ベンチャーに飛び込む前に「業務委託」で「試用期間」を作りリスクヘッジするという手法について

【目次】

          1. コンサルからベンチャーへの転職は人気だが、リスクも高い
          2. スタートアップほど、面接時に「未来」や「希望」を語りがちで、「実態」は掴むことが難しい
          3. ビジネスサイドの採用でも「業務委託」で「試用期間」を設けるというのがトレンドになりつつある
          4. 採用の上手な企業ほど「業務委託」を意図的に使い、優秀な人材を囲い込んでいる
          5. 「ポートフォリオワーカー」的に複数社を検討したり、「独立」につなげる人も
          6. ただし、あくまで「フルコミットしていない」期間なので要注意
          7. ビジネスサイドの「業務委託」で成果を「出し続ける」のは難易度が高い

コンサルからベンチャーへの転職は人気だが、リスクも高い

ベンチャー企業への転職を希望されるコンサルタントの方が多くいらっしゃいます。

しかし、コンサルからベンチャー事業会社への転職は、「そもそもどのように見極めればいいのか?」「環境が大きく変わる中で自分にフィットするのか?」というリスクと悩みが付きまといます。

実際に、事業会社にエグジットしたものの、期待と実態が異なり、コンサルへ出戻る方も一定数いらっしゃるのが現状です。

スタートアップほど、面接時に「未来」や「希望」を語りがちで、「実態」は掴むことが難しい

もちろん、すべてのベンチャーに当てはまるわけではありませんが、面接時に説明される会社説明は、その会社が創業間もないほど、意識的にしろ無意識的にしろ、どうしても「未来」や「希望」の話が多くなりやすい傾向にあります。

「弊社はこんなビジョンで、こんな構想で、こんな世界観を目指している。こんな組織を ”目指している” 」

これはすごい!とその話だけを聞いて、期待に胸を膨らませて入社したはいいもの、現状とかなり乖離があった、というケースも多くあります。

ただし、これで採用側を攻めるのは筋違いで、採用側は「未来」を語っているだけで、騙す意図もなく、嘘を言っているわけでもありません。ただただ、「現状」を確認しなかった自分が悪いということになってしまいます。

とは言え、面接だけですべてを見極めるのは難易度が高く、それは採用する側にも同じことが言えます。

ビジネスサイドの採用でも「業務委託」で「試用期間」を設けるというのがトレンドになりつつある

上記への解決策として、最近では「業務委託」で「試用期間」を設けるというのがトレンドになりつつあります。

正社員で採用する前に、まずは一定期間「業務委託」契約を巻き、週1なり週3なりで、実際に会社の中に入って働いてみる、という手順を取るのです。お互いに面接では見極めきれなかった部分を、実際に働きながら確認することができます。

元々は採用難易度が高いエンジニアを確保するために、「業務委託」で採用するというのが大半でした。ただ、最近では、ビジネスサイドの採用も完全な売り手市場のため、同様の手法を取るようになってきています。

このようなフローの前例がない企業の場合でも、内定フェーズ以降であれば、十分に交渉の余地があるでしょう。大手やメガベンチャーともなると難しいかもしれませんが、スタートアップやベンチャーの場合、無給でもいいから一定期間出入りさせてくれないか?と依頼すれば、断るベンチャー企業はそう多くないはずです。

採用の上手な企業ほど「業務委託」を意図的に使い、優秀な人材を囲い込んでいる

採用する企業側の視点から見ても、正社員での採用が難しい優秀な人材に対して、一か八かで決断を迫り、オファーを出すのではなく、「まずは業務委託でもいいから、手伝ってくれないか?」とライトにオファーを出し、定期的な接点を確保することには大きなメリットがあります。

週1のようなライトなオファーでも、優秀な人ほどきちんと自分ごととしてパフォーマンスを出し、徐々に当初依頼された業務以外の課題にも気づき始めます。

そのタイミングを見計らって、「この業務も同時にお願いできないか?」などと、次第に業務量と稼働シェアを増やしていき、いつの間にか週5で働いてフルコミットになっていた!というシナリオを意図的に作っている企業もあります。

ぱっと見「いきなりCxOに就任した」と思われるケースでも、実は裏で業務委託として1年間入っていたということも多くあります。このように、いきなり正社員にこだわらないというのも一つの選択肢でしょう。

「ポートフォリオワーカー」的に複数社を検討したり、「独立」につなげる人も

上記の手法は一社だけではなく、複数社同時に行うこともできます。「LIFE SHIFT」で解説されているような「ポートフォリオワーカー」的な働き方でしょうか。

例えば、週1~3ずつ、2~3社で働く期間を設け、実際に働きながら自分とのマッチ度を図り、モチベーションが湧く企業に次第に稼働を寄せていくというやり方をする方もいます。

そのままフリーランスとして独立に繋げる人や、そのつもりはなかったがいつの間にか独立していた、というケースもあるようです。

ただし、あくまで「フルコミットしていない」期間なので要注意

上記のようにメリットは多数存在しますが、同時に注意点もあります。例えば、3社を掛け持ちしていた場合、そこでフルコミットしている正社員と比較して、単純に1/3の業務量となります。

今まで前例がなく120%の力を持ってしても成し遂げられるか分からない挑戦をしているベンチャー企業において、「フルコミットせずに」中途半端な状態で入り込んでいる、ということは自覚した方が良いでしょう。

多くの企業で歓迎はされるでしょうが、フルコミットで”張っている”人とそうでない人の間に、一つ壁は間違いなく存在します。きちんと期間や確認事項、終了条件を決めて取り組むことをオススメいたします。

ビジネスサイドの「業務委託」で成果を「出し続ける」のは難易度が高い

当然のことですが、試用期間的な業務委託契約期間においても、しっかりと成果を出すことが大切です。ただし、どうしても毎日現場にいる人との情報量や経験の差があるので、自分に秀でたスキルがあっても、それを発揮できないと埋もれがちになってしまい、キャッチアップだけで精一杯ということも起こりえます。

元コンサルタントが「業務委託」をした際にありがちなのが、「初回のMTGでの課題整理が一番バリューが高く、それ以降はバリューが漸減する」というケースです。

成長している企業ほど、毎週のように状況や課題が変わる、ということもしばしば起こりえます。今までのナレッジやスキルで最初にバリューを発揮するものの、サジェストするだけで実行が伴わなかったり、もう解決済みの課題について延々と話してしまい、次第に居場所がなくなっていくということもあります。

企業側からすると、有益な提案をもらえたのは最初だけで、いつの間にか、ただその人のキャッチアップのために現状を説明する工数ばかりがかかるようになってしまった…ということにもなりかねません。そのため、今までコンサルで得てきたナレッジだけでなく、新しい情報を常に集めて、毎回提言し、それを実行し続けることが求められます。

ベンチャーはチャットでのコミュニケーションが一般的ですので、たとえ週1回の業務提携と言えども、チャットは常にチェックするくらいの努力は当たり前に必要となり、身体こそ週1でいいものの、脳的には週5働かせないといけないケースも珍しくありません。

また、複数社を掛け持ちをする場合には、単純にその分移動時間がかかり、日程調整も難航しやすく、スケジュールを管理するための工数が爆発的に上がりやすくなります。同時並行的に仕事を持つスタイルは頭の切り替えも難しく、向いている人/向いてない人が明確に分かれるため、自分の性格とフィットするかはぜひ慎重にご判断ください。

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今回の記事では、ベンチャーに飛び込む前に「業務委託」で「試用期間」を作りリスクヘッジするという手法についてお伝えしました。

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