投資銀行の「中途採用スケジュール」や「プロセス」とその対応策を解説

新卒採用だけでなく中途採用においても難易度が高いと言われる投資銀行。実際にチャレンジする場合には、準備万端の状態で臨みたいところです。
事前準備を進めるためにはまず、投資銀行の採用フローやスケジュールについてよく知っておくことが大切です。今回の記事では投資銀行への転職を目指す方向けに、投資銀行の採用スケジュールやプロセス、そしてそれぞれのプロセスを通過するためのポイントについて解説します。

【目次】

  1. 投資銀行の転職採用スケジュール
  2. 投資銀行の転職採用プロセスそれぞれの特徴や対策する上でのポイント
  3. 投資銀行の転職採用プロセス

投資銀行の転職採用スケジュール

まずは、投資銀行の転職採用スケジュールについて紹介していきます。

転職採用は通年おこなっている

まず、投資銀行の転職採用は、原則として通年おこなっています。従って新卒採用(多くが年明け〜4月ごろ)のような定まった転職スケジュールというものは存在しません。

いつでも転職のチャンスがあるように思えてしまいますが、投資銀行のポジションは業界全体でも決して多くありません。そのため、通年を通して転職案件が出てくる可能性があるにもかかわらず「なかなかチャレンジしたい転職案件がでてこない」と言う状況になりがちです。

転職エージェントに積極的にアクセスしながら、魅力的なオファーが出てきたらすぐに応募できるように準備しておくことが大切です。

賞与後の時期は投資銀行の転職案件が増える傾向にある

一般的な傾向として、賞与の支払い時期のあとは転職案件が増える傾向にあります。これは賞与を受け取るタイミングで転職する方が多いためです。日系・外資系いずれでもこの傾向は見られます。

なお、投資銀行によって賞与の時期は異なるため、業界全体でみると、転職案件が増えやすい時期は一年にいくつかあります。

例えば日系の場合は通常の企業と同様の夏・冬もしくはどちらか一回というケースが多いです。このことから8月や年明けなどは退職者が発生→穴を埋めるための転職案件が出やすい、という計算になります。

外資系の場合は、多くの場合賞与は年一回です。時期は2〜3月や7〜8月と言うケースが多く、また同じ企業でもポジションや部署によって異なるという場合もあります。こちらから逆算すると、3〜4月や8〜9月は転職案件が増えやすいと言うことになるのです。

まとめると、概ね年明け〜4月、8〜9月ごろは転職案件が出やすい、と言うことです。ただし、あくまで一般的な傾向に過ぎないうえ、先にも書いた通り投資銀行の転職案件自体があまり多くないため、常に魅力的な案件がないか目を光らせておくことが重要です。

応募開始から採用内定までは1〜2ヶ月程度

応募開始から採用内定までにかかる期間は、企業・ポジション・その時の意思決定者などさまざまな要因により異なりますが、1〜2ヶ月以内程度に収まるケースが一般的です。この点は一般的な採用スケジュールとあまり変わりはないでしょう。

採用スケジュールが伸びる要因は次の通りです。
・筆記テストが入る場合がある
・面接回数が多い場合がある
・スケジュール調整に難航する場合がある

いずれもケースバイケースの要因です。意外に多いのがスケジュール調整の難航。日系・外資系問わず、投資銀行では実際に応募部署で働いているスタッフが面接官となるケースが一般的。つまり面接官本人がディールなどで多忙を極めていると、そもそも面接が入りにくいと言う場合があるのです。

なお、採用内定後、入社まではさらに1.5ヶ月〜2ヶ月程度要するのが一般的です。つまり応募開始から入社までは3〜4ヶ月程度かかる計算になります。現職をスムーズに退職するために採用スケジュールを調整しなければならない場合は、以上の期間を念頭に、転職活動を進めていきましょう。

投資銀行の転職採用プロセス

続いては、投資銀行の転職採用プロセスを解説します。転職難易度の高い投資銀行ではさぞ高度な選考がおこなわれるのだろう、と考える方も少なからずいます。実際には必ずしもそうではなく、一般的な面接主体の採用プロセスとなっているケースが多いです。

