KPMGコンサルティング Energyセクター インタビュー/エネルギー領域での変化を先取りしたプロジェクトを展開

KPMGコンサルティング

今回は、KPMGコンサルティング株式会社 Energyセクターへのインタビュー。
電力・ガス公益事業者や石油・ガス開発・元売り事業者などへ支援を行う同チーム。
ディマンド・リスポンス、大型蓄電池などエネルギー領域での変化を先取りした案件も多く、新規事業の立ち上げ、DX推進、戦略策定等のソリューションを提供。
今回は、Energyセクター所属の執行役員パートナー 伊藤健太郎様、シニアマネジャー J.Y様、シニアコンサルタントS.K様より、ご経歴やチームの特徴、目指す方向性などについてお聞きしました。

目次
  1. 伊藤様、J.Y様、S.K様のご経歴
  2. ディマンド・リスポンスや大型蓄電池など未開拓の領域に先んじて取り組む
  3. マーケットの環境変化をいち早く捉え、ビジネスチャンスを発掘する
  4. 生成AIなど新しいテクノロジーの台頭により、リスクコントロールの必要性が増している
  5. 若手メンバーでも案件組成や提案活動に入るチャンスがある
  6. KPMGコンサルティング株式会社 求人情報

伊藤様、J.Y様、S.K様のご経歴

小野
まずは、皆様のご経歴を教えていただけますか。

伊藤様
新卒で大手IT企業に入社し、SEとしてキャリアをスタートさせました。主に電力会社の大規模なシステム開発にITアーキテクトのプロジェクトマネジャーとして参画したり、ITコンサルタントとしてシステム導入やスマートメーターの導入などを手がけてきました。2016年にKPMGコンサルティングに入社してからは、エネルギー領域に特化し、電力やガスなどのエネルギー企業の経営課題や事業課題の解決に向けた支援を行っています。現在、Energyセクターの責任者を務めています。

KPMGコンサルティング株式会社

J.Y様
私は、経理・財務領域からキャリアをスタートさせました。新卒で入社した大手IT会社で財務会計から管理会計まで一連の実務を担い、米国現地法人や子会社出向なども経験しました。その後、2017年にKPMGコンサルティングに入社してからは当初サービスラインのFinance Strategy & Transformation(FST:経営管理領域)チームに所属しながら、担当するプロジェクトがエネルギー領域にシフトしたことにあわせてEnergyセクターに籍を移しました。

KPMGコンサルティング株式会社

S.K様
私は新卒でKPMGコンサルティングに入社しました。新卒で入社すると最初の1年間はどのユニットにも属さず、「Start-ups」というプール制組織に所属します。その後、コンサルタントとなるタイミングで本格的に配属が決まり、現在はFSTチームに所属しています。普段はエネルギー領域でのプロジェクトに携わっており、J.Yさんとご一緒する機会が多くあります。

KPMGコンサルティング株式会社

ディマンド・リスポンスや大型蓄電池など未開拓の領域に先んじて取り組む

小野
続いて、Energyセクターの強みや特徴について教えていただけますか。

伊藤様
Energyセクターは、GIE(ガバメント・インフラストラクチャー・エネルギー)ビジネスユニットを構成するセクターの1つで、主に電力・ガス公益事業者、石油・ガス開発・元売り事業者への支援を行っています。Energyセクターは10名ほどの組織のため、他のセクターやサービスラインとコラボレーションしながらサービスを提供しています。

私たちの特徴としては、クライアントに対しありふれたコンサルティングサービスを提供するのではなく、エッジの効いたビジネスを行うこと。そのため、KPMGコンサルティングならではのソリューションを作り、提供していくことを強みとしています。近年、電力の需要と供給のバランスをとるための手法として電力の需要側を変化させる「ディマンド・リスポンス」と言われる領域のニーズが高まっています。今でこそ広く知られるようになってきましたが、こうした新規事業にも3年ほど前から着手しており、他社に先駆けて取り組んできました。

