PEファンドの支援に特化した“PEVC”を備えるPwCコンサルティングPMIチーム/COOジャスティン・クック様、パートナー愛場悠介様、土田篤様 インタビュー

PwCコンサルティング合同会社
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PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)PMIチームでは、従来の事業会社を対象としたM&Aコンサルティング支援に加え、PE(Private Equity)ファンドに特化して、投資検討からEXITまで全フェーズの支援をミッションにするPEVCチームを2019年7月に新設しました。
今回のインタビューでは、PwCコンサルティングCOOのジャスティン・クック様、パートナーの愛場悠介様、土田篤様に、実際の案件内容を元に、PMI/PEVCチームのビジネスモデルやクライアントとなる事業会社・PEファンドの潮流、最新の案件トレンド、求める人物像などについて伺いました。

目次
  1. PMIチームを率いるパートナー3名は、投資銀行や大手ファンド、米国拠点でのコンサル経験を持つ投資領域のスペシャリスト
  2. 「コーポレートファイナンスを通して企業価値を考えるというコアスキルが養われる」
  3. ファイナンスや経営経験だけでなく、「オペレーション・IT経験」「TMT・RC業界経験」などさまざまなケイパビリティを持つ方も求めている
  4. 過去案件で印象的だったのは「投資先の方々と膝詰めで話し合ったこと」
  5. 「日本のファームでは稀有な、PEファンドに特化し、DD~バリュークリエーション~イグジットまでの全行動をサポート」
  6. PEVCでは、PEがリソースを割けない投資後の「バリュークリエーション」に関するニーズが高まっている
  7. 「PE在籍時は経営者目線だった。今ではマネジメント面からも企業価値最大化について考えられるようになった。」
  8. 今後PMIでは「グローバライゼーション」「リバイタリゼーション」に力を入れていく
  9. PwCコンサルティング合同会社 求人情報

PMIチームを率いるパートナー3名は、投資銀行や大手ファンド、米国拠点でのコンサル経験を持つ投資領域のスペシャリスト

長谷部
まず、皆さまのご経歴についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

ジャスティン様
私は20年前に日系企業の国際部セールスマネージャーからキャリアをスタートしました。MBA取得後に投資銀行のポートフォリオマネージャーとして働き、次にコンサルティングファームに入社し事業会社のバイサイド・セルサイドや、PEファンドをサポートするコンサルティングに従事しました。
また、ITデューデリジェンスや、ターゲット企業のDXに関するプロジェクト等も幅広くサポートさせていただきました。 現在は、PwCコンサルティングのCOO、そしてPMIチームにおいて、米国・日本の大手グローバルPEに対する投資先のオペレーション向上といったValue Creationのコンサルティングを手掛けています。

PwCコンサルティング合同会社ジャスティン・クック様

長谷部
愛場様のご経歴についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

愛場様
私は新卒でアーサー・アンダーセン(現PwCコンサルティング)に入社しました。2011年から2014年にはニューヨークオフィスに駐在し、米国のPMIチームに所属していました。そこでは、日本から海外に進出する企業のPMIサポートやPEによる投資先のバリューアップ案件、デューデリジェンスなど今のビジネスの基盤であるプレからポストディールまで幅広い案件を経験してきました。
その後、2014年に日本に帰任し、最初は金融チームに所属。金融チームでは主に地方銀行の統合、メガバンク・生損保の海外進出とその後のPMIサポートに携わり、2017年の7月からはPMIチームのリーダーを担当しています。以降は製造業やサービス業、PEファンドのお客様も含めて、PwCコンサルティングにおけるM&A関連案件をリードしています。

PwCコンサルティング合同会社愛場悠介 様

長谷部
ありがとうございます。最後に土田様のご経歴をお願いいたします。

土田様
私は新卒で国内の大手総合化学メーカーに5年半ほど勤めました。生産管理・物流管理の立場から会社のサプライチェーン全体に関わり、ヒト・モノ・情報の動きを知る良い機会に恵まれましたが、カネの動きは見えるポジションではありませんでした。しかし日々、各部門の部分最適の視点から生じる部門間のコンフリクトの調整を繰り返しているうちに、何が会社にとって最良の選択となるのかをファイナンスの観点から理解したいという気持ちが強くなり、会計の勉強を始めUSCPAを取得しました。
それがきっかけで、BIG4系コンサルティングファームでSCMのコンサルティングからこの業界でのキャリアをスタートさせましたが、会計を学んだことでもう少し数字の側面から会社を見てみたいと思うようになり、コーポレートファイナンスのチームに移りM&Aに携わるようになりました。
その後投資ファンドに在籍し、投資先の内部から企業再生に取り組む経験を積み、再びBIG4系コンサルティングファームを経由しPwCコンサルティングに入社しました。今までプレM&Aからトランザクションまでの領域の経験が長く、現在もプレM&Aを中心に取り組んでいます。

