丸紅が新設した”DX特化型ファーム”ドルビックスコンサルティング株式会社 インタビュー/取締役執行役員COO 武藤覚様、取締役執行役員 山際賢様

ドルビックスコンサルティング株式会社

今回は、丸紅株式会社により2020年12月に設立されたドルビックスコンサルティング株式会社へのインタビュー。DXに特化したコンサルティングファームとして2021年1月より事業を開始いたしました。今回は、同社を率いる取締役執行役員COOの武藤覚様、取締役執行役員の山際賢様より、同社設立の背景や、組織の強み、今後手掛けるプロジェクト内容、求める人物像などについてお聞きしました。

目次
  1. ドルビックスコンサルティング株式会社を率いる武藤様、山際様のご経歴
  2. 「丸紅イメージ」を極力なくし、コンサルティングファームとしての独立性・中立性を確保
  3. 丸紅グループ、さらに取引先のDXを推進していくことで、将来的にはあらゆる業界のデジタル化に貢献していく
  4. 丸紅の事業資産に直接コンサルティングするため、成果を出すところまでコミットできる
  5. 3年で150人規模が目標。ICT部門との協業も視野に、上流だけでなく下流まで対応できる組織へ
  6. 新しい価値観に能動的にコミットでき、かつ横断的にスキルを磨きたい方と一緒に働きたい
  7. ドルビックスコンサルティング株式会社 求人情報

ドルビックスコンサルティング株式会社を率いる武藤様、山際様のご経歴

原田
まずは武藤様よりこれまでのご経歴を聞かせてください。

武藤様
ドルビックスコンサルティング株式会社(以下、ドルビックス)取締役執行役員COOの武藤です。三菱総合研究所、フロンティア・マネジメント、アビームコンサルティングなどを経て、ドルビックスに参画しました。

ドルビックスに来る前は、事業会社や金融機関の戦略立案、業務改革、IT活用などの支援を行ってきました。さらにコンサルティングファームの経営企画や上場準備などのコーポレートサイドの経験や、ネット銀行など新規事業の立ち上げ経験もあります。

原田
ありがとうございます。武藤様がドルビックスに参画された経緯を教えてください。

武藤様
商社の事業資産を活用したDXの実績や知見をグループ内外に展開していくという、新しいコンサルティングファームの構想に共感するとともに、私自身の経験や知見を活かせる、またとない機会だと感じました。かつ、それをCOOという責任あるポジションでやらせていただけるということで参画を決めました。

武藤覚様取締役執行役員COO 武藤覚 様

原田
山際様は、今回丸紅様から出向されたということですが、現在までのキャリアについて教えてください。

山際様
私はエンジニアとして新卒で国内大手ITベンダーに入社し、2008年に丸紅に転職しました。以前から丸紅グループが展開する多種多様な事業構造に対し、ITやLT(Logistic Technology)、FT(Financial Technology)等、商社の共通基盤で横串を刺したいという思いがあり、今まで仮想デスクトップサービスや映像AI等の新規事業ビジネス開発などの事業を行ってきました。そして昨今のDXのトレンドを鑑み、これまで先進技術やデジタル技術を活用していなかった各事業領域にもDXを取り入れ、ICTの先進技術を活用し異なる事業間でもデータ共有を実現させたいと思い、今回新会社に参画しました。

取締役執行役員 山際賢様取締役執行役員 山際賢様

「丸紅イメージ」を極力なくし、コンサルティングファームとしての独立性・中立性を確保

原田
ドルビックスコンサルティングの設立経緯について教えていただけますか?

武藤様
まずは、丸紅本体が、なぜコンサルティングファームを内製しようとしたのかという話をします。DXの取り組みは、外部の既存コンサルティングファームを使っても、できなくはありません。ただそれは結局「外部流出」につながってしまいます。外部流出というのは、お金のことだけではありません。知見が社内に溜まらなくなってしまうことも意味します。丸紅はさまざまな事業をやっていますので、グループ内にDXなどの知見を溜めて、横展開していきながら事業変革していきたいというのがありました。

また、商社というのは社会の基盤となるビジネスです。我々の生活の隅々まで丸紅が関わっています。社会基盤を革新するということは、社会課題を解決していくことに繋がります。まずは丸紅のグループ内から、そのような案件を仲間と一緒にたくさん作っていきたいと考え、設立に至っています。

山際様
今、DXという大きな波、ビジネスチャンスが来ています。ただ、商社の人間は、事業への理解はありますが、先進技術、デジタルに長けた人材は多くありません。そのためDXに長けたファームを持つことで、丸紅グループ全体をバリューアップしたいという想いもありました。

原田
ありがとうございます。「ドルビックスコンサルティング」という社名の由来を教えていただけますか?

