こんにちは!Executive Consultantの志賀です。
今回の独り言は「用人不疑、疑人不用の心」についてです。
◆用人不疑、疑人不用
これは中国の古い言葉で上海の知人から教えて頂いた。
『人を使うのであれば疑うな。疑うのであればその人を使うな』という意味になる。
多くの日系企業が中国へ進出し現地で悪戦苦闘していている。
現地採用、コスト削減、管理職育成という課題がある。
管理職育成などを・・・これを当てはめると、
『管理職に任命するのであれば疑うな。疑うのであれば管理職に任命するな』ということになる。
この言葉は、互いの信頼関係を重視せよという意味合いを持つのだろう・・・
現地採用の社員を信頼しなければ、逆に会社の責任者が信頼されることはないのだ。
少し視点を変えて、現地採用された中国人の立場で考えてみよう。
常に上司から疑われ続けていてはその上司のことは信頼できないし、
会社自体も信頼することはできない。
・情報を流出させるのではないか?
・すぐに転職してしまうのではないか?
このような考えを社内で全面的に押し出してしまうと信頼関係は成り立たない。
ただ、そのうえでやはり日本と中国の文化の違いは考慮する必要がある。
『信頼関係の輪』の存在です。
中国の文化として最も信頼関係の強い、すなわち信頼関係の輪の中心にいるのは自分の家族である。
そして何重もの輪の外に『赤の他人』という領域が存在する。
上海に出張しすると、他人は他人、仲間は仲間というはっきりした区別を感じることが多い。
逆に一度輪の中に入ると、「なぜそこまで親切にしてくれるの!?」と戸惑うほどに厚い歓迎を受ける。
(本当に、戸惑うぐらいの歓迎がまっている。。。とても嬉しいですことです。)
そのとき、相手の中国人と自分との間に密接な信頼感を感じる。
『赤の他人』から一歩進むことで信頼関係が成り立つのだ。
そのような信頼関係を社内でも培っていく必要がある。
信頼関係の存在が、管理職に任命してよいかどうかという悩みに大きく影響するはずだ。
こうしたことは、面と向かって接してみないと分からない。
中国に進出した日系企業で働く日本人の方々は、ぜひ、その信頼感を肌で感じてほしい。
自分から信頼関係を損なうような行為をしていないか、
客観的に振り返ってみることも必要だと感じた。

【志賀 正明 (ExecutiveConsultant)】
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