WACC(加重平均資本コスト)とは?計算例・計算上のポイント・手順と注意点を解説

WACC(加重平均資本コスト)とは?計算例・計算上のポイント・手順と注意点を解説

コンサルティングファームから投資銀行へ転職された方で、加重平均資本コスト(WACC)の計算でつまずかれる方が一定数いらっしゃいます。そこで、今回は加重平均資本コスト(WACC)を計算する時の注意点についてお伝えします。
WACCはバリュエーションの実務で頻繁に使用されますが、実際に計算した事がないとどこに注意した方が良いか分からない方も多いのではないでしょうか。ここでは投資銀行等の実務で使用されるWACCの計算の注意点についてご紹介します。

WACCとは

WACCとは加重平均資本コスト(Weighted average cost of capital)の事を言います。WACCは対象会社の事業価値 : enterprise valueを計算する際に、アンレバード・フリーキャッシュフローに対する割引率として計算されます。
実務上はディスカウンテッドキャッシュフロー法:Discounted cash flow(DCF)によるバリュエーションを行う際に計算される事が多いです。
事業会社の経営企画でM&Aを担当される方でも、社内で簡易的にバリュエーション実施するためにWACCを知っておいて損はありません。
投資銀行では、アナリスト等の若手のバンカーが、対象会社のバリュエーションを実施する際にWACCを計算する事が多く、比較的簡単と思われがちですが、実務上は案件に応じて考慮すべき点も多いのが特徴です。

WACC計算時に使用する類似企業

WACCの計算においては、類似企業比較法において必要な、分析で使用する類似企業の選定を行います。
ここで行う類似企業の選定は、類似企業比較法のバリュエーションにおいて採用した類似企業のグループと整合している必要があります。
ただし、整合している必要があるだけで完璧に一致させる必要はありません。なお上場会社のWACCを計算する場合は上場会社である対象会社をベースにしたWACCの計算と、選定した類似企業に基づいたWACCをの両方計算しておく方がベターでしょう。
一方で非上場会社が対象会社である場合には、WACCの計算において、上記のようにしっかりと類似企業を選定したうえで、アンレバードβ(後ほど説明)と、DEレシオ(資本構成)の平均値と中央値を計算しておく必要があります。

資本構成:DEレシオ

WACCを計算する際に留意すべきもう一つの点は、上記で選定した類似上場会社をもとにDEレシオの平均値と中央値を計算して最適資本構成と思わしきものを検討する事です。
対象会社のDEレシオと、類似企業を元に計算されたDEレシオを比較して大きな乖離があるかどうかをチェックする事も重要です。
DEレシオはネットデットベースとグロスデットベースのどちらで計算するかどうかという議論がありますが一般的にはグロスデットベースで計算する方が適切です。
特に業界によっては、ネットキャッシュの企業が多いところもあるので、ネットキャッシュベースでDEレシオを計算すると、DEレシオがゼロとなり、有利子負債とエクイティ(株主資本)といった資本構成が適切に反映されない恐れがあります。
したがって、DEレシオを計算する際には総有利子負債と、エクイティの両方の数値を使って比率を出す事が肝要ですので注意しましょう。

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