シンクタンクの求人例・よくある転職理由・年収・選考内容まとめ【保存版】

シンクタンク系コンサルファームを目指す方から、一般的なコンサルファームとの違いや、志望動機のつくり方に関してご相談を受けるケースがあります。

実際、シンクタンク系コンサルファームと一般的なコンサルファームではコンサルティングのソリューションに対する考え方に違いがあることも多く、それが採用の要件にまで影響されることがあります。

そこで、この記事ではシンクタンク系コンサルファームへの志望動機例や、採用動向、そして入社された方の生の声、最後にシンクタンクの求人例(弊社からの転職事例含む)をご紹介します。

【目次】

  1. シンクタンクへの転職の「メリット」 
  2. シンクタンクを目指す人の志望動機
  3. シンクタンクの採用要件と選考内容
  4. シンクタンクの年収事情
  5. シンクタンク入社後に感じたギャップ、生の声
  6. シンクタンクの求人例

シンクタンクへの転職の「メリット」

クライアントだけではなく、社会全体の問題を解決する案件にも関われる

シンクタンクを志望する方の心配事として、シンクタンクは新規的なコンサルティングテーマが少なく、新しいチャレンジや成長機会が少ないのでは?といった声も聞こえてきます。

しかし、実際のところはマーケットの将来像を描き、R&D部門とのシナジーを活かした10年、20年後の先進ソリューションを自由に立案・企画・開発することができるのがシンクタンクの魅力です。

一般的にコンサルファームが提供するソリューションは、クライアント企業のニーズありきでのソリューションです。それだけに、今起きている問題を解決する点では優れた効果を発揮することが多いです。

一方で、シンクタンクはコンサルファームとは視点が異なり、10年後、20年後の問題を予測し、それに向けたソリューション開発を行ってゆきます。

たとえば、10年後にテクノロジーが人材ビジネスに及ぼす影響をR&D部門が予測し、その時点で起こるであろう問題についてあらかじめ対策を考え、またソリューションを実用化する方法をコンサルティング部門と共に検討するといった、新規性の高いソリューションづくりをしているのがR&D部門を自社に抱えたシンクタンク系コンサルティングファームの特徴です。

マネタイズまでを意識したコンサルティングができる

コンサルファームの戦略コンサルと、シンクタンクの戦略コンサルの違いとして、事業のマネタイズまでデリバリーできるか否かが挙げられることが多いです。

特に金融機関系のシンクタンクでは、金融機関の営業がコンサル案件を受注することから、戦略を考えるだけでなくマネタイズのところまでコンサルがサポートするパターンが多いのが特徴的です。

金融系シンクタンクではアッパークラスのセリングの責務が少ない

そして、一般的なコンサルファームではパートナーやシニアマネージャークラスが営業に大忙しということが往々にしてあり、受注したプロジェクトは現場スタッフに任せっきり となりがちです。

しかし、三菱UFJリサーチ&コンサルティングなど金融系のシンクタンクは親会社の営業が案件を受注してくることが多く、アッパークラスでもデリバリーに注力できるといった点もシンクタンクでコンサルとして働くメリットです。

もちろん、アッパークラスでも次の案件を獲りに行く姿勢は求められますが、シンクタンクの中にも親会社から配属された営業部隊があり、デリバリーに注力したいアッパークラスのコンサルタントにとっては最適な環境だと言えます。

グローバル案件では、外資系ファームよりも手触り感のあるコンサルティングができる

外資系ファームで言うところの「グローバル案件」は各海外拠点に仕事を流す、タッチできる領域が少ないというケースが多々あります。

一方で、たとえば三菱UFJリサーチ&コンサルティングの場合では、実務支援のフェーズでは実際に現地に赴き(月の半分)自ら手触り感を持ってコンサルティングを行うことができます。

例:シンガポールへの実地調査、ボストンでの学会参加

シンクタンクを目指す人の志望動機

シンクタンクの魅力をご紹介しましたが、シンクタンクへ就職する方の志望動機もこの魅力に根付いたものが多いです。
たとえば、シンクタンクの人材ソリューション部門に大手総合ファームから転職者した方の志望動機は、「人材マネジメントの視点から企業をサポートし、日本の競争力強化の貢献をしたい」という社会問題の解決を視野に入れたシンクタンクならではのものでした。

また、未経験でシンクタンクにコンサルタントとして入社された方の志望動機は「現職では、自分自身の知識の中でしか新しいものを作り出せないし、問題解決もできないというのがジレンマ」という思いでした。これも、R&Dを持つシンクタンクならではの魅力を志望の動機としたパターンです。

