株式会社Algoageインタビュー/DMMグループで”連続的に事業を創造”する元コンサルの描く未来

「次の当たり前を生み出す。」をミッションに掲げ、複数事業を展開する“事業創造会社”、株式会社Algoage。東京大学AI研究室出身で、ともに戦略コンサルティングファームを経てきた横山勇輝CEOと上西智執行役員。「支援する側」から「つくる側」へと立場を変え、横山は生成AIを軸とした事業創造に、上西は連続的に事業を創り出すための仕組みづくりに取り組んでいます。「AIが業務の中で人と協働し、価値を生み出す状態をつくる」という第3の事業構想。名実ともに”事業創造会社”となるための戦略を聞きました。
Index
チャットマーケ、AI研修、新規事業——“事業創造会社”が掲げる3つの柱
加藤
まず御社の事業についてお伺いします。現在、どのような事業を展開されているのでしょうか?
上西様
1つ目は、BtoCビジネスを行う企業向けのサービス「DMMチャットブーストCV」です。LINEを活用した販促を軸に、“チャットマーケティング”という新たなコンセプトを掲げ、企業の商品・サービスをLINE上で効果的に訴求するための運用支援を行っています。LINEでのコミュニケーション設計から運用までを一気通貫で支援し、CV(コンバージョン)向上を狙う事業です。
2つ目は、法人向けAI研修事業「DMMビジネスAI研修」です。企業のAI活用を促進するための研修プログラムを提供しています。
3つ目は、新規事業として進行しているサービスで、現時点では詳細については非公開としています。CEOの横山がフルコミットしており、生成AIを主軸とした新しいサービスを開発・推進しています。
加藤
複数事業への取り組みの源泉はどのようなものでしょうか?
上西様
当社は、プロダクトや事業を次々と生み出していく“事業創造会社”というコンセプトを掲げています。
その背景には、DMMグループの中にいることで攻めた投資ができる環境があることと、私やCEO横山を含む経営チームが「事業を創ること」そのものに強い魅力を感じていることがあります。
実際に、主力のチャットマーケティング事業がまだ赤字の時期から、可能性のある領域であれば、独立して2つ目、3つ目の事業立ち上げにチャレンジできているのは、DMMグループの投資環境があるからこそです。成長の可能性があると判断できれば、通常では踏み込めない“前のめりな投資”も実行できる点に魅力があります。
だからこそ私たちは、事業をつくり続けるスタンスをあえて明確に打ち出し、発信しながら会社をさらに大きくしていきたいと考えています。
一方で、ただ何でもやればいいわけではありません。大事にしていることは2つで、一定以上のインパクトや規模のある事業を生み出すこと、そして「本質的な価値」に向き合うことです。単に儲かればいいのではなく、お客様に求められる価値を提供できるか、そして事業として大きく育つ可能性があるか。この両立ができるものであれば、ドメインに縛られずに挑戦していきたいと考えています。
加藤
DMM社自体も複数事業を展開され、新規事業にも積極的な企業だと思います。その中で、御社の立ち位置や特徴はどのようなところにあるのでしょうか?
上西様
DMMグループは、次々と新規事業を生み出しながら領域を広げていく企業文化が特徴です。事業間のシナジーにこだわりすぎず、収益性が見込める幅広い挑戦をしていく――そうした自由度の高さが、DMMらしさといえます。
その中でAlgoageは、DMMグループのスピード感や挑戦の土壌を生かしつつも、より強く「本質的な価値」に向き合う姿勢を打ち出している点が特徴です。
「本当に顧客に価値を届けられるものは何か」「社会にとって意味のあるものは何か」といった本質を軸に、トレンドに流されず、顧客の業務や課題に深く入り込む形で事業を立ち上げることを大切にしています。