PwCコンサルティング合同会社土田篤 様

長谷部
ありがとうございます。では、PwCコンサルティングにおけるPMIチームの概要や、成り立ちについて教えていただけますか。

愛場様
PMIは4年ほど前に10名強で立ち上げたチームですが、現在70名を超えるメンバーが所属しています。拡大の背景として、ここ数年間でようやく日本のマーケットでもPMIの重要性が認知されたことが挙げられるのではないでしょうか。
もちろん日本にも以前よりFAS系でPMIを支援する部署はありましたが、どちらかというと会計のバックグラウンドを活かしながら短期的なPMI、つまりM&Aのクロージング後最初の3カ月間における初期的な統合を支援しています。一方で、私たちはコンサルタントとしてお客様の中に入り込み、着実にバリューを生み出していく、シナジーを生み出してM&Aの目的を実現していくことをミッションにしています。

「コーポレートファイナンスを通して企業価値を考えるというコアスキルが養われる」

長谷部
ありがとうございます。PwCコンサルティングにおけるPMIチームの特徴、それに伴う経験についてはどのようにお考えでしょうか。

愛場様
PMIは、M&Aに関するコンサルティングを中心に「多様な経験ができる」チームです。
私たちのチームは業界横断的なチームであり、複数のインダストリーと関わることができます。また、クライアントのご要望に応じて、PwC内の他チームと連携しながら、M&Aの中でもプレとポストディールを一気通貫で支援していますし、ストラテジックバイヤー(事業会社)やフィナンシャルバイヤー(PEファンド)など多様なお客様にご支援を提供していることも特徴です。さまざまなことに常に挑戦するがゆえに日々勉強していかなければいけませんが、その分チームメンバーの成長につながると感じています。

土田様
色々な経験ができるということに関して誤解のないように少し補足しますが、コンサルティングファームで多様な業界やプロジェクトを経験した結果、自身の専門性が育たないことに不安を覚える若手の方も多いと思います。
一方で、私たちの仕事においては、コーポレートファイナンスの視点から、常に「企業価値の最大化」を考えるという点で、一本筋が通っています。
手広くやっているようで、全てのプロジェクトにおいて、今やっていることが会社の経営にとってどのような意味があり、どのような財務インパクトをもたらすのかという観点を常に持って取り組んでいるので、経営の視点が養われます。その上で多様な業種やテーマを経験し、いろいろなケースに触れながら、キャリアの幅を広げていけます。

ファイナンスや経営経験だけでなく、「オペレーション・IT経験」「TMT・RC業界経験」などさまざまなケイパビリティを持つ方も求めている

河東
ありがとうございます。今土田様からコーポレートファイナンスのスキルが軸になるというお話がありましたが、今後入社を希望する方に期待するスキルや志向性についてもう少しお伺いできますか。

愛場様
FASに所属していてファイナンス・会計知見に強みを持ちながら一方でより幅広い業務に携わりたい方や、事業会社でも経営企画でM&AやPMIを経験された方などは、積極的に採用しています。ただ、プレとポスト両方とも関わり、また関連インダストリーも幅広いため、特定のケイパビリティに縛られない採用を行っています。
例えばサプライチェーンの変革をハンズオンでサポートできるような方。あとはM&Aの対象会社のデータと自社のデータを組み合わせることでM&Aを通じて新しいビジネスを創造するなど、イネーブラーとしてデジタルやデータアナリティクスに関する知見は今後必要になるため、そのような知見を持つエンジニアやコンサルなどITバックグラウンドの方も求めています。

