ビッグデータがもたらす新たな自動車保険の可能性。テレマティクス保険は普及するか?
自動車保険業界が注目する「テレマティクス保険」
少子高齢化や景気低迷、これに伴う自動車保有台数の減少は、自動車保険業界に大きな影響を及ぼしています。
また、保険業界全体のコモディティ化が進み、損保各社は商品やサービスを差別化する必要に迫られているといえます。
そんな中、注目されているのが「テレマティクス保険」です。
テレマティクスとは、自動車などの移動体に様々な通信システムを組み合わせ、天気予報・渋滞情報といったリアルタイム情報を提供するサービス。
これを保険と組み合わせ、自動車から得られる走行距離や運転速度、急ブレーキの頻度ほか多くの情報を収集。
分析・評価を行い、ドライバーの運転状況に応じた保険料を設定します。
つまり優良ドライバーであれば、保険料が安くできるというメリットがあるのです。
損害保険ジャパンが提供する自動車保険「ドラログ」
2013年、損害保険ジャパンは、日産の電気自動車「リーフ」搭載の「テレマティクス通信ユニット」から得られる各種情報を活用した自動車保険「ドラログ」の販売を開始しました。また2014年、国土交通省では「自動車事故の削減」「自動車保有に係るコスト低減」などが期待できると「テレマティクス保険」の普及を提案。
ただし、今後の