一般的な投資銀行の転職採用プロセス

一般的な投資銀行の転職採用プロセスは次のようになっています。

・書類審査(職務経歴書(CV)、履歴書)
・現場レベルのスタッフとの面接
・シニアメンバーとの面接
・海外の統括クラスとの英語面接(外資系のみ)
・人事面接

面接が複数回ありますが、プロセスとしては特に投資銀行独特、ということはありません。強いて特徴をあげれば、ほとんどのプロセスが人事部ではなく実際に投資銀行部門で働くスタッフとの面接で進んでいくことと、外資系の場合には選考が進むと海外の統括クラス(日本企業で言う常務〜専務くらいの役職の人が多い)との英語面接が入る程度です。

ただしこれはあくまでオーソドックスな例。次では、個別企業や特定部署で取り入れられている場合がある採用プロセスについて紹介します。

個別企業で取り入れられている採用プロセスの例

投資銀行の転職採用プロセスは企業によって異なるだけでなく、部署やその時々のスタッフの意向によっても変わってきます。先に紹介したオーソドックスなプロセスのほか、例えば以下のようなプロセスが追加されるケースもあります。

筆記試験・エクセルなどの試験

一般的なイメージに反して、転職採用において筆記試験を課す投資銀行は必ずしも多くありません。しかしながら、有価証券のディーラー・トレーダーなど高い数理計算能力を求められる場合などに実施される場合があります。数学や論理的思考を問う内容が中心です。

また、M&Aなどバリュエーションのモデル構築能力が求められる部署の選考では、エクセルを用いた資産価値評価のシミュレーションや財務分析・パフォーマンス分析などが課されるケースもあります。

英語チェック面接

先に紹介した終盤の英語面接の前に、序盤で英語チェックの面接が入るケースがあります。あくまで英語力のチェックが主体のため、必ずしも仕事に関する質問だけがくるわけではありません。むしろスムーズなコミュニケーションを取れるかどうかをみるため、あえて日常会話の内容を盛り込む場合が多いといえます。

面接回数が非常に多い

一部の有名投資銀行でこの手法が取られる場合があるためか「投資銀行の転職面接=面接回数が非常に多い」と言うイメージを持つ方も多いようです。

関わりのあるスタッフのほとんどと一度は顔を合わせるプロセスになっているようで、面接する人数は20人を超えるケースもあります。

一般的なイメージに反して、この手法は一部で取り入れられているだけであり、全ての投資銀行でこのような多数の面接が設定されるわけではありません。

投資銀行の転職採用プロセスそれぞれの特徴や対策する上でのポイント

続いては、投資銀行の転職採用プロセスそれぞれについて詳しく解説しつつ、うまく通過する上でのポイントについて紹介していきます。

書類審査(CV・履歴書)

投資銀行の採用プロセスはCV・履歴書の送付から始まります。どちらかと言うとCVは必須、履歴書は外資系を中心にあまり重視されない傾向にあります。また、CVは外資系なら必ず英語、日系では日英どちらのケースもあります。特に英語のCVについてはテンプレートなどをもらうなどして、独特の記載形式に慣れておくことが大切です。

いずれにしてもこれまでの職務経歴や自身の能力などをまとめていくわけですが、作成する際には以下のような点に留意して作成すると良いでしょう。

・職務経歴は「達成した成果」「自分の役割」「身につけた能力」を書く(特に達成した成果は収益額、取引額など実数値があると望ましい)
・自身の能力は「どのようにしてその能力を身につけたか」「その能力はなぜ転職先で役立つのか」をまとめる

特に案件自体がなかなか出てこない外資系の場合は、人気案件の場合多数の応募があるケースもしばしば。そのような時はCVにて自社にフィットしないと判断されればたちまち落ちてしまいますので、上記のような点に留意して、目に止まるCVを作成することが大切です。

筆記試験・エクセル試験

筆記試験が課される場合は、数学・論理関連のテストが主体です。内容としては一般的な新卒時のWebテストに近いものが課されるケースも多いですが、合格ハードルがかなり高いケースも。巷のWebテスト対策本などで対策する場合は、ほぼノーミスですらすら解けるくらいの状態にしておきましょう。