山際様
DOLBIXは、語頭と語尾にDigital Transformation(DX)と、ラテン語で羅針盤を意味する「Orbis」を組み合わせた造語です。デジタル技術やDXを活用して、顧客やマーケットの羅針盤になるという決意が込められています。

原田
丸紅100%出資のグループ会社にもかかわらず、社名には、「丸紅」が含まれていませんよね。そのあたりの背景も教えていただけないでしょうか?

山際様
丸紅の色を極力排除した会社にしたいという意図があるからです。コンサルティングファームは、言わずもがな「人」が資産です。独立性、中立性を担保しないと、なかなか優秀な人材を獲得できません。ですから、ロゴやコーポレートカラー、人事制度、評価制度、報酬制度、経営管理資料など、コンサルティングの要諦をなす部分は一般のコンサルティングファームに近いものにしたいと考えています。

武藤様
会社の設立時に、社長の佐藤を含め役員3人で、ミッション、ビジョン、バリュー、いわゆるMVVを策定しました。その時に生まれたミッションのステートメントが、「社会基盤を革新し、より豊かな世界を構築する」というものです。さまざまな社会基盤のベースになっている総合商社を変えることで社会自体を良くしていきたい、そんな思いが込められている一文であり、我々にとっての羅針盤となる言葉です。

丸紅グループ、さらに取引先のDXを推進していくことで、将来的にはあらゆる業界のデジタル化に貢献していく

原田
これから、どのように事業を展開していこうと考えていますか?

武藤様
最初の2~3年は、丸紅グループを対象とした、DX案件を中心に取り組んでいきます。丸紅はいろんな事業を手掛けていますから、その中で幅広い事業におけるDXの実績を蓄積していきます。そして3年後ぐらいには、丸紅グループのDX案件を通じて蓄積した知見を展開して、外部のお客様を獲得していきたいと考えております。
そのためには、やはり人材が最も重要になります。一流のコンサルティングファーム出身の実績のある方々に集まっていただき、一緒になって新しいビジネスを作っていくというのが、当面2、3年ぐらいの課題と思います。

原田
まずは丸紅グループをDX化することによって、ひいては日本の産業をDX化していくということですね。

武藤様
そうですね。丸紅は総合商社として商流の川上にいます。バリューチェーンの一番上流から原材料を仕入れて、さまざまな業界に卸していくのが総合商社の役割です。もちろんその先にはエンドユーザーがいます。ドルビックスでは、このバリューチェーン、そして商社ビジネス自体の変革が必要だと考えています。

また、商社の取引先にも、DXが進んでいない業界がたくさんあります。そこで、いわばプラットフォームビジネスを提供している我々総合商社が、今の時代に合うデジタルプラットフォームを提供することで、取引先の業界自体を効率化して、かつ取引先も商社も収益を向上する仕組みを提供するわけです。

ドルビックスが新たなビジネスモデル構想策定から、ITを使ったシステムの仕組みの構築まで一気通貫に手がけることで、その業界、そして社会全体の改革に繋げる構想を描いていますし、実際にそのような案件相談があります。

既存の会社の再編や統合だけではなく、流通の仕組み自体を変え、新しいビジネスモデルに組み替える。そのような構想を作り、実現しようとすると、やはり今の時代はITが不可欠です。業界再編に絡めて、新しいビジネスモデルの構想から、仕組み作りまでをやるという、ダイナミックなことができるのは、総合商社ならではです。そしてそのような案件が、既に動き始めています。

原田
丸紅グループの中でも、既に引き合いがあったりしますか?

