Big4 FASバリュエーションチームの「採用要件・必要なスキル・業務内容」

Big4 FASではバリュエーションに特化してサービスを提供しているチームが多くあります。そこで、今回はFASのバリュエーションチーム経験者などの生の声なども参考に、Big4を中心としたFASバリュエーションチームの採用要件、業務内容、求められるスキルやキャリアについてご紹介します。

【目次】

  1. FASバリュエーションチームの「採用要件」とメンバーの「バックグラウンド」
  2. FASバリュエーションチームの業務内容
  3. FASバリュエーションチームで求められるスキル
  4. FASバリュエーションチームのワークライフバランス
  5. FASバリュエーションチームの英語の使用頻度
  6. バリュエーション業務を経て活かせるスキル・キャリア

FASバリュエーションチームの「採用要件」とメンバーの「バックグラウンド」

FASのバリュエーションチームは、財務DDチームが会計士中心であるのに比べて、比較的多様なバックグラウンドのメンバーが多いです。
新卒の方は少ないですが、外資系投資銀行よりも採用ハードルは比較的低く監査法人出身の方、メガバンクや地銀出身の方、その他証券会社や総合商社出身の方もいます。
各チームやファームにおける採用ニーズによりますが、未経験でも採用されるケースもあります。ただし未経験の場合は、面接等でバリュエーション業務に興味がある理由や、基礎的な知識がチェックされるため、基本的には地頭が良く、数字に強い、エクセルワークが得意な方が採用される傾向にあります。
また英語での資料作成や資料読解も必要になるため、英語力のある方も比較的多い印象です。

(参考)Big4バリュエーションチームの採用要件

◆Senior Associate
1. 銀行や証券会社、保険会社等の金融機関でValuationに近い業務を行ってきた方(3年以上)
2. 事業会社にて財務部門でValuation・投資評価の経験がある方(3年以上)
3. 監査法人にて監査業務を経験され、Valuation業務に関心がある方(減損テスト等の経験は優遇)(3年以上)
4. 同業他社でValuation業務を行ってきた方(2年以上)

◆Manager以上
1. 同業他社(国外含む)で3年以上Valuationの経験があり、PMとしてプロジェクトをリードされた経験がある方
2. 投資銀行やファンドで類似の経験がある方

【尚可】
英語力(ビジネスレベル:TOEIC目安800点)

FASバリュエーションチームの業務内容

バリュエーションサービスは、FASの中でも中心的なチームであり
・M&Aに関する企業価値の評価
・監査業務に関連してのれんの減損テスト
・加重平均資本コスト(WACC)の検証
・無形資産のパーチェスプライスアロケーション(PPA)
等の業務を行います。他にも財務モデル作成の業務を請け負うことがあります。 実際に、Big4系のバリュエーションチームでは、バリュエーションだけではなく、財務DDやエグゼキューションに携わる機会を提供しているケースも多いです。
Big4(EY/PwC/KPMG/Deloitte)と呼ばれる大手のFASファームでは、M&Aアドバイザリー業務に付随して企業価値評価の試算をすることもあれば、監査チームと連携しながら、会計上論点になるバリュエーション関連の業務に関してレポートを作成していくことが多くなります。

投資銀行においてもバリュエーション業務を行うことは多いですが、特にFASで特徴なのは会計に関するバリュエーション業務でしょうか。のれんの減損テストは最たる例で、監査クライアントが過去に行ったM&Aにおいて生じたのれんの減損テスト、またそれに関連するWACCの検証等が挙げられます。
このような業務では実際に投資銀行が作成したモデルやバリュエーションのレポートを見ることができるので若手メンバーの勉強として非常に参考になるという声もあります。

Big4のFASであれば日本の大手企業の監査業務を殆ど請け負っているため、大手企業が過去に実施したM&Aアドバイザリーの作成資料(ほとんどは日系大手か外資系投資銀行)を見つつ業務を進めていけるのも醍醐味の一つでしょうか。
WACCの検証等は監査意見ではないものの、会計監査上はFASの社員による割引率の検証は外部専門家の意見になるため、その際にしっかりとドキュメントを作成し監査チームに納品するという流れがあります(もちろんどのようなプロセスを踏んでいるかは各ファームにより異なると思いますが)。

他にも、M&A関連かつ会計関連のバリュエーションのサービスとして無形資産の評価や、買収した際に生じる取得原価配分(PPA:Purchase Price Allocation)の業務があります。これらの業務は投資銀行では行わず、会計の専門的な知識のあるFASに任されることが多くなります。
基礎的なDCF等も行いますがIFRS等の会計基準に対する理解がないと業務についていくのは難しい点に留意しておきましょう。
他にも応用的な内容としてストックオプションや優先株に関するバリュエーションを行うチームもあります。

FASバリュエーションチームで求められるスキル

バリュエーション業務で求められる能力は、会計・財務の分析能力の他にコーポレートファイナンスに関する基礎的な理解、エクセルのショートカット、感応度分析等のDCFやCompsモデルにおける基礎的な分析能力等、投資銀行のアナリストに求められるスキルセットと類似しています。監査業務を中心に経験した会計士よりも、もともと数字に強い等の素養のある人に向いており、バリュエーションチームで数年経験すると投資銀行へ転職できる可能性も高まります。

