DX人材・コンサルに必要な「資格」とは?理由と実用例

DXがトレンドとなり多くの企業でDXの推進が進む中、DX人材・DXコンサルとして活躍していくためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。スキルの獲得・証明方法として一般的なのは資格取得ですが、資格の価値は玉石混合であり、かつ取得には一定の学習時間も必要であるため、DX人材・DXコンサルとなるうえで本当に役立つ資格を見極める必要があります。

今回は、DX人材・DXコンサルとしてDXを推進していくうえで本当に役立つ5つの資格について紹介します。

【目次】

  1. 役立つ資格とその理由① ITストラテジスト
  2. 役立つ資格とその理由② G検定/E資格
  3. 役立つ資格とその理由③ データベーススペシャリスト
  4. 役立つ資格とその理由④ プロジェクトマネージャ
  5. 役立つ資格とその理由⑤ 情報処理安全確保支援士

役立つ資格とその理由① ITストラテジスト

ITストラテジストはIPAの情報処理技術者試験において高度試験に分類される資格ですが、DXを推進する上でも有用な資格となります。

DXを推進し、自社をデジタル化するためには、個別的な取り組みにとどまらず全社的に取り組みを行うことが重要です。経済産業省のDXレポート2※では全体の9割以上の企業がDX未着手、またはPoCを中心とした部分的な取り組みにとどまっていると報告されています。同レポートでは、このような状況を脱却し、企業全体としてデジタル化を進め、デジタル企業への変革を目指していく必要があると指摘しています。このような背景もあり、DXを意識している多くの企業では自社のIT戦略としてどうやってDXを進めていくかを検討している状況です。

ITストラテジストは企業のIT戦略を立案し、事業を高度化・最適化できる人材であることを証明する資格です。上述の通り、企業変革に向けたDXを推進していくためには、全社的なIT戦略を立案し、実行していく必要があります。ITストラテジストの能力を生かすことで、企業のIT戦略の立案・実行面からDX推進に貢献することができるでしょう。

特に、ITストラテジストの事業とシステムをつなぐ能力は、DX推進において重要です。ITストラテジストの資格取得を通して、経営や事業計画、業務改革といった上流の視点を持ちつつ、具体的な情報システム化を進める能力が身につくと思います。IT戦略という経営的な視点から具体的なシステムに落とし込んでいく力、もしくは具体的なシステムを統合してIT戦略として整理していく力は、全社的なDX推進において確実に有用です。

役立つ資格とその理由② G検定/E資格

G検定およびE資格は、一般社団法人である日本ディープラーニング協会が主催する、ディープラーニングやAIに関する知識を問う検定試験です。2017年に開始された比較的新しい試験ですが、AIに関する有用な資格として注目されており、年々受験者が増えている状況にあります。

G検定およびE資格は、AIを活用したDX推進に役立つように設計されている資格です。G検定は主にAI導入プロジェクトなどを担うビジネス側の担当者向けであり、E資格は主にプログラミングスキルを持ったAIエンジニア向けの資格となっています。DX人材やDXコンサルとしてDXを推進していく立場である場合は、G検定の取得が適しているといえるでしょう。

G検定はAIの歴史や概要などの基礎知識をはじめとして、主な機械学習手法やビジネスへの活用方法の知識を問われる試験です。AIを自社のビジネスに適用してDXを推進していくためには、AI技術を持つ企業へ発注を行い、AI技術者と会話していく必要があります。その際にAIに関する知識がなければまともに議論を行うことはできません。場合によっては、自社にとって全く必要ないAIが完成してしまうでしょう。

AIに限った話ではありませんが、利用する技術に対する最低限の知識がなければ、その技術をうまく利用することはできません。そういった意味でも、G検定(およびE資格)についてはAI活用によるDX推進に有効な資格といえるでしょう。

役立つ資格とその理由③ データベーススペシャリスト

近年では、ビジネスにおけるデータ活用の重要性が強く指摘されています。また、DXとは要するに「デジタル技術によってデータを活用する」と言い換えてもよいほどに、DX推進においてはデータの扱いが重要です。

しかしながら、特に大企業を中心として、多数ある自社の業務システムに貴重なデータが点在しており活用できない状況にあります。そこで、企業のDX施策には、ほぼ確実にDWHやCDPなど、自社データを集約したデータベースの構築が含まれている状況です。

統合データベースの構築を実施するためには、データの扱いに関する知見が必要です。ここにデータベーススペシャリストの役割が存在します。データベーススペシャリストは、IPAの情報処理技術者試験における高度資格の一つであり、データベースの専門家であることを示す資格です。データベーススペシャリスト試験はRDBMSを中心とする構造化データベースに関する出題が多くを占めますが、それでもデータベーススペシャリストの取得を通してデータの取り扱いの考え方について習得することができます。

