フリーランスコンサルとは?常駐・非常駐・兼業という3つの働き方を年収・案件・独立ステップから解説

コンサルティングファームで経験を積む中で、「パートナーを目指すのか、フリーランスコンサルとして独立するのか」とキャリアを考える方もいるでしょう。ただし、会社員の年収とフリーランスの案件単価だけで独立を判断するのは適切ではありません。案件の安定性、働く時間の自由度、社会保険、福利厚生、自身の市場価値なども含めて考える必要があります。
また、フリーランスコンサルの働き方は一つではありません。特定案件に高稼働で参画する「常駐型」、複数企業を限定的に支援する「非常駐型」、会社員を続けながら案件を受ける「兼業型」などがあります。
本記事では、3つの働き方の特徴や年収・案件単価、メリット・デメリット、独立に向けたステップを解説します。
Index
フリーランスコンサルタントとは?独立後の働き方の全体像
フリーランスコンサルとは、特定のコンサルティングファームや事業会社に正社員として所属せず、業務委託契約などを通じて企業の課題解決を支援する人材を指します。案件は経営戦略、新規事業、DX、業務改革、PMO、システム導入、M&A後の統合、組織・人事、マーケティングなど多岐にわたります。 週5日で一つの案件に参画する人もいれば、週2~3日の案件を組み合わせる人、会社員として働きながら外部案件を受ける人もいます。近年ファームからの独立者が増加している市場背景と最新動向
フリーランスとして独立するコンサルタントは、近年増加傾向にあります。当社でお付き合いをしているコンサルティングファーム出身者の中からも、多くの方から独立についてのご相談やご報告をいただいており、直近1年で240名の独立のご支援をさせていただきました。コンサル領域の中でも、DX、PMO、新規事業、M&Aなどの経験を持つ外部人材向けの案件が実際に公開されていることからも伺うことができます。
その背景には、フリーランスを企業が活用するための制度整備が進んでいることが挙げられるでしょう。2024年11月には「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行され、一定の発注事業者に取引条件の明示や報酬支払期日の設定などが義務付けられました。
こうした環境の中、「特定領域の案件に集中したい」「働く時間を自分で設計したい」「自社事業にも取り組みたい」と考えるコンサルタントにとって、独立はキャリアの選択肢の一つとなっています。
出典:公正取引委員会「ここからはじめる フリーランス・事業者間 取引適正化等法 」
SES(ITエンジニア)の「常駐」とは何が違う?コンサル領域における常駐の定義
フリーランスコンサルにおける常駐型は、必ずしも「毎日クライアントのオフィスへ出社する」という意味ではなく、特定のプロジェクトへ高い稼働率で継続的に参画する働き方という意味で使われることがあります。たとえば、週5日・稼働率100%でPMOとして参画し、課題管理、会議体運営、関係者調整などを担うケースです。
また、SESとコンサル案件では期待される役割にも違いがあります。コンサル案件では、作業遂行だけでなく、論点整理、意思決定支援、関係者間の合意形成など、課題そのものを構造化する役割が求められることがあります。
フリーランスコンサルの主要な3つの働き方:常駐・非常駐・兼業の特徴と比較
フリーランスコンサルの働き方は、大きく常駐型、非常駐型、兼業型の3つに整理できます。
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常駐型 |
非常駐型 |
兼業型 |
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主な稼働 |
週4~5日程度 |
週1~3日・スポット等 |
本業以外の時間 |
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収入の安定性 |
比較的高い |
案件構成による |
本業収入を維持できる |
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時間の自由度 |
低め |
比較的高い |
本業との調整が必要 |
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特徴 |
安定収入を得やすい |
複数案件を組みやすい |
独立前の市場検証が可能 |
常駐型
常駐型は、特定クライアントのプロジェクトへ高い稼働率で参画する働き方です。PMO、システム導入、業務改革、DXなど、ファーム勤務時代の経験を活かせる案件もあります。契約期間中は一定の報酬を見込みやすい一方、クライアントの会議や勤務時間に合わせる必要があり、時間の自由度は低くなる可能性があります。
