転職対策に欠かせない「フェルミ推定」とは?
「フェルミ推定」とは、把握するのが難しい数量を、仮説などを組み合わせて短時間に概数を求める方法で、1938年、放射性元素の発見でノーベル賞を受賞したイタリア、ローマ出身の物理学者エンリコ・フェルミの名に由来します。近年、大手企業、外資系企業やコンサルタント会社の入社試験にフェルミ推定を用いた問題が出されており、「シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」という設問がオリジナルといわれています。

フェルミ推定の問題は、いわゆる数学のような唯一絶対の正解を求めているわけではありません。「MECE(漏れなく重複なく)要因」を分析する能力、「論理思考力の広がり・深みや仮説構築力、ビジネスセンス、計算のスピード」を有しているか否かを推し量るためのものです。
「日本で一日に消費される割り箸の本数は?」
フェルミ推定の設問には様々なものがあります。そのひとつが「日本で一日に消費される割り箸の本数は?」という問題です。このように問われて、すぐには想像がつく人は少ないと思いますが、フェルミ推定を用いれば概算を導き出すことができます。

ここでは、答えを導くための流れを押さえておきましょう。それは「推定に必要条件のピックアップ」「条件に対する仮の数値」「論理的な道筋をつける」こと。割り箸でいえば、「日本の人口」「実際に使う人の年齢・職業」「実際に使用する人の数は」といった条件や数値を考え、それらを破綻なく組み立て、答え(おおよその数字)を考えていきます。