「シンプルな指示で感動の結果、でも業務では使えない」AIエージェントの壁を破る新規事業
加藤
“事業創造会社”に向けて、第3の事業を開発中と伺っておりますが、差し支えない範囲で、現在どのような構想が進行しているのか、お聞かせいただけますか?
横山様
生成AIの登場によって事業のあり方やビジネス構造が大きく変わると感じています。AIについてはディープラーニング時代から見てきましたが、今回の変化は正直“次元が違う”ものだと思っています。
だからこそ「生成AI時代に最も生成AIらしい事業とは何か?」という問いから、この事業構想はスタートしました。それが今この事業に取り組んでいる一番のモチベーションです。
具体的な内容については詳細をお話しできないのですが、ざっくりいうと、「AIエージェント」のように業務をAIで自動化していく中で、「どうすれば本当に価値を出せるのか」という点に徹底的に向き合っています。世の中には「AIで業務が自動化できます」というプロモーションも多いですが、実際の業務に耐えうるレベルまで落とし込めている例は、まだ限られていると感じています。
そうした状況下で、本当に価値を出すにはどうするべきかを腰を据えて取り組めるプレイヤーは、実は多くないと思っています。
だからこそ投資体力のある環境を生かし、「AIが業務の中で人と協働しながら価値を生み出すにはどうすればいいか」というテーマで事業化に取り組んでいます。
上西様
この第3の事業は、単に「新しい事業が1つ増える」という位置づけではありません。今後Algoageが複数事業を連続的に生み出していくための“基盤“になるものだと考えています。
最近、複数の事業を同じ基盤の上で立ち上げていく「コンパウンド」という考え方が浸透してきていますが、私たちもまさにそれを目指しています。第3の事業の成否が、その先に続く第4・第5の事業創造の起点になります。だからこそ、代表の横山が自らフルコミットし、重要なプロジェクトとして推進しています。
加藤
生成AIやAIエージェントを業務で活用するとなると、課題も多いと思います。現状のボトルネックはどこにあると見ていますか?
横山様
今のAIは、シンプルな指示でも感動するレベルの結果が得られます。しかし「業務でこうしてほしい」「この条件通りに動いてほしい」と要求が具体的になると、思った通りに動いてくれない――これは実際に使っている人ほど感じるところだと思います。
しかし、原因は明確で、結局はコンテキスト(文脈)をAIにきちんと与えられるかどうかにすべてがかかっています。
業務の背景や顧客の情報をすべて文章化してAIに渡せば理論上は動くのでしょうが、それは現実的ではありません。さらに、これは誰かが頑張れば解決できるというよりも、各社がそれぞれの業務に合わせてコンテキストを整理しないといけない領域なので、簡単には解けない難しさがあります。
当社はまず、DMMの社内で徹底的に「業務で使える状態」に落とし込み、それが他社でも汎用的に使える形式にできるのか検証を重ねています。――そこが今、事業として取り組んでいる不確実性でもあり、可能性でもあります。
「AIが業務の中で人と一緒に働き、価値を出せる状態をどうつくるか」。その問いに今、真正面から取り組んでいます。

