マネージャー以上のコンサルが、DX推進部門に転職した際に身につけるべきこと

コンサルティングファームでマネージャー以上の役職でDX推進を経験した方から、次のキャリアとして事業会社のDX推進部門に転職し、部門長やCDOになることを検討しているとご相談をいただくケースが多いです。

また、事業会社のデジタル変革への取り組みは加速しており、その推進役として、コンサルティングファーム出身者が積極的に採用されています。
ただし、中には転職後、期待と実力のギャップに悩み、早期にコンサルティングファームに戻られる方がいるのも実情です。

そこで今回の記事では、実際に、コンサルティングファームのマネージャーを経験後、事業会社のDX推進部門の部門長クラスにキャリアチェンジされた方などの話も参考に、
マネージャー以上のコンサル経験者がDX推進部門に転職後にキャッチアップが必要なことについて解説します。

【目次】

  1. 身につけるべきこと①「DX」を「財務」にまで落とし込むスキル
  2. 身につけるべきこと②「経営者」「現場」両方の視点
  3. 身につけるべきこと③コンサルティングファームの常識をアンラーンする謙虚さ
  4. 身につけるべきこと④「当事者意識」を持った意思決定・事業推進
  5. 身につけるべきこと⑤DX人材の育成制度・体制をゼロイチで立ち上げるスキル
  6. 身につけるべきこと⑥「価値観」「カルチャー」「スピード感」の違いへの適応力
  7. (参考)一般的にマネージャー以上のコンサル経験者はDX推進部門に転職後にどのような業務を行うか

身につけるべきこと①「DX」を「財務」にまで落とし込むスキル

DX戦略策定やリサーチ業務、システム導入の際には、DXや業界・業務に関する専門性が期待されますが、経営の視点からいえば、「DXがどれだけの効果をもたらすか」「DXによる財務的なリスクは少ないか」など、会社にどれだけの数字的な影響があるかという観点、つまり「DX」を「財務」にまで落とし込むスキルが事業会社のDX推進部門長~CDOクラスには期待されているようです。

実際に、「デジタル戦略部長ポジション」「CDO補佐ポジション」の求人には、求めるスキルの一つとして「高い財務/係数感覚を持つ方」という項目が課されることもあります。大手コンサルティングファームでは、財務面は他の専門家に任せるといったケースも多いため、予算策定や予実管理スキルは入社後のキャッチアップになるケースが多いでしょうか。

身に着けるべきこと②「経営者」「現場」両方の視点

社内のステークホルダーとの難易度の高い交渉ができることも、部門長クラスに期待される、かつDX推進には重要な能力と言えます。

実際に、大手教育系企業のDX部門部門長からは「『べき論』だけでは経営は動かず、現場論にだけ立脚してしまうとやるべきことが歪んでしまう」という意見をお聞きしました。

コンサルティングファームの場合、タイトルが上がるにつれカウンターパートも部門長、CxOと階層が上がることが一般的です。一方で、事業会社の場合は、一日の中でCxOから新人まで幅広い階層の社員とコミュニケーションをとる必要があります。特にDX推進部門は横串組織であるケースが多く、グループ全体のDX推進となると巻き込む相手は多くなり、かつCxOと現場のつなぎ役的なポジションになるケースが多いため、「経営者」と「現場」双方の視点でコミュニケーションをとる非常に高いスキルが求められます。

また、DX推進部門長クラスともなると、DXは「経営課題」になります。その状況が発生している裏側には、「現在の状況を変えたくない」と考えている部門長や経営層がいることも稀ではありません。さらに、DXによってもたらされる業務削減により、業務内容・職種が変わる社員も出ることが予想されます。

よくある失敗は、現場の情報収集を怠り、自分で集めた数字主体の計画を立てたものの全く現実味のない戦略となり、結果として猛反発を招くというケースです。
実際に変革を起こすためには、変革に前向きではない他部門と自部門のステークホルダーとの関係構築や、交渉を地道に行うことが必要になります。

身に着けるべきこと③コンサルティングファームの常識をアンラーンする謙虚さ

また、メンバーの成長・キャリア開発に貢献することもDX推進部門の管理職の業務になります。大手コンサルティングファームの場合、たとえばパートナーが日々アソシエイトといったメンバークラスと会話することは稀ですが、事業会社のDX組織は規模が小さいケースが多く、自分よりも一周り・二周りも若いメンバーとやり取りすることが増えます。

