“PEファンドあるある・実態”コンサルから転職した方がよく感じるギャップ

今回はコンサルティングファーム出身者が、プライベートエクイティファンド(PE)に転職した際に初めて感じるギャップや、PEファンドならではのあるある、実態などついてご紹介します。

PEファンドでは、案件発掘→投資検討→投資実行→企業価値向上支援→Exit活動と、業務プロセスを進めることになりますが、コンサルティング会社出身の方が最も活躍できる領域は、経営・事業運営に携わる部分である「企業価値向上のための投資先支援」、すなわち、多くのファンドで謳っている「ハンズオンによる経営支援」であると言えます。

一方、投資チームとバリューアップチームに分かれている場合にはバリューアップチームにて期待値を発揮できると思われますが、投資からハンズオン支援まで一気通貫で対応をするファンドにおいては、バリューアップ業務に加えて、投資業務、すなわちM&AやLBOファイナンスを中心とした高度な金融面の業務が求められる事になります。

【目次】

  1. 職種(金融機関)としてのギャップ
  2. 投資業務におけるギャップ
  3. 投資先支援におけるギャップ
  4. 成果物におけるギャップ

職種(金融機関)としてのギャップ

PEファンドは職種で言うと、「金融機関」に該当します。プロフェッショナルファームであるものの、コンサルと投資銀行で職種が異なるように、PEファンドはコンサルファームよりも遙かに金融機関寄りであり、一部のコンサルファームを母体としたPEファンドを除き、銀行や投資銀行に近い雰囲気があります。PEファンドに所属しているメンバーについても、金融機関経由で入社している方が多いため、コンサルだけを経験しているプレイヤーにとっては大きなギャップを感じるものと思います。

具体的には、コンサル会社のようにオフィスでの勤務形態はフリーデスク形式ではありませんし、チームアップしてPJごとに毎回メンバーを変えて仕事をする形態ではありません。小さい金融機関の一つの部署のような雰囲気であり、上司のもと、組織的なソーシングや案件検討、案件管理がなされているため、コンサル会社メンバー以上にファンドメンバー間の親密な関係性が発生します。案件ベースのドライなコンサル会社の上司と部下の関係とは異なるため、チームメンバーと馴染めない場合は長く働けなくなる可能性もあると思われます。PEファンドごとに色が異なるため、働き方が自身とフィットするファンドに入れば非常に居心地が良い一方、フィットしなかった場合には本当につらい日々を過ごすことになるかと存じます。

また、コンサルティングファームと異なり、一度投資をすると3年から5年の長期に渡り、一つの会社を支援することになります。コンサルのようにPJごとにアサインがなされ、定期的に仕事が変わるという事はありません。ゆえに、PEファンドのメンバーとの関係性とともに、投資先の従業員との関係性も非常に重要であると考えます。

投資が1年から2年に一度なされ、Exitまで長く時間がかかるため、うまく業務が進められた場合は、必然的に長くファンドに在籍することになるため、コンサルティングファームに所属するよりも、相当長い期間の継続勤務が想定されます。

投資業務におけるギャップ

投資チームとバリューアップチームが分かれているPEファンドも多くなってきており、投資銀行やFASにてファイナンス業務を経験していないコンサルティング会社出身の方がバリューアップチーム採用されるケースは増えてきていますが、投資業務まで一貫して対応するPEファンドにおいては、M&AやLBOローン組成に関する金融寄りの業務で大きなギャップを感じることになると存じます。

経営系のコンサルティング会社出身者は、ビジネス面のコンサルは得意とするものの、財務諸表と向き合う経験が圧倒的に少ないため、企業価値を真ん中に据えた議論に着いていくことに最初は戸惑うかもしれません。PL改善の経験はあったとしても、財務3表(PL・BS・CF)を全て連動させた企業価値の管理が施策上も求められることから、単なるビジネス上のロジカルシンキングだけでは通用しないことを最初に感じさせられると思います。

また、金融の用語についても、コンサルティングファームにいた際には一切触れることのなかった専門用語が飛び交うことや、コンサル会社以上に交渉力や社内組織の上下関係や関係性を意識した動き方が求められることになります。