一例ですが、フリーコンサル案件を扱う「AXIS solution」では、100%稼働換算で月額100万~150万円の案件が多いとしています。
非常駐型(リモート・スポット)
非常駐型は、週1~3日や月数回など、限定された時間で企業を支援する働き方です。経営者への助言、新規事業の壁打ち、提案書のレビューなど、短時間で専門性を提供する案件が考えられます。実際に副業案件を検討したBig4出身の現役コンサルタントからも、「Big4出身という肩書だけではなく、何を支援できるのかを明確にする必要がある」という趣旨の声があります。
非常駐型では特に、「どの課題に対して何を提供できるのか」を具体化することが重要です。
兼業(副業)型
兼業コンサルは、会社員として働きながら、勤務先の就業規則や競業避止義務などを確認したうえで外部案件を受ける働き方です。メリットは、会社員としての収入を維持しながら、外部市場で自身の経験が評価されるか試せることです。 本業を続けながら個人会社を設立し、リサーチや新規事業の壁打ちなどを受注した現役コンサルタントからは、「ファーム内で高く評価されることと、社外で仕事を獲得できることは別」という声も聞かれます。
一方、本業との両立には注意が必要です。案件単価だけでなく、事前調査や品質管理、顧客対応を含めた実質的な稼働時間を確認しましょう。
【働き方別】フリーランスコンサルの年収相場と案件単価のリアル
フリーランスコンサルの収入は、専門領域、経験、稼働率、契約期間などによって大きく異なります。また、月額単価と会社員の年収を単純比較することはできません。独立後は税金や社会保険、事業経費を自ら負担するほか、案件の空白期間には売上が発生しない可能性があります。
常駐型フリーランスコンサルの月単価・年収相場
「 AXIS Solutions 」では、自社保有案件について100万~150万円/月の案件が多く、150万円以上の案件もあるとしています。ただし、これは市場全体を示す公的な平均値ではなく、案件内容、経験、稼働率などによって報酬は変わります。
また、「月額150万円×12カ月=年収1,800万円」と単純計算するのも適切ではありません。案件の空白期間や事業経費などを考慮し、複数の稼働シナリオで年間売上と手取りを試算するようにしましょう。
非常駐型・兼業型コンサルの単価設定とタイムチャージの仕組み
非常駐型や兼業型では、月額固定、日額、時間単価、成果物単位などの報酬形態があります。注意したいのは、クライアントとの会議時間だけが稼働ではないことです。資料確認、事前調査、事後対応、契約・請求などの時間も発生します。そのため、単価を設定するときは、準備・事後対応を含む総稼働時間から採算を考えるように留意しましょう。
【トレンド】週3日などの部分稼働+残り時間で「自社の起業・スタートアップ」に投資するキャリアパス

週2~3日をコンサル案件に充て、残りを自社事業などに使うキャリアも考えられます。ただし、部分稼働案件が必ずしも豊富とは限りません。
Groovementが自社案件等を分析した「フリーコンサル白書2025」では、フリーコンサル側の54%が80%未満の部分稼働を希望する一方、案件側の77%は100%稼働を求めていました。そのため、「独立すれば週3日だけ働ける」と考えるのではなく、実際の案件需要を確認してキャリアを設計する必要があります。
出典:株式会社Groovement「フリーコンサル白書2025」
常駐型と非常駐型、あなたにはどちらが向いている?

常駐型のメリット・デメリット
常駐型のメリットは、一定期間の収入を見込みやすく、ファーム時代の経験を活かしやすいことです。一方、高稼働になるほど時間の自由度は低下し、売上が一社に集中すれば契約終了時の影響も大きくなります。そのため、独立直後の収入安定性を重視する人には向きやすい働き方といえます。
非常駐型のメリット・デメリット
非常駐型は時間を調整しやすく、複数の収入源を構築できることがメリットです。一方、短い時間で報酬を得るためには、「なぜ自分へ依頼するのか」を明確にする専門性が求められます。また、複数案件を並行すれば契約、請求、情報管理などの負担も増えます。専門性が明確で、自ら案件を獲得・管理できる人ほど選びやすい働き方です。
未経験からフリーランスコンサルとして独立を成功させる4ステップ
ここでいう「未経験」には、コンサル経験がない方だけでなく、フリーランスとして案件を獲得した経験がない方も含みます。
自身の専門領域における提供価値の棚卸し
最初に、経歴ではなく「顧客に何を提供できるのか」を整理します。「金融業界を経験した」「PMOを担当した」だけではなく、「大規模システム刷新で部門間の論点を整理できる」「M&A後の統合で課題管理を設計できる」など、解決できる課題まで具体化することがポイントです。