また、より高度な内容が出題されるケースもありますので、可能であればエージェントなどとコミュニケーションをとって、出題傾向に関する情報を得ることをおすすめします。

エクセル試験については、いわゆるバリュエーションや財務分析の基本的手法をエクセルでスムーズに応用できるか見ているケースが多いため、これらの基本的な書籍で一通りおさらいしたのち、その公式や手法をエクセルで応用するうえで必要な関数を身につけておきましょう。

通常の面接

転職先のスタッフクラスとの面接については、投資銀行独特と言う部分はあまり多くありませんが、以下の点をまず留意することが大切です。

・CV・履歴書との一貫性を保つ
・自分がなぜ投資銀行で役立つのかを説明できる
・自分がなぜ「その企業」を志望しているのかを説明できる

いずれも一般的な面接で留意すべき事項と大きく変わりませんが、投資銀行の場合は特に「投資銀行で役立つ能力を持っているか」について厳しく見られる傾向にあります。これまでの職務経歴や自身の特性から投資銀行にフィットする理由を事前に整理しておくことが大切です。

面接回数が多い場合は、回が進むごとに、前の面接で得た情報を志望理由などにプラスしていくと、自身が志望先に強い関心を持っている印象が与えられるため、なお良いでしょう。「〇〇さん(前の面接官)から伺った・・・という点によりさらに御社に対する魅力が高まった」といったフレーズを織り交ぜてアピールしていくのです。

英語チェック

英語チェックについては、英語力を高めておくしかありません。ただし多くの場合、流暢な英語を話せるよりも「会話が成立すること」が大切です。

英会話やリスニングなどで対策しておくのはもちろんですが、英語に自信がない方は「自分が話したいことを自分が使いこなせる簡単な英語で表現できるようにする」訓練をしておくと良いでしょう。

また、リスニング試験ではないので、聞き取れないから即刻NGとなるわけではありません。わからないまま無理に答えようとせず、聞き取れなかった場合は聞き返す方が「会話を成立させる」観点からは好ましいでしょう。(そのためには、丁寧に聞き返すための表現は絶対に抑えておきましょう。)

海外シニアクラスとの英語面接

比較的選考の後半でおこなわれる傾向のある英語での海外シニアクラスとの面接は、英語力の観点からは最もハードルが高くなります。経験している方はわかるかもしれませんが、ネイティブや欧州圏の方が話す英語は早く、通常のリスニングがこなせる方でも苦戦するケースは珍しくありません。

ただ、よほど高い英語力を必要とする部署でない限り、ここで「英語力の優劣」で合否をつける意図はあまりありません。先方がネイティブだとしても、こちらは上手い英語を話そうとするのではなく、「伝えるべきを伝える」ことを重視しましょう。

ここで問われる内容は、多くの場合先に紹介した日本語での面接と変わりません。それぞれを英語で伝える練習を事前にしておいたほうがベターです。

また、逆質問を求められた場合に、即座に対応するのは困難と思われる方は、2〜3程度あらかじめ英語での質問を準備しておきましょう。

人事面談

多くの投資銀行において、人事面談にたどり着けば、一般的に採用の可能性はかなり高くなります。投資銀行の部署としては既に採用OKが出ている証拠だからです。

身だしなみ、礼儀などにおいて失礼がないこと、CVや履歴書と矛盾した回答をしないことを留意しましょう。また、希望年収・現行年収など待遇面でのソフトなヒアリングが入るケースがあります。これらはエージェントが先の段階で内々に伝えている場合もありますので、事前にエージェントが伝えた情報を確認しておくとスムーズでしょう。

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投資銀行では通年採用を行っていますが、少数精鋭であり希望に沿う求人が出るチャンスはコンサルティングファームなどに比べるとそう多くないため、いつでも採用スケジュールを組めるよう、準備しておくことが大切です。

面接主体である採用プロセス自体は他の業界と大きく変わりませんが、特に外資系において「英語」が絡むプロセスが多いのが特徴的でしょうか。自身が投資銀行で役立つ能力を持っていることを面接で的確にアピールできるよう情報を整理しておくと共に、英語でのコミュニケーションに対する準備を進めておくと良いでしょう。

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