テイラー株式会社 インタビュー/「工数10分の1」で世界のERPを刷新、元マッキンゼーが仕掛ける革命

テイラー株式会社 インタビュー/「工数10分の1」で世界のERPを刷新、元マッキンゼーが仕掛ける革命

テイラー株式会社は、「Headless ERP」という新しいコンセプトで企業のデジタル基盤を革新するスタートアップです。代表取締役の柴田陽様はマッキンゼー・アンド・カンパニー出身、CTOの髙橋三徳様はメルカリR&D責任者という異色の組み合わせで創業し、日本拠点の企業として史上初めて、米国シリコンバレーの名門アクセラレーター「Y Combinator」に採択されました。

同社が開発する「Tailor Platform」は、従来数年かかるERPを10倍のスピードで構築できる開発基盤で、戦略コンサルタントとエンジニアが手を組んだプロフェッショナルサービスを武器に、日本から世界へと展開を目指しています。

今回は、マッキンゼー・アンド・カンパニーで活躍されたシニアパートナーの髙橋友紀様に、コンサルティング業界の構造的課題と、テイラーが仕掛ける変革について伺いました。

20年のキャリアで感じ続けた「違和感」が、転職の決め手に

尾股
本日は、AIとプラットフォーム技術でコンサルティング業界に変革を起こすテイラー株式会社のシニアパートナー・髙橋友紀様にお話を伺います。まずは、これまでのキャリアと、テイラーへの転職に至った背景を教えてください。

髙橋様
私のキャリアは大きく3つのフェーズに分かれます。最初の6年間はIT業界で、事業会社やインドのIT企業でエンジニアとして、実際にコーディングやデータベース設計に携わっていました。当時から感じていたのは「本当にこのシステムは必要なのか」という違和感です。意思決定の場にいないエンジニアとして、使われないシステムを作ることに疑問を感じ、上流の意思決定に関わりたいと思うようになりました。

その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーで計8年間、戦略コンサルタントとして経営層向けのプロジェクトに従事しました。新規事業や業務改善の提案をするのですが、今度は逆の課題に直面したのです。クライアント側にIT人材がいなかったり、基幹システムの改修中で新規サービス開発を始められる時期にないと言われたり。結局、大量のパワーポイントが形にならないまま時間だけが経っていく──そんな経験を何度もしました。

3つ目のフェーズでは、ベイカレントやグロービングといった日系コンサルティングファームで約8年間、半分コンサルタント、半分経営者として、組織の拡大と人材育成に携わりました。

尾股
豊富なご経験をお持ちの中で、なぜテイラーを選ばれたのでしょうか。

髙橋様
一言で言えば「時が満ちた」と感じたからです。近年の生成AIの進化と「Tailor Platform」という技術基盤により、戦略コンサルタントがパワーポイントを作るのと同程度の工数で、実際に動くソフトウェアを開発できる時代が来たのです。
私がずっと感じてきた「上流と下流の分断」──戦略を描く人と実装する人が分かれていることによる非効率──これを解消できる環境がテイラーにはありました。コンサルタント冥利とエンジニア冥利、その両方を味わえる。まさにキャリアの集大成だと思って入社を決めました。

髙橋様

ビジネスコンサルタントとエンジニアが手を組む、唯一無二のモデル

尾股
テイラーという会社を、初めて聞く方にも分かりやすく説明していただけますか。

髙橋様
2つの要素で構成されています。1つ目は「人」。ビジネスコンサルタントとエンジニアが手を組んで問題解決をしていく会社です。2つ目は「技術」。それを支えるのが「Tailor Platform」という技術基盤で、両者が議論しながら動くものを素早く作っていくことを可能にしています。
コアビジネスは、このプラットフォームを活かした高速システム開発です。ただ、ビジネスは拡大し続けていて、今ではIT資産の診断やIT戦略の策定、さらにはITから離れた営業現場の業務変革や工場の課題解決まで、弊社に求められるフィールドは広がっています。この1年で本当に変わってきましたね。

尾股
他社と比較して、テイラーの圧倒的な強みは何でしょうか。

髙橋様
「アイディアを思い立ってから、実際に動くものをクライアントにお届けするまでの時間と工数が小さく済む」──これが絶対的な差別化要素です。スタート地点はさまざまで、作りたいものが決まっているクライアントもいれば、戦略構想や業務改善から考えたいという段階のクライアントもいます。どんなスタート地点からでも、動くものを届けて実際に使っていただくまでが圧倒的に速い。
これを支えているのは、AIだけでなく、「Tailor Platform」という部品群です。本番に近い環境で、同じプラットフォーム上で素早く開発できる──このスピード感は他社には真似できません。

尾股
他社が追随してくる可能性は?

