CFOとしてベンチャーに「採用」されるためのステップ・方法

CFO(最高財務責任者)に就任することは、今後のキャリアを考えるうえで大きな経験となります。CFOで業務経験を重ねた場合と、そうでない場合では、ベンチャー企業における評価も大きく変わってきます。

今回は経理財務や経営企画の就業経験がある方にとって、少なくとも一度は考えたことがあるだろうCFOへのキャリアについて、どのような方法とステップがあるのか紹介します。

【目次】

  1. CFO採用の主な方法
  2. CFO採用のステップ

CFO採用の主な方法

CFOの採用方法は中途社員と異なり、重要な役割を担う分、多岐にわたります。またどの企業も、自社の成長を牽引してくれる優秀なCFOを採用したいと考えているでしょう。

以下から、CFOの具体的な採用方法と、それぞれの特徴や注意しておいた方が良い点などについて確認します。

リファラル採用

まず考えられるのが、CEOやCXOと一緒に仕事をしたことがある方から声が掛かるリファラル採用です。過去の実績や仕事の仕方、価値観などは既に分かっているのが前提となります。

CXOが、「前職で一緒に仕事をしていたCFOが、資金調達も一段落し要請されたミッションが終了、新たな転職先を探しているようだ」との情報を耳にしたとします。「当社を受けてもらうのはどうか」という考えに至るのが普通でしょう。

この場合、書類審査の手間がほとんど掛かりません。CXOと仕事をした経歴がある分、会社の雰囲気やビジョン、価値観も把握し共感できているCFOであれば、さらに親和性がある可能性が高いです。

一方で、CXOが紹介したメンバーの場合は、CEOとの相性や、逆にCEOが紹介した場合には、他の役員との相性などを見ていく必要があります。

さらに、ベンチャー企業が求めるスキルにマッチした経験をしてきているかどうかも重要です。また、リファラル採用は既に自分をよく知る他のメンバーが就業していることから、定着率が高い可能性があります。

「自分の元同僚がいるのだから、気軽に相談できる相手もいる。また前職で苦しい時期を共に乗り越えてきたのだから、そのようなことがまた起きても乗り越えられるだろう」

自ら他を探すリスクを考えると、割に合う選択肢となる訳です。

さらに採用に掛けるコストも企業側からすると、紹介してくれたメンバーへのインセンティブ程度であり、転職エージェントやヘッドハンターに支払うコストに比べると格安で済みます。

ただし、CFO候補者が不採用となった場合は、紹介した側とされた側の今後の関係性が悪化することが懸念されるでしょう。仮に不採用となってもやむを得ない点を、双方で共有しておくことが大切です。

縁あって転職できたとしても、紹介してくれたメンバーの離職が発生した場合には、拠り所や相談相手がいなくなることで不安になるのも事実です。CFO候補者も、リファラルを検討する側も慎重に考えて判断しましょう。

社外役員や株主からの紹介

社外役員や株主からの紹介により、CFOが着任するケースもあります。社外役員は、株主である企業やVCからの投資契約を結んだうえで、派遣され就任する可能性が考えられます。

とりわけVCの場合、「他の出資先企業のCFOが離任せざるを得なくなったので、当社で適性があるかどうか見てほしい」という要請がよくあるものです。紹介される人材ということは、一定程度の経験は既にスクリーニングされており、スキルには問題ない層です。

一方で、対象となるベンチャー企業のカルチャー、価値観との相性、CEOをはじめ他のCXOとの相性に問題がないか、また部下となる管理部長や経理財務リーダー層と上手く仕事がしていけるメンバーかなどを見ていく必要があります。

会計士や主幹事証券からの紹介

社外役員や株主からの紹介とも似ていますが、ベンチャー企業に関わっている会計士や主幹事証券から紹介されるケースも。会計士の間ではベンチャー企業のネットワークがある程度形成されていて、それなりの経験を持っている方の紹介もできる環境にあるでしょう。

