ケース面接の流れ<進め方のコツ>【正しい時間配分や解き方のステップ】

コンサルファームで頻繁に実施されるケース面接。通常の面接とはプロセスが異なるため、慣れていないと戸惑ってしまう人も少なくありません。

ケース面接をスムーズにこなして高い評価を得るためには、あらかじめ面接の基本的な流れを理解したうえで、当日の時間配分を意識して対策をしておくのがおすすめ。今回の記事ではケース面接の一般的な流れと、時間配分のポイントを紹介します。これからケース面接を控えている人はぜひ、この記事を参考に対策を進めてください。

【目次】

  1. ケース面接の一般的なパターン
  2. ケース面接の思考の流れと時間配分
  3. ケース面接における回答プレゼンについて
  4. ケース面接の流れと時間配分を掴んでスムーズに対応しよう

ケース面接の一般的なパターン

実は、一口にケース面接といっても、そのプロセスは一様ではありません。受けるファームによって、受けるチームによって、場合によっては担当する面接官によってさまざまなタイプのケース面接があります。ここでは、その中で比較的オーソドックスなケース面接の流れのパターンを紹介します。

一つのお題を自分で分析→プレゼン→質疑応答

おそらく最も一般的なのはこのスタイルだと思います。ケース面接が始まるとすぐに、特定のテーマを与えられます。

面接時間の半分程度は選考者がテーマについて考えて、回答を組み立てるまでの時間に与えられます。その後、数分〜5分程度かけて回答について面接官にプレゼンをし、その後、回答内容について面接官から質問されるため、それに答えていきます。

面接時間は全体で30分前後で、目安としては次のような配分になるケースが多いでしょう。
・ テーマ説明(1分程度)
・課題分析・回答準備(15分程度)
・回答を面接官にプレゼン(5分程度)
・質疑応答(10分程度)

テーマ説明と質疑応答は時間の調整余地がないため、選考者にとっては課題分析・回答準備やプレゼンにおける時間配分が重要となってきます。

複数のお題について分析→プレゼン→質疑応答

ついで多いのが、複数の問いが与えられているケース。例えば、オーソドックスな例でいえば、特定の市場に関して、まず市場規模を概算したうえで、その後市場規模を+○%するにはどうしたらよいか?というテーマに答えるパターンです。

面接全体の時間制限は問いが一つのケースと同程度か、若干長い程度ですが、回答しなければならない問いが複数ある分、プレゼンと課題分析・回答準備における時間配分の工夫が大切になってきます。

全体の流れも以下のように、問いが一つの場合あまり変わりませんが、テーマ説明の段階で一気に複数の問いが与えられるため、問いの内容を素早く理解し、時間配分に注意を払って分析を進める必要があります。

・複数の問いについて説明(1〜2分程度)
・複数の問いについて課題分析・回答準備(15分程度)
・回答内容をプレゼン(5分程度)
・質疑応答(10分程度)

問いと回答のプレゼンを複数回繰り返すパターン

テーマ設定、分析、回答を2〜3回繰り返すケースもあります。それでも全体の時間が極端に長くなることはないので、1テーマ設定、分析、回答の1セットを10分程度で行います。1回の分析に使える時間は長くても5分程度です。

その分比較的シンプルなフェルミ推定などが中心となりますが、短い時間制限に注意して、スピーディに分析を進めていく必要があります。

・問いについて説明(1分程度)
・課題分析・回答準備(5分程度)
・回答内容をプレゼン(2〜3分程度)
以上を2〜3回。質疑応答が間に入るケースもある。

時間配分を考える余地があまりないパターン

このほかに、そもそもまとまった考察時間をほとんど与えられないため、時間配分について工夫の余地がないケース面接もあります。

一つが、考察時間なしで、面接官とディスカッションしながら回答を解き進めて行くタイプ。ディスカッション能力と論理的思考力や問題解決能力を一気にはかるために取り入れられています。このケースでは厳密な制限時間がない場合が多いですが、議論が間延びしないように注意しながら、面接官との会話を進めていく必要があります。

もう一つは、短問を断続的に与えられるケース。制限時間は一つの問題につき長くても1分程度なので、やはり時間配分に工夫の余地はほとんどありません。時には複数桁の掛け算を一瞬で暗算させられるなど、ほかのパターンと比較して自由で幅広いテーマが与えられます。必ずしもビジネスとは関係のない問いも頻繁に出されるため、事前対策が難しいケース面接です。

ケース面接の思考の流れと時間配分

ケース面接の流れを一通り掴んだところで、次に身につけておきたいのが適度な時間配分。特に重要なのは最も長い時間が割かれるケースの多い回答準備の段階です。ここで面接官の求める回答を準備できなければ、ケース面接の通過は一気に怪しくなります。

そこで、ここでは、課題分析と回答準備の段階における一般的な思考の流れと時間配分について解説します。

回答を構成するまでの思考の4ステップと時間配分

課題分析から回答準備に至るまでのステップは大まかに次の4つに分けられます。
1.問題の整理・定義づけ
2.全体情報を整理する
3.回答案を考える
4.成果の概算と回答の絞り込み

