビジネスプロデューサー」を目指すとなるとスキルギャップが生じます。

同組織に所属されている場合は、例えばBCG Digitalなど、超上流にシフトするか、もしくはテクノロジー理解を目的に、AIベンチャーやYahoo!、Google、Amazonといったテック系の企業に進まれると同ポジションへ近づけるよでしょうか。

 

「"限定されたAIの民主化"がAI市場では急務となっている」

先ほど、「AI市場の課題はAI人材の不足」と申し上げましたが、不足しているAI人材は当然ながら「AIビジネスプロデューサー」だけではありません。

ビックデータを分析・解析しデータからビジネスに活用するために価値を引き出す「データサイエンティスト」とアルゴリズムの開発や機械学習を行う「AIエンジニア」も含まれます。

そこで今、AIの社会実装を推進するため文科省や経済産業省を中心に、大学でAI×専門分野のダブルメジャー(複数の異なる専攻分野を同時に主専攻として学ぶこと)を促進し、年間25万人のAI専門家の育成が進められているようです。このように日本ではようやくデータサイエンス学部や大学院が開設されるようになってきました。

 

しかし、アメリカ国内のデータサイエンス専門学部が500以上もあるのに対し、2017年時点で日本では滋賀大学のデータサイエンス学部のみ。世界の中では日本がかなり遅れているのが現状です。

また中国では、2018年4月に全国40校のトップレベルの高校向けに「人工知能基礎」の教科書が出版されました。そこにはAI研究の歴史から画像認識、音声認識、動画認識などへの深層機械学習の適用、構文解析、GANなどの最新研究結果まで紹介されており、日本とはAI人材育成に対する力の入れ具合やスピード感の違いに大きな差が生じています。

 

日本のAI人材育成の課題を、大学・学生・企業それぞれで見ていくと、まず大学では、AI教育コンテンツがなく、教えられる先生がいません。企業や社会における本当の実例がわからないため、学生の興味を訴求できないという課題があります。

 

一方で、学生は、大学にAI教育のプログラムがないので勉強したくてもできません。また、そもそも「なぜAIが必要とされているのか」「社会や企業でどのようにAIが活用されているのか」がわからないため、AIの本質が理解できないのです。

 

さらに企業は、AIを学んだ学生を採用したくても学んでいる学生はほとんどいません。さらに人事担当者がAIを理解できていないため、誰を採用すれば良いのか分からないという問題もあります。

 

このように、特に日本においてはAIを作る人が一部の専門家に限定されているため、AIを作る人の範囲拡大が求められており、「限定されたAIの民主化」がAIビジネスの市場では急務となっています。

 

株式会社aiforce solutions

株式会社aiforce solutionsのビジョンは「AI民主化への挑戦」です。データが溢れるこの時代にすべての人々がAIを自由に活用できる社会の実現に向けて、弊社では大きく3つ、①AIコンサルティング事業 ②AI人材の育成事業 ③自動機械学習ツール「AMETERAS」(アマテラス)の開発に力を入れております。

さらにAIの専門家でなくてもAI活用による業務生産性向上のメリットが得ることができるように、数クリックで簡単にデータ分析ができるサービス「AMATERAS RAY」(アマテラス・レイ)と、ビジネスの現場で活かせるAI人材を育成するオンラインプログラム「AMATERAS EDU」(アマテラス・エデュ)の2つのサービスを提供しています。

B-Rサーティワンアイスクリーム株式会社や本田技研工業などのAI導入プロジェクトに参画し、以前は3ヵ月かけていた分析時間を15分に削減、また知財部員の業務量70%削減などの成果を残しております。

2019年7月に住友商事様と資本業務提携を結び、住友商事グループのさまざまな事業領域においてDX推進支援を行っています。直近では2020年9月14日にDBJキャピタル様、住友商事様、ゴードン・ブラザーズ・ジャパン様、みずほキャピタル様、七十七キャピタル様を引受先としてシリーズA総額2.6億円の資金調達を実施しました。DX推進に向け今後さらに人員を拡大させていく予定です。

西川智章様ご経歴

PwCコンサルティングやAIベンチャーにて主に日本並びに東南アジア地域の金融、製造、農業インダストリー向けにAIビジネスコンサルティングやビックデータ解析サービス、先端技術を活用したビジネスモデルの構想・計画策定などを支援。これまで、事業会社等にて中国事業の立ち上げ、ビックデータ事業部の立ち上げ、AI事業の立ち上げなどに従事。米国公認会計士(ワシントン州)、人工知能イニシアティブ会員、データサイエンティスト協会会員。日本語・中国語・英語のトリリンガル。

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これからの時代を担う高度な人材と、イノベーションを求める企業の両面を支える存在でありたいと思っています。