DI出身CEO×ADL出身役員、東大AI研究室の同期2人が再集結した経緯
加藤
あらためて、横山様のご経歴と入社の経緯を教えてください。
横山様
東京大学で、学生時代はAI系の研究をしていました。在学中には起業もしていて、AI技術を使ったアプリをつくり、世の中に出す経験をしています。この時一緒にやっていたメンバーの一人が研究室の同期でもあった上西です。
当時は英単語アプリを開発していて、AIが「忘れるタイミング」を予測し、忘れたものだけを出題する仕組みでした。自分が欲しいと思ったものを技術で形にし、すぐ世の中に出せる。その体験を通じて、テクノロジーで社会を良くできるという手触り感を強く持ちました。
一方で、アプリ開発を一生続けたいかというとそうではなくて。社会人として時間をかけるなら、技術だけでなく事業としても大きく育て、社会にインパクトを出せる方がやりがいがあると感じました。
そこで新卒では、新規事業に強い戦略コンサルティング会社のドリームインキュベータに入社し、約2年経験を積みました。仕事はすごく楽しく、正直辞めたくはなかったです。
ただその頃、創業者である大学同期の2人からずっと声をかけてもらっていて、ちょうど会社がDMMグループにジョインするタイミングでもありました。ベンチャーでありながら大企業のリソースを生かせて、しかも立ち上げ期から参画できる機会はそう多くありません。人生の中でも稀なチャンスだと思い、思い切って飛び込みました。
加藤
上西様のご経歴についても、教えてください。
上西様
横山と同じく東京大学でAI系の研究を行っていました。研究や課外活動に取り組む中で、新しい技術を活用する魅力的な構想を描いても、消費者の受容性やリソース、法律の制約といった壁に直面することがありました。そうした経験を通じて、技術やアイデアそのものへの関心に加え、「その実装をいかに推進するか」という点にも、より強く目が向くようになりました。
そこで、新卒で新規事業と技術戦略に強い戦略ファームであるアーサー・ディ・リトル・ジャパンに入社しました。在籍4年弱の間に、新規事業開発に加え、官公庁との新産業創出案件やファンドとのM&A案件など、幅広いプロジェクトに携わりました。その中で、どう構想を描き、それを現実に落とし込めるのかを考え続けられたことは、非常にやりがいのある経験でした。
Algoageには、当初は副業として、サッカーのプレー分析を行うAI受託開発のPJに携わっていました。ちょうどその頃、会社としてAI受託開発から事業創造へと舵を切る決断をした時期で、「副業ではなく、フルコミットで一緒にやろう」と誘ってもらい、入社を決めました。
加藤
大手コンサル企業からベンチャーへの転職は大きな決断だったのではないでしょうか。ご友人の存在以外に、「ここにベットしよう」と思えた決め手は何だったのでしょうか?
上西様
コンサルが嫌で辞めたわけではなく、仕事自体はすごく好きでした。ただ、働く中で、どこまでいっても「アドバイザー」という立場であることに、次第に限界も感じるようになりました。
そんな中で、DMMのアセットをフル活用しながら、事業と組織をこれから創りあげていく。そのフェーズの挑戦に本気で向き合える環境がAlgoageにあると感じたことが、転職を決めた一番の理由です。
「論点設計→タスク分解→アサイン」コンサルの日常がAI時代にハマるわけ
加藤
コンサルティングファームに在籍していて、事業会社にチャレンジしたい方も多いと思います。魅力や苦労した点を教えてください。
横山様
私自身、事業をつくれるようになりたいと思ってコンサルに行き、戦略のパターンをたくさん学びました。ただ、実際に自分で事業を立ち上げるのは、支援するのとは全く違いましたね。使う筋肉が全く違うという意味では苦労もありましたが、その分、自分で事業を動かしていく面白さも強く感じました。 とはいえ、戦略コンサルで培った基礎トレーニングは本当に活きます。頭の切り替えは必要ですが、その切り替え自体がすごく良い訓練になりました。
コンサルのスキルをそのまま生かし、安定的にキャリアを積むことは可能です。一方でチャレンジしたいと思った時に、全く知らないベンチャーに飛び込むのは、確かに不確実な部分も多いと思います。しかし、私たちのように戦略コンサルで培った考え方を、そのまま事業づくりに活かせる環境で、さらにDMMのリソースも活用しながら裁量を持って働ける点は、チャレンジしやすいと思います。
加藤
AI領域において、コンサル出身者のスキルはどのように活きるのでしょうか?
横山様
AI時代の事業づくりにおいて、コンサル出身者には主役になれるチャンスがあると思っています。業務をどうAIに任せるかを考える上で重要なのは、業務を整理して構造化する力です。コンサルの方は、知らない領域でもゼロからキャッチアップして、論点を整理していく訓練を日常的にしてきています。これはAIを業務にオンボーディングする上で、実は最も重要な能力だと思っています。
AIがコンサルの仕事を置き換えるといわれることもありますが、私はむしろ逆で、AIが活躍するために必要な力をコンサルキャリアの方々は持っている。実業務の中でそれを使っていくことで「AI時代にこの能力をどう生かせるか」を発見できるのが面白さだと思います。
実際、調査やメモ取りのような作業はAIに任せられる時代になってきています。でも怯えるのではなく「そこをやらなくていいなら、より価値の高い判断や設計に時間を使える」と考えるべきだと思っています。
AIを使う上では、的確な指示を出すことで成果が大きく変わります。それは、論点設計をしてタスクを分解し、アサインして成果を出すという、コンサルが日々やってきた仕事に近い。そういうメタな能力は、AI時代にこそ強く求められていると感じています。

