DX戦略・ロードマップの立て方とステップ【成功のコツとは】

AIやブロックチェーン等、革新的なデジタル技術の発展が目覚ましく、DX推進を今後の中期事業戦略/計画の柱として注力する企業も大幅に増加しています。経済紙やニュースアプリなどの様々なメディアで成功事例が取り上げられ、DXによる効果を声高に謳う記事をよく目にしますが、実際には失敗事例も多数存在します。また、DX推進の前段であるDX戦略やロードマップがない企業もあります。今後、競争力を高め、業界内で生き残るためにはDXが1つのキーとなることは間違いありません。
それでは成功するDX戦略・ロードマップを策定するには、どのようなステップや方法が有効でしょうか。

今回の記事では、絵に描いた餅で終わらない実現性の高いDX戦略・ロードマップ策定のステップと成功に向けたポイントをご紹介します。

【目次】

  1. 1st STEP:DX方針の策定
  2. 2nd STEP:ユースケースの検討と想定効果の算出
  3. 3rd STEP :実現方法とROIの算出
  4. 4th STEP :DXロードマップへの落とし込み
  5. +α:ロードマップ推進時の成功ポイント

1st STEP:DX方針の策定

<As-Is分析>

まずは、現状の事業内容や業務フローを把握し、その中でどのような課題があるのか、どういうニーズがあるのかを調査します。
調査は社内ヒアリングに留まらず、業界内外の先進事例調査や有識者インタビューも行い、一般的な課題・ニーズから自社にも当てはまるかを検討することで幅を広げます。
そして、自社内でどのようなデジタル化が行われているかもチェックします。既に導入済みであるもの、現在構築中/PoC実施中であるもの等が挙げられます。

<DX領域検討>

課題/ニーズの大きさや企業のビジョンへの合致度合い等を考慮し、実際に企業内のどの部分をDXしていくかを検討します。 売上向上が第一であれば、ターゲットとなる事業部門と連携して、現在の事業の仕組みや顧客への提供価値に対して、どのようにDX推進していくかを検討します。生産性向上が第一であれば、社内業務フローに対してDXを通した簡素化/自動化等を検討します。
この際、どれ程の効果が期待できるのか、ざっくりとした効果ポテンシャルの想定もしておくことで、DXに対する期待や現実味が高まります。例えば、企業内のA部においては業務時間が年間XX,XXX時間あるところ、他部門と比較すると圧倒的な業務量であるため、効果ポテンシャルが高いという想定をします。
また、一方で実現性の高さもざっくりと見ておき、実現性がないものについては検討対象から最初から除外しておくことで検討の効率性が高まります。業務特性等において法令遵守の観点からDXが難しい領域等が例として挙げられます。

2nd STEP:ユースケースの検討と想定効果の算出

1st STEPで得た情報を基に、具体的にどのようなDXユースケースが挙げられるかを検討します。DX検討領域となった事業単位、部門単位で詳細なヒアリングおよび調査を行います。

<DXユースケースの検討>

ユースケース検討時のアプローチは大きく2つの観点が挙げられます。
1つは、業務視点での検討です。業務上の課題・ニーズから、それを解決するためのユースケースを検討します。
もう1つは、技術視点での検討です。AIやブロックチェーン等が現れて、これまでは考えられなかったことが出来るようになってきています。そのため、主要なデジタル技術を用いると、どんなことが出来るかを業務部門の人たちでもわかるような形でシンプル化して整理し、その上でこんなことが出来たらいいなという視点で検討してもらいます。これは足元の業務上の視点からは生まれないので、DXを担う部署/人たちが主導して行います。

ユースケース検討と合わせて、詳細な制約事項の確認を行います。制約の有無や障壁の大きさによって、実現性がないもの、実現までに時間や労力を要するもの等を振り分けます。

ユースケース候補一覧が出来たら、次は各ユースケースの期待効果を算出します。1st STEPでは効果ポテンシャルというような形でざっくりとした試算でしたが、今回はロジックを考え、具体的な数字で算出します。算出した効果の大小によって絞込みや優先順位付けを行います。

3rd STEP :実現方法とROIの算出

<実現方法の検討>

絞り込みや優先度付けを行って見極めた有望なユースケースをどのようにして実現させるかを検討します。
・ どのようなベンダーが存在するのか
・ どのベンダーと組むべきなのか、組み方はどうすべきか
・ 導入に際して社内で整備すべき事項は何か
・ 実現にかかるまでのリードタイムはどれ程か
等のポイントに対して検討し、実現方法を具体化していきます。この際、ベンダーインタビューや有識者インタビューを通して、専門的な知見も取り入れていきます。実現の難易度が高い場合等は、並行して算出するROIとの兼ね合いも考えて、本当に導入すべきかを再度検討します。

<ROIの算出>

また、上記を検討する中で、各ユースケースを実現するためのコストも見積ります。候補ベンダーへのヒアリングを通して、ざっくりとしたレベルでコストを試算します。その上で、2nd STEPで算出した期待効果と合わせて、ROIを算出します。
このプロセスを経ることでDXを通して、何が期待できるのかについて、定性/定量的な側面から具体化できます。それを社内周知していくことで実現に向けた社内の温度感も高めることができます