ただし、スキルとして会計寄りのメンバーとなった場合には、経理業務が中心となり、幅広い財務や管理部門の統括に取り組むのが難しい点はあります。

また主幹事証券からの紹介によるものも考えられます。主幹事証券は上場準備を手掛けており、数多くのベンチャー企業の面倒を見ています。諸事情により上場準備を断念したり、M&Aの仲介により吸収される側の企業にいたCFOが退任したりする状況であれば、CFOの新たな活躍先を紹介することは一般的に考えられる流れです。

ヘッドハンターや転職エージェント経由

最も一般的で、通常のキャリアを歩んできた方なら誰でも取ることのできる方法が、ヘッドハンターや転職エージェントの紹介です。会員登録することで、担当者がCFO求人を紹介してくれます。

職務経歴書や履歴書を提出すればすぐにサービス開始をしてくれる会社もあれば、条件に見合った紹介先がなく、暫く連絡が途絶える会社もあります。

紹介のメリットは、会社によっては多くの案件を抱えていることもあり、すぐにスキルにマッチした企業を紹介してもらえる点でしょう。急ぎで職を探している場合には、候補会社を多数見ることができ、CFOとしてのキャリアの可能性が広がります。

また紹介会社も商売上、会社への紹介が積極的であることから、現時点ではCFO未経験であっても、スキルが高い人材であればCFO候補者として企業に紹介することもあるでしょう。

反面、ヘッドハンターやエージェント会社の担当者との相性により、当たりはずれもあります。紹介側も実績を重ねたいため、ベンチャー企業のCFO採用に詳しい方がアサインされることが一般的です。

ただ、自分が希望している業界が得意でない場合や、担当が複数案件を兼務していることから、優先順位が下がることもあります。

特に経歴書については、力を入れて作成する必要があり、ヘッドハンターやエージェントの、経歴書に知見がある担当者にチェックしてもらうのが望ましいでしょう。

ヘッドハンターやエージェントは、本人が出してきた経歴書をそのまま候補企業に渡してしまうこともあります。彼らは数多くの経歴書を見てきている専門家のため、採用されやすい書き方や工夫などを知っているはずです。

必ず、「私の経歴書を見て頂き、修正すべき点があればご指摘頂きたい」旨を伝えた方がいいでしょう。経歴書の中には要約が冒頭に入ることが一般的ですが、要約は長くても500字程度で、CFO業務や、未経験の場合はそこに準ずる業務を中心に記載することが望ましいです。

採用イベント参加

特に設立間もないスタートアップ系のベンチャー企業が参加するのが、採用イベントです。CEO自ら採用のためイベントに参加し、自社の魅力を伝えながら候補者に訴えるものとなります。

採用に掛ける人や金銭的リソースが足りないベンチャー企業は、複数のベンチャー企業と共に開催することでイベント集客を行います。直接CEOからのプレゼンテーションを聞けるため、企業の戦略やビジョンが伝わりやすく、理解もしやすいメリットがあります。

ただしCEOや会社の魅力は伝わる一方で、他のCXOの魅力や彼らから見るカルチャー・考え方はその場では分からないため、面談にて確認する必要があります。必ずしもCFOを募集している訳ではなく、また自分に合う会社があるとは限らないため、「マッチする会社があればいい」ぐらいの気持ちで臨みましょう。

社内からの昇格

企業としては新たにCFOを迎える際には外部からの採用を考えてしまいますが、企業内からの内部昇格により充当することも考えられます。とりわけ、層が厚い会社における経理財務責任者や経営企画責任者は、その可能性は十分高いと言えるでしょう。

外部からのアサインにより自社に馴染むかどうか分からない、またはスキルがマッチするかは採用してみないと分からない人材に比べ、双方とも事前に分かっているメリットがあります。

さらに、会社へのロイヤリティがさらにアップすることで、企業成長に貢献してくれることでしょう。新規に外部からCFOを採用するためにヘッドハンティング会社・転職エージェントを使う場合と比べるとコストが掛からない点も魅力です。