その際に、コンサルティングファームの会話は基本的には論理的に正しいかどうかがベースになりますが、論理的に正しいことでも受け入れられないメンバーや、トークストレートなフィードバックを感情的に受け止めてしまうメンバーがいることも考えられます。

「コミュニケーション方法はコンサルティングファームの常識・やり方をアンラーンすることも場合によっては必要になる」ということをよく事業会社に転職したコンサルティングファームの元マネージャーの方々からお聞きします。

身に着けるべきこと④「当事者意識」を持った意思決定・事業推進

戦略立案やプロジェクトマネジメントにおいては、これまでのコンサルティングファームでの経験を活かして価値ある成果を生み出せるものの、「最終的な意思決定・実施段階でのアプローチに難しさを感じる」という声を実際に事業会社に転職された方からお聞きします。

コンサルティングファームにおいては、コンサルタントはクライアントに意思を持って提案をするものの、実際にその実施を決め、推進をするのはクライアントです。

そのため、マネージャー以上の経験をしたといえ、自分自身が考えた戦略やソリューションを、自分たちの事業のために、時には「リスク」や「コスト」を取りながら難しい決断をし、悪戦苦闘しながら推進をするのは、初めての方も多いでしょう。

特に、マネージャー以上の事業会社への転職では、意思決定をする側に回るケースが多いでしょうか。そのため、事業会社での成功を収めるためには、推進の旗振り役としての意思決定や、その後の当事者意識を持った取り組み姿勢を習得していくことが必要とされます。

身につけるべきこと⑤DX人材の育成制度・体制をゼロイチで立ち上げるスキル

DXをリードできる人材は多くの企業で枯渇しているため、ご自身と同様にDX推進をリードする人材育成や、DX推進を組織として安定的に実現するための組織強化も期待されます。

実際に、多くのDX推進部門長クラスの求人では、「全社的なDX人材の育成・支援、活躍等に向けた施策立案、推進(デジタル人材育成研修、評価制度の企画、継続的なスキル向上を目指した実践の場づくり等)」などの職務内容が記載されるケースが多いです。

事業会社の場合、全くデジタルの知見を持たないメンバーがDX推進組織に社内異動するケースも往々にして考えられます。コンサルやITバックグラウンドではないメンバーにDX戦略策定やプロジェクトマネジメントのエッセンスを、業務をともに行うことで移管したり、組織開発の戦略策定や実行を行ったりするには、コンサルティングファームでは組織の制度として確立されていたであろうDX人材育成研修なども一から自分で立ち上げることが求められます。

身に着けるべきこと⑥「価値観」「カルチャー」「スピード感」の違いへの適応力

今までも触れてきましたが、コンサルタントからのキャリアチェンジにおいては、異なる企業文化に直面する可能性が高く、新たな職場の文化への適応と成果の実現がハードルとなります。

例を上げると、コンサルタントはプロジェクトベースでの作業に慣れているかもしれませんが、事業会社へ移ると基本的には「部門ごと」の仕事になります。

評価においても、コンサルティングファームの場合、タイトルが上がるにつれ明確にセリングの「数字」で評価されるケースが大半ですが、事業会社においては、成果ベースの評価とは言えない、「曖昧な基準に基づく評価が運用されている気持ち悪さを感じる」という方にもお会いします。

先述のとおり、コンサルティングファームにおいては、論理的に正しいことであれば意思決定が早く進むことが大半だと思いますが、事業会社においては「何が正しいよりも、誰が正しい」「面白いか、面白くないか」という価値観で動いていることもあります。意思決定をする側に転職した場合は、こういった意思決定のカルチャーにも対応することが求められるようです。

ご自身が期待していたような変革が、そのような価値観・カルチャーの違いによって阻害されることで、モチベーションや意欲が低下することも想定されますが、転職後ご活躍されている方に伺うと、「いかにその環境に適応しつつ、実現したい成果を残せるように動けるかが重要」と言われることが多く、ある意味、今までの価値観や考え方を捨てられる「謙虚さ」が求められると言えそうです。

事業会社においてDXは喫緊の課題であることから、このポジションに就いた方には比較的早期の結果が求められることが多いです。そのため、価値観・カルチャーになじむ時間はあまりないのが実情です。

