こんにちは。
Executive Consultantの志賀です。
今回の独り言は「グローバル人材」についてです。
◇二極化するグローバル志向
●新入社員や若者が内向き志向であるという神話
2010年度新入社員を対象としたグローバル意識調査において、
およそ2人に1人が「海外で働きたいとは思わない」という結果が出た
(産業能率大学「新入社員のグローバル意識調査」 。
ここから、いわゆる「内向き志向の若者論」が展開されているのだが、
果たして本当にそうだろうか?
同調査では
「どんな国・地域でも働きたい」という回答が過去最高の27%、
「国・地域によっては働きたい」が24%と、
実は高い海外志向を持つ層も3割ほど存在する。
世間的には若者の内向き志向が注目されているが、
半数は海外志向を持つ若者なのである。
従って、本当の問題は若者の内向き志向ではなく、
グローバル志向が「正規分布」としての理解ではとらえられなくなっていることにある。
海外への興味が二極化しており、いわば「ツインピークス」になっている。
●外国人社員の採用は、ほぼ倍増だが……
上記は、日本人に関する話だが、日本で働く外国人社員の状況はどうか。
外国人留学生が日本国内で就職する内定率は増加しており、
2008年には1万1040人と過去最高となった。
リーマン・ショックの影響を受け2009年には9584人となったものの、
1999年の2989人と比較すると、この10年間に日本で就職する留学生数は
実に3倍以上となっている。 (法務省入国管理局)
また、ディスコ社が2010年8月に行った
「外国人留学生の採用に関する調査」によると、
2010年度に外国人留学生を「採用した」企業は
予定を含め全体の11.7%とわずかに1割を超える程度、
2011年度の見込みについては・・・
「採用する」企業が21.7%と、ほぼ倍増するという。
特に、従業員1000人以上の大手企業では、
3社に1社が留学生の採用を予定しており、
外国人留学生に対する採用意欲が強まっている。
だが、同じ外国人留学生でも「1人で複数の内定を獲得する学生」と
「まったく内定がもらえない学生」に二極化しているようだ。
●企業によってそれぞれ異なる「グローバル人材」の定義
文部科学省と経済産業省が共同で事務局を務める
「産学人材育成パートナーシップ グローバル人材育成委員会」の報告書では、
下記のように定義している。
「グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、
多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝え、
文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、
相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれぞれの強みを
引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材」
【志賀 正明 (ExecutiveConsultant)】
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