独立直後の「営業・求職の壁」を乗り越えるための職務経歴書
独立後は、所属ファームのブランドだけに依存できません。職務経歴書には、プロジェクトの背景、自身の役割、課題、具体的な対応、成果を記載します。特にシニア層では、「プロジェクト管理」「顧客折衝」といった抽象的な表現ではなく、難しい局面でどのように意思決定や関係者調整を進めたかまで示しましょう。
目標年収とライフスタイルから逆算した稼働条件
独立前には、希望単価だけでなく、必要な年間売上と生活条件を整理します。年間の稼働期間、週の稼働日数、最低限必要な売上、案件がない期間をどこまで許容できるかなどを明確にしましょう。会社員と同額の売上を得ても、社会保険や福利厚生、事業経費を考慮すれば経済条件が同じになるとは限りません。
コンサル特化型のエージェントへ複数登録する
独立初期は、複数のフリーコンサル案件紹介サービスを比較することも有効です。エージェントによって得意な業界、案件、単価、商流、稼働率が異なるため、一社の条件だけを市場全体の相場と捉えないことが重要です。単価だけでなく、契約形態、稼働率、出社条件、契約期間、支払条件まで比較しましょう。
フリーランスコンサルの案件紹介サービスにはそれぞれ特徴があります。アクシスコンサルティングでは、ハイクラスのコンサルタント・専門人材に特化した独立・転職支援を行っています。まずは案件相場や自身の市場価値を知ることから始めたい方は、アクシスコンサルティングの情報を確認してみませんか?
フリーランスコンサルの独立・働き方によくある質問
Q. ファーム未経験でもフリーランスコンサルとして案件は獲得できる?
可能性はあります。
事業会社で特定業界の実務経験を持つ人や、ITベンダーで大規模プロジェクトを推進した人などは、その専門性が案件と合致すれば評価される可能性があります。 幅広く「経営コンサル」と名乗るより、自身が実務で経験してきた領域から提供価値を明確にすることが欠かせません。
Q. 独立初期は「常駐型」と「非常駐型」のどちらから始めるのがおすすめ?
安定した顧客基盤がない場合は、高稼働の主要案件で一定の売上を確保しながら実績を作る方法が考えられます。一方、すでに見込み顧客がいる方や明確な専門性を持つ方は、非常駐型を組み合わせる選択肢もあります。 常駐型と非常駐型を固定的に考えず、経験や顧客基盤に応じて比率を変えることがポイントです。
Q. インボイス制度への対応や確定申告など、税務面の事務作業はどうすべき?
独立後は、売上・経費管理、請求書発行、確定申告などを自身で行う必要があります。インボイス制度では、免税事業者からインボイス発行事業者となった一定の小規模事業者を対象とする「2割特例」があり、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間が対象です。
また、令和8年度税制改正では、一定の個人事業者について令和9年・令和10年分の納税額を売上税額の3割とする措置が示されています。適用可否は事業形態などによって異なるため、最新の国税庁情報を確認し、必要に応じて税理士へ相談しましょう。
出典:国税庁「2割特例 特設ページ」
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」
まとめ:常駐・非常駐・兼業の特性を理解し、自身の市場価値を最大化する独立戦略を立てよう
フリーランスコンサルには、高稼働で一つの案件に参画する常駐型、複数企業を限定的に支援する非常駐型、会社員として働きながら案件を受ける兼業型があります。収入の安定性を重視するなら常駐型、時間の柔軟性や複数の収入源を求めるなら非常駐型、独立前に自身の市場価値を確かめたいなら兼業型が選択肢になります。
ただし、最も重要なのは、ファームでの役職や年収を、そのまま独立市場における自分の価値だと考えないことです。外部市場では、「どのような課題を、どのように解決できるのか」が問われます。
独立を検討している場合は、自身の提供価値を棚卸しし、案件市場の単価や稼働条件を確認する。勤務先の規定上可能であれば、兼業を通じて外部市場での評価を確かめる、といった段階的な方法もあります。常駐・非常駐・兼業を固定的に考えず、キャリアやライフステージに応じて働き方を組み替えることが、長期的なキャリア形成につながります。
常駐・非常駐・兼業、どの働き方が自分に合うかは、経験やライフステージによって変わります。アクシスコンサルティングでは、ハイクラス人材の独立・キャリア相談に対応しており、フリーランスとしての市場価値や案件の実情について、専門のキャリアアドバイザーに相談することもできます。独立を具体的に検討し始めたら、まずは情報収集の一環として、アクシスコンサルティングへのご相談も選択肢に入れてみてください。


