SaaS系企業の営業職に求められるスキル【企業規模別】

近年、日本において、SaaS企業の資金調達が盛んに行われ、企業数も増えています。SaaSとは「Software as a Service」のことですが、SaaS企業の顧客ターゲットで、盛んに「Tech化」や「働き方改革」が進んでいて、事業としては勢いがあります

一口にSaaSといっても、スタートアップのステージにいる企業、最初の成長ステージを乗り越え、さらなる成長に向かおうとしている大手企業、そして外資系のSaaS企業と、いくつかグルーピングすることができます。

今回は、「営業職」に焦点を当て、SaaS企業の類型別に、どのような仕事内容で、何が身に付くのか、解説していきます。

【目次】

  1. SaaS営業のバイブル「ザ・モデル」
  2. SaaSスタートアップの営業の仕事内容
  3. 大手SaaS企業の営業の仕事内容
  4. 外資系SaaS企業の営業の仕事内容
  5. まとめ

SaaS営業のバイブル「ザ・モデル」

それぞれのSaaS企業の営業職の仕事内容を見る前に、SaaS企業全体に広く浸透している、営業モデルの解説書である、「ザ・モデル」のポイントをご紹介しておきます。

詳細は書籍を確認いただきたいのですが、ポイントは下記となります。

1.商談フェーズの明確化による営業生産性の高水準平準化
2.営業リソースを効果的・効率的に活用するための分業制
3.マーケティングとの連動性を高め、受注確立を上げるためのリードマネジメント
4.顧客満足度を高め解約率を下げるためのカスタマーサクセス業務

既に、インサイドセールス部隊の組成、B to Bマーケティング体制の構築、カスタマーサクセス部隊の組成などを行っているSaaS企業も多いのが現状で、これらの取り組みはすべて、「ザ・モデル」という書籍の考え方を中心に、急速に広まっています。

SaaSスタートアップの営業の仕事内容

では、スタートアップ期のSaaS企業での営業の仕事内容をみていきましょう。

本記事においての、スタートアップのイメージは、年間ARR(Annual Recurring Revenuene 年間経常収益のこと)が10億円に満たない、創業開始からの経過年数が3年未満、をイメージしてください。

そのようなSaaS企業においては、営業体制がまだしっかりしていないことが多いため、事業課題としては、販売の立ち上げとともに、今後の体制強化のための基盤整備という部分があります。

SaaSスタートアップの営業体制:営業人数が少ないため「販売効率、リソースの集中投下が求められる」

営業人員数が少ないという状態で、販売量の増加が求められるので、より販売効率、リソースの集中投下が求められるという状況です。

この段階で「ザ・モデル」のように営業フェーズごとに役割分担・機能分化しているところは少ないですが、インサイドセールスの手法を取り入れている企業もあります。商談もオンラインで行うことが多いでしょう。

また、マーケティング活動としてオウンドメディア等での集客は既に試みており、かつターゲットに対する面でのアプローチ(セミナー等)を行っていることが多いでしょう。

スタートアップの時期の後半になると、さらなる人員増強に備え、営業の体制強化のための基盤づくりを行う企業もあります。営業の基盤づくりとは、まさに「ザ・モデル」のような営業体制をつくっていく、ということに他なりません。

SaaSスタートアップの営業職として得られる経験:「インサイドセールス」「マーケター的役割」も担う

上記の状況から、SaaSスタートアップ企業の営業職では、オンラインでのリードジェネレーション、リードナーチャリング、クロージングを一人称で求められることもあり得ます。インサイドセールス、マーケター的役割も担う可能性があります。

これは、役割分担、機能分化ができていないからこそ、得られる経験であるとも言えます。また、営業だけではなく、マーケティングの経験も得られるということは、個人の経験としては魅力であるといえるでしょう。

また、今後に向けた営業の基盤強化に向けては、リードナーチャリングの仕組づくり、営業プロセス(営業ステージ)の整理、各プロセスで必要な行動の洗い出し、育成体制づくり、などがプロジェクトとして発足する可能性があります。

このような業務に携われる場合は、営業戦略や人材育成に携わることにもなり、キャリアの幅が広がるでしょう。

大手SaaS企業の営業の仕事内容

では、大手SaaS企業での営業の仕事内容をみていきましょう。

本記事においての、大手SaaS企業のイメージは、年間ARR(略語)が100億円以上の企業をイメージしてください。Sansan、サイボウズ、ラクスなどが挙げられるでしょうか。

大手SaaS企業においては、営業体制も「ザ・モデル」のように分業体制になっており、営業職も一定の役割の中、成果を出す必要があります。

このステージでの企業の事業課題は、人員の定着や個々の成果の高位安定化、マネジメントの強化、ということになるでしょう。

大手SaaS企業の営業体制:「営業個々の生産性がしっかりと計測される」

上記のとおり、スタートアップに比べると人員も増え、体制としても形になっていて、業務ツールもかなり整備されているところが多いでしょう。マーケティングとセールスの機能分化が確立されており、ほとんどの企業でカスタマーサクセス部隊が組成されています。