また、インダストリーという切り口では、実績が豊富な金融業界に加えて、テクノロジー・メディア・テレコミュニケーション(TMT)の領域や、自動車を含めたインダストリープロダクツ、リテールコンシューマー(RC)などの業界のスペシャリスト。これらの業界の知見を活かしながら企業の統合や投資先のバリューアップに取り組みたい方を求めています。

PwCコンサルティング合同会社

過去案件で印象的だったのは「投資先の方々と膝詰めで話し合ったこと」

久保
PMIの案件で、今まで最も印象に残っている案件はどのようなものでしょうか。

愛場様
最近ですと、外資系ファンドが不動産関連の事業会社へ投資した案件でしょうか。当該事業を継続するか否かという局面で、ファンドが買収しオペレーションの改革をすることになりました。対象会社の物件は一定の投資をすれば価値が高まるものも多いため、KPIも改め収益を出せる仕組みにする方向性を固め、その中で私たちはファンドのマネージングディレクター(MD)の直属組織としてオペレーション変革全体をサポートしました。

久保
ファンドと投資先の間に入ることで、難しさを感じることもあったのではないでしょうか。

愛場様
まずファンドと投資先ではこちらに期待しているものが違いました。ファンド側は一定期間でキャッシュフローの可視化・改善をしてほしいという期待や要求がありますが、投資先側は決算を締めるための体制を構築しなければいけないなど、オペレーション面を優先したことを期待しています。両者にとって私たちが通訳となりながら、戦略的な視点を持ちつつ、オペレーションの改善施策にも優先順位を付けてサポートしました。

ファンドから雇われた特殊部隊が落下傘のように落ちてきても、投資先である現場の人たちはたやすく受け入れることはできないでしょう。ファンドからその特殊部隊がどんな人たちか紹介があったとしても、最終的には「この会社のために一緒にやろう」という気概がなければ投資先の方々は動いてくれません。まず投資先に信用いただくこと、そして結果的にファンドの信頼も得るという構図の理解が大切です。

土田様
よく「現場と膝詰めで議論する」という言い方をしますが、最後にキャッシュフローを生み出し、企業価値を創造するには現場が変わらなくてはなりません。私たちの仕事は現場の考え方や意識が変わり、行動が変わり、結果が変わって初めて評価されます。
投資先つまり現場の人と膝詰めで議論しお互いの理解が深まると一体感が生まれ、彼らから頼りにしてもらえるようになります。時にはファンドの人たちに言いづらいような本音の部分も話してくれることもあります。現場も会社の変化を敏感に感じ、不安を抱えていることも多いのですが、会社を良くするという目的は本来ファンドも一緒なので、取り組むべきことの意図を丁寧に説明すれば、理解を得ることは難しくないはずです。
しかし頭で理解するのと、気持ちがそこに向かい行動につながるかは別問題なので、私たちは「どうしたら人に動いてもらえるか」を意識し、時に一見非効率なコミュニケーションにも快く時間を割くようにしています。PMIチームのメンバーは左脳でロジカルに解決策を考えながらも、こういう人対人の現場感のある仕事もこなすので、地に足の着いた経営が経験できます。

久保
ありがとうございます。現在お話しいただいたのは主にバリューアップに近い案件ですが、戦略から関わる案件も多いのでしょうか。

愛場様
そうですね。大手グローバルファンドから依頼されたカーブアウト案件では、デューデリジェンス(DD)フェーズから参画し、中期経営計画策定、現場におけるモニタリング体制や財務モデル構築等のDay100までを支援しています。また直近では、グローバルな戦略コンサルティングチームでPwCの一員でもあるStrategy&とも連携しながら、事業DDにも参画しています。

「日本のファームでは稀有な、PEファンドに特化し、DD~バリュークリエーション~イグジットまでの全行動をサポート」

河東
新たにPMI内にPEVCチームを2019年7月に設立されたと伺いました。他ファームにはない珍しい組織だと思うのですが、チームの特徴について詳しく教えていただけますか。

愛場様
PEVCは、PEファンドのサポートに特化した専門家集団です。DDから、バリュークリエーション、IPOなどのイグジットまでPEファンドの投資行動を一気通貫でサポートを行っています。