一方で、会計士の方であれば、監査業務に付随して発生する固定資産やのれんの減損テスト、M&Aにおけるのれんのパーチェスプライスアロケーション等の業務に多くアサインされてしまい、M&Aに関するディールバリュエーションを行う案件にアサインされづらいということも考えられますので自身の適性も併せてチームのヘッドに上手くアピールしておくことが重要です。

DCFやCompsモデルの作成以外にも、案件によっては財務3表モデルを作成してシナリオ別に分析を行う場合もあります。そのようなプロジェクトでは、M&Aアドバイザリーで行うようなバリュエーション・財務モデリングのスキルを高めることもできます。
最近ではPEファンドによるTOB案件でFASが第三者評価機関としてフェアネスオピニオンを提供しているケースもあるので、若手の方がスキルを積むにはBig4のFASは良いプラットフォームであると言えます。

FASバリュエーションチームのワークライフバランス

忙しさは案件やチームによりますが、プロジェクトワークですので監査法人の監査チームに比べて激務な傾向があります。監査業務のようにスケジュールが毎期決まっているわけではなく、M&A案件のディールスケジュールやクライアントに応じて忙しさや成果物のレベル感も変わってくるためです。
またM&Aに関するバリュエーションのみならず、監査法人系のFASであれば減損テストで使用する割引率の検証等は監査スケジュールの中で締め切りが決まっているため、タイトなスケジュールの中でこなすことが求められます。

なおFASのバリュエーションチームは時期によって求められる人材のレベル感も異なるので、採用意欲やチームメンバーのバックグラウンドなども含めて事前に内情に詳しい知人や、業界に通じたエージェントなどから情報を取得しておくのがいいでしょう。
FASのバリュエーションチームであれば複数の案件を掛け持ちすることが通常なので、タイムラインのきつさもあいまってストレスフルになる可能性もあります。自身のストレス耐性や激務耐性もよく考えて決断することをおすすめします。

FASバリュエーションチームの英語の使用頻度

英語の使用頻度は外資系投資銀行のクロスボーダーM&Aチームに比して少ないですが、バリュエーション業務において監査クライアントが過去に買収した海外企業に応じて発生したのれんの減損テストやWACCの検証等では英語で書かれたレポートを読んで理解する必要があります。なおM&Aアドバイザリーチームと異なり、電話会議でのコミュニケーションが必要になることが非常に少ないのでその点は英語に苦手意識のある方は安心材料でしょう。

国内案件ではQAシートは日本語で行うことが多いですが、英語でのQA作成がある場合も備えて、英語で読み書きが問題なくこなせるレベルにあれば業務上支障はないでしょう。

バリュエーション業務を経て活かせるスキル・キャリア

FASのバリュエーションチームに数年在籍された方であれば、類似上場会社比較法、類似取引比較法、DCF法、市場株価法など投資銀行の実務で使用するバリュエーションのスキルや経験は一通り備えています。
実際に投資銀行のM&Aアドバイザリーやカバレッジチームの募集要項には、FASでのバリュエーション業務経験必須にしているところもあり、即戦力のジュニアバンカーとして期待されています。

バリュエーション業務の遂行にはBloombergやS&Pが出しているCapital IQ、Mergermarketなどの財務や株価データ等を調べるリサーチツールが使えることが必須条件になりますので、FASでそのようなリサーチツールを使い慣れている方は投資銀行では即戦力になります。

また、加重平均資本コストの計算やDCF法のモデル作成など、テキストで習うだけではなく実際に実務でエクセルを用いてジュニアワークを進められる方であれば転職後に即日で活躍できると言えます。

例えば買手のM&Aアドバイザリー業務のプロジェクトにアサインされた場合、対象会社の企業価値をDCF法や類似上場会社比較法で試算し、対象会社の企業価値のレンジを提示するなどのプロジェクトワークが必要になりますので、そのような場面でFAS出身者は活躍できます。

バリュエーションチーム出身の方のキャリアとしてはMBAを取得して投資銀行やファンドを目指す、もしくはそのまま同じFAS内のM&Aアドバイザリー業務のチームに移る方も多くいますので、コンサルティングファームの中でも、比較的キャリアの選択肢は広いと言えそうです。

特に、大手会計事務所系であれば、短期間で様々な案件の経験が積めますし、ハードスキル(財務モデリング・DCFやCompsといった基本的なバリュエーションスキル)、財務分析能力も身につきます。
そのためキャリアの選択肢として転職先は日系や外資系も含めて非常に恵まれていますし、業務内容はハードでありつつもM&Aや企業価値評価に関する業務をしたい会計士や事業会社勤務の方であれば最初にチャレンジしやすいキャリアになるでしょう。

ただし、バリュエーション業務をずっと行っていると、単にエクセルで計算することばかりが多くなりますので所謂「計算マシン」になってしまうリスクもあります。
そのため、いずれかのタイミングでM&Aアドバイザリー等のディールのFAを行う部門や会社に異動ないしは転職を検討する方が多いように見受けられます。

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>DXやベンチャー企業に関する記事

「Big4」各ファーム独自の「DX推進ポジション」特徴・転職年収事例・キャリアパスまとめ(2020.05更新)
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/big4dx2019

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今回はFASのバリュエーションチーム経験者などの生の声なども参考に、Big4を中心としたFASバリュエーションチームの採用要件、業務内容、求められるスキルやキャリアについてご紹介しました。

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