小野
直近ではどのような案件があるのでしょうか。

伊藤様
最近は北海道などの広大な敷地に大型蓄電池を導入する企業が増えています。大型蓄電池というのは、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーでつくられた電気を貯めて、必要な時に使うものです。こうした蓄電池はただ導入するのではなく、どうやって収益化していくのかといった観点まで考えていく必要があります。例えば、バーチャルパワープラント(VPP)という、再生可能エネルギーや大型蓄電池をIoTやシステムで仮想的に束ねて電力市場で取引するといった取組みも出てきており、それらの支援も行っています。自由化が進み新たなビジネスモデルが期待されているなかで、クライアントと共にその在り方を検討しさらに実装まで取り組んでいく、KPMGコンサルティングならではの特徴ですね。

小野
新たな電力取引市場の導入にも関わっていらっしゃるとお聞きしました。具体的にどういったものが挙げられますか。

伊藤様
2024年度から導入される容量市場の検討支援を長らく行ってきましたが、直近では長期脱炭素電源オークション導入に向けた取組みにも携わっています。これは資源エネルギー庁が中心となり国策で進めているものですが、その実装に向けた検討は電力広域的運営推進機関で実施され、ここで我々が協働しているという関係性になります。2023年度中の初回オークション開催をゴールとして、制度・実務横断での重要論点を検討しつつ、業務設計からIT環境の構築、事業者に向けた説明会開催、さらに契約文書となる要綱・約款準備など全般的に支援しています。昨今の電力取引市場は変化がめまぐるしく、制度面での動向から実務的な取り扱いまで理解していることが不可欠であり、先程申し上げたVPPや大型蓄電池といった先進的な領域の支援にも繋がっています。

マーケットの環境変化をいち早く捉え、ビジネスチャンスを発掘する

小野
続いて、電力業界のトレンドやマーケットの市況感を教えていただけますか。

伊藤様
まず大きなトレンドとしては、ご存じの通り、日本も「2050年までにカーボンニュートラルの実現」を目標に掲げており、現在、脱炭素社会に向けて、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーが注目されています。洋上風力発電の導入促進や、国を挙げて「脱炭素先行地域」の形成などの取り組みなどは大きなトレンドの一つといえます。ただし、これらは従来の電力システムの在り方を大きく変える形となるため、現在急ピッチに規制やルールが生まれてきています。こうした状況において、クライアントがいかに対応していくかも重要なテーマといえます。

小野
現在、新たな規制やルールが生まれているとのことですが、規制やルールを遵守することが目的となってしまうと、そこから新たなビジネスは生まれにくいのではないでしょうか。

伊藤様
おっしゃる通り、新しい規制やルールに「どうやって従うか」といった点は強く意識する必要があります。一方で、規制やルール、さらに市場の変化は新たなビジネスチャンスであり、いかに収益を生み出せるか、新たな事業を生み出せるのかを考える機会にもなると捉えています。規制やルールに加えて、マーケット内の環境変化をいち早く捉えることで、クライアントのビジネスチャンスを発掘していきます。

KPMGコンサルティング株式会社

ロールに関係なく、できる人が進めていく風通しのいいカルチャー

小野
続いて、KPMGコンサルティング全体の雰囲気についてお聞きしてもよろしいでしょうか。

S.K様
当社は、物腰の柔らかい人が多いなという印象です。よく外部の人たちから「KPMGコンサルティングは社員同士の仲が良く、風通しが良さそう」と言われるのですが、実際に入社してみると、本当に間違いなかったなと思いますね。プロジェクト内では、年齢や職位に関係なく意見が求められ、かつ、それぞれがやるべきことにしっかり取り組んでいます。私としてはすごく働きやすく、良い環境です。

小野
Energyセクターの雰囲気はいかがですか。

J.Y様
S.Kさんが言う通り、「シニアコンサルタントだからここまでしかやってはいけない」あるいは「シニアマネジャーなんだからこれをやりなさい」とロールによって仕事の裁量が決められることはなく、できる人がどんどんやっていこうというカルチャーがあります。それによって成長し、仕事の領域が広がっていくことが個人にとっても組織にとってもプラスであると思っています。

プロジェクトチーム内でもこれは同じで、例えばレビューの場によく表れていると思います。レビューの場はどうしても指摘を受ける場になりがちですが、それは大前提としたうえで極力議論を重ねて検討内容を高めていく場と位置付けています。チームメンバーのバックグラウンドはそれぞれ異なるため、職位を問わず優れたアイデアや意見を採用して検討が進んでいくなど、風通しのよい環境があります。