河東
PEファンドにおけるマーケットの需要などもチーム立ち上げに影響しているのでしょうか。

愛場様
「PE」や「ファンド」と聞くと、10年ほど前は一般的に少し近寄りがたいイメージもありました。しかし最近は随分そのイメージが変わっており、実際には企業の触媒機能のような役割を期待されています。

例えばコングロマリットの中ではノンコア事業としてみなされてしまい、お金や人が充分に割り当てられない事業でも、そこからPEが一度受け取り、資金やPEのネットワークを活かして優秀な人材を注入することでもう一度成長事業に転換していくことができます。
このようにPEは企業の触媒や再生の機能があるとマーケットから認められつつあり、社会的に認知度が高まっています。

マーケットにおけるPEの役割や需要が高まる中で、PwC米国ではPEの投資先に入り込み、バリュークリエーションのためのPEVC(Private Equity Value Creation)チームを3年ほど前に立ち上げました。日本でも、国内マーケットでPEに対する注目が高まり、ファンド支援をビジネスとして立ち上げるべきではないかという考えが強まり、PMIチーム内のサブチームという形でPEVCが2019年7月に設立されました。

長谷部
PwCのPEVCチームがこのビジネスモデルを確立できているのはなぜでしょうか。

愛場様
元々PwCは財務や税務のデューデリジェンスにおいてグローバル規模で強みがあり、世界的なPEのお客様から独自にご相談を受けていました。大手グローバルファンドとの深いリレーションと実績、経験があるからこそ、PEファンドに特化した組織を立ち上げられたと言えます。

長谷部
デューデリジェンスからバリューアップまでファンドに一貫したサービスを提供しているとのことですが、具体的な業務の流れについて教えていただけますか。

愛場様
コングロマリットのカーブアウト案件を例にすると、事業を切り離した際にオペレーション・IT面でどんなリスク・課題があるのかを分析し、買い手であるPEのお客様へアドバイスを提供します。いざPEが入札に勝って投資実行が可能なタイミングになると、投資後にキャッシュフローが生み出せるかどうかの「経営の可視化」を求められるため、私たちも投資先に常駐させていただくケースが多いです。特にカーブアウトの場合は、対象事業に関する財務諸表が精緻な粒度で作成されてこなかったこともあるので、事業体として今後どれだけ儲かるのかの計画と、最初の数カ月でいくら儲かったのかの実績を「見える化」することが求められます。

そのプロセスを通じてどこに課題があるかを明らかにし、その想定課題に対する施策の実行や中長期計画策定もPEVCでご支援しています。投資前のフェーズでは、週1回ぐらいPEに報告するような働き方ですが、投資後のフェーズではお客様先の経営企画部や財務企画部に社員のように常駐させていただくことも少なくありません。

ジャスティン様
補足すると、場合によってはPEがイグジットするところまでサポートをするという、M&Aにおける一連の事業のトランジションをサポートしています。
ポイントはPEがどんなことを気にしているのか、投資先に期待していることは何かを理解しながら、投資先とファンドとの通訳のような役割を果たすことです。

長谷部
そもそも案件はどこから依頼されるのでしょうか。

ジャスティン様
デューデリジェンスはファンドから、バリュークリエーションはほとんどの場合が投資先からのご依頼です。 ファンドから投資先を紹介していただき、投資先に私たちはこういうサポートができると提案し、賛同を得た上で私たちのサポートを導入していただいております。

PwCコンサルティング合同会社

PEVCでは、PEがリソースを割けない投資後の「バリュークリエーション」に関するニーズが高まっている

河東
皆さまM&Aの領域で長くご活躍されていると思います。次は少し大局的な目線での質問をさせていただきます。M&A案件において重要視されるフェーズも過去から変化を見せていると思うのですが、その中で現在はPMIないしPEVCにおいてどのような案件が増えているのでしょうか。

ジャスティン様
マーケットの状況から説明すると、M&Aに関するコンサルティングを支援し始めてからの10年で私たちのビジネスは大きく変化しています。米国のM&A支援チームにおける売り上げは、過去は買収が中心でしたが、今は売却が中心となっています。
日本のマーケットで今注目されている動きはコングロマリットのノンコア事業をPEがバイアウトすることで、この動きは日本でも今後さらに出てくるだろうと感じています。
直近でも約1兆円規模の売却など大きなトランザクションがあったように「総合」とつくような事業体でも、コーポレートガバナンスコードの浸透に伴いこれまで以上に資本効率性を意識する中でビジネス転換を求められます。
総合電機や総合エネルギー、総合商社などコングロマリットの中のノンコア事業をPEがいったん引き受けリストラクチャリングし、しかるべき資源を投下した上で次の構想に進むことが求められているのです。
場合によってIPOかもしれませんし、よりシナジーが出る事業会社への売却かもしれませんがトランジションする動きは今後加速していきます。

