株式会社グロービス インタビュー

グロービス
グロービス 内田 圭亮 様

「ヒト・カネ・チエの生態系を構築し、社会に創造と変革を導く」というビジョンのもと、様々な事業を通じて経営力強化のサポートをおこなうグロービス。 今回は、人材・組織変革コンサルティング部門 ディレクターの内田圭亮様に、アクシスコンサルティングの伊藤文隆と祝佑斗がインタ ビューしました。
文中の情報及びデータ等は2015年12月現在のものです。

目次
  1. 人生の8割を使う仕事が、苦しいものであってはならない
  2. トップ層を変えることで会社の変革に立ち会える
  3. 業界外との競合と海外展開が主なテーマ
  4. コンサルティング業務の他、研究開発や講師として登壇することも
  5. 大事なのは人の可能性を信じられるかどうか
  6. 仕事がライフワーク。月曜日が楽しみに
  7. グロービスの求人情報

人生の8割を使う仕事が、苦しいものであってはならない

伊藤
内田様はアクセンチュア出身と伺っていますが、なぜコンサルティングファームではなくグロービスに転職されたのでしょうか?

内田様
アクセンチュアでは業務ITと人事のコンサルティングを担当していました。その後ネットベンチャーに転職し、企画部門を経験しました。

転職をしようと思った動機は2つあります。ひとつはアクセンチュア時代にお客様に提案をする中での経験です。

最新のIT技術を使ってグローバルレベルでサプライチェーンをつなげ、生産性を上げるプロジェクトや業務プロセスを圧縮するプロジェクトなどを担当していました。クライアントに入り込んでかなりプロジェクトは進んでいたように見えたのですが、常駐期間が終わってしばらくしてからクライアントに尋ねると、提案した内容がその後全く機能していないことが分かりました。

理由を伺うと、そもそもその企業の人の意識や根本となる考え方が変えられていなかったことが原因だと分かりました。いくら良い提案をしたとしても、結局実行するのは人。人が変わらなければ、結局世の中は良くならないということを痛感しました。

2つ目の理由は、ベンチャー企業での経験です。当時「アクセンチュアでの3年の仕事は事業会社の10年分のバリューがある」と言われていたので、3年経ったときに、自分が他の会社でどれだけ通用するか試したいと考え入社しました。

2社目での自分の目標は「世の中に認められる立派な会社にすること」。転職した当時は借金もあり、単月ベースでも黒字化したことがない会社でしたが、ビジネスモデルは面白い会社で、上場を目指してやってきました。

企画、営業、システム、マーケティング、総務・経理と、あらゆる業務を担いました。社員数が30人程度しかいなかったので、何でもやらなくてはいけない。一緒にやっている仲間たちもビジネスモデルには共感しているのに、苦しい経営環境でどんどん疲弊して次々と人が辞めていってしまうという状況を経験しました。

その時、「人生の8割程度を使う仕事が、何故これほど苦しいものでないといけないのか」「働いている時間を、自分の能力が最大化される状態のもとで活き活きと働けるようにしたい」と思い、人・組織を変えて、企業を変えていく、人事・組織コンサルタントを転職の軸として考えました。

クライアント企業に常駐するコンサルティング会社と比較し、悩みましたが、常駐型のコンサルティングの場合は限られたビジネス人生の中で担当できる企業数を考えると多くのお客様には価値提供できないのではないか。それよりも、人が自立的に変化する瞬間をより多くの人に提供することの方が世の中へのインパクトを大きく できる、という考えに至り、グロービスに入社することにしました。

トップ層を変えることで会社の変革に立ち会える


では、法人部門についてお教えください。

内田様
大きく分けて2つあります。双方ともクライアントの経営課題に向き合うという面では変わらないのですが、1つはパッケージ化したプロダクトをクライアント毎に最適化して幅広く世の中に提供するソリューション営業の部門と、もう1つはクライアントに対してオーダーメイドのプログラムを提案していく人材組織変革コンサルタントの部門です。


一般的なコンサルティングファームのソリューションとの違いはどこにあるのでしょうか?

内田様
コンサルディングファームは「答え」となる戦略や課題解決の提案そのものをクライアント企業に提示することが求められています。これも1つの価値提供のあり方ではありますが、これをやり続けていくと、その企業は「コンサル依存」になってしまうと私は思っています。

グロービスのアプローチは、そうではなくて、その企業の人材を育成することを通じて、戦略を考え実行できる人を作り、その方たちが自立的に課題解決に向かっていける組織を作る支援をしていきます。マインドに火をつけ、能力を高めていくことで人・組織を変えていくことが特色です。

伊藤
その過程で、苦労されるのはどのような点でしょうか?