M&Aや金融面のキャッチアップが完了するまでは、社内で何を話しているのかわからない場面に遭遇することが想定され、新たに身につけなければならない専門能力が多く存在しています。本領域は、ギャップを埋める努力を最もしないといけない分野であると言う事ができます。

投資先支援におけるギャップ

投資実行後、取締役会の過半数の取締役をファンドから派遣するとともに、常駐で会社を支援する担当者が送り込まれます。投資担当者が一貫して投資後にハンズオンを担当するファンドもあれば、ハンズオン専門の担当者が派遣されるケースもあります。

コンサルティング業務においては、主に「ソリューションの提供」をメイン業務としていますし、「第三者」としての「アドバイス」や「作業代行」が主であり、クライアントの意思決定には関われません。コンサル会社は、クライアントである会社の「意思決定材料」を提供することが主な仕事であり、自らが経営責任を負った意思決定をしない一方、PEファンドでは自らが経営陣として意思決定する事が主体的に求められます。PEファンドに入ったコンサル会社出身者が投資先の現場で感じる一番大きいギャップは「意思決定への関与」「経営に対する責任」にあると考えられます。

事業会社のマネジメントを経験していればこの心配はないのですが、コンサル会社だけの経験であると最初は戸惑いを覚えるでしょう。

今まで綺麗なロジックの資料にて経営方針を提案していたコンサル時代とは異なり、判断できない場面でもどちらかに決定を求められる精神的にも厳しい局面が多く存在します。

一方、良い側面としては、逆にコンサル会社を活用することもできるため、マネジメントを求められるケースが多く、自身で手を動かさないで良い場面や提案を考える側から提案されたケースから選択して会社を動かす意思決定をする側に回るという意味で職種が転換されたような錯覚に陥るケースもあるのではないかと思われます。

いずれにせよ、PEファンドでは、投資先に対するドラスティックな経営改善を主導できるプレイヤーが求められますので、常に課題解決を生業としてきたコンサルティング会社出身者にとっては、馴染みやすい環境ではあるものの、コンサルティングと実際に事業責任を負った事業運営は性質が異なるものであると言えます。

成果物におけるギャップ

PEファンドの仕事は、ファンドの投資組み入れを進め、投資先の企業価値を高め、投資を回収し、リターンをあげることであるため、コンサル会社と異なり、綺麗な後世にも残るような成果物がクライアントから求められているわけではありません。当然、投資委員会を説得させられるような資料作成は日常的に求められますが、綺麗なパワーポイントが作れなければならないわけでもないですし、成果物を作成することに時間をかけることは求められません。(ただし、大半が投資銀行や外資コンサル出身のため最低限のノウハウとしてスライド作成はできるものと考えて頂きたい)

それよりも、一円でも安く投資をするための財務モデリングや一円でも高く企業価値をあげるために現場で汗をかき、会社組織を良い方向に動かせる方が評価されるため、最初はギャップを抱くコンサル出身者は多いでしょう。あくまで事業として成果を出せれば成果物は不要であり、外注すれば良いという発想の切り替えが大事であると思われます。

総括すると、コンサルティング会社出身者は、「経営」「事業運営」という面で、課題解決能力や仮説思考を用いた戦略立案をはじめとした方向性を明らかにすることができる点が、成長・変革を会社経営に求めるPEファンドに対して大いに貢献できると思われますが、一方で、「金融という職種」、「投資業務という新領域」、「経営責任の負い方」、「成果の考え方」においてコンサル時代と大きなギャップを感じることになるため、「行動と発想の切り替え」、及び、「新しいPEファンドという職種へのゼロからの馴染んでいく力」が必要であると言えるでしょう。

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>PEファンドへのキャリアに関する記事

コンサルから投資ファンドの転職で求められるスキルとは?
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/investmentfund

PEファンド入社1年目で身に付けておくべきスキル・経験【コンサル・投資銀行の方向け】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/privateequityfundfirstyear

FASからPEファンドに転職して活かせるスキル・キャッチアップが必要なスキルとは
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/fas_pe

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