KPMGコンサルティング株式会社

若手メンバーでも案件組成や提案活動に入るチャンスがある

小野
では次に、どんなスキルセットやマインドをお持ちの方と一緒に働いていきたいとお考えですか。

伊藤様
マインド面では、チャレンジ精神のある人ですね。「とにかくやってみよう」と新たなチャレンジに抵抗感がない人は活躍していける環境だと思います。一方で、スキル面に関しては、エネルギー業界に関して経験や知見など、一定のバックグラウンドのある方を求めています。

小野
ちなみに、Energyセクターで働くメリットややりがいについてはどのようにお感じになられていますか。

伊藤様
やりたいことがやれるという環境で働けることです。例えば、私たちよりも規模の大きなコンサルティングファームの場合、業務が細分化されており、自分の役割はすでに決められていることが少なくありません。しかし、当社は設立からの歴史が浅いということもあり、私たちEnergyセクターはまだまだ人数が少なく、成長段階にあるため、「これがやりたい」という強い気持ちがあればすぐに手を伸ばして実現できるチャンスはいくらでもあります。狭い領域だけに閉じず、幅広くチャレンジしたいという方にとってはEnergyセクターの環境はとてもフィットすると思いますね。

S.K様
伊藤さんのお話に付け加えるとすれば、Energyセクターは少ない人数だからこそ、コンサルタントやシニアコンサルタントであっても提案活動から入り、そのままデリバリーまで携わることができるところですね。単にプロジェクトに入るだけでなく、自分から案件を組成し、自分で管理して、最後まで実行する。こうした働き方がしたいと思っている人にはいくらでも経験できる機会はあるはずです。成長意欲があり、自分の天井を自分で押し上げていける人にとってはやりがいのある環境だと思います。

KPMGコンサルティング株式会社

伊藤様
例えば、水力発電に関わる提案の際には、前職で水力発電に携わっていた若手メンバーにも提案に入ってもらいました。どこが論点になるのか、クライアント側で実務経験のあるメンバーからの意見は貴重です。提案活動の中で、何を訴求すればクライアントが価値を感じてくれるのか、といった視点で自ら考えることはとてもいい経験になるはずです。

J.Y様
私がEnergyセクターで働くやりがいは、エネルギーという非常に面白いテーマに携われることです。「エネルギーもよくある業界軸の一つではないか」と思う方もいるでしょう。しかしひとたびエネルギー供給が止まると、工場が止まり、交通機関も止まり…私たちの生活は多大な影響を受けますし、元をたどっていくとその背景には国際情勢も大きく関係しています。カーボンニュートラルひとつとっても、ビジネス上の利害関係を含めて誰が何をしようとしているのか、紐解いていくと色々な世界が見えてきます。エネルギーを起点に、世の中の動向まで視野に入れた考察を行っていけることはやりがいのある仕事だと思いますね。

小野
では最後に、Energyセクターが組織として目指す姿を教えていただけますか。

伊藤様
Energyセクターはまだまだ人数が少なく、成長段階です。体制を強化して、さらに幅広い領域にチャレンジしていきたいと考えています。エネルギー領域のバックグラウンドを活かして働いてみたいという方、ぜひご応募をお待ちしております。

伊藤健太郎様
KPMGコンサルティング株式会社
伊藤健太郎 様

大手IT企業にて、電力会社の大規模システム開発にITアーキテクト・プロジェクトマネージャーとして多数のプロジェクトに参画。2016年にKPMGコンサルティングに入社後は、電力・ガスなどのエネルギー企業に対して、法制度対応、全社構造改革、新規事業開発、業務変革、DX推進、脱炭素経営などの幅広い経験をもとに、さまざまな経営課題の解決を支援。2021年よりEnergyセクターの責任者。

J.Y様
KPMGコンサルティング株式会社
J.Y 様

新卒で大手IT企業に入社し、財務会計から管理会計まで経理部門の実務全般に従事。米国現地法人や子会社出向なども経験。
2017年にKPMGコンサルティングに転職し、トランスフォーメーションに向けた様々なプロジェクトをリード。

S.K様
KPMGコンサルティング株式会社
S.K 様

国内の大学を卒業後、海外のビジネススクールに入学。
コロナ禍の2020年にKPMGコンサルティングへ新卒で入社し、業務設計や全社BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング) 、事業戦略立案支援などのプロジェクトを経験。