髙橋様
2つの理由で難しいと考えています。1つは、私たちが早期に大規模な資金調達を行い、技術的な先行者優位を確立していること。もう1つは、既存の大手企業にとって、これは自分たちのビジネスを壊しかねない技術だからです。
既存の基幹システムで利益を得ている会社や、ERP導入で数億円規模のプロジェクトを何年もかけて受注している会社にとって、10分の1の工数で問題解決できるソリューションは、むしろ脅威なのです。だから大手も新興企業も、なかなか追随しづらい。結果として、私たちは唯一無二の存在になっています。

日本発のソリューションで、グローバル市場を切り拓く

尾股
今後の成長戦略について教えてください。

髙橋様
大きく3つの成長領域があります。1つ目は「上流への拡大」。システム開発から始まった私たちが、経営層やビジネスリーダーと議論し、新規事業やエンド・トゥ・エンドでの業務変革を提供できるようになること。より大きなインパクトをクライアントに届けたいのです。

2つ目は「プラットフォームの充実」。現在は主にエンジニア向けの開発支援としての機能が多いですが、エンドユーザー向けの画面やビジネスロジックも急速に拡充しています。テイラーメイドの良さを持ちながら、すぐ使える選択肢も提供していく。

3つ目は「グローバル展開」です。私たちには日本とアメリカのダブル拠点があり、自社製品の開発メンバーは世界中に存在しています。創業者の思いとして「グローバルから始めることで日本に閉じこもらない」という想いがあり、グローバル標準を目指しています。

尾股
日本とアメリカ、両拠点の関係性は?

髙橋様
私たちのルーツは日本にありますが、視座は常に世界を捉えています。ERPという巨大なマーケットの主戦場であるアメリカに本社を置き、現地のトップティア・キャピタルと強固に連携。一方で、基本的な本社機能の多くは日本においています。また、実務を支えるプラットフォーム開発やデリバリーチームは日米両拠点に配置しています。

私が「日本発」を重視したいのは、現場主義の思想が強い日本こそERPの課題が顕著だからです。日本企業はERPが馴染んでいない、カスタマイズ率が高い、標準機能で満足できていない──こうした課題が世界に先んじて顕在化しています。私たちはそこにいち早く気づいて取り組んでいる。同じニーズは、潜在的にも顕在的にも世界中の企業が抱えているはずです。テイラーであれば未踏の課題に挑み、日本から世界をアップデートすることができると考えています。

髙橋様

「80:20の法則」を覆す、ゲームチェンジの可能性

尾股
ERPの常識を変えるというのは、具体的にどういうことでしょうか。

髙橋様
従来のシステム開発では「標準で抑えた方がいい」「カスタマイズするとコストがかかる」という思い込みに近いバイアスがありました。よくいわれる80:20の法則──100ある業務のうち80%は競争優位につながらないから標準パッケージでいい、という考え方です。
でも本当にそうでしょうか? トヨタの業務の80%が差別化要素につながらないなんて、絶対にありえません。100の業務があったら、100全部を突き詰めて最適化していい時代が来たんです。これは完全なゲームチェンジです。
テイラーなら、従来の10分の1の工数で実装できるので、全ての業務プロセスを最適化することが現実的になります。ITコンサルタントやERPコンサルタントにとって、やり方が根本から変わる時代が来ています。

髙橋様

「大人なベンチャー」が生む、心理的安全性

尾股
入社前後でギャップはありましたか?