シンクタンクの採用要件と選考内容

シンクタンクの採用要件

コンサルティング部門を最近立ち上がったシンクタンクも多く、人材確保のためにも外資系・日系問わずコンサルのベーススキルを持った人材を幅広く採用する傾向にあります。

ある大手金融機関系シンクタンクの戦略コンサルティング部門でも、戦略系ファーム/総合系ファーム等の戦略部門での経験をお持ちのコンサルタントの方から、事業会社での企画/マーケティング部門での未経験まで幅広く採用しています。

また、シンクタンクが中長期的な観点から先進サービスの開発を行う理由には、コンサルファームを越えたコンサルティング力を未来にわたって提供し続けるという戦略があり、あるシンクタンクの採用担当によれば

「大手外資系コンサルファームと太刀打ちするために自社で研究をし、30年後の日本を見据えたコンサルティングを行っています」「グローバルファームに負けているブランドイメージを変えたい」

と語っています。

この考え方は採用の要件にも影響しており、ある採用担当は求める人物像として、「コンサルとしての仕事というよりかは、問題解決・事業開発ができる人を求めている」と語っています。

実際に、ある大手金融グループのシンクタンク系コンサルファームで働くコンサルタントのバックグランドは、コンサル経験者より経営企画・事業企画・営業企画の経験者の方が2倍も多くなっています。

将来の問題を見据えながらも、リアルなソリューションを生み出してマネタイズにまで導ける人材がシンクタンクの求める人物像であることが分かります。

シンクタンクの選考内容(面接回数など)

いくつかシンクタンクの採用フローをご紹介すると、

・大手金融系シンクタンク:書類選考→1次面接:現場面接→2次面接:本部長面接→3次面接:人事面接(部長、次長)

・日本発の本格的な民間シンクタンク:書類選考 ⇒WEB適性試験(玉手箱)⇒面接(3-5回)、筆記試験、適正試験

と基本的に、選考内容や対策はコンサルファームと同じです。途中でケース面接やSPIが課されるケースもあります。

シンクタンクの年収事情

また、コンサルファーム出身の人材も多く入社されている昨今のシンクタンクですが、人事制度が年功序列であるパターンも多く、「プロジェクトでは能力評価であるが、給与制度が年功序列である。長期間にわたりモチベーションを維持するのが難しいと思う」と語られる方もいます。

大手のシンクタンクでも、コンサルファームと同じタイトルで入社後100万円ほど年収が下がるケースが見られます。

シンクタンク入社後に感じたギャップ、生の声

未経験でシンクタンクに入社された方は、「社風も良い意味で働きやすいですが、ある意味ぬるま湯な環境」と入社後の感想を語っています。コンサルファームとは異なり、目標が個人よりもチームに設定されているケースが多く、働きやすいもののもっと厳しい環境に身を置きたいと考える方もいます。

さらに、シンクタンクの戦略コンサルは大手シンクタンクでも立ち上げたばかりの場合も多く、「コンサルファームの出身者は部署が立ち上がったばかりで少数。もともと戦略コンサルを目指していたが周りからの学びが少なく、業界もまだまだ狭いため、このままではキャリアが停滞するのではないかと感じている」という声もあります。

ただし、アッパークラスのセリングがない分、コンサルファームの戦略とは異なり、若手やコンサル未経験の方はスキルの高いアッパークラスとデリバリーを経験できます。そういった点では、コンサルスキルを伸ばすチャンスがないわけではありません。

また、人数の少なさも一人当たりの裁量が大きいとも言え、コンサル~シニアコンサルクラスでも顧客折衝経験を積むチャンスがあります。

一方で、多様な分野で高い専門性を活かしながらコンサルティングを行うことでコンサルタントとしての幅を広げることもできるファームもあり、ある転職者は「多彩な分野で専門性を発揮するR&D部門のナレッジにより、コンサルティングサービスだけでなく、コンサルタントとしての幅も広げることができる」と語っています。

シンクタンク系のコンサルファームではグループ企業をクライアントとした案件中心になるケースもあります。

一方で、グループをクライアントとする案件が1割程度のファームもあります。インダストリーに縛られず、幅の広いソリューションを経験したい方は事前に把握しておく必要があります。

志望するシンクタンク系コンサルファームの採用動向、対峙するクライアントの規模など、具体的な情報が知りたい方はぜひ一度アクシスコンサルティングにご相談ください。

シンクタンクの求人例

<大手金融系シンクタンク/ローバルガバナンス領域の経営コンサルティング>

【職務内容】

■ガバナンスに関するコンサルティングサービス
会社法改正、コーポレートガバナンス・コードの運用開始など、日本企業のコーポレートガバナンスは大きな変革期にあります。そうした環境変化を踏まえ、クライアントにおけるガバナンス態勢の見直しや高度化について支援を行います。

■リスク管理/コンプライアンスに関するコンサルティングサービス
国内市場の飽和・市場のグローバル化の進展に伴い、本邦企業においても近年急速にグローバル化が進められてきています。クライアントにおけるグループ経営/グローバル経営の強化に呼応し、特に、グローバル・リスク管理態勢/グローバル・コンプライアンス態勢の構築や高度化についての支援を行います。