KPMGコンサルティング株式会社

KPMGコンサルティング株式会社

グローバル規模での事業モデルの変革や、経営管理全般の改善をサポートするコンサルティングファーム。具体的には、事業戦略策定、業務効率の改善、収益管理能力の向上、ガバナンス強化やリスク管理、IT戦略策定やIT導入支援、組織人事マネジメント変革などを提供しています。世界143ヵ国のメンバーファームに約265,000名のプロフェッショナルが在籍。
参考URL:http://recruit.kpmg-consulting.jp/

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

KPMGコンサルティング株式会社の求人情報

募集職種 Government,Infrastructure,and Energy Consultant
職務内容

《チーム紹介》

電力・ガス事業者は自由化による競争環境進行とエネルギー基本計画の大規模な方針変更をうけて、変化のうねりに直面しています。エネルギー効率性の向上と国内市場の縮小だけでなく、新型コロナウィルスによる短期的な需要押し下げ要因により、国内需要がピークアウトしているなか、聖域なきコスト削減および持続可能な利益創出に向けて体質改善を図り始めています。当チームはこのような業界課題解決に向けて、業界に対する提言を示しつつ、クライアントのCXO/事業部長との中長期的な関係を構築し、クライアントの課題解決に向けたトラステットパートナーとしてコンサルティング・アドバイザリーの提供をしています。


《職務内容》

当該業界向けに以下のような領域の案件組成並びにサービス提供を行います。


・経営戦略、オペレーション戦略

(例)中期経営計画策定新規事業戦略立案、サービス戦略立案、事業構造改革、ターゲットオペレーティングモデル策定


・経営管理

(例)経営企画管理強化、業績指標策定・モニタリング、経営オペレーション高度化


・業務変革

(例)AI・高度自動化ソリューション等デジタル技術の導入、マーケティング・営業業務高度化、財務・会計業務高度化、リスク管理強化、規制対応、人事制度策定


・大規模プログラムマネジメント支援

(例)制度対応等の全社大プログラムマネジメントオフィス支援、大規模ITプロジェクトPMO、プロジェクトリスク管理


《役割および責任》

原則マネジャー職以上での採用を想定しております。 アカウント担当としてビジネス領域全般について、CXO/部門長クラスとコミュニケー ションを取り、経営課題を理解し、サービスラインと協業し解決策を提示し、プロジェクトチームの組成ができること、ま た、大規模・難易度の高いプロジェクトのプロジェクトマネジャーをハンズオンで実施し継続または関連案件の開拓ができることが期待されます。

応募要件

《必須要件》

<コンサルタントとしての基本スキル>

・論理的思考力、コミュニケーション能力を有する

  • 問題・課題を検知・分析し、論点を整理した上で解決までのアプローチを構想し、クラ イアントに説明、共感を得て、実行に移すことができる。
  • 単なる会議のファシリテートだけでなく、会議等においてプロジェクト・クライアント にインパクトを与える行動ができる。
  • クライアント、およびチームメンバーと適時適切なコミュニケーションが取れ、適切な 情報共有と、責任と権限の配分を行うことができる。
  • Ownershipを持ってプロジェクトを推進するMindsetを有し、他のプロジェクト・メン バーをモティベートできる。
  • 関係チーム・ステークフォルダーと連係し必要なコラボレーションを推進できる。

<エネルギー・インフラ事業知見>

・電力・ガス公益事業、石油・ガス開発・元売り事業、鉄道事業、インフラ建設事業(EPC)のいずれかの業界知見を有する

  • 主要業務(発電、送配電、販売/開発・製造、輸送、建設など)に関する基本的な理解を有する。
  • 当該業界における基本的な組織・ITシステムなどの仕組みについての基本的な理解を有する。
  • 国内外の業界規制、トレンドに関しての強い興味を有する。

<プロジェクト管理の経験>

・コンサルタントまたは事業者としてプロジェクト推進経験を有する


《評価される知識と経験》

  • 時間制約・予算制約のあるプロジェクトへの主体的な関与経験
  • 金融的な知見、市場取引知見、コマーシャルアセット最適化知見があれば尚可
  • 複雑な事象のモデリングやシナリオプラニング経験があれば尚可

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平均サポート期間は3年です。

各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。

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