4th STEP :DXロードマップへの落とし込み

<ロードマップの策定>

ユースケースを短期/中長期的にどのような順番で導入していくかを整理し、ロードマップを策定します。直近1~2年、5年、10年の単位などで実現するユースケースを並べていきます。
この際、全社横断的な視点で導入順序を整理することがポイントとなります。例えば、設備の異常検知から取り組み始め、データ収集およびAIの解析精度の向上を図り、その後に設備の異常予測に進化させます。異常予測が可能となってきたら、次に自動化に繋げていく等のステップが挙げられます。または、社内業務から導入を始め、精度等の確認ができてから、顧客に対する導入を進めていく等、技術発展や業務性質に合わせたロードマップ策定が必要です。

<ロードマップ策定時のポイント>

ロードマップ策定後、年単位やユースケース導入後などでマイルストンを設定し、各マイルストンにおけるKPIを予め設計しておき、PDCAサイクルを回せる仕組みを用意しておくことで絵に描いた餅で終わらないDXの推進が可能となります。ユースケース検討時に算出したROIを達成できているか、現場への浸透率はどれ程か等がKPIの例となります。
また、ロードマップを推進していく上で発生しうるリスク・課題についても予め検討しておき、対策を立てておきます。例えば、デジタル技術の発展が予想していたものよりも進んでおらず、検討していたユースケースが実現できない場合などが挙げられます。

+α:ロードマップ推進時の成功ポイント

様々な企業が現在、DXを積極推進していますが必ずしも成功しているわけではありません。DX戦略・ロードマップを描いたものの、途中で頓挫してしまう企業も多々存在します。では、どんなことに気を付けなければならないのか、成功に向けたポイントをご紹介します。

<CIO(Chief Information Officer)/CDO(Chief Digital Officer)ポジションの設置>

トップマネジメントの旗振りなしではDXは実現できません。全社横断的に推進する場合は様々な部門との連携が必要となります。特に現場は現在の業務が変わることを望まない人がいるケースも多く、現場から協力が得られるかがDX推進の1つのキーポイントでもあります。そこで重要なのは各部門のトップとの合意を取り付け、各部門のトップも旗振り役として参画してもらうことです。
そのため、CIO/CDOというDXに関するトップマネジメントポジションを設置し、CIO/CDOが中心となって各事業部門との調整・連携を図ります。この時に注意をしたいのは、CIO/CDOは単にデジタルに詳しい人ではなく、業部門に顔が利く人をアサインすることです。そうでないと事業部門が非常に強い文化の会社の場合にはDX推進が頓挫してしまう可能性が高くなります。
また、CIO/CDOは兼任ではなく、専任とすることもコミットメントを得る上では重要です。

<DX推進が必須となる環境の構築>

DX推進担当者が兼任だとコミットメントが得られなかったり、頑張っても評価されない仕組みがあるとモチベーションが下がったり、必要なアクションを取らなくなってしまうケースも多いです。
重要なことは、DXを推進せざるを得ない環境を構築するところから始め、組織内へデジタル技術活用を浸透させていくことです。
例えば、事業部門内の業務改革を行う場合、デジタル技術の活用を必須要件として組み込み、活用せざるを得ないところからスタートし、デジタル技術を活用しているかを評価項目へ組み込むことが挙げられます。

<大胆なリソース配分>

DX推進には多大な工数を要します。プロジェクト化することが多いため、プロジェクトマネージャー、Biz/ITのプロジェクトリーダー、DX対象業務/事業に詳しい現場からのメンバー、デジタル技術のリサーチャー、DXユースケース企画、DX実装に必要なサービス/インフラに関するエンジニア等、他にも多様なポジションが必要となります。
必要な各ポジションに対して、十分なリソース配分が出来ないと、プロジェクトメンバー疲弊・離脱に繋がったり、十分な品質の検討・実装が出来ないリスクが高まったりします
グループ会社がある場合は、システム/データ分析子会社等から本社への社員の出向も一案ですし、コンサルティングファームから有識者をプロジェクトメンバーとして参画させる案もあります。外部からの有識者とプロジェクトメンバーが一緒にプロジェクトを推進していくことで、プロジェクトメンバーのスキル・知見も向上することができ、今後の内製化にも繋げられます

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>DXに関する記事

「DX推進」人材とは?【フェーズ毎に求められるスキル・経験】
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/dx-capability

コンサルティングファームの”DX成功事例”と”現状の課題”
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/dxconsultantcase

“DXコンサル”とは何か?仕事内容~必要なスキル・経験~案件事例まで解説【保存版】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/dxconsultant

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DX戦略・ロードマップを策定する方法は様々ありますが、重要なことはDXが実現した際のイメージを鮮明に持って、会社全体で連携しながらプロジェクト推進をすることです。中身のあるDX戦略・ロードマップを策定することは大変重要ですし、それを実現する体制・仕組みも欠かせません。
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