課題は、彼らがCFOとしてのスキルを発揮できるかどうかが未知数である点。また、採用レースから外れたメンバーのモチベーション維持や、引き継がれるメンバーへの業務負担の増加もあり、社内で検討する場合においても慎重に行う必要があるでしょう。

CFO採用のステップ

CFO採用のステップはどのような形で行われることが多いのでしょうか。

社員採用とは違い役員候補の採用となるため、通常の人事面接から入り、部門長の面接、そして最終的な社長面接に至る形とは違う場合も多いです。

とりわけ、ベンチャー企業においては複数の考え方があると思いますが、一般的な考え方を記載します。

この章においては、外部からの採用と仮定して考えますので、社内昇格には該当しない点を予めご了承ください。

書類選考

どのような方法で応募したとしても、まずは職務経歴や履歴を確認する書類選考から始まります。面接に先だって、CFO候補者がどのような会社で経験してきたかを文書で確認するのです。

この段階で「会ってみてもいい」となるか、「会わない」となるか明確になります。書類選考に先だって、CFO候補者としてニーズにマッチした経験をした方がいるという提示が、リファラルや会計士・主幹事証券からなされる場合もあります。

CEOやCXO、執行役員クラスが最初から面接に参加

CFO候補者の面接の場合、人事やマネージャークラスでは判断ができないため、おおむねCFOの横並びである役員か、場合によっては最初からCEOが直接会うというケースもあるでしょう。

CEOが面接に参加する場合は、会社のビジョンやミッション、創業からこれまでの成長の経緯など、細かく説明してもらえる機会でもあります。

CFO候補者として受ける側は非常に緊張しますが、自身の経験を長すぎず、短すぎず、5分程度で直近の経験を重視しながら話していくことが望ましいです。

CFOクラスとなると経験豊富であることから、経歴も長くなりがちですが、聞かれたことに対して的確に、かつ実績や苦労したこと、その対策を中心に話していくことが、好印象につながるでしょう。

さらにCEOが出てくる場合に備えて、CEOのインタビュー記事やSNSがあれば、内容を事前確認して臨みたいものです。

CEO面接が無事に終わって、CEOが候補として「良いな」と考えた段階であっても、ほとんどの割合で他のCXOにも会ってもらうという話が出るでしょう。

企業によってはCXO全員が納得して採用に至る場合もあるため、各メンバーからも評価を受けるために、気を緩めず面接に取り組んでいく必要があります。

VCからのチェック

採用プロセスにおいて、「一度VCの担当者と面談してほしい」と言われるケースもあります。VCは自社が出資している会社のCFOとのやり取りが非常に豊富で、どういうCFOが成功するか、ポテンシャルを含めて判断が可能であるためです。

CEO・CXOがいずれも、「社内では問題ない」との判断に至ったCFO候補も、VCからはNGを食らう場面があります。客観的に人となりやスキルを判断できる反面、VCのお眼鏡にかなわないと、延々とCFO採用に動かなければなりません。

カジュアルな面談から入る場合

面接となると構えてしまって、緊張感が高まり上手く伝えられないこともあるでしょう。最初は面談という仮応募的な位置づけで、まずはお互いのニーズを確認するということも考えられます。

一例として、スクリーニングの結果、ベンチャー企業の側から候補人材と判断され、面接という仰々しい場ではなく、もう少しフランクな面談として「まずは会ってみたい」ということもあります。

CFO候補者は、面談要請があった場合には、積極的に応じることで、チャレンジしていくことが大切です。もともとは興味がなかった企業に対して興味を持つようになるかもしれません。

ちなみに、面談は企業側から伝えたいことを伝えたうえで、応募の意思などを確認していく場です。一方で面接は、採用のための選考の場であり、企業側は合否を検討することとなります。

ビジョンやミッション、カルチャーに共感しているか

とりわけCXO全員と会ったり、自分の部下となるメンバーと面談したりする場合は、CFO候補者が会社に入って上手く機能するか見ていると考えておきましょう。

CEOが「良い人材である」と評価した、または「スキルがあって経理財務部門や管理部門の領域を上手く回してくれそうだ」という判断したとしても、CFOが会社で有機的に機能する人材であるかも考えなければなりません。

