コンサルタント1,004人調査!事業会社への転職で通用しないスキル1位はロジカルシンキング?経営企画や新規事業開発など8つの役割で判明した期待と実行の構造的ギャップとは

コンサルタント1,004人調査!事業会社への転職で通用しないスキル1位はロジカルシンキング?経営企画や新規事業開発など8つの役割で判明した期待と実行の構造的ギャップとは

コンサルティングファームで培ったスキルを武器に、事業会社への転職を目指すコンサルタントが増加しています。

戦略立案にとどまらず、当事者として実行フェーズまで携わりたいと、新たな環境へ飛び込む方が多数存在しますが、事業会社で「正論では組織が動かない」「泥臭い調整が求められる」といった現場特有の壁に直面し、理想と現実のギャップに悩むケースも多く見られます。

では、事業会社に転職したコンサルタントたちは、どのような課題に直面しているのでしょうか。

また、再びコンサルティングファームへ「出戻り」を果たした方々は、外の世界で何を学び、自身の価値をどのように進化させているのでしょうか。

アクシスコンサルティング株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長 COO:伊藤 文隆)は、①現在コンサルティングファームに在籍し、事業会社への転職を前向きに検討している方/②コンサルティングファーム出身で、現在は事業会社に正社員として勤務している方/③コンサルティングファームを退職し、事業会社を経験した後に再度コンサルティングファームに復帰した方を対象に「コンサルタントの事業会社転職と出戻り」に関する調査を行い、コンサルタント自身の市場価値認識と、キャリアの実態とのギャップに焦点を当て、その構造を明らかにしました。

コンサルタントが自負する「事業会社でも絶対に通用すると思うスキル」第1位は「ロジカルシンキング・問題解決能力」!

はじめに、現在コンサルティングファームに在籍し、事業会社への転職を前向きに検討している方にうかがいます。

「事業会社に転職した場合、自身のコンサルタントスキルの中で通用するのはどのようなものだと思うか」と尋ねたところ、『ロジカルシンキング・問題解決能力(29.2%)』と回答した方が最も多く、『情報収集・分析能力(25.5%)』『データに基づいた意思決定支援能力(24.6%)』と続きました。

結果から、コンサルティング業務の基盤となる「論理的思考」や「分析力」が、事業会社においても汎用性の高いスキルとして認識されていることがうかがえます。

特定の事業領域に限らず、「客観的な根拠に基づいて課題を解決する能力」が、事業会社でも活かせると考えられている可能性が考えられます。

コンサルタント時代に培ったスキルが期待通りに活かせない?事業会社で直面した「論理と実行」のギャップ

続いて、コンサルティングファーム出身で、現在は事業会社に正社員として勤務している、コンサルティングファームを退職し、事業会社を経験した後に再度コンサルティングファームに復帰した方に、「コンサルタント時代に培ったスキルで、事業会社で通用しなかった、または期待通りに活かせなかったと感じたものは何か」と尋ねたところ、部署ごとに下記のような回答となりました。


【経営企画・事業企画】

  • 『ロジカルシンキング・問題解決能力(48.2%)』
  • 『データに基づいた意思決定支援能力(40.9%)』
  • 『情報収集・分析能力(37.3%)』

【新規事業開発】

  • 『情報収集・分析能力(40.9%)』
  • 『仮説構築・検証能力(34.1%)』
  • 『データに基づいた意思決定支援能力(33.3%)』

【DX推進・IT戦略】

  • 『データに基づいた意思決定支援能力(35.9%)』
  • 『情報収集・分析能力(31.1%)』
  • 『ロジカルシンキング・問題解決能力(28.7%)』

【事業責任者・部門責任者候補】

  • 『データに基づいた意思決定支援能力(36.4%)』
  • 『情報収集・分析能力(34.7%)』
  • 『仮説構築・検証能力(30.6%)』

【マーケティング・営業企画】

  • 『データに基づいた意思決定支援能力(37.3%)』
  • 『社内外関係者とのコミュニケーション能力(32.8%)』
  • 『情報収集・分析能力(29.1%)』

【人事・組織開発】

  • 『社内外関係者とのコミュニケーション能力(29.9%)』
  • 『プロジェクトマネジメント能力(28.9%)』
  • 『情報収集・分析能力(28.9%)』