データベースの設計は、その後のデータ活用施策の実効性に大きく影響します。データベースのスキーマ設計自体はベンダに外注できるかもしれませんが、必要なデータの取捨選択や重複データの統合ルール、データの型・桁の定義などは発注側の指示がなければできません。データベーススペシャリストの知識を持っていれば、データに精通したDX人材もしくはDXコンサルとして活躍できるチャンスがあるでしょう。

役立つ資格とその理由④ プロジェクトマネージャ

特にデジタル技術を活用した個別プロジェクトの推進においては、当然ながらプロジェクトマネジメント能力が必要となります。DX推進においては、スクラムといった非ウォーターフォール型のプロジェクトマネジメント手法を用いることも多いですが、いずれにせよプロジェクトマネジメント能力は個別施策の完遂のために必須です。

プロジェクトマネージャは、IPAの情報処理技術者試験における高度資格の一つであり、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルであることを示す資格です。プロジェクトマネージャはプロジェクトマネジメントの国際的な標準であるPMBoKに準拠しているため、資格取得を通して、ITシステムの開発はもちろん新規事業の立ち上げや商品開発など、あらゆるプロジェクトで有効な能力を身につけることができます。

特に、DX施策の実行プロジェクトにおいては、システム・ビジネスの両面からのアプローチが求められます。例えば、ある製造ラインの検査工程にAIを導入するとします。ここで、AI導入のための一般的な必要期間や工程、よくあるリスクなどの知見は、システムの経験から得られるものです。一方で、検査工程における課題や改善ポイント、検査工程を実施する上での必須要素などは業務面の経験から得られるものです。検査工程へのAI導入のためには、システム・ビジネス両方の視野を持ったうえで、うまく整合させながらプロジェクト計画の策定と実行を行う必要があります。

このように、DX施策のプロジェクトにおいては、一般的なシステム開発より難しい舵取りとなるため、プロジェクトマネジメントスキルをもった人材は貴重なものとなります。DX人材・DXコンサルとして活躍する上でも、プロジェクトマネージャ資格は有用といえるでしょう。

役立つ資格とその理由⑤ 情報処理安全確保支援士

DXの推進が攻めの施策である一方で、守りの施策であるセキュリティを忘れるわけにはいけません。上述の通りDXの施策はデータの活用と呼べるほどにデータの扱いが重要ですが、企業のデータは機密情報や個人情報などの機密性の高い内容が多く含まれます。よって、DXの実行においてセキュリティを無視することは不可能です。

情報処理安全確保支援士は、IPAの情報処理技術者試験における最高レベルのセキュリティ資格です。情報処理安全確保支援士を取得することで、セキュリティに精通した人材としてDX推進における活躍の幅を広げることに役立つはずです。

セキュリティに強いDX人材・DXコンサルとして活躍できる場面には以下の2つのパターンがあります。

・個別プロジェクトの推進においてセキュリティの知見を活かす
個々のプロジェクトにおいてセキュリティの知識が必要な場面は多いです。例えば、セキュリティに対して知識がある方であれば、プロジェクトにおいて顧客の名簿を利用しなければならないときに、どの程度のリスクがありどのような対策が必要かは直感的にわかるでしょう。上述の通り、DX施策においてはデータの活用が重要であり、その分セキュリティ上注意しなければならないことも増えるため、セキュリティの知見は個別プロジェクトの推進において有効です。

・個別プロジェクトの推進においてセキュリティの知見を活かす
個々のプロジェクトにおいてセキュリティの知識が必要な場面は多いです。例えば、セキュリティに対して知識がある方であれば、プロジェクトにおいて顧客の名簿を利用しなければならないときに、どの程度のリスクがありどのような対策が必要かは直感的にわかるでしょう。上述の通り、DX施策においてはデータの活用が重要であり、その分セキュリティ上注意しなければならないことも増えるため、セキュリティの知見は個別プロジェクトの推進において有効です。

・セキュリティの専門家としてDX戦略におけるセキュリティ基準の策定やセキュリティレビューを実施する
特にセキュリティのプロとして活躍していく場合は、自社のセキュリティ基準の策定やその基準の順守確認のためのレビュー・評価などが役割となるでしょう。多くの企業では既にITセキュリティ基準を設けてシステム開発を実施していますが、DX施策プロジェクトにおいては従来の基準を見直すケースがあります。このような場面において、DX推進の妨げにならず、かつリスクを低減させるセキュリティ基準とは何かを整理する必要があります。

いずれのポジションにおいても、セキュリティに関する知識はDX人材・DXコンサルとして活躍する上では有効といえるでしょう。

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>DXやコンサルに関する記事

「Big4」各ファーム独自の「DX推進ポジション」特徴・転職年収事例・キャリアパスまとめ(2020.05更新)
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/big4dx2019

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今回の記事では、DX人材・DXコンサルとしてDXを推進していくうえで本当に役立つ5つの資格について紹介しました。
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