スライドはAIが作る。では戦略コンサル1年目は何で給料をもらうのか 「作業」が消えた後に残る問い

はじめまして、アール(@R_capitalism)と申します。外資系戦略コンサルティングファームで勤務した後に、コロンビア大学でMBAを取得しました。現在はPEファンドで投資業務に携わっています。コンサルタントとして働いていた頃から、Xやnoteで、キャリアの考え方や資本主義の捉え方について発信を続けています。
生成AIの進化によって、戦略コンサルティングファームの現場は静かに、しかし決定的に変わりつつあります。
リサーチの一次収集、エキスパートインタビューの要約、市場規模の概算、そしてスライドの作成。かつて1年目のアナリストが深夜まで格闘していた作業の多くは、いまや適切なプロンプトさえ書ければ数分で「それらしい」アウトプットが返ってきます。
ただし、現状のAIの生成物には一つの特徴があります。AIが作ったスライドか、人間が作り込んだスライドかは、見る人が見れば一目で分かるということです。論点の並びが総花的で、どの示唆も間違ってはいませんが、表層的で刺さりません。だからこそ、AIを起点として活用しつつ、そこに自分ならではの視点や、AIが拾えていない現場情報・文脈を加えることで、スライド1枚の価値は大きく跳ね上がります。AIに任せるか人間がやるか、の二択ではなく、AIのドラフトを「素材」とした上で、何を上乗せできるかが問われています。
ここで多くの若手が不安を口にします。「自分の仕事はAIに奪われるのではないか」と。しかしこの問いは、的を外していると個人的には思います。正しい問いはこうです。「作業がAIに移管された後、1年目のコンサルタントは何に対して報酬を受け取るのか」。
結論から言えば、答えは4つあります。その4つとは、①クライアントが言ったことを確実にやり切ること、②その上で、相手が言語化していないコンテキストまで読み取ること(そのためのセンスを磨くこと)、③そのセンスを獲得するために、類似のプロジェクトを短期間で高密度に経験すること、④会議の場で、素早く正確に口頭で答えられることです。いずれも、AIがどれだけ賢くなっても人間側に残り続ける価値であり、むしろAI時代においてこそ差がつく能力です。順に詳細を見ていきたいと思います。
Index
①「言われたことを確実にやり切る」は、実は最も希少な能力
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