世界で約25万人のプロフェッショナルを擁すEYは日本市場でのコンサルティングビジネスの成長にむけて、他ファームを圧倒するグローバルプレゼンスと新たなビジネス戦略で注目度急上昇中。今回は金融セクターのパートナー、吉満様にEYの組織風土や金融セクターで働くことの魅力をアクシスコンサルティングの祝がお聞きしました。この記事は2018年3月時点のものです。
2017年1月に国内組織を再編し、EYグローバル経営モデルへ移行
祝
御社は2017年1月に、EY(アーンスト・アンド・ヤング)の新たなメンバーファームとして発足されました。どのような組織なのか、改めてご説明頂けますか。
吉満様
これまで日本におけるEYのアドバイザリー業務は、新日本有限責任監査法人、EYアドバイザリー、EYフィナンシャル・サービス・アドバイザリーの3つの組織がそれぞれサービスを提供していました。それらを一つに統合し、アドバイザリーおよびコンサルティングのプロフェッショナル集団として発足したのが「EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社(EYACC)」です。
祝
具体的には、どのような戦略を実行されているのでしょうか。
吉満様
我々が取り組んでいるのは、グローバルおよび各サービスラインの連携強化です。EYでは、2018年年2月に「Advisory Connected」というグローバル戦略を策定しました。これはその名の通り、EYが持つ様々なサービスやリソースをつなげることで、新たな価値の創造を目指すものです。アドバイザリーの中の融合はもちろん、EYが世界各国で展開している「監査」「税務」「トランザクション」「アドバイザリー」の4つのサービスライン間の連携をより一層強化することで、今までになかったサービスをお客様に提供できると考えています。
企業変革が活発な金融業界を対象にアドバイザリーを提供する面白さ
祝
吉満様の御社ご入社前後のキャリアについてお伺いさせてください。
吉満様
EYに入社以前は、5年程度の証券会社での実務経験を経て、約15年程度、金融機関に対するコンサルティングを行ってきました。その後、前職の上司に声をかけていただいたことがきっかけで、2013年7月にEYに参画し、前職同様金融機関向けのコンサルティングサービスに携わっています。
もう少し詳しくお話ししますと、EYへの入社以降約3年間は、ITアドバイザリーやオペレーションなど、業務パフォーマンスの向上を目指すPI(Performance Improvement)チームのリーダーを担当しました。2016年7月以降は、銀行証券業界のニーズを引き出し、提案を行っていく、BCM(Banking Capital Markets)セクターのアドバイザリーを担当させていただいています。
BCMに限ったことではありませんが、顧客は、社内に存在するあらゆる業務領域において、あらゆる改善ニーズを抱えています。そのすべてに対応していくためには、幅広い金融業務に関する知識と経験が必要になります。雨あられのように降ってくる顧客ニーズに対応するため、千本ノックのような毎日ですが、とてもやりがいのある仕事だと感じています。
EYの顧客は国内と外資、銀行・証券と保険とバランスのよいポートフォリオ
祝
金融セクターのビジネスについてお伺いさせてください。
吉満様
金融セクターのことをお話しするに当たり、まず簡単に当社の組織構造をお話しさせて頂きます。
当社は、主に顧客との強固なリレーション構築と顧客ニーズに対応した提案に責任を有する「セクター」と、卓越した専門性を有するソリューション部隊で、プロジェクトのデリバリーに責任を有する「ドメイン」に分かれています。さらにセクターは、「金融」と「非金融」に分かれていて、ドメインはリスクのコントロールによる健全な経営の実現を目的とした「リスク」と、業務効率化の実現によるビジネスパフォーマンスの最大化に貢献する「PI」に分かれています。
私は、この「セクター」のなかの、「金融」に属しており、金融セクターは、さらに、その業界毎に、「銀行・証券」、「保険」、「資産運用」の3つにチームが分かれています。それぞれのチームには、顧客毎に、複数名のアカウント担当者がアサインされています。
EYは、ご存じのとおり、グローバルで見ても金融にとても強い会社です。クライアントは、銀行・証券で言えば、メガバンクや大手証券を中心とした国際的な活動を行っている本邦金融機関や外資系銀行・証券が一番多いです。保険も同様の状況で、日本を代表する大手保険会社を中心に、外資系保険会社の割合も少なくありません。銀行・証券と、保険の割合は、概ね1:1くらいで、どちらかが強いというよりは、どちらも強いと自負しています。
EYはグローバルに金融セクター独自のソリューションや専門人材を持つ
祝
金融セクターの特徴や今後の動向についてお伺いさせてください
吉満様
営業的な観点で言えば、「EYといえば?」と言われて想起できる案件こそが最も受注確率が高いので、そういったソリューションに注力する必要があると考えています。キーワードは「Global」と「Risk and Compliance」です。