愛場様
世界的な資金余剰の中で、ファンドにも多くの資金が集まっていることもあり、ファンドの皆さんも投資機会発掘や投資実行にリソースを割かざるを得ず、投資後のバリュークリエーションで人手が足りないケースが起きています。
そのサポートの役割を担おうとするのがまさにPEVCです。

「PE在籍時は経営者目線だった。今ではマネジメント面からも企業価値最大化について考えられるようになった。」

久保
M&Aに関連したチームを目指される候補者からはよく「コンサルティングファームとPEファンドのどちらに転職するかで悩んでいる」というご相談をいただきます。御社のPMIチームであれば、ファームにいながらPEと同じ動きもできるのではと考えていますが、ファンドでの業務経験がある土田様から見て両者の違いについてはどのようにお考えですか。

土田様
仰るようにPEVCチームであれば、ファンドに近い経験もできると思います。ただ、ファンドの動きが、現場に派遣される際に明確なマネジメントポジションを得て仕事をするケースが多い反面、ファームにいる私たちは必ずしもそのような動きを取りません。どちらかというと実務面により深く入ってサポートするため、その分現場感のある仕事がしやすいと思います。

また、ファンドのバリューアップ担当は、どうしても1つの案件にずっと関わっていかなければいけない一方で、私たちはさまざまなファンドから多種多様な業界・フェーズの案件をいただくため、より幅広い経験を得られると思います。

また、ファンドに行きたいという発想の方はファイナンスとビジネス両方のケイパビリティを駆使して仕事をしたいという思いをお持ちだと思いますが、PEVCの場合はどちらかと言えばマネジメントの視点でビジネス側の厚みのある仕事をしっかりと経験できるのではないでしょうか。一方で、ファイナンスのスキルに比重を置いて集中的に強化したいという方の志向性とはややギャップが生まれるかもしれませんね。

愛場様
土田さんの言うように、ソーシングを含めベースづくりに数年かかった案件のハイライト、つまり一番難しくて一番やりがいがある部分に繰り返し触れることができるのは私たちの強みだと思います。

土田様
実際に、私はここでの役割を通じて、企業価値向上の実現方法をより解像度を上げて考えられるようになったと思います。例えば先ほど愛場さんが申し上げたように、キャッシュフローを最大化するためには、マネジメントと現場レベルのオペレーションがしっかり同期している必要がありますが、ファンド在籍時にはよりハイレベルの意思決定に関わることが多く、現場にまで十分に踏み込めない領域がありました。

私たちはファンドの横にいて、投資家かつ経営者の意図を十分に理解しながらも、それを現場のオペレーションまでどう落とし込み、実際にキャッシュを生み出すか、かなり実務的なレベルまで考えることが求められます。
そのため、オペレーションの改善により、どのようにキャッシュフローが改善して、その結果、どれだけ企業価値向上に貢献できるかを一気通貫で見ることができるのです。
経営から現場までシームレスにビジネスを見られるようになるのは私たちPMI/PEVCチームだからこそだと考えています。

長谷部
ありがとうございます。グローバルファンドからの依頼が多く、またファンドが買収した企業のグローバル戦略を打ち出すケースも増えているとお聞きしています。
グローバルプロジェクトに関わる機会も多いのでしょうか。

ジャスティン様
3~4割がグローバル案件です。競争状況や商習慣などの市場調査からM&A戦略立案などのプレディール案件や、ASEANのメーカーが複数社を統合するポストディール案件が該当します。日本で方針立案した上で、現地への定着化はPwC Japanメンバーと連携しながら、現地PwCファームのメンバーが担当するケースもあります。

