【AIの限界とコンサルの未来】AI活用が進む中で浮き彫りになった、コンサルタントの価値とは?

【AIの限界とコンサルの未来】AI活用が進む中で浮き彫りになった、コンサルタントの価値とは?

近年、ビジネスの現場では生成AIをはじめとするテクノロジーの導入が急速に進み、業務運営のあり方が大きく変わりつつあります。  

多くの企業において、これまでコンサルタントに依頼していた業務の一部を社内で代替できるようになり、コスト削減や手順の効率化が進んでいる一方で、「AIによる効率化が本質的な課題解決につながっているのか」「高度な意思決定や組織変革において、コンサルタントをどう活用すべきか」といった新たな課題も生じています。  

こうした中、AI活用が進む環境下でコンサルタントに求められる役割がどのように変化しているのかを把握することは、企業の今後の外部リソース活用戦略において重要です。 

本調査では、事業会社におけるAI活用の進展と、コンサルタントに新たに求められる価値の変化に焦点を当て、その構造を明らかにしました。  

調査の結果、データ集計などの定型業務におけるAI内製化が進む一方で、全体の約6割がコンサルタントの費用対効果は「高くなった」と回答しました。また、今後コンサルタントに求める能力として最も多かったのは「既存の枠にとらわれない新しい視点や発想を提示する力(33.6%)」であり、情報整理をAIが担う時代だからこそ、独自の着想力や組織を動かす“確実な実行伴走力”が求められている実態がうかがえます。  

「あらゆる課題は、人で解決する。」をコーポレートステートメントとするアクシスコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長 COO:伊藤 文隆)は、業務において生成AI・AIツールを利用している事業会社に勤務し、過去にコンサルティングサービスを使用し、選定・発注・活用・成果評価のいずれかに関与した男女1,013名を対象に、「AI時代に事業会社がコンサルタントに求める価値」に関する調査を実施しました。

調査結果から見えたこと

第1章:定型業務のAI内製化と、コンサルタントの費用対効果の変化  

はじめに、これまでにコンサルタントへ依頼したことのある領域についてうかがいました。 


コンサルタントに対しては、「リサーチによる情報収集」「全社的な業務改善」「経営戦略」といった上流工程の支援を依頼したことがある方が多いようです。 

背景には、自社内だけでは客観的な市場データの収集や高度な戦略立案のリソースが不足しがちであることが予想されます。  

では、外部リソースに頼っていた業務のうち、テクノロジーの進化によって自社内で対応できるようになったものは何でしょうか。 


「データ集計・分析」や「定型レポートや資料の作成」といった従来は外部委託していた定型業務に加え、「初期的な論点整理」の一部も社内で対応可能になっていることがうかがえます。  

AIの普及によって、基礎的なコンサルティング業務の一部が内製化されつつあることがわかりましたが、社内での内製化が進むことで、コンサルタントへの投資に対する評価はどう変化しているのでしょうか。  

「自社でAI活用が進む以前と比較した、コンサルティングサービス全体の費用対効果の変化」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。 


全体の64%が、コンサルタントの費用対効果が「高くなった」と回答し、「変わらない」を含めると約9割が価値の低下を感じていないことがわかりました。

これは、AI活用によって基礎的な作業が内製化された分、コンサルタントにはより高度な専門性や複雑な課題解決を依頼するようになり、結果として得られる付加価値が高く評価されているためと推察されます。

では、社内でのAI内製化を積極的に検討しているかどうかで、コンサルタントへの評価は変わるのでしょうか。

「生成AI等を活用した社内での内製の検討頻度ごとの、コンサルティングサービス全体の費用対効果の感じ方」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

社内でのAI内製化の検討頻度別に、コンサルティングサービスの費用対効果に対する評価を比較すると、内製化の検討頻度によって評価に大きな違いが見られました。

内製化の検討が「よくある」層では、費用対効果が「高くなった」と感じる割合が84.1%と8割を超えています。「ときどきある」層でも64.9%と過半数を占める一方、「あまりない」層では38.5%、「全くない」層では9.4%まで低下しています。

一方、「変わらない」とする割合は、「よくある」層の7.8%に対し、「ときどきある」層では25.4%、「あまりない」層では39.2%、「全くない」層では40.6%となりました。また、「全くない」層では「比較できない/わからない」が43.8%を占めています。

この結果から、社内でAIを活用した内製化を検討する頻度が高い層ほど、外部コンサルタントの費用対効果を高く評価する傾向がうかがえます。

AIによる内製化を検討する機会が多い企業では、自社で対応できる領域と外部コンサルタントに求める領域を比較・検討する機会も多く、コンサルタントならではの付加価値を認識しやすくなっている可能性があります。

