戦略コンサルの特徴とは<総合系コンサルファームとのプロジェクト、スキル、年収等での違い>

今回の記事では、戦略コンサルティングファームの特徴について、案件の内容/求められるスキル/得られる報酬等の観点から、総合系コンサルティングファームとの差分を踏まえつつご紹介します。

【目次】

  1. 総論:戦略系コンサルティングファームは求められる水準が高い分、得られるものも桁違い
  2. プロジェクトはより「クライアントの上流の意思決定/判断に寄り添った内容」
  3. カウンターパートがCxOのため、より高い「論理的思考能力・コミュニケーション能力」が必要
  4. 単価が高いことから、報酬(年収)も高水準
  5. 少数精鋭組織

総論:戦略系コンサルティングファームは求められる水準が高い分、得られるものも桁違い

戦略コンサルティングファームは、総合系コンサルティングファームと比較して、対峙するカウンターパートからの要求内容/要求水準が圧倒的にハイレベルで、かつプレッシャーが非常にかかる反面、参画する戦略コンサルタントが得られる報酬や経験等も相応にしてずば抜けています。

以下、戦略コンサルティングファームのコンサルタントが具体的にどのようなプロジェクト(案件)に対峙しているのか、その中で求められるスキル/考え方を紹介した上で、結果的に得られる報酬/仲間/経験等について解説します。

プロジェクトはより「クライアントの上流の意思決定/判断に寄り添った内容」

総合系コンサルティングファーム等と比較して、戦略コンサルティングファームに特徴的な点として、手掛けるプロジェクトの内容が挙げられます。

戦略コンサルティングファームが手掛けるプロジェクトは、クライアント先の全社戦略立案/事業戦略立案/新規事業の立ち上げ検討等に代表されるように、クライアントの上流の意思決定/判断に寄り添った内容である点が、総合系コンサルティングファームとの大きな差分です。

逆に、総合系コンサルティングファームが手掛けるプロジェクトは、クライアント先の戦略実行/業務プロセス改善/システム導入等に代表されるように、クライアントのミドル~ローの現場サイドの実行/意思決定支援が中心となります。

戦略コンサルティングファームに参画するのも総合系コンサルティングファームに参画するのも、それぞれ良し悪しはあるものの、戦略コンサルティングファームに参画する醍醐味として、クライアント先の将来の命運を担っていることが挙げられます。

総合系コンサルティングが従事する案件は、ある意味、既に進むべき道は与条件として指し示されており、進むべき道を如何に効率良く進むかの検討に注力さえすれば、仮に進むべき道が誤りであったとしても責任を問われることはありません。少し極端な表現をすると、仮にプロジェクトが失敗したとしても挽回がまだ効くと言えるかもしれません。
他方で、戦略コンサルティングファームの場合、クライアントが進むべき道はプロジェクト開始時に与条件として示されておらず、クライアントに寄り添って進むべき道を描くことが求められます。また、往々にしてその道はクライアントの将来を左右する歩みとなるため、クライアントからの要求水準は非常に高いだけでなく、一度歩みを進めてしまうと後戻りができない/失敗した場合致命傷になる、という違いがあります。

従って、クライアントの上流の意思決定/判断に寄り添った支援を行いたい、クライアントの経営層とヒリヒリするような緊張感の中でクライアントの将来の命運を握る仕事がしたい人は、戦略コンサルティングファームの業務が向いています。

カウンターパートがCxOのため、より高い「論理的思考能力・コミュニケーション能力」が必要

総合系コンサルティングファーム等と比較して、戦略コンサルティングファームに特徴的な点として、求められるスキル/考え方が挙げられます。

例えば、両者共にベーシックスキルとして、論理的思考能力や論理的コミュニケーション能力が求められる一方で、その深度/求められる水準は戦略コンサルティングファームのコンサルタントの方が高いレベルを求められます。

これは、対峙するカウンターパートがクライアント先の分刻みで働く経営層であるため、与えられた時間内でいかに効率的/効果的な協議を行い、進むべき道筋を描き出せるかが肝になる点が背景にあります。

また、総合系コンサルティングファームの場合、アウトプットと効果が目に見える形(例えば業務効率化のフロー構築等)で現れやすいのに対して、戦略コンサルティングファームの場合は、アウトプットは目先ですぐ見えるものではないため、より言葉/論理による説得の重要性が増すことも、より高度な論理的思考能力やコミュニケーション能力が求められる理由です。

さらにスキル面よりも考え方の面と言えるかもしれませんが、戦略コンサルティングファームのコンサルタントには知的好奇心を持ち続けることが求められる点も、特徴的と言えます。

