ケース面接で「ボロボロ・失敗」になる理由と、その対策【戦略コンサル転職を目指す方向け】

戦略コンサルや戦略チームへの採用においてしばしば実施される「ケース面接」。他業種では必ずしも実施されるものではなく、また高い論理的思考力を求められることから苦手意識を持っている方も多いでしょうか。
実際に、通常の面接を乗り切ったにもかかわらず、ケース面接の結果がボロボロで採用に至らなかったという経験をした方もいらっしゃいます。

今回の記事では、ケース面接におけるよくある失敗事例と、例題を踏まえた対策について解説します。

【目次】

  1. 失敗例1:想定外のケース面接形式にとまどいボロボロ
  2. 失敗例2:要因分解や分析に時間を使いすぎてボロボロ
  3. 失敗例3:正確性を意識しすぎてボロボロ
  4. 失敗例4:ケース面接における回答後のディスカッションでボロボロ

失敗例1:想定外のケース面接形式にとまどいボロボロ

ケース面接というとある程度型が決まっているイメージを持たれがちです。しかし、ファームによって、応募チームによって、そして面接官となるコンサルタントによって、中には一般的な傾向と異なるケース面接を課す場合もあります。

一般的にケース面接というと、たとえば以下のような形式をイメージするかと思います。

【推計と課題解決型】
フェーズ1:市場規模・売り上げ規模などを分析・推計
フェーズ2:市場拡大・売上拡大など何かしらの課題解決策を提案
フェーズ3:面接官とのQ&A

【プロコンや選択肢への回答】
フェーズ1:Yes or Noや特定の選択肢の中から自身の回答・理由を説明
フェーズ2:面接官とのQ&A

また、一回のケース面接で一つの題材につき扱うケースが多く、一般的にそのような想定で対策を進めるのがセオリーです。

しかし、上記はあくまで「傾向」であって、必ずこのような流れでケース面接が進められるわけではありません。

実際に想定外のケース面接にボロボロとなった事例としてさまざまな短問を断続的に出されるというものがありました。回答時間が非常に短い中で、論理性やフェルミ推計、単純な数学的な計算力を必要とする問題が相次いで出されます。

ケース面接について対策を重ねれば重ねるほど「オーソドックスなケース面接」にのみ慣れてしまい、変則的な面接に冷静に対応できず失敗してしまう方は少なくありません。

対策としては、まず心構えとして、通り一辺倒のケース面接が実施されるとは限らないという意識を持っておくことです。面接方法はファームやチーム、面接官によって変化しうることを忘れてはいけません。

また、事前の情報収集をしておくことも大切。特に転職エージェントは、各社やチームの面接のスタイルなどについて熟知している場合が多いので、面接などについてアドバイスをもらうとよいでしょう。

失敗例2:要因分解や分析に時間を使いすぎてボロボロ

一般的なケース面接は、志望者に何らかの回答およびその根拠を求めます。一定時間のうちに課題について検討したうえで、回答をまとめ、面接官に伝える必要があります。

ここで絶対で特に避けなければならないのは「時間切れで結論が出ない」という事態。どんなに推計が論理的で、正しいフレームワークを使って分析をしたとしても、結論を出せなければ、ほとんどの場合ケース面接は失敗です。そこから次の選考に進める確率は大きく低下します。

結論が出ない原因の一つとして、分析・推計に時間を使いすぎて、ケース面接で求められている結論に辿り着けなかった、という失敗例はしばしば見られます。

特に注意したいのは、ケース面接において題材を「要因分解」する局面。要因分解とは、たとえば「ラーメン屋の売り上げを分析する」という題材があった際に、
・売り上げ=客単価×席数×回転数
といったように売り上げの構成要素を分解すること。こうすることで、現状分析や課題の洗い出しをします。

上記はかなり単純に書きましたが、たとえば客単価について「メニューがいろいろある場合はどうしよう?」「男女で頼む量は異なるのでは?」といったことを考え出すとさらに分解する余地がありそうです。