河東
先ほど愛場様は米国でジャスティン様と一緒に働いていたとお聞きしましたが、制度として米国のPMI/PEVCチームで働く方法があるのでしょうか。

愛場様
はい、PwCにはグローバルモビリティという海外出向制度があります。私もそれを活用してニューヨークに出向し、ジャスティンさんとは現地のPEの投資先におけるバリューアップ案件で一緒に働いていました。

河東
グローバルでの経験はいかがでしたか。

愛場様
国内では戦略策定からシステム導入、リスクマネジメント体制構築までさまざまなコンサルティングを経験していました。ただ、自分自身の経験が多様性に富んでいる一方でまとまりがない気がしていたのも事実です。そんな時、PMIという切り口であれば、今までやってきた「ジェネラリストとしての強みをスペシャリストとして活かせるのではないか」と自分の中で考えを整理し、米国のPMI専門チームに出向しました。
そこで自分の専門性を確立できましたので大きなターニングポイントだったと思います。

河東
米国でのPMIチームはどのような環境だったのでしょうか。鍛えられたエピソードなどもあれば是非お聞かせください。

愛場様
M&Aの成熟した国なので数や規模もそうですし、案件のスピード感もダイナミックでした。当時私はそこまでM&Aを専門としていなかったので、最初はトランザクションが次々と起きるスピード感に対応することに苦労しました。

また、上司もチームメンバーも部下も現地メンバーで会話は英語、私以外の日本人メンバーはいませんでした。評価される仕組みも現地の基準であり、それに応じて報酬も払われるので今まで日本で戦ってきた環境とは全く違いました。
さらに、自分がプロジェクトを進める上で常識だと思っていたことも全く勝手が違いました。例えば、日本では作業計画・WBSを数カ月先までしっかりと引き、それに基づき進捗・課題管理をするのが一般的なプロジェクトマネジメントのやり方です。しかし米国のM&A短期案件ではWBSを引くのではなく、その日のToDoリストをホワイトボードに作成し、それをメンバーで処理していきます。
結局は日々刻々と状況が変わるスピード感のある環境では、何が重要なのか、「パンチライン」は何かということを皆で考え、優先順位の高いものからスピード感をもって消化していくことが重要だと気付きました。
それまで自分の常識だと思っていた働き方が全く通用せず、スピーディーに案件が生まれる環境で、活かせるスキルや方法の違いを肌で学べたのは貴重な体験でした。

長谷部
逆に日本で培ったことで活かせたものなどもございましたか。

愛場様
日本人らしい細やかな分析・スライドライティングのスキルなどでしょうか。言語的には当然他メンバーに劣りますが、日本人らしい精緻な分析とそれに基づく資料作成は事業会社やファンド関連の案件でも高く評価していただくことができました。

今後PMIでは「グローバライゼーション」「リバイタリゼーション」に力を入れていく

河東
チームとして今後成し遂げていきたいことについて教えていただけますか。

愛場様
2つあります。ひとつは「グローバライゼーション」。日本企業の海外進出、海外展開をサポートすることです。それはPwCとしてのグローバルネットワークを持っているからできることです。

もうひとつは「リバイタリゼーション」。「再活性化」ということでいくつか意味があるのですが、先ほど話したようなコングロマリットの中でくすぶっているノンコア事業を活性化したい意味もありますし、日本の中にあるさまざまな社会課題を解いて、もう一度日本経済、日本という社会を活性化したいという思いもあります。

河東
組織としてはどのように成長させていきたいのでしょうか。

愛場様
一番はこの領域で何かあった時に「PwC JapanグループのPMIチームだよね」というふうにマーケットに認知されるようになりたいです。
例えば米国のPMIやPEVCチームは日本の規模と比べて10倍ほどあります。ですからマーケットにおいても当然認知度がありますし、お客様がバリュークリエーションやクロスボーダーのPMIで何か困った時に、まず相談される先としてPwC米国のこのチームが挙げられます。

私たちのチームはまだ立ち上げたばかりですが、数年以内に「クロスボーダーのPMI、PEのバリュークリエーション、クロスインダストリーのビジネスエコシステムの創造ならばPwC JapanグループのPMIチームに」と言ってもらえるようなポジションにしていきたいです。