髙橋様
正直、もっとガツガツした怖い人がいるのかなって思っていたんです(笑)。でも実際に入ってみたら、驚くほどみんなプロフェッショナルな大人でした。一人ひとりが自分の仕事に強い責任感を持ちながら、周囲への敬意や気遣いを忘れない。丁寧で優しいけれど、芯はプロとしてしっかり通っている。そんな心地よいリスペクトが根付いています。
少人数のベンチャーにありがちな、カリスマによるワンマン経営の空気も全くありません。創業者の柴田さんや三徳さんに対しても、メンバーは遠慮なくどんどん意見をぶつけます。議論の結果、一度は創業者の意見に決まったとしても、1週間後には現場の意見を取り入れてひっくり返っていることもあるくらい(笑)。非常にオープンで、クールで大人なベンチャーだと感じています。

尾股
そうした文化はなぜ生まれたのでしょうか。

髙橋様
創業者2名の性格と人徳によるところが大きいと思います。私もこれまでの社会人経験の中で「裏ボス」的な存在がいたり、一部の部署がブラック化している状況などを見てきたこともありますが、テイラーにはそれがありません。誰かが誰かを力でコントロールしようとするのではなく、全員で高め合っていこうという想いが、ごく自然に浸透しています。
また、失敗を責めたり、相手を追い込むようなフィードバックもありません。むしろ、良いアウトプットは全力で称え合い、課題があれば「どうすれば次は良くなるか」をオープンに建設的に話し合う。そういう気遣いのある人が多いですね。

シニアパートナーが毎週1on1──圧倒的な成長環境

尾股
成長環境について教えてください。

髙橋様
まず、オンボーディングが手厚いです。入社すると、個人別にテイラーメイドでオンボーディングドキュメントが作り込まれます。「この人のキャリアなら、この人がメンターがいい」といった形で、3ヶ月先まで設計されている。他社ではあまり見ない制度で、非常に良い仕組みです。
その後のコンサルタントのキャリアは3段階で考えています。1つ目は、コンサルタントとしてしっかり成長すること。私のようなシニアパートナークラスが、提案段階からプロジェクトまでしっかり時間をかけて、週1回の1on1も実施します。通常のIT系コンサルティングファームだとピラミッド構造で1つ上の人がコーチになりますが、ここではシニアパートナーと毎週議論できる。成長速度が全く違います。

2つ目は、コンサルタント自身でシステム開発ができる時代の先駆者になること。最近社内でハッカソンを実施し、プログラミングを知らなくても生成AIを使ってものづくりができることが改めて実証されました。エンジニアと二人三脚で開発できるのは当たり前で、コンサルタントが個でも動くものまで作れる──その第一人者になってほしい。

3つ目は、経営への参画、あるいは独立です。創業者は2名とも、これまでにいくつもの会社を立ち上げてきたなので、経営のノウハウを学べます。問題解決して動くものまで作れるのですから、起業したくなる人も出てくるでしょう。そういうキャリアも全力で応援します。

髙橋様

謙虚さと素直さ、そして変化を楽しめる人を求む

尾股
どのような人材を求めていますか?

髙橋様
スキル面では、システム開発経験──ERPでもカスタム開発でも構いませんが、要件定義からリリースまで経験している方。and/orで、戦略コンサルタントや業務コンサルタントのように、ゼロベースで問題解決をした経験がある方を求めています。
クライアントから言われた通りのものを作るだけなら、コンサルタントの価値はありません。「もっとこうすべきでは?」と付加価値をつけられる、ゼロベースで議論できる力が重要です。
マインド面では、変化を楽しめる方。AIなどの技術は進化しており、それに対応して弊社の技術基盤も問題解決のアプローチや必要スキルも、大変なスピード感で変化し続けています。半年前には議論すらしていなかったことが、今は当たり前になっていたりする。最先端に身を投じていることを楽しんでいただける方には、最高の環境だと思います。

尾股
活躍している方の共通点は?

髙橋様
謙虚さと素直さですね。これを分解すると、1つは自責──外部要因ではなく、自分の中に改善点を見つけられること。もう1つは、まだまだ自分には足りない点があるというギャップを認識して、成長する努力を続けられること。そういう方が、テイラーには非常に多いと感じています。

AIに代替される仕事か、AIで進化する仕事か

尾股
コンサルティングファームや事業会社への転職と比較して、御社の魅力をどう伝えますか?