内田様
いわゆるコンサルティングファームがやっているように戦略を提案した方が即効性はあります。それに対して、人や組織へのアプローチはいわば漢方薬みたいなもの。人・組織に直接アプローチすることで本質的な変化を起こしていくことができますが、一方で目に見えて企業が変わるまでには相応の時間がかかります。

育成の中でも、知識(経営戦略・マーケティング・ファイナンス等)を付与すること自体は簡単ですが、本当の意味で人の意識を変えることは容易ではありません。私達は幅広い対象にソリューションを提供していますが、中心は組織の中のミドル~シニアで、次世代の経営幹部候補です。こういった方々は成功体験を積んできているが故に、プライドも高いことが多いので、いかに更に良い方向に変わっていって頂けるかということがチャレンジでもあり、この仕事の醍醐味でもあります。

伊藤
お客様の規模感はどのくらいですか?

内田様
大企業がメインです。少なくても1,000人規模です。

年齢的には30代半ば~40代半ばの方がボリュームゾーンですが、早期育成が最近のトレンドであり、30代前半の方も増えてきています。もうひとつのトレンドは、現経営者に対する研修です。競争環境が激しく、グローバルでの戦いになってくると、経営者も並みのレベルでは戦っていけません。

業界の垣根が取り払われた現代では、従来の考え方・ビジネスモデルでは立ち行かない、という問題意識が経営者の間でも広がっていますので、経営者としての次元を上げたいと思われる方も増えています。

チャレンジングですが、トップ層を変えることで会社の変革に立ち会えることは、大きなやりがいにもなっています。

業界外との競合と海外展開が主なテーマ


経営層に対してはどのような研修をおこなっていますか?

内田様
あくまでも一例ですが、合宿形式で、次期の中期経営計画を策定し、戦略を考えること等をしています。経営のリテラシーを高めるようなインプットは最小限に抑えつつ、それを日々の経営に活かし、如何により良い意思決定ができるか、ということで全社視点や時間軸、外部環境に対しての視野を広げるお手伝いをします。


日本の景況感や大手企業の経営戦略に紐づいて御社のソリューションも広がってきているのでしょうか。

内田様
業界の垣根が取り払われ、今まで思ってもいなかった競合が出てくる、この変化のスピードは10年前に考えていた以上のものがありますが、それに合わせたソリューションが必要になってきます。

また、国内市場がシュリンクする中、更なる成長を牽引するにあたりグローバル展開がマストであっても、シニア層の成功体験は国内がメインになっていることが多いです。グローバルと言いつつ、なかなか組織がグローバル化していかない要因は、語学レベルもありますが、それ以前に意識の面が大きいと感じる場面が多いです。グローバル戦略が描けていても、実行できるか、というとハードルが高いと感じています。

伊藤
一番大変なのは海外展開または、業界外との競合どちらでしょうか?

内田様
業界外から来る競合との戦いだと思います。特にこれまでのビジネスモデル自体が立ち行かなくなっている場合です。まだ海外展開は現在のモデルの改善や現地適応で対応できる面がありますが、ビジネスモデルの変更を伴うような業界外との戦いでは勝ちパターンそのものを変えていかなければなりません。

伊藤
経営者の意識・マネージメントラインの変化でどのような成果が上がっていますか?

内田様
ひとつの例ですが、グループ会社が100以上ある企業で、このままではグローバルでは戦えないという危機意識のもと、グループ各社の社長全員を対象にトレーニングをおこなったプロジェクトがあります。

経営者の方々なので短期集中で、自身の視野の狭さや自社の現行戦略の至らない点に対するフィードバックを通じて、真のプロの経営者と言えるためには今の自分に何が足りないのかを振り返るワークショップを実施しました。

その後、戦略の改善ポイントと、リーダーとして成長すべきポイントをホールディングスの社長にプレゼンしました。その結果もあり、当時おかれていた危機的な経営環境からは脱し、グローバルでの戦いに挑んでいらっしゃいます。

研修で育った世代ではない方々に、育成・研修の効果についてもご理解いただくことにも繋がりました。今では、そのクライアント企業には、「若いうちから段階的に育成しないと真の経営者は育たない」という考えのもと、3階層に分けて選抜型人材育成をさせていただいています。ホールディングスの社長からは、「各社の社長の発言や意識が変わった」という有り難い声をいただきました。

コンサルティング業務の他、研究開発や講師として登壇することも

伊藤
企業研修の中で、その企業の戦略を題材に深い議論をさせるためには、相当な知識・経験が求められると思いますが、どのような方が担当されるのでしょうか?