では、具体的にどのような点が、「費用対効果が高い」と感じる要因になっているのでしょうか。

コンサルティングサービス全体の費用対効果の変化について、「非常に高くなったと感じる」「やや高くなったと感じる」と回答した方に聞きました。

上位の回答から、コンサルタント側のAI活用による「期間・コスト削減」や「提案の高度化・迅速化」といった効率と質の向上が高く評価されていることがうかがえます。

同時に、「最新領域の専門ノウハウ」も上位に入っており、自社では補えない高度な知見へのニーズが高いことも示されました。

一方で、コンサルタントの費用対効果が「低くなった」と感じるケースでは、どのような要因が影響しているのでしょうか。

コンサルティングサービス全体の費用対効果の変化について、「やや低くなったと感じる」「非常に低くなったと感じる」と回答した方に、コンサルタントの費用対効果が「低くなった」要因を聞きました。

自社のAIスキル向上によって業務の効率化が進むにつれ、企業が外部リソースに求める水準(期待値)も高まっていると考えられます。

そのため、独自の洞察に欠ける表面的な提案や、言われたことをこなすだけの受動的な姿勢は「AIや自社で代替可能」と判断されやすく、厳しい評価に直結していると考えられます。

第2章:AI時代に浮き彫りになった「人間の介在価値」

そのような中、社内のAI活用が進む現在において「AIだけでは限界がある」と感じているのはどのような業務なのでしょうか。

「新しい仮説の立案」や「データの分析・示唆出し」といった高度な思考力や創造性に加えて専門的知見や経験則を要する領域において、AIだけでは限界を感じる方が多いことが示されました。

また、「社内調整・合意形成」といった人間関係や感情が絡むプロセスも上位に挙げられたことから、ゼロからのアイデア創出や複雑な意思決定、利害関係者の調整といった属人的かつ高度な領域においては、人間の介在やコンサルタントの専門的な知見が必要とされていると考えられます。

そうした状況下で、コンサルタントを頼る具体的な理由は何なのでしょうか。

外部コンサルタントへ依頼する理由を、外部依頼前にAIを用いた内製化を試す頻度別に見ると、回答傾向に明確な違いが表れています。

内製化を試す層では、「特定領域の専門知識」に加え、「社内調整や合意形成の支援」「プロジェクト全体の推進」を挙げる割合が、あまり試さない層を上回りました。特に「社内調整や合意形成の支援」において顕著な差が見られます。

この結果から、自社でAIによる初期検討を行う企業ほど、その後の組織内の意思決定や実行を前に進める役割をコンサルタントに期待している可能性が考えられます。

自社で情報整理や定型作業のAI化が進んでも「不足するリソースの補完」という従来型のニーズが失われたわけではなく、むしろそれに加えて、AIには代替困難な「高度な対人プロセスや組織を動かす役割」への期待が一段と高まっている状況がうかがえます。

では、コンサルティングサービス全体の費用対効果の評価によって、今後のコンサルタントに求める「追加の価値」はどのように変化するのでしょうか。

「コンサルタントに追加で求める価値」について尋ねたところ、コンサルティングサービス全体の費用対効果の感じ方別で以下のような回答結果になりました。


すべての層において、「実行計画への落とし込みと推進」が上位に入っており、単なる提案にとどまらない確実な実行支援が共通して求められていることがわかりました。

その上で、費用対効果が高くなったと感じる層では、「見落としたリスクや機会の特定」に加え、「仮説の優先順位づけと実現性の評価」や「社内への説明と合意形成」を挙げる割合が、他の層を上回りました。

この結果から、AIで得られた情報や仮説を実際の意思決定につなげ、判断の質を高める支援へのニーズがうかがえます。

AI時代のコンサルタントには、出力結果の検証にとどまらず、論点を絞り込み、組織の合意を形成して確実な実行へと導く役割が期待されていると考えられます。

では自社が直面している「AIの限界」の領域によって、コンサルタントへの期待はどう変化するのでしょうか。

「”AIによる情報整理・分析・仮説が可能になった状況で、コンサルタントに追加で求める価値」について尋ねたところ、業務において、社内のAI活用が進んだ現在でもAIだけでは限界があると感じる項目ごとで以下のような回答結果になりました。

AIの限界を感じる業務領域にかかわらず、「見落としたリスクや機会の特定」と「実行計画への落とし込みと推進」が共通して上位に挙がっています。

この結果から、自社が直面するAIの限界領域に応じて、コンサルタントに追加で求める価値に明確な違いがあることがうかがえます。

AIが処理したデータに対して、初期段階では「仮説の絞り込み」を求め、対人関係や社会的責任が絡む複雑な局面では「第三者としての客観性や倫理的ジャッジ」を頼るなど、コンサルタントには、業務領域に応じて異なる判断支援が求められていると考えられます。

第3章:次世代のコンサルタントに求められる要件

AIの進化が今後さらに進んだ場合、コンサルタントの役割はどう変わっていくと予想されているのでしょうか。

AIの進化によりデータ分析などの定型業務に対する依頼が減少する一方で、「AIを活用しつつ人が判断・推進するプロジェクト」や「より高度で戦略的な意思決定支援」が増加すると予測されています。