営業個々の生産性がしっかりと計測され、成果にばらつきも生まれており、「ザ・モデル」の更なる精度アップが課題になります。

大手SaaS企業の営業職として得られる経験:営業を科学的に学ぶことができる

「ザ・モデル」の取り組みは、営業を科学し、生産性を高めるための手法です。この状況下で仕事をすると、必然的にPDCAが身に付きます。

また、役割に集中して業務ができるため、成果を上げるためのポイントを把握しやすいことが特徴です。

カスタマーサクセス部門も、この時期増員しているケースが多いでしょう。顧客のサービス体験の良化、という側面もこの時期、特に重要になります。そういった経験も積める可能性があります。

Sales Enablementという概念を取り入れている企業もあります。個々の生産性向上に対する取り組みとして注目されています。営業職としてのノウハウをいかして、人材育成を行うことができますので、キャリアとしても注目されています。

外資系SaaS企業の営業の仕事内容

ここでは典型的な2社を取り上げたいと思います。セールスフォースドットコム、とマルケトです。セールスフォースドットコムはCRM/SFAの世界的リーダー企業、マルケトはマーケティングオートメーションの世界的リーダー企業です。

外資系SaaS企業の営業体制:「ザ・モデル」のごとく分業体制が明確になる

セールスフォースドットコムの営業体制や考え方は、「ザ・モデル」により広く広まりました。なぜなら、「ザ・モデル」はセースルフォースドットコムの営業の考え方だからです。

マルケトの元日本法人の代表の福田氏は「ザ・モデル」の著者であり、元セールスフォースドットコムの日本法人で事業拡大のキーマンでした。なので両社の営業体制は「ザ・モデル」そのものであると言えます。

外資系SaaS企業の営業職として得られる経験:最先端の営業ノウハウや企画的な考え方が身に付きやすい

このように、日本企業より、「ザ・モデル」の営業体制がしっかりしていることを踏まえて、得られる経験としては、

1.最先端の営業の考え方が身に付く
2.フロント営業以外のキャリアの選択肢が豊富
3.営業職というより企画職としての考え方が身に付く

上記の3点が挙げられます。

1.最先端の営業の考え方が身に付く

本国をはじめ、営業の生産性向上に真剣に考えている企業が多く、社内にあらゆるナレッジが蓄積していることが多いでしょう。個人の能力に依存しない標準化が進んでいるため、その内容を深く理解することで、応用可能性の高い知識を深めることができるでしょう。

2.フロント営業以外のキャリアの選択肢が豊富

マーケティングを含む前工程からカスタマーサクセスの後工程まで分業されているところが多いため、通常の「営業職」のイメージよりははるかに多くの選択肢があります。仮に全行程経験すれば、かなりの経験値となるでしょう。

また、顧客接点部署だけではなく、顧客接点部隊をバックアップする育成部門や営業戦略部門もあり、ローテーションの機会を意図的に設けている企業もあると思いますので、チャンスが広がる可能性があります。

3.営業職というより企画職としての考え方が身に付く

外資系SaaS企業においては、ザ・モデルを実践しようとする企業が多いのですが、インサイドセールスであれ、フィールドセールスであれ、マーケット全体、あるいはリード全体を見る、という観点が必然的に強化されると思います。

日々、やることは顧客接点をとり、商談を行うことなのですが、どうすれば、リードから商談の遷移率が向上するのか、どうすれば商談から受注の遷移率が向上するのか、ということを常々考えながら、各KPIを高位安定化させることが求められます。

これは、どのようなコンテンツ、アクションが顧客との営業ステージを前進させるかを、検証しながら進めていく形になります。

このような経験と能力が積みあがれば、大きな営業戦略を描く素地が出来上がってくると言えますし、BPRのような考え方も身に付き、企画職としても十分活躍できると言えます。

まとめ

このように、SaaSの成長ステージ、属性別に経験できる内容をみてきたわけですが、「営業について科学する」ということに興味と知的好奇心がないと、スタートアップであれ、大手であれ、SaaS企業でのキャリアアップは難しいと言えます。

日々数値の分析やPDCAは、細かく論理性を追求したものとなりますし、安定的に成果を出すのに、ビジネスモデルからして「一発逆転」の発送はあり得ません(大型案件で予算を達成する)。

一方、自身の営業活動を客観的の捉え、マーケット全体を見ていくことに興味のある方には挑戦しがいがあるでしょう。

参考:
「今スタートアップに転職するなら、カスタマーサクセスが面白い」アペルザ取締役 田中大介様インタビュー
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/Aperza

SaaS企業とSIerの営業職の違い【仕事内容から求められるスキルまで】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/saas_sier_sales

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今回の記事では、SaaS系企業の営業職に求められるスキルついてご紹介しました。

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