内田様
クライアント企業の経営課題や戦略自体を扱うセッションの講師は戦略ファーム出身者もいますし、そうでない事業会社出身者もいます。元々は戦略コンサルタントでなかった講師も戦略論をしっかりと学び、それぞれの実務経験を活かしながら、対象企業について事前にその企業の担当コンサルタントと議論しながら理解を深めていきます。

また、グロービスでは自身のクライアントに対するコンサルティング業務をおこないながら、研究開発もおこないます。特に研究開発は特殊です。コンサルティングファームでは事例ベースのリサーチが多いかと思いますが、グロービスでは”経営の原理原則”自体の研究をし、その結果として戦略論を教材に落とし込んだり、より効果的な教え方に反映したりしています。さらに、自身の専門性を磨いた後、講師にチャレンジすることもできます。これもグロービス独自の成長ステップだと思います。

伊藤
他の会社と協業することもありますか ?

内田様
最近増えてきています。例えば、”育成”に付随する領域として”評価(アセスメント)”があります。企業研修の中で、受講者の変化・発言の様子を観察することを通じてプロセスを検証し、プログラムの改善を図ることは自社で実施しています。しかし、人材の要件・コンピテンシーを定義したり、育成によるビフォーアフターの変化を見るといった本格的なアセスメントが必要になるような場合には、アセスメントを専門的に扱っている企業と協業することもあります。

また今取り組んでいる、経営層向けの次期中期経営計画をつくるプログラムは、某コンサルティングファームと組んでおこなっています。クライアント企業の全経営陣にインタビューしながら経営診断をおこない、本質的な経営課題を突き止め、次の成長の方向性を考えるというものです。

コンサルティングファームのアプローチは、分析結果とそれに対するソリューションをアウトプットとして出しますが、私達は答えは教えずに、その企業にいる人に、自ら課題に気づき、自ら解決策を導き出してもらうためのアプローチを取ります。コンサルティングファームが魚を与えてあげているのだとすると、グロービスは魚の釣り方を教えているのです。

大事なのは人の可能性を信じられるかどうか


では、御社の求める人材はどのような方でしょうか?

内田様
グロービスは理念経営を大事にしている会社で、グロービスの理念・価値観への強い共鳴が必須条件です。まず人の可能性を心底信じられるかどうかが重要です。

また、全員中途入社なので、グロービスでは「自由と自己責任」を大事にしています。「自分の好きなことをやりなさい=自由」「責任は自分で=自己責任」。

自立的に物事を考えて、主体的に行動できる人材に来て頂きたいです。人材育成に関する知識・経験は問いません。人材育成に携わったことがなくても、人材育成に対する問題意識が高まって入社する方が多いです。

スキルの観点では、経営上の課題を見極める経営リテラシーがあれば望ましいですが、働きながらグロービス経営大学院に通ってMBAを取得することもできるので、 こちらも必須ではありません。

ただ、好奇心が強くないと難しいと思います。クライアント企業の経営を理解するためにはマクロ環境への洞察・理解が不可欠ですし、人の意識や認識を変えるためには、感情の機微など深い人間理解も必要になります。そういう意味で、マクロ環境のような大きな話から人間心理のようなミクロな話まで、幅広く学ぶ必要がありますので、学ぶこと自体を楽しめる方が向いています。

あと、私は素直さも大事だと考えています。過去の経験にとらわれ過ぎると、新しいことを学べません。素直に、誰からでも学ぶ姿勢があることが重要です。また、合わせて謙虚さも必要です。「上には上がいる」という捉え方。自分の強みと弱みを客観的に把握できる人、自己相対化能力の高い方は成長が早いと思います。それから感情は周囲に伝染していきますので、是非、ポジティブな方、前向きな方に来ていただきたいです。

これまでに見てきた成長スピードの速い方に共通する資質として、私は、素直さ・謙虚さ・前向きさの3つがあると考えています。

仕事がライフワーク。月曜日が楽しみに


趣味やプライベートについてもお伺いしたいのですが、プライベートと仕事は切り分ける方ですか?