まず、問題の整理や定義づけを行います。ケース面接のテーマによっては、そもそもほぼ自明の場合もありますが、例えば「市場規模の拡大」といったときに、市場規模を売上高で見るのか?利用者数や販売数量などで見るのか?そもそも「市場」とは世界か、日本全体か、特定地域か、など。一見自明なようで実は定義づけが必要なケースも少なくないので注意しましょう。

続いて、以前このメディアでも紹介したフレームワークや数式による要因分解によって、情報を整理します。冒頭紹介したような市場規模・市場成長率のような定量的な回答が必要なら数式での要因分解が有効ですし、企業の課題を洗い出して、事業戦略提案をする場合などは、SWOT分析などの経営戦略系のフレームワークが役にたつでしょう。

情報を整理したら、そこから回答案を考えていきます。ケース面接の多くは、実際のコンサルの如く特定の課題に対する解決策です。いきなり最善策が出てくるとは限りませんし、一つしかない回答案を「最善の回答です」とプレゼンしても説得力に欠けるので、回答は複数の案を用意してから絞り込んでいった方がベターです。

最後に複数の回答案から、最終回答として最も適したものを一つ選びます。回答のプレゼンにおいては、複数の回答案から一つに絞り込んだ根拠も重要なので、しっかりとこのプロセスを踏みましょう。

時間配分は内容にもよりますが、1及び2をいかにスピーディにおこなうかが重要。2までを速やかに(そして論理的に)進められれば、回答候補をあげることはそう難しくない(難しいのであれば1や2が不適切な可能性も)ため、4に時間を使うことができます。

あくまで目安の一つですが、このように4に時間をかけるのが理想です。
分析・回答作成の時間が15分の場合
1.問題の整理・定義づけ(2分)
2.全体情報を整理する(4分)
3.回答案を考える(3分)
4.成果の概算と回答の絞り込み(5分以上)

回答すべき問いが二つある場合の流れ

回答すべき問いが複数あるケース面接では、大抵の場合一つ目の問いは二つ目の問いを考えるうえでの材料になっていることが多いです。つまり二つ目の問いの答えがメインになることを念頭に、できるだけスピーディに二つ目の問いに向けた分析や回答準備に移っていくことが大切です。

1.一つ目の問いを整理・定義づけ(1分程度)
2.情報を整理して、一つ目の回答を準備(3分程度)
3.二つ目の問いを整理・定義づけ(2分程度)
4.全体情報を整理する(一つ目の問いの回答を材料にする)(3分程度)
5.二つ目の問いの回答案を考える(2分程度)
6.成果の概算と回答の絞り込み(4分程度)

フェーズが多いためかなり細かい配分となっています。もちろん、あくまで目安で、しっかりと複数の回答を比較・分析し、最善の回答を準備できるのであれば、多少の調整はあっても問題ありません。

例えば一つ目の問いが市場規模の算出、二つ目が市場規模拡大のための方策、だとすると、一つ目の問いの回答はフェルミ推定などで速やかに導き出します。複数の回答案を比較検討するのは、市場拡大という課題を解決しなければならない二つ目だけで充分です。二つ目の問いの回答候補の洗い出しや、成果の概算・絞り込みに時間を使いましょう。

ケース面接における回答プレゼンについて

回答のプレゼンについては、考察する時間と比較するとさほどタイトにはならないため、そこまで神経質になる必要はありません。一方で、次の要素を全て含めるのが理想的です。

・最終的な回答
・その回答に至るまでの根拠
・回答を絞り込む過程で出した回答案
・回答案それぞれの効果の高さ(もしくは回答を一つに絞り込むに至った要因)

一般的にはこの順序で説明していくのがよいでしょう。特に問いに対する回答は必ず最初に説明するのが大切です。コンサルである以上回答の仕方にも論理性が要求されるため、結論がどこにあるのか分かりにくい説明はあまり好まれません。

また、時間に神経質になる必要はないといっても、あまりに間伸びした説明をするのは印象が良くないでしょう。必要な要素はもれなく含めつつも端的な説明を心がけてください。

ケース面接の流れと時間配分を掴んでスムーズに対応しよう

ケース面接は通常の就職活動や転職活動では触れる機会が少ない人も少なくありません。その流れも通常の面接とは異なるため、慣れていないと流れや時間の使い方がよくわからず戸惑ってしまう人もいます。

最終的にはスムーズに答えを導き出せれば、時間の使い方に過度にとらわれる必要はありません。しかし、慣れないうちは時間配分の目安があった方が取り組みやすいと思いますので、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

面接に向けた準備の時点で、今回の時間配分を参考に限られた時間のうちに答えを導き出せるようにしておけば、慣れないケース面接をスムーズに進めることが可能です。

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>ケース面接に関する記事

ケース面接で「ボロボロ・失敗」になる理由と、その対策【戦略コンサル転職を目指す方向け】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/case_interview_preparation

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今回の記事ではケース面接の一般的な流れと、時間配分のポイントを紹介しました。
キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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