今後、コンサルタントには、AIによる作業効率化を前提とした上で、人間ならではの総合的な判断力や、ビジネスを牽引する高度な戦略的思考が求められていくと考えられます。

最後に、「AI活用が普及する中で、今後、コンサルタントを活用するとすれば、特に求める能力や姿勢」について尋ねたところ、AIの普及が進む今後において、コンサルタントには「業界の常識にとらわれない新しい視点や発想の提示」が最も求められていることが判明しました。

同時に、「社内関係者を巻き込んだ組織変革や合意形成の推進」や「現場に入り込んだ実行から定着までの伴走力」も上位に挙がっています。

この結果から、情報処理や定型分析をAIが担う時代だからこそ、コンサルタントには単なるデータ提示を超えた独自の「着想力」と、組織を動かし実行を支える人間ならではの「推進力」が期待されていると考えられます。

調査まとめ

今回の調査で、企業内でのAI活用が進展する環境において、コンサルタントに期待される役割の本質的な変化が明らかになりました。

社内業務においてAIの普及が進んだ現在でも、多くの企業が「新しい仮説の立案」「データの分析・示唆出し」「社内調整・ステークホルダー間の合意形成」といった領域にAIの限界を感じているようです。

実際に、自社内で対応可能になった業務は「基本的なデータ集計・分析」が最多となり、ゼロからのアイデア創出や、感情や利害関係の調整が絡む高度な人間力を要する業務には人間による介在が不可欠である現状が浮き彫りとなりました。

こうした状況下で、コンサルタントを頼る理由としてはAIによる内製化試行頻度によって傾向がわかれました。

社内でAIを使って内製化を試す方では、「特定領域の専門知識」や「社内調整や合意形成」といった高度なスキルを求めているのに対し、社内でAIを使った内製化はあまり試さない方では「特定領域の専門知識」に加え、「客観的な視点」や「人員・リソースの補完」といった従来型の支援を期待する傾向が見られました。

さらに、今後のコンサルタントに追加で求める価値については、費用対効果の感じ方に関わらず「実行計画への落とし込みと推進」が共通して上位に挙がりました。

単なる提案にとどまらない確実な実行支援が求められている中で、高くなったと感じる方は「見落としたリスクや機会の特定」などの高度な洞察力を求めていることが示されました。

実際に、AIの限界を感じる具体的な業務領域ごとの結果でも、「見落としたリスクや機会の特定」と「実行計画への落とし込みと推進」の2つが共通して上位に挙がっています。このことからも、AIの活用領域にかかわらず、これら2要素が領域を問わず比較的共通して求められていることが裏付けられています。

今後3〜5年の展望としても、定型業務の依頼が減少する一方で、より戦略的な意思決定支援や、組織変革の推進といった領域での支援が求められる傾向が示されました。

企業がコンサルタントに求める資質が「新しい視点や発想の提示」と「組織関係者を巻き込む力」に集約されていることからも、AI時代におけるコンサルタントの価値は、単なる「知識の提供」から、AIを活用しつつ人間ならではの「判断力と実行推進力」を発揮することへと広がっていると考えられます。

今後は、自社の課題解決において、どの部分をAIに任せ、どの部分で外部の専門知と推進力を活用するかという戦略的なリソースの使いわけがより一層求められるのではないでしょうか。

調査概要

調査概要:「AI時代に事業会社がコンサルタントに求める価値」に関する調査
調査期間:2026年7月6日(月)~2026年7月6日(月)
調査方法:PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
調査人数:1,013人
調査対象:調査回答時に業務において生成AI・AIツールを利用している事業会社に勤務し、過去にコンサルティングサービスを使用し、選定・発注・活用・成果評価のいずれかに関与した男女と回答したモニター
調査元:アクシスコンサルティング株式会社
モニター提供元:サクリサ

アクシスコンサルティング株式会社について

企業理念「人が活きる、人を活かす。」を軸に、あらゆる企業や組織の「課題解決と価値創造のパートナー」として、正社員採用、フリーコンサル、スポットコンサルなどを複合的にサービス展開しています。働く一人ひとりに柔軟な働き方や自律的なキャリア形成、活躍の場の広がりを提供すると同時に、コンサルタントなどのハイエンド人材の価値があらゆる組織でシェアされ、循環し続けてゆくような社会づくりを推進します。

設立:2002年4月
資本金:762百万円
業務内容:ハイエンド人材領域における人材紹介およびスキルシェアの複合サービスを提供するヒューマンキャピタル事業
従業員数:187名(2026年3月末現在)
拠点:東京本社、大阪オフィス
東京本社所在地:東京都千代田区麹町4-8 麹町クリスタルシティ6F(受付)
グループ企業:株式会社サン・システムプランニング
WEBサイト:https://axc-g.co.jp/

Brand ブランド紹介

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