■内部監査、不正・不祥事対応に関するコンサルティングサービス
国内外を問わず、著名な大企業による不祥事は後を絶ちません。大きな不祥事を起こした企業は社会や市場から厳しい目に晒され、最悪の場合、企業の存続さえも危ぶまれる状況に陥ってしまいます。そうした危機的状況の未然の防止、或いは起きてしまった事案の再発防止の徹底に向けて、内部監査体制の構築/内部監査の実行、不正・不祥事対応策の立案・実行等について支援を行います。

【必須条件】

■下記よりいずれかのご経験
・大手コンサルティング会社や大手監査法人等での業務経験(3年程度以上)
・国内大手企業、グローバル企業での業務経験(5年程度以上)

【歓迎条件】

■ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス、内部監査等に関する業務経験
■企画部門、管理部門における業務経験

【弊社での転職事例】

30代中盤 Big4系コンサルティングファーム(年収900万円):グループガバナンス、海外子会社管理支援・コンプライアンス態勢の構築⇒年収850万円にて転職

<財閥系シンクタンク/エネルギーシステム戦略グループ>

【職務内容】

国内外の民間企業や官公庁のお客様を対象とした、電力分野に関するコンサルティング業務
・電力・ガスシステム改革関連コンサルティング
・国内外の電気事業ビジネスへの参入戦略や事業戦略の策定
・スマートグリッド、再生エネルギー・分散電源の導入・普及・ビジネス化支援
・電力分野における地球温暖化対策の取組支援

【必須条件】

下記のいずれかの経験をお持ちの方
・シンクタンクやコンサルティングファームにて、上記に関連した業務経験をお持ちの方
・電力会社・電機メーカー・重電メーカーなど、上記に関連した業界での業務経験をお持ちの方
・電気分野の学部・学科を卒業された方

【弊社での転職事例】

30代中盤 大手日系メーカー(年収900万円):水素エネルギーによる電源システムの事業開発、顧客システム提案⇒年収1,000万円にて転職

<大手金融系シンクタンク/アナリティクスコンサルティング>

【職務内容】

データを活用してお客様の抱える課題の解決や新事業の推進を実現・支援するサービスです。統計、最適化、機械学習などの数理的な専門知識だけでなく、お客様のビジネスに対する理解やシステムの知見を生かし、企業にとっての最適なソリューションの実現に向けた活動を実施しています。

■仕事内容
・AIやIoTなどのデータ活用構想
・データ活用構想に基づくPoC
・データ活用構想に基づく業務トライアル
・データ活用構想に基づく本番業務・システム導入支援

【必須条件】

[実務経験5年以上の方]
■経験
・データアナリスト/データサイエンティストとして、データ分析に関する経験
・統計学・機械学習に関する経験
・PythonやRなどデータ分析に必要となるプログラミング言語の利用経験
・事業・ビジネスを理解した上で分析・提案活動で中核的な役割を果たした経験

[実務経験5年未満の方]
■スキルと志向
○必須スキル
・お客様の事業・システムを理解し、提案できるスキル
・基本的な統計スキル
・数理最適化や機械学習のスキル
・基本的なデータベースに関するスキル
・Pythonによるプロトタイプの実装スキル

○求める志向
・自らSQL文による集計・データ加工を実施する業務遂行力
・クラウドへの強い関心
・画像/音声解析、自然言語処理などへの強い関心
・英語による専門的な論文や説明書などを読み、トラブルに対処する問題解決力

【弊社での転職事例】

20代後半 IT系メガベンチャー(年収560万円):機械学習を活用したデータ分析コンサルティング業務⇒年収900万円にて転職

<大手金融系シンクタンク/雇用・労働・人材育成分野の調査研究・施策実行支援に係る研究員>

【職務内容】

官公庁等を主たるクライアントとした、雇用・労働・人材育成に関する調査研究、施策実行支援

【必須条件】

・雇用/労働/人材育成の分野に関する調査/コンサルティングに興味のある方
・上記分野における実務経験や行政/大学等での就業経験やネットワークをお持ちの方
・PCスキル(ワード、パワーポイントでのレポート作成、エクセルによるデータ集計/分析等)
・海外企業及び外国政府への調査可能な英語力(あれば尚可)
・社会調査、統計分析の基礎/経験があることが望ましい

【弊社での転職事例】

30代前半 金融系シンクタンク(年収700万円):調査研究(アンケート調査~ヒアリング調査の企画・設計)・シンポジウム等の開催など⇒年収750万円にて転職

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<シンクタンクへのキャリアに関するコラム>

シンクタンクとは?コンサルとの違い&適性
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0915/2679.html

今回は、シンクタンクの求人例・よくある転職理由・年収・選考内容などについてご紹介しました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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