事業会社に転職する場合、事前に、カルチャーの違いを認識しておく方が良いでしょうか。

(参考)一般的にマネージャー以上のコンサル経験者はDX推進部門に転職後にどのような業務を行うか

①事業・DX戦略の提案と推進

マネージャー以上の経験を持つコンサルタントがDX推進部門に転職した際、当然ながら事業及びDX戦略の提案と推進において重要な役割を果たします。

事業会社の多くは、事業変革やそれに伴うDXが急務だと考えている一方、どのような変革ビジョンを持ち、何を実施していくのか、変革を起こせなかった場合に起こりえる自社への脅威は何かをつかみ切れていないことが多くあります。

そのため、DXの専門家であるコンサル経験者に、DX戦略の策定・実行のリード、さらには企業のデジタル変革と競争力強化への貢献を期待し、変革の旗振り役のポジションを任せることが多くあります。

たとえば、グループ1000名以上の中堅アパレル企業のデジタル戦略部長ポジションでは、職務要件に「プロパー社員とはまた別のキャリアを経験された上で得られた新しい発想や、デジタル技術を用いた業務改革」とあり、なおかつ「全社の生産性を向上させるための業務目線からの施策をCDO合意の下、設計し、実行」とあることから、CDOの壁打ち相手として、さまざまな業界におけるDX推進事例(成功も、失敗も含む)を伝えることが期待されます。

②経営課題などのリサーチ業務

上記の事業・DX変革を行っていくうえで、所属している企業の変革ポイント・経営課題のリサーチ業務を行うことが必要となります。

コンサルタントとして、所属している企業が属する業界の将来予測や技術トレンドの知識、競合の取り組み、それらを踏まえた所属企業の取り組むべきDX課題や経営課題をあぶり出すことは、DX推進とその後の競争優位性を確保のために不可欠だと言えます。

③社内システムの導入・運用

事業・DX戦略の策定とそれに伴うリサーチ業務を経てDX課題や経営課題が明確になった後に、その解決策として社内システムの導入や運用を行うことが多くあります。
たとえば、業務効率化や生産性向上のため、業務プロセス変革として大規模システムを導入するといったものです。

その際には、コンサルで培った要件定義やプロジェクトマネジメントのスキルを活かし、社内システムを期限内・予算内で導入し、期待通りの効果を生み出し、その後も安定して運用ができるようにアプローチすることを期待されます。

④チームの組織開発や経営層との懸け橋などのマネジメント業務

コンサルティングファームでマネージャー以上を経験した方は、事業会社においてもマネージャー以上、場合によっては役員などの経営層として採用されることがほとんどです。
そのため、上記業務の推進の他にも、担当する組織の組織開発・メンバー育成や、社長を含む他経営層との交渉や協同、予算や人員の管理といったマネジメント業務全般を行うことが期待されます。

=================

>DX推進部門に関するインタビュー

【Laboro.AIインタビュー】戦略ファームでデジタル組織立上げ後、松尾研究室・AIベンチャーを経て起業、その背景と組織の強みに迫る
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/laboroai

=================

コンサル経験者に期待されること、かつ実際に評価されている能力としてよく挙げられるのが、「独立して目標を達成するまでやりきる能力」を持っていることです。

独立して行動できるとは、自分で課題や解決策を考え出し、試行錯誤を重ねて、最終的には任務を完遂できるということを意味します。

実際にDX推進人材を求めるクライアント企業の経営者に組織課題を聞いたところ、「経営方針を自分事として理解し、その実現に向けた課題や、実行可能な策を提案できる能力を持つ人材と、その実現のためにハードワークができるマインドセット・やりきる力を持った人材がなかなかいない」という話をお聞きしました。コンサルティングファームでマネージャー以上の経験を持つ方にはこのスキルや経験を持つ方が多いので、今回ご紹介したキャッチアップすべきスキルさえ身に付ければ、転職後に成功する可能性は高まると言えそうです。

今回の記事では、コンサルのマネージャー以上がDX推進に転職後に身につけるべきスキルについてお伝えしました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


アクシスの求人のうち、
約77%は非公開。
平均サポート期間は3年です。

各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。

新規会員登録はこちら(無料)

カテゴリー、タグで似た記事を探す

こちらの記事も合わせてご覧下さい

アクシスコンサルティングは、
プライバシーマーク使用許諾事業者として認定されています。


SSL/TLSとは?

※非公開求人は約77%。求人のご紹介、キャリアのご相談、
企業の独自情報等をご希望の方はぜひご登録ください。

新規会員登録(無料)

※フリーランスのコンサルタント向けキャリア支援・
案件紹介サービス

フリーコンサルの方/目指す方。
×