ある程度細かい分解をおこなうことで、より論理的に分析し、質の高い回答に至ることができる可能性は高くなります。一方で、各要素を細かく分解しすぎて制限時間内に計算・分析しきれなくなってしまうことは避けなければなりません。多少ロジックが粗くとも、結論を出すところまで至ることが何よりも重要です。

対策として、まず事前準備の段階では、厳格に時間を決めてケース面接対策をおこなうことです。本番の時間は明確ではないですが、10〜15分程度で分析・回答する癖をつけておきましょう。

また、本番においては「時間に余裕を持って必ず結論まで出し切る」ことを徹底します。少し時間を残して最低限の結論を出すようにし、残った時間でロジックの確認や、必要に応じて追加の要因分解をできるよう余裕を残して対応できればベストです。

失敗例3:正確性を意識しすぎてボロボロ

ケース面接においては多くの場合、一定の仮定をおきながら現状をまとめていかなければならない局面が出てきます。

コンサルプロジェクトにおいても仮説を設定したり、答えがわからない状況に対して仮定をおきながら課題を分析していく局面が少なからずあるため、そのような局面でスムーズに対応できるスキルの有無をチェックしているのです。

ここでよくある失敗例が「正確な数値を出さなければならない」と誤解して手が止まってしまうことです。要因分解を行えば正確な数値を出せるのでは、と思ってしまいそうですが、土台となるデータが与えられないケース面接の場合は、計算する際の数値に一定の仮定をおきながら進めるしかなく、正確な算出を行うこと不可能です。

面接官が評価するのは仮説・仮定の論理性。数値の正確性については、必ずしも重視されません。この点を誤解しないようにすることが重要です。

このような状況に陥らないための対策として、事前にケース面接の想定問題を解いて対策する際には「課題をできるだけ単純化して、仮定を置きやすい要因分解を行う」ように意識することです。

ケース面接はあくまで論理的思考力や課題解決能力を確認するものであるため、特定の専門性がなければ数値の仮定すらままならない題材はあまり出ません。

例えば、次のような「仮定のおける」数値を導入できるように意識しながら要因分解を行います。

■一般知識としておおよその数値を把握している数値
(例:日本の人口、東京都の人口、世帯平均収入)

■時間・年齢構成など数値がある程度決まっている数値
(例:1日=24時間、人間の年齢=0歳〜100歳)

■常識の範囲内で推計が可能な数値
(例:飲食店での客単価、通勤における平均的な乗車距離・通勤費)

特に手が止まってしまいがちなのは、最後の「常識の範囲内で仮定を置ける数値」で、この数値においては時に大胆に仮定をおく意識を持つことが重要です。

例えば、飲食店の客単価は正確性を追求しすぎると「さまざまなメニューがあるかも」「利用者によって頼む量は異なるだろう」といって正確に計算しようとしてしまいますが、飲食店のメニューに関する情報がなければ、これ以上細かい仮定を置くのは困難です。

分析が粗すぎて論点が見出せず、解決策の策定や自身の提案内容をまとめられない、という状況にならない限りは、正確な数値の算出にこだわる必要はありません。

失敗例4:ケース面接における回答後のディスカッションでボロボロ

課題に対してはある程度しっかりした論理的な回答に至ったのに、その後の面接官とのディスカッションで失敗してしまうケースもあります。

多くのケース面接では、回答を発表したのちに、面接官からさまざまな質問を受けます。現場でコンサルタントがプレゼンをおこなったのちに、内容に対して質疑応答を受ける局面は多いです。そのような時に的確に答えられる人材が好まれることから、ケース面接でもディスカッションの時間が用意されているのです。

ディスカッションで失敗してしまう原因は、大きく分けて3つです。
・回答の質が低く、論理的な矛盾を指摘される
・面接官の質問が想定外で回答に窮してしまう
・自身の意見に固執しすぎて、面接官の指摘を受け入れられない