山際様
設立前からかなり引き合いはあります。丸紅の各事業本部では、既に社長からの大号令で、DXを推進せよと言われていますから。ただ、事業のことはよくわかるけれど、DXについてはどう推進したらいいかわからないという事業本部はいくつもあります。また、「DXによってバリューチェーンが組み替えられることで、自分たちの仕事が失われるのではないか」という、漠然とした危機感を持つ従業員もいます。

その二つの問題を抱え、「何とかしなければいけないのに、できない」という膠着状態の中、丸紅グループにDXを牽引するコンサルティングファームができるという噂を聞きつけた複数の事業本部から「何とかしてくれ」と相談を受けています。具体的には、サプライチェーン、製造系、通信など、社内外からの引き合いがあります。これから本格的に、まずはグループ内から営業をかけて、案件を増やしていきたいと思っています。

原田
いきなり外でビジネスを成功させようというよりは、まずはグループ内でナレッジやコンピタンスを溜めてから、外に営業するということですね?

山際様
そうですね。最終的にはやはり社外のDX案件がターゲットです。ただ、いきなり「丸紅がコンサルティングファームを立ち上げて、社外のDXをやりますよ」と営業しても、おそらく市場も顧客も腹落ちしないと思います。
ですから、まずはその社内でじっくり力を蓄え、ノウハウを溜めて、ソリューション化、テンプレート化して社外に打って出ようと考えています。
「丸紅が自身の事業をバリューアップしてそれを引っさげてきた!」と市場や顧客に感じてほしくて、その前段階として地道なステップを踏んでいるところです。

丸紅の事業資産に直接コンサルティングするため、成果を出すところまでコミットできる

原田
一般的なコンサルティングファームとの違いは、ドルビックスのコンサルテーションが丸紅グループの実績そのものになる、丸紅グループの成果も請け負うところですね。もう一つは、そこで得た知見をステークホルダーまでに広げていくところ。コンサルティングの流れ自体が、一般的なコンサルティングファームと逆側から生まれてくるという印象を受けました。

武藤様
そうですね。我々の場合は丸紅の事業資産をバリューアップする、そのためにDXコンサルテーションの知見が必要ですという話なので、そこはおっしゃるとおり逆方向ですね。

原田
かなり大きな違いだと思います。大手のファームからジョインする方は、御社のどういうところに共感しているのでしょうか?

武藤様
コンサルタントは、コンサルティングの仕事に対してそれぞれ何らかの問題意識を持っています。しかしながら、従来型のコンサルのやり方では、第三者として関わることの限界があります。顧客の変革を最後まで支援しきれない、成果を出すところまでやりきれないジレンマ。そこにもどかしさを感じている人もいます。

ドルビックスは、新会社で、かつ丸紅の事業に直接入っていけるポジションにいて、普通の独立型のファームとは異なる立ち位置です。変革を最後まで実現していける、そこに関われる仕事です。当社のコンサルタントには、総合商社である丸紅の事業資産に直接手を触れられる点に魅力を感じてくれる人が多いですね。

山際様
丸紅には多くの事業本部があり、日本の社会基盤を支えています。大げさかもしれませんが、日本の縮図みたいなものです。従い、丸紅の事業資産をショーケースにDXを成功させるというのは、日本の社会課題の解決に繋がるかもしれない、そこに共感している人もいます。

3年で150人規模が目標。ICT部門との協業も視野に、上流だけでなく下流まで対応できる組織へ

原田
今後、組織や規模をどのように拡大させていく予定ですか?

武藤様
私のイメージではコンサルティングファームとしては150人が一つのクリティカルマスだと考えています。150人いると幅広く案件に対応できる体制になるというのと、マーケットで一定程度認知されるようになります。3年で150人規模に持っていくのが、最初のマイルストーンです。
もちろんそこで終わらず、さらに数百名規模の会社に育てたいと考えています。

ゆくゆくは上流から下流まで対応したいですが、当面は下流の実装段階において、全部を内製できるほどリソースがありません。今はアライアンスを組んで下流に対応している状況です。
提供価値の幅を広げ「上流から下流まで対応できます」というビジネスモデルをしっかり実践できる体制を作りたいと考えています。

原田
グループ会社のICT部門との協業も、今後進めていくのでしょうか?