PMIチームもPEVCサービスもそうですが、PwC Japanのコンサルティングの中ではまだまだ新しいサービスです。私たちとしてはPwCという大きなブランド、プラットホームの上にいながら新しいベンチャービジネスをおこしている意識でいます。
グローバルでのブランド力を持ちながら、その中でも自分のケイパビリティを活かし、ベンチャーのような非常に風通しのいいチャレンジングな環境で自身の可能性にチャレンジしたい人、さらにはグローバルの舞台で活躍したいと思っている人にはこのチームにぜひ参画いただき、一緒に面白いビジネスを作っていきたいです。

ジャスティン様
ジャスティン・クック 様 COO

米国・日本において、大手グローバル・プライベート・エクイティ・ファンドに対する投資先のオペレーション向上などの価値創造(PE Value Creation)支援を手掛ける。プライベート・エクイティの投資候補先や投資先である工業製品、サービス、自動車、ヘルスケア、テクノロジー、出版、消費財などの幅広い業界において、オペレーショナル・デューデリジェンス、カーブアウトサービス、ポストディールにおける20年以上にわたるバリュークリエーションのコンサルティング経験を有する。PwCコンサルティング合同会社 COO。

愛場様
愛場悠介 様 パートナー

日本・米国・アジア地域におけるクロスボーダー統合案件を中心に、コンサルティング業界において15年超の経験を有する。2011年~2014年にはPwC 米国法人ニューヨーク事務所のM&A支援チームに所属し、日系企業による米系企業を対象とした買収・統合案件を含め、統合契約締結前のデューデリジェンスから締結後のPMIまで、M&Aサイクル全般にわたる支援に携わった。銀行、保険、プライベート・エクイティ・ファンドに加え、総合商社、製造業など複数の業界に対し、経営統合支援サービスの提供実績を持つ。

土田様
土田篤 様 パートナー

大手総合化学メーカー、BIG4系コンサルティングファーム、投資ファンドを経て現職。大型事業再生、M&A等、事業戦略やコーポレート・ファイナンスに関する15年超のコンサルティング経験を有する他、投資ファンドにおいて、投資検討および投資先企業の経営に従事。近年は社会課題克服に向けたビジネスエコシステム・デザイン等、デジタルテクノロジーを活用した新規事業構想立案に従事。 米国公認会計士、日本証券アナリスト協会認定アナリスト、「企業のリスクを可視化する事業性評価のフレームワーク」著

企業名

PwCコンサルティング合同会社

PwCコンサルティング合同会社は、経営戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しています。PwCグローバルネットワークと連携しながら、クライアントが直面する複雑で困難な経営課題の解決に取り組み、グローバル市場で競争力を高めることを支援します。
PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社(PwCあらた有限責任監査法人、PwC京都監査法人、PwCコンサルティング合同会社、PwCアドバイザリー合同会社、PwC税理士法人、PwC弁護士法人を含む)の総称です。

複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約8,100人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

https://www.pwc.com/jp/ja.html
アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

PwCコンサルティング合同会社の求人情報

募集職種 PMIコンサルタント
職務内容

【担当業務】

M&Aを通じた国内における事業再編や海外への事業展開において、M&A後の経営統合(PMI:Post Merger Integration)を幅広くサポートするコンサルティングチームです。M&Aでは、アドバイザーという呼び名が通例ではありますが、私たちのチームは、経営統合においてクライアント企業が直面する様々な問題解決を支援するための「コンサルティング」に拘っています。M&Aを活用し、成長を目指しているクライアント企業を中長期的にサポートしていきます。

 

【担当業界】

国内外のあらゆる業界(特に、地銀、リース、不動産、物流、通信、総合電機、ヘルスケア業界に強み)

 

【担当領域】

PwC国内外事務所の各チームと連携しながら、買収後の目指す姿(TOM: Target Operating Model)の設計、買収後の統合事務局(IMO)運営、統合組織・人事設計、統合後のIT全体構想策定・IT統合実行、M&A後の企業変革・BPR、中長期的なシナジー施策検討・実行支援、中長期的成長戦略に関する海外市場動向調査・分析等を支援します。

応募要件 【求められる経験】
  • コンサルティング・アドバイザリーファームにおける業務経験3年以上。戦略策定、DD、PMIに関する経験があれば尚可
  • 事業会社におけるM&A・PMI経験
  • 事業会社の経営企画、営業企画、財務企画等における業務経験
  • クロスボーダー事業・案件に関する業務経験

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