総合系コンサルティングやIT系コンサルティングの場合は、ファームの人員規模も多くなるため往々にして、インダストリーカット(金融、製造等)やファンクションカット(新規事業創出、事業再生等)で、蛸壺の中に押し込められる傾向にあります。総合系/IT系コンサルティングファームの中で戦略部門を謳う組織であっても例外ではありません。この蛸壺に押し込められることは、逆説的に言えば、余計な好奇心を持たずに決められた領域の知見を吸収するだけで良いと言えます。

他方で、戦略コンサルティングファームの場合、ある程度得意領域としてインダストリーの色はコンサルタントに付くものの、基本的には様々な業界のクライアントに対峙して、その都度様々な業界知見や戦略ノウハウ等を吸収する必要があります。
この吸収サイクルを維持する一つの原動力/考え方が、何事にも食わず嫌いせずに対峙する姿勢や、何事にも知的好奇心を持って自身の知的な血肉として獲得しようとするマインドです。戦略コンサルティングファームのコンサルタントに求められる特徴的な考え方/姿勢の一つと言えるでしょう。

従って、ご自身の論理的思考能力やコミュニケーション能力に自信があり、様々な事象に対して知的好奇心が溢れ出て仕方ない方にとっては、戦略コンサルティングファームでの仕事は天職と言えるかもしれません。

単価が高いことから、報酬(年収)も高水準

総合系コンサルティングファーム等と比較して、戦略コンサルティングファームに特徴的な点として、得られる高額の報酬が挙げられます。

戦略コンサルティングファームの案件は、総合系コンサルティングファームの案件に比べてクライアント側からの要求水準も高い分、単価も相応に高いのが一般的です。戦略コンサルティングファーム間でも、各社のブランドやバリューへの期待から単価の上下は存在しますが、その差分よりも戦略と総合系との単価差分の方が圧倒的に大きいと考えて良いでしょう。

ファームとしての受注単価に差異がある、言い換えれば、コンサルタントに求められる水準も高まる分、報酬は圧倒的に高単価となります。あくまで見聞ベースの感覚値にはなりますが、戦略系コンサルティングと同等の報酬を得るには、総合系コンサルティングでポジションを二つ、三つ程度上げなければ追い付かない印象があります。例えば、戦略コンサルティングのマネージャークラスの報酬を得るには、総合系コンサルティングでプリンシパルのシニアクラスでなければ水準に追いつかないケースもあります。

少数精鋭組織

また総合系コンサルティングファーム等と比較して戦略コンサルティングファームに特徴的な点として、得られる人脈/仲間が挙げられます。

戦略コンサルティングファームは人員拡大傾向にあるものの、人材の質を維持する観点から一部のファームを除いて基本的には少数精鋭を貫いています。少数精鋭であることは、言い換えれば、横や縦との距離も必然的に近くなるため、周りの仲間とのリレーションも非常に高まりやすいはず。

特に、戦略コンサルティングファームに在籍する人は、永久的に戦略コンサルティングファームに在籍するよりは、自らが起業する/他企業へ転職し重役になる/学術系に進み道を究める等、幅広く活躍する方が非常に多く、そのような仲間と密な関係を作れることが大きな特徴です。

総合系/IT系コンサルティングファームや、総合系/IT系ファームの中で戦略を名乗る部門も、売上至上主義に陥っている/規模の経済で効率化を推進し大量採用を行っているケースがしばしば見られるのが実情で、コンサルタントの質だけでなく、コンサルタントの希少価値が近年低下しているという声もよくお聞きします。

また、ファーム内は人数が多すぎて縦横の繋がりが非常に乏しく、ただただ目の前の案件に注力しその中で知り合った一部のファーム内の人としか繋がっていない方も多く見受けられます。

他方で、戦略コンサルティングファームの場合は、組織が縦横で区切られていないケースが多く、たとえ全くプロジェクトでは関わったことがないものの、社内のコミュニティで知り合った/他業界の知見のインタビュー等で繋がった等、自分達の世界観とは異なるフィールドで活躍する同世代/後輩/先輩&上司とリレーションを築けるケースが多いです。

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>戦略コンサルティングファームへのキャリアに関する記事

「戦略系ファームの戦略コンサル」と「総合系ファームの戦略コンサル(またはチーム)」の違い
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/firmdifference

総合ファームから戦略ファームにはどうしたら行けるのか?
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/Synthesistostrategy

戦略コンサルタントの【魅力】と【つらさ】<生の声>
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/strategic_consul_realvoice

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今回の記事では、戦略コンサルティングファームの特徴について、案件の内容/求められるスキル/得られる報酬等の観点から、総合系コンサルティングとの差分を踏まえつつご紹介しました。戦略コンサルティングファームへのキャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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