内田様
全く切り分けていません。前職までは完全に切り分けていましたが、グロービスに入社してからは、仕事をしている時間が全く苦ではなくなりました。ライフワークのような感覚です。

趣味はテニスと水泳で、まだ子どもが幼いので、テニスは休止中ですが、水泳は自分で子どもに教えています。子どもと遊べる土日も楽しみですが、平日も同様に毎日を楽しんでいます。日曜日には、月曜日が来るのが楽しみで、サザエさん症候群もなくなりました。

楽しく仕事をしている人が多いのもグロービスの特徴ではないでしょうか。学生時代の友人を見ても、そのように心底仕事を楽しめている人は残念ながら多くはありません。その点、私はとても幸せだと思います。


最後に読者へのメッセージをお願いします。

内田様
「すべては、人に始まり、人に終わる」、どんなに素晴らしい商品でも、サービス・インフラでも、すべて人が作っています。よって、「人に作用し、人に良い影響を与えていくことが世の中をより良くしていく上で、最もレバレッジが効く」と信じられる方に来てもらいたいです。

グロービスの社長である堀が代表を務める日本版ダボス会議ともいえる「G1サミット」という各界のオピニオンリーダーが日本を良くするための議論をする場があります。ここにスタッフとして参加することができ、とても刺激的な経験をすることができます。

また、勉強会も様々な機会を作って実施されており、ランチタイムに最先端のITビジネスの話や、遺伝子工学の話など、ありとあらゆる分野のトップの方の話を聞ける贅沢な環境で、日々知的好奇心を刺激されています。

グロービス歴9年目の私であっても、毎日新しい気づき・学びに溢れていると感じます。成長意欲に溢れた社員ばかりですから、何も学べない日は一切ありません。 「成長したい」という気持ちが強い方はぜひご応募ください。

グロービス 内田 圭亮 様
人材・組織変革コンサルティング部門 ディレクター 内田 圭亮 様

慶應義塾大学法学部卒業。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。
アクセンチュアにて情報通信・ハイテク業界における、携帯コンテンツのシステム設計・開発・運用、共通インフラ向けアーキテクチャの設計・構築 、ビジネスプロセス・リエンジニアリング等のプロジェクトに従事。

その後、ネットベンチャーにて経営企画、営業、マーケティング、システム、管理(総務、経理)と、広範囲な業務に携わる。各業務の効率化・最適化を行う傍ら、他社との業務提携、新規Webサイトや広告ビジネスの新規事業の立ち上げを通じて、赤字体質の脱却から2年間で上場を実現。

現在は、グロービスにて法人向け人材育成・組織開発の企画、設計、コンサルティングを行うコーポレート・エデュケーション部門において、ディレクターとしてチームマネジメントに従事。また、経営戦略領域の最新の知見を研究し、経営大学院のコンテンツや教材の開発を行う。

講師としては、経営戦略、マーケティング、クリティカル・シンキング、リーダーシップ、オペレーション戦略等を担当する。著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック2』(ダイヤモンド社)がある。

グロービス

グロービス

グロービスは1992年の設立来、「経営に関する「ヒト」「カネ」「チエ」の生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業展開を進めてきました。「ヒト」の面では、学校法人としての「グロービス経営大学院」ならびに、株式会社立のスクール「グロービス・エグゼクティブ・スクール」「グロービス・マネジメント・スクール」、企業内集合研修事業、「カネ」の面では、ベンチャー企業への投資・育成を行うベンチャー・キャピタル「グロービス・キャピタル・パートナーズ」、「チエ」の面では、出版事業ならびに情報発信サイト/アプリ「GLOBIS知見録」により、これを推進しています。さらに社会に対する創造と変革を促進するため、一般社団法人G1サミットによるカンファレンス運営、一般財団法人KIBOW による震災復興支援も展開しています。

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アクシスコンサルティング

3000名のコンサルタントの転職支援をしてきた人材紹介会社(転職エージェント)。コンサルタントになる。コンサルタントとしてリポジションする。コンサルタントからEXITする。そのすべてに精通した生涯のキャリアパートナー。

グロービスの求人情報

募集職種 人材組織変革コンサルタント
職務内容 日本を代表するリーディングカンパニーのソリューションパートナーとして「人・組織」の領域から変革を実現するコンサルティングや、マネジメント層・リーダー層を中心にした研修の設計・実施などを行います。プロジェクト内容は多岐に渡りますが、
  • 数兆円企業における経営陣の後継者育成
  • 伝統的企業におけるインキュベーション創出に向けた幹部層のパラダイムチェンジ
  • 経営理念やビジョンの見直し、再作成、浸透プロジェクト
などが象徴的な事例です。
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  • 粘り強い思考力と論理性
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