ここからはそれぞれについて、対策とともに詳しく説明していきます。

1.回答の質が低く、論理的な矛盾を指摘される

そもそも課題に対する回答の質が低いと、論理的な矛盾を指摘されてしまい、ディスカッションがうまくいかないケースはあります。

これについては、前段階である課題に関する分析・回答の段階での失敗です。そのため、まずは論理的に隙のない回答を準備することが大切です。

先の説明でも触れたことですが、あまりに分解を細かくしすぎるあまり、納得感の高い仮定を置けなくなる場合もあります。

例えば、ラーメン屋の客単価が900円程度と言われれば、都内ラーメン屋の仮定としては合理的といえるでしょう。

しかし、例えばメニュー構成を考慮して、ここからさらに仮定を置いて細分化しようとした場合、メニュー構成は店によって多様なため「一般化」が難しいといえます。

ここで不用意に根拠の弱い仮定をおいて要因分解を進めてしまうと、指摘を受けてしまうリスクが高くなるでしょう。(もちろん、メニュー構成の仮定を置くための事前データがある場合、メニュー分けを行うに足る前提条件が与えられている場合にはこの限りではありません。)

こちらの失敗に対する有効な対策は「論理的に矛盾のない回答を準備する」に尽きます。納得感の高い論理的な内容にすることが大切で、必ずしも詳しく分析することが正解というわけではないのです。

2.面接官の質問が想定外で回答に窮してしまう

面接官の質問はさまざまな角度から切り込まれますが、想定外の質問にうまく答えられないという失敗例も。一般的な面接にもいえることですが、スムーズなコミュニケーションを取れないことがマイナス評価につながってしまう可能性があるのです。

課題に対する回答のクオリティに問題がないことを前提とすると、まず課題について分析している時間帯に、ある程度想定される質問についてイメージしておくこと良いでしょう。そのためには時間に余裕を持って分析を進めることも大切です。

いざディスカッションの段階では、次の三点を注意します。
・即答する必要はないので、質問に対する答えをまとめたうえではっきり答える
・聞かれたことに的確に答える
・正確に回答できないと判断した場合にはその理由を答える

特に大事なのは3点目です。現状の分析では正確に答えられない質問がくる場合があります。この場合は、適当にはぐらかして誤魔化そうとするのは得策ではありません。

正確に答えられないことを明示したうえで、自分なりの仮説と、正確に答えられない理由、どのようなデータがあれば答えられるかを説明するのがよいです。あえて回答が難しい質問を投げて、それに対する対応力を見ているケースもありますので、正確に回答できないことが直ちにマイナスにつながるとは限りません。

3.自身の意見に固執しすぎて、面接官の指摘を受け入れられない

ディスカッションのなかでは、改善案や反対意見などを述べられる場合もあります。意見を聞いても分析内容をもとに、自身の意見を通せると判断した場合には、その判断に基づいて自分の意見を説明して問題ありません。

一方で、時には面接官の洞察の方が優れていたり、一部を取り入れることでより説得力の高い回答になったりするということもあるでしょう。

そのように判断した時には、面接官のコメントを受け入れる柔軟性も重要です。ケース面接は面接官とディベート対決ではありません。ケース面接のゴールは、自分なりの分析とスムーズなコミュニケーションの中で課題に対するベストな回答を建てること。時には無理に自分の意見に固執せず、引き下がる柔軟性も大切なのです。

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ケース面接でボロボロな結果に避けるための対策は、徹底した事前準備と、ケース面接における心構えに分けられます。

事前準備としてはケース面接の想定問題を活用した対策や、情報収集が肝要です。また本番のケース面接の場においては、あくまで「回答に至る」ことが目的であり正確性を過度に固執すべきではないこと、そして面接官とのスムーズかつ柔軟なコミュニケーションを行うことを意識するとよいでしょう。

今回の失敗例・対策を参考にしながら、ケース面接に臨む体勢を整えておけば、ボロボロになってケース面接で落選、という事態を避けられる可能性が高まります。

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