CFOの価値が大きく変わることは考えにくいですが、例えばマネジメント力を判断するものとして、担当するメンバーとの面談を行うことも考えられます。

その受け応えや心証により、会社が持つビジョンやミッション、カルチャーにマッチするかは、CEOだけではなく他の社員からの評価も総合的に見て判断できるでしょう。

適性検査

会社によっては、科学的な適性検査を受けることも考えられるでしょう。

自分がどういうタイプなのか、またそのタイプはCEOをはじめ、他のCXOや担当する部門のメンバーとの相性が良いのかを見る指標となります。

さらに、会社に足りないものを補ってくれる特性を持っているのか、ストレス耐性があるのかなどを、客観的に判断する材料にもなるでしょう。

どのような姿勢で仕事に取り組むのかというマインド面は、面接・面談や、書類選考だけでは上手く判断できない場合もあります。そのような場合に、手軽にWEBテストで受けられる適性検査を採用の判断材料に使用することも考えられるでしょう。

CFO候補者は、適性検査に過度に反応する必要はなく、ありのままの自分を出しながら解答していくことが大切です。

インフォーマルな場での面談

採用企業側がクロージングに向かう場合や、もう少しCFO候補者の内面を見たいという点で、CEOが参加する会食などインフォーマルな面談の場が設けられることもあります。

企業によっては正式内定を出すための判断材料とするだけでなく、内定後の入社を想定しての抱負を聞いたり、入社に当たっての課題を伝えたりする場ともなるでしょう。

この場においては、畏まっても上手くコミュニケーションが取れないため、ありのままの自分を出していくことが大切です。

話せる範囲での過去の自分の実績や、趣味、最近凝っていること、大切にしていること、入社した暁に新たに達成したいことなど、極力自分を理解してもらうことに務めるべきでしょう。

面接ではどうしてもお互いに硬くなりがちですが、面談はざっくばらんに話ができる場としても、入社を決めるかどうかの判断としても重要な場となります。

まずは業務委託で様子見をする場合も

今後の採用を前提としているものの、CFO候補者の実力が現時点で判断できないことから、まずは数か月間業務委託で参加することも考えられます。

これまでCFOや経理財務部長としてやってきた身としては、受け入れがたい展開かもしれません。しかしながら、業務委託での入社には、お互いにとってメリットがあるのも事実です。

CFO候補者側のメリットは、「果たして自分自身が企業に入って機能するのか」または「カルチャーがマッチするのか」の判断期間となります。これは企業側のメリットにも当てはまるかもしれません。

さらに、期間中、就職活動を継続して別の会社を並行して検討することもできますし、専門性が高ければ、他企業から並行して業務を受け入れることも可能でしょう。

結果的に業務委託で受けた企業より、良い企業が現れるかもしれません。

デメリットは、仮にCFO候補として認められなかった場合に企業側から一方的に契約終了とされ、再度就職活動を一からやり直さなければならないことです。

業務委託は契約の性質上、企業側にもリスクが伴う提示となるため、お互いに慎重にならざるを得ない選択肢です。どこまでリスクを最小限にするかで、CFO候補者側も判断を迫られるでしょう。

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>ベンチャーCFOへのキャリアに関する記事

コンサルからベンチャーCFOへ。よくある見送り理由とその対策
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https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/2644.html

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CFOとして採用されるためにはどのような方法があり、応募した際にはどのようなステップを経ていくのかを紹介しました。

必ずしもこの流れに沿う訳ではありませんが、ベンチャー企業の場合は、CEOが早い段階から自分の右腕となるCFO候補者を確認するのが一般的です。1人でも多くの方が自分自身の経歴を分析しつつ対策を練り、CFO職に就任して勤務・活躍されることを心より願っています。

CFOへのキャリアをお考えの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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