前者については、たとえば、「新しい規制が導入されたので、日本で導入事例のないソリューションを導入したい」、「海外の金融機関を買収したので、システム統合のためのグローバルPMOを設置したい」など、ヒトなのか、言語なのか、ソリューションなのか、ロケーションなのか、その何かが日本だけでは完結しない場合、お声掛けいただくケースが多いと感じます。
私自身、EYのグローバル性の高さは入社して一番驚かされた点です。たとえば、「こんなことについて海外事例が知りたい」という顧客からの要求に対し、海外メンバーにメールを書いて、24時間以内に何も返事がなかったことは殆どないですね。必ず誰かが何かを返してくれる。素晴らしいグローバルネットワークだと感じます。
また、後者については、EYがグローバルで数々の賞をいただいている点であり、国際的に高い評価を得ていると自負しています。リスク・コンプライアンスの領域で、金融機関が対応を考えるとき、パートナー候補としてEYの名前が想起されないことはないと言っても過言ではないのでは。規制強化のトレンドは変わっていないですし、その対応は金融機関の規模や業容によっても異なるので、個別の検討ができる専門性の高いパートナーが必要とされています。
こうした顧客ニーズをいち早く相談いただけるだけの信頼関係を顧客と築くことがまずセクターチームとして重要ですが、同時に組織間連携も積極的に実施していきます。ソリューションチームとともに顧客課題に深く根差した提案を行う、あるいは、セクター内で情報交換してクロスセルを行う、デリバリーチームと連携して重点ソリューションを定義し、人材教育や採用に繋げていく等、セクターチームの果たす役割は大きいと感じています。
多様なバックグラウンドの人材が助け合う組織風土に共感する人を求めている
祝
金融セクターではどういった方が活躍されているのですか。
吉満様
私の所属する部門は金融に特化したチームですので、何らかの金融経験のある人が中心となります。幅広い経験、クライアントの上席とのコミュニケーションが必要になるため、現状、シニアなメンバーが殆どですが、そのバックグランドは様々です。
金融機関出身者もいれば、金融機関に対するソリューション提供を行ってきた人もいて、男性もいれば女性もいます。日本人だけでなく、アメリカ人もいれば、イギリス人もいて、そうしたバックグランドの違いから、皆、それぞれ価値観が違うので、互いの価値観を理解し、尊重しあうことが最も重要だと感じます。
EYは、ダイバーシティに富んだ、豊かなカルチャーを有しているということを日々実感しています。日本のアドバイザリーリーダーがよく「Help」という言葉を使うのですが、すごく共感します。この世には完全な人は存在しないので、コトを成そうとすると、それが大きければ大きいほど、必ず助け合うことが必要になります。そういった意味で、EYは、性別や年齢、国籍に関わらず、協力しあって結果を出すことにコミットしている、「助け合う社風」だと感じます。
一方で、コトを成すには強い意思が不可欠で、それも、与えられたものをやり遂げるというレベルの意思ではなく、無から有を生み出して、新しいビジネスを立ち上げていくような、強い信念と意思を持ち続けることが必要です。
強い意思を持ち、コミットして推進する力があり、他者と助け合い、協働できる人であれば、誰でも活躍の場が与えられるし、誰でも活躍の機会はある会社だと思います。
グローバル×自由闊達×総合力の高い組織で、個人のキャリアアップを目指してほしい
祝
最後に、転職をお考えの方にメッセージをお願いします。
吉満様
「EYの優れているところを3つ、挙げてください」と言われたら、①グローバルコーディネーション、②自由闊達な社風、③4ライン連携、の3つを挙げたいです。
①グローバルコーディネーションについては既に述べましたが、何回かの転職を経てEYに参画してみて、今までいたどこの会社よりもよくできていると感じます。
③4ラインというのは、EYの、監査、トランザクション、アドバイザリー、税務の4つのサービスラインのことを指しています。転職してきた私の目には、他社と比較して相対的に、各グループ会社の協業がよくできていると感じます。勿論、守秘義務がありますから各社相互に何でも話せるわけではありませんし、場合によっては紹介だけにとどまることもあります。ただ、顧客が求めるソリューションが複雑化するなか、他のビジネスラインのソリューションにも興味を持って協業したり、一緒にソリューションを構築したり、より付加価値の高いサービス提供のためにサービスラインの垣根を越えて努力しあう環境がある、そのことが素晴らしいと感じています。
そうした、組織の垣根や言語の壁、文化の壁、価値観の違いを超え、新しい付加価値の創出に対して惜しみない支援を送っているマネジメントの姿勢を見ているから、②自由闊達な社風だと感じるのかもしれません。
グローバルネットワークが豊かで、自由闊達、そして総合力を生かした組織。このような環境に身を置いて仕事をしてみたいという方、ご応募を心よりお待ちしています。