【M&A・アライアンス担当】

  • 『データに基づいた意思決定支援能力(45.7%)』
  • 『情報収集・分析能力(43.5%)』
  • 『プロジェクトマネジメント能力(43.5%)』

【社内コンサルティング・PMO】

  • 『データに基づいた意思決定支援能力(42.6%)』
  • 『情報収集・分析能力(36.2%)』
  • 『プレゼンテーション、資料作成能力(36.2%)』

コンサルタントの強みとされる論理的思考やデータ分析力が、多くの役割で「通用しなかったスキル」の上位に挙がっています。

一方で、「マーケティング・営業企画」や「人事・組織開発」ではコミュニケーション能力が、「社内コンサルティング・PMO」ではプレゼンテーション能力が上位に入っていることから、客観的な分析や提案にとどまらず、社内関係者を巻き込みながら実務を進める対人スキルの必要性が示唆されました。

外部アドバイザー時代に不足していたのは「制約下での意思決定能力」と「組織を動かす力」

最後に、「事業会社での勤務を通じて、コンサルタント時代の外部アドバイザーという立場の自分に不足していたと感じるものは何か」と尋ねたところ、役割ごとに下記のような回答となりました。



【経営企画・事業企画】

  • 『社内調整やステークホルダーマネジメント能力(40.9%)』
  • 『事業会社の現場の実行プロセスへの深い理解(40.0%)』
  • 『長期的な視点での事業育成・文化醸成能力(38.2%)』 

 【新規事業開発】

  • 『予算やリソースの制約下での現実的な意思決定能力(37.1%)』
  • 『具体的な製品・サービス開発における実務知識(34.1%)』
  • 『長期的な視点での事業育成・文化醸成能力(33.3%)』  

【DX推進・IT戦略】

  • 『予算やリソースの制約下での現実的な意思決定能力(34.7%)』
  • 『具体的な製品・サービス開発における実務知識(33.5%)』
  • 『長期的な視点での事業育成・文化醸成能力(29.9%)』

  【事業責任者・部門責任者候補】

  • 『具体的な製品・サービス開発における実務知識(36.4%)』
  • 『予算やリソースの制約下での現実的な意思決定能力(36.4%)』
  • 『長期的な視点での事業育成・文化醸成能力(35.5%)』  

【マーケティング・営業企画】

  • 『予算やリソースの制約下での現実的な意思決定能力(40.3%)』
  • 『具体的な製品・サービス開発における実務知識(34.3%)』
  • 『長期的な視点での事業育成・文化醸成能力(31.3%)』

  【人事・組織開発】

  • 『予算やリソースの制約下での現実的な意思決定能力(38.1%)』
  • 『具体的な製品・サービス開発における実務知識(36.1%)』
  • 『長期的な視点での事業育成・文化醸成能力(34.0%)』  

【M&A・アライアンス担当】

  • 『長期的な視点での事業育成・文化醸成能力(50.0%)』
  • 『予算やリソースの制約下での現実的な意思決定能力(47.8%)』
  • 『企業文化や風土への適合力(47.8%)』  

【社内コンサルティング・PMO】

  • 『従業員の感情やモチベーションへの配慮(48.9%)』
  • 『具体的な製品・サービス開発における実務知識(44.7%)』
  • 『予算やリソースの制約下での現実的な意思決定能力(44.7%)』  

結果を見ると、多くの役割で『予算やリソースの制約下での現実的な意思決定能力』が上位に挙がっています。当事者として限られた条件の中で意思決定を下す機会が、外部アドバイザーという立場では乏しかったことが背景にあると考えられます。

また、「経営企画・事業企画」で『社内調整やステークホルダーマネジメント能力』が挙がり、「社内コンサルティング・PMO」では『従業員の感情やモチベーションへの配慮』が最多となりました。組織内部で実務を推進するにあたっては、現場の状況や関係者の感情に配慮し、組織内の調整を図るスキルが求められることがうかがえます。

【まとめ】論理的思考から実行力へのシフト。事業会社での経験がもたらすコンサルタントの新たな価値

今回の調査で、コンサルタントが認識している自身の強みと、事業会社で実際に求められるスキルとの間にあるギャップが明らかになりました。

転職前のコンサルタントは「論理的思考」や「データ分析力」が事業会社でも通用すると期待する傾向がありますが、実際に事業会社を経験した層からは、これらのハードスキルが期待通りに活かせなかったという声が上位に挙がっています。

事業会社では客観的な戦略立案だけでなく、限られた予算やリソースの中での現実的な意思決定、関係者との合意形成など、施策を推進する実行力が求められる実態がうかがえます。

外部アドバイザーという立場では得られにくかった「当事者としての実務プロセス」や「組織内の調整力」を獲得することは、事業会社での活躍だけでなく、再びコンサルティング業界へ復帰した際にも、戦略と実行をつなぐ新たな強みになる可能性が考えられます。

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