髙橋様
一言で言うと「AIで代替される仕事を続けるのか、AIや技術を自分で使って自分の仕事を進化させ続けるか」です。後者であれば、当社に来るべきです。

AIによって、コンサルタントの仕事は急速に代替されています。アナリストの仕事から代替が始まり、近いうちにパワーポイント作成も自動化されるでしょう。新規事業のアイデアは代替されないという意見もありますが、そのアイデアを実装する部分がAIで効率化されれば、クライアントがわずかなアイデアに高いコストを払い続けるとは思えません。
むしろ考えるべきは「コンサルタントが武器としてAIなどの技術を持ったら何ができるのか」。それがテイラーです。ゼロベースで問題解決して、翌週にはプロトタイプをユーザーに使ってもらい、2ヶ月後には成果物をリリースする──そういうスピード感が、新しいコンサルタントの姿になるはずです。

事業会社と比較しても、コンサルティングファームを経営するという経験は非常に貴重です。コンサルタントは業界知識も経営経験も、実はクライアントほど持っていません。いきなり事業会社の経営者になるのは難しい。それより、コンサルティングファームを経営する経験を1ステップとして挟む──これは独立を考える方にとって、非常に有意義なキャリアだと思います。

尾股
最後に、御社に興味をお持ちの方へメッセージをお願いします。

髙橋様
自分のキャリア、クライアントの業界、IT業界、コンサルティング業界──何かに対して違和感や「うまくいっていない」という感覚、将来への憂いを持っているけれど、周りに気づいてもらえない。そんな方は、ぜひ一度テイラーに話を聞きに来てほしいですね。
私たちは、その違和感を本気で変えようとしている集団です。平和ボケしているというと失礼かもしれませんが、そこから目が開きつつある人には、何かのきっかけになるかもしれません。

髙橋友紀様 テイラー株式会社

プログラマーエンジニア、ERPコンサルタント、ITコンサルタントとしてキャリアを積んだ後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにビジネス・テクノロジー・オフィスの初期メンバーとして参画。その後、株式会社ベイカレント・コンサルティングにて戦略コンサルティング及び海外拠点立ち上げなどの担当執行役員として、コンサルティングの高付加価値化とグローバル化を推進。Globe-ing Inc.のエグゼクティブパートナー兼執行役員を経て、2025年10月にTailorへ入社。

テイラー株式会社

Tailor Technologies, Inc.は大企業向けに、個社ごとにテイラーメイドされた業務ソフトウェアを10倍速で開発できるプラットフォーム「Tailor Platform」と、「Tailor Platform」上に構築された世界初のHeadless ERP(APIベースのERP製品)を、変化に強く、迅速に対応できる業務オペレーション基盤として、エンタープライズ企業向けに提供します。Tailorのコンポーザブルアーキテクチャにより、在庫、購買、出荷、会計、オムニチャネル管理といった業務モジュールを柔軟に組み合わせ、従来のERPにありがちな制約を排除。スキーマ駆動・APIファーストな設計により、自社独自のUI構築や既存システム連携が可能で、AI時代のスピード感をそのまま大企業のDXにもたらします。

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

テイラー株式会社の求人情報

募集職種

ITコンサルタント

職務内容

本ポジションの役割

顧客ごとにデジタル変革のプロジェクトを企画し、様々なビジネス、テクノロジ、プロセスおよび人々と関わりながら、要件定義・技術的設計と実装・システムデリバリーを通じて、価値を創出することが期待されます。

具体的な業務内容

・ERPシステムの技術的設計と実装
・システム間のインテグレーション
・インフラストラクチャの設計と最適化
・技術的な問題解決とサポート

応募要件

必須要件

・ITインフラストラクチャとシステム設計の経験
・ERPシステムの技術的な知識(カスタマイズ、インテグレーション、データベース管理など)
・プログラミングスキル(ABAP、Java、C#など)
・ネットワーク、サーバー、クラウド環境の知識
・優れた問題解決能力と技術的な分析スキル
・ネイティブレベルの日本語能力
・日本国内在住の方

歓迎条件

・特定のERPプラットフォーム(SAP、Oracle、Microsoft Dynamicsなど)の専門知識
・クラウド技術(AWS、Azure、Google Cloudなど)の経験
・セキュリティの知識と経験
・データベース管理(Oracle、SQL Server、MySQLなど)の経験
・DevOpsの知識と経験

求める人物像

・知的好奇心を高めることが好きな方
・当事者意識を持ち、セルフスターター志向で物事を推し進めていける方
・オープンマインドで建設的なフィードバックができる方

Brand ブランド紹介

アクシスコンサルティングでは、多様化するハイクラス人材のキャリアをワンストップでサポートしています。
あなたの理想のキャリアに向けて、20年以上の実績と知見でご支援いたします。