ケース面接の代表的なパターンと例題・解答【現状の売上推計と利益拡大策<音楽サブスクの利益拡大>】

最近は、ケース面接でネットビジネスやサブスクモデルが題材とされるケースも多くなりました。
今回は、音楽サブスクの売上推計と売上拡大策について例題・回答例を紹介します。
今回の課題は以下の通りです。
日本でシェア10%を持つ音楽サブスク企業Aの売上を推計して、売上高を30%増やす方策を考えよ。
Index
前提や問題設定の整理
音楽サブスク企業というと、一般に「月額料金を徴収するビジネスモデル」で「加入者に音楽配信を実施する」企業と考えられます。現実には複合的なネットビジネスを営む企業もありますが、ここでは「音楽配信ビジネス」のみにフォーカスして分析していきましょう。
課題にはシェアが10%と記載されています。これは「日本全体の音楽配信ビジネス」の市場規模を推計したうえで、その1/10を企業Aの売上として計算すれば良いと考えられます。
売上高の推計
月額料金方式のサブスクビジネスの場合、次のような計算式で売上を試算可能です。不用意に試算を複雑にしないため、そして後半の売上拡大策のアイデアとして活用するためのテクニックとして、上位プランなどの設定はあえて考慮しないことにしましょう。すると、売上高の計算式は次の通りです。
売上高=ユーザー数✕月額料金✕12カ月
月額料金は、自分で前提を設定して構わないでしょう。ここでは月額1,000円とします。ちなみに2025年現在、Spotifyのスタンダード価格は税込1,080円のため、仮定の数値は不自然ではないでしょう。
本件で分析の中心となるのは、ユーザー数の分析となります。日本全体において、どのくらいのユーザー数がいるか考えてみましょう。
音楽のサブスクビジネスは、20代を筆頭に高齢になるほど利用率が下がるという仮説を立てます。
「歳をとるほどCD全盛の時代が懐かしくなる、また収入に余裕があるため、コレクションとしてCDを所有したがる層が増える」との考えから、この仮定には違和感がないでしょう。
最も比率が高いと想定される、20代の音楽サブスクサービスのユーザー割合を考えてみます。若年層は、トレンドの曲を追う意欲が高い人が多いことから、過半数が日常的に音楽を聴くと考えられます。ここでは世代全体の60%が日常的に音楽を聴くとしましょう。
20代では、CDよりも配信サービスの利用率が高いと考えるのが自然です。ここでは2/3が音楽サブスクサービスに加入していると仮定します。すなわち、20代の音楽サブスクサービス加入者は世代全体の40%と試算可能です。
高齢者は、頻繁に音楽を聴く割合自体が少ないと想定されます。ここでは、60代までの中に、音楽サブスクのサービスユーザーが一定いると考えましょう。そこで、以下のような前提のもと、利用率や売上を試算します。
音楽サブスクサービスの利用率
|
年代 |
サブスク利用率 |
|
20代 |
40% |
|
30代 |
30% |
|
40代 |
25% |
|
50代 |
20% |
|
60代 |
15% |
20代は、流行歌への関心が高いことや、Webサービスが広く浸透した時代を生きていることを踏まえて、突出して利用率が高いものと想定しています。
次に、日本の人口を1.2億として、0代から80代以上までを9つのレイヤーに分けるとすると、1つの年代の人口はおよそ1,300万となります。(端数は無視して構わないでしょう)
すると、各年代の音楽サブスクユーザー数は次の通りです。
- 20代:1,300万名✕40%=520万名
- 30代:1,300万名✕30%=390万名
- 40代:1,300万名✕25%=325万名
- 50代:1,300万名✕20%=260万名
- 60代:1,300万名✕15%=195万名
以上の各年代のユーザー数を合計すると、1,690万名が音楽配信サービスを利用していると試算されます。一般的に音楽配信サービスは、1つ加入すれば充分な数の曲を聴けるため、ここでは1名当たり1サービスしか加入していないと仮定して問題ないでしょう。
以上を踏まえると、音楽サブスク市場全体の規模は以下の通りです。
1,690万名✕1,000円✕12カ月=2,028億円
ただし、実際の日本国内ストリーミング売上は、約1,233億円であり、上記の試算は実際の市場規模の約1.7倍に当たります。
本ケースは、あくまで「面接練習上の仮定モデル」として妥当な簡略化とみなしてください。
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