「経験ゼロでもOK、ただし技術が好きなことは必須」AI事業で求められる本当の力
加藤
AI領域に関心はあるものの、現職でAIプロジェクトに触れていない方や、技術バックグラウンドがない方でも御社にチャレンジすることは可能でしょうか?
横山様
可能です。生成AI領域は新しすぎるので、専門性よりも「どれだけ早くキャッチアップできるか」の方が重要だと思っています。それはコンサルの方が普段やっていることですよね。
もちろん、最低限「AIや技術が好きで、興味を持てること」は大事です。そこがないと正直厳しい。でも「経験がないから無理」と決めつけるのは、現段階では適切ではないと思っています。
加藤
BizDevなどのポジションでは、どのようなスキルを重視されますか?
横山様
事業開発には決まった型や正解がある訳ではないため、特定のスキルのみを重視しているわけではありません。むしろ、これまでの経験において「どのようなスキルを駆使し、どのようなプロセスを経て結果を出したのか」という、再現性に繋がる要素を大切にしています。
私も上西も、事業経験がない状態でこの会社に入り、試行錯誤しながら事業づくりに向き合ってきました。そのため、経験者でなければならないとは考えていません。コンサルから飛び出して、初めて事業をつくってみたいという方ともぜひ一緒にやりたいです。
スキル面でいうと、抽象的に考える力と、実行力のバランスが重要だと考えています。どちらかに偏りすぎると活躍しづらい。常に「事業にとって一番重要なことは何か」に立ち戻って、フラットに議論できる力は大事だと思います。
加藤
御社のチームの雰囲気や働き方について教えてください。どのような方がフィットしやすいと感じますか?
横山様
当社は「事業をつくる」「事業を伸ばす」ことが好きなメンバーが集まっていて、それがミッション・ビジョンにも表れています。
たとえばコンサル出身の方で、「この業界の構造ってどうなっているのだろう」「どう伸ばせばいいのだろう」と考えるのが好きな方はすごく合うと思います。
また、ただ議論するだけではなく、実行までやり切ることを大事にしていて、「やり切ってこそ意味がある」という思想が前提にあります。コミットして事業づくりに向き合いたい方には、すごくフィットする環境だと思います。
「3〜5年で数十億円規模の事業を複数」名実ともに“事業創造会社”になる道筋
加藤
今後の成長戦略について教えてください。
上西様
3〜5年で数十億規模の売上につながる事業を複数立ち上げ、名実ともに“事業創造会社”になることを実現したいです。
そしてそれが単に収益性だけではなく、「本質的な価値に向き合う事業」であることが重要です。実績を伴って認知され、「ここで事業をつくりたい」と思ってもらえる会社になっていきたいですね。
また、事業が一つ立つだけではなく、そこからさらに新しい事業が生まれていく。そのための枠組みや土台も、しっかり整えていきたいと考えています。

横山様
基本は上西が話した通りですが、当社は「この事業でこうする」という戦略よりも、事業が連続的に生まれ続ける状態そのものを目標にしています。だからこそ、事業の種も必要ですし、それを実現できる人が集まる会社にしたい。
DMMグループでありながらスタートアップでもあるこの環境は、日本でも他にないくらい事業立ち上げに向いていると確信しています。すでに事業もいくつか生まれていて、AI時代を踏まえた構想もある。今はまさに“あとはやるだけ”のフェーズです。
今は「Algoage 2.0」のスタート期でもあるので、再現性高く事業を立ち上げるチャレンジをしたい仲間と一緒に進めていきたいです。


東京大学および同大学院にてAI分野の研究に取り組む。在学中に教育分野での研究内容をサービス化して起業。卒業後はドリームインキュベータにて、大手企業の新規事業戦略策定・実行支援に関する多様な案件に従事。2020年にAlgoageに参画。数々のAI受託開発のプロジェクトを牽引したのち、COOを経て、2023年6月に代表取締役CEOに就任。

東京大学および同大学院にてAI分野の研究に取り組む一方、課外活動において総長賞を受賞。卒業後、アーサー・ディ・リトル・ジャパンにて、大手企業の新規事業・技術戦略から官公庁の新産業創出支援まで、多岐にわたる案件に従事。2022年にAlgoageにBizDevとして参画。CEO室・経営企画を経て、2024年11月に執行役員・コーポレート管掌に就任。

2018年、東京大学で機械学習を研究していたメンバーにより創業。2020年にDMMグループに参画。「次の当たり前を生み出す。」をミッションに掲げる”事業創造会社”として、チャットマーケティング事業「DMMチャットブーストCV」、法人向けAI研修「DMMビジネスAI」、生成AIを軸とした新規事業の3事業を展開。本質的な課題に向き合いながら社会に変化を生み出す事業を連続的に創出する組織づくりに挑む。

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。
株式会社Algoageの求人情報の求人情報
| 募集職種 | 新規事業開発 / BizDev (未来のCxO候補/新規事業創造会社/+AIプロダクトの立ち上げ) |
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| 職務内容 | ◻︎ 募集背景 ◻︎ 業務内容 ▼カスタマーサポート支援AI事業の事業責任者候補の業務 2)事業グロースにむけた推進計画策定と実行 ◻︎ 本ポジションの魅力 |
| 応募要件 | ■必須スキル■ 2. 事業開発・推進に関する下記すべての要件の経験があること ■歓迎スキル■ ■求める人物像■ |