山際様
そうですね。ドルビックス設立の経緯にもつながるのですが、丸紅の事業会社の力を結集すると、総合的なICTサービスのインフラからインテグレーション、ソリューションまで提供できる素地はあります。ただ、我々の大きな課題として、インフラ寄りで上流が弱いこと、そしてそれぞれの事業会社が小粒というのがあります。
DXを実現するためには、上流の案件を獲得し、事業会社群を纏めながら、構築・保守・運用を巻き取らせるようなファンクションが必要です。そのミッシングピースを埋めるのがドルビックスなのです。ドルビックスが、小粒な事業者をまとめ上げるのが、当面の計画です。

新しい価値観に能動的にコミットでき、かつ横断的にスキルを磨きたい方と一緒に働きたい

原田
御社は、他の総合商社に比べて中途の方が多い印象があります。ドルビックスも、他社と比べてカルチャー的にもジョインしやすそうですね。

山際様
そうですね。ドルビックスは、株主こそ100%丸紅ですが、出向者も数名しかおらず、別会社みたいなものです。運営も、外部から来た経験豊富なコンサルタントで行います。もちろん、必要最低限のガバナンスはありますけれど。

武藤様
私自身も参画してまだ日は浅いですが、オープンなカルチャーの会社だと感じます。新しいことをやりやすそうな印象です。

原田
今後はどのような方に入社してほしいと考えていますか?

武藤様
大前提として、ロジカルシンキング、コミュニケーション、チームワーク、プロジェクトマネジメントの基礎スキルを有していること、企業経営とITの基礎知識は必須です。
加えてサービス開発、マーケティング、セールス、人材育成、ナレッジ共有といった、組織運営能力もあると良いですね。
あとは、顧客の課題解決、会社の利益、そして自己の成長といったプロフェッショナリズムの価値観を共有できる、視座の高いコンサルタントにぜひ入社してほしいです。

入社の入口はITと戦略に分けていますが、プロジェクトチームは横断的に組んでいきたいので、何かに特化したい方よりも、横断的にスキルを磨きたい人に来てほしいですね。新しい価値観に能動的にコミットできるマインドを持つ、チャレンジ精神旺盛な方を歓迎します。

山際様
まずは我々の構想、商社×DX,初期的な仮説提示に留まらず実行、マネタイズまでやりきるという部分に共感いただき、新会社立上をリスクでなくチャンスととらえるマインドを有する人。それから、ITコンサルタントとしての経験はもちろん必要ですが、そこだけしかやらないというよりも、DXに必要なAIやIoTの知識も付けつつ、戦略まわりも貪欲に取り組んでくれる方がいいですね。実際に、既に入社している方はそのようなタイプばかりです。

ドルビックスコンサルティング

武藤様
ドルビックスコンサルティング株式会社
武藤覚 様

取締役執行役員COO
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了後、三菱総合研究所、フロンティア・マネジメント、アビームコンサルティング等を経て当社取締役執行役員COOに就任。コンサルタントとして、事業会社や金融機関の戦略立案、業務改革、IT活用等の多数の支援実績を有することに加えて、コンサルティングファームの運営や実行主体として新規事業を立ち上げる等の豊富なビジネス経験を有する。スタンフォード大学MBA。

山際様
ドルビックスコンサルティング株式会社
山際賢 様

取締役執行役員
早稲田大学大学院理工学研究科電子・情報通信学専攻を修了後、富士通を経て丸紅株式会社に入社。情報不動産本部ICTビジネス第一部部長代理としてVDI,MVNO,映像AI,グローバルIoT等ICT関連新規事業立上に従事しつつ丸紅無線通信代表取締役社長、丸紅ネットワークソリューションズ等の子会社役員を歴任し、当社に参画。 エンジニアからキャリアをスタートし、ビジネスサイドの実績も豊富に持ち合わせている。

ドルビックスコンサルティング株式会社

ドルビックスコンサルティング株式会社

会社名 ドルビックスコンサルティング株式会社
資本金(資本準備金含む) 500百万円
株主構成 丸紅株式会社100%
役員構成 代表取締役社長CEO 佐藤 由浩
取締役執行役員COO 武藤 覚
取締役執行役員  山際 賢
取締役(非常勤) 脇田 英彦
監査役(非常勤) 横井 哲郎
会社設立日 2020年12月21日
事業開始日 2021年1月4日
所在地 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号
事業内容 顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援し全面的に推し進めるコンサルティングサービスの提供
参考:https://www.dolbix.com/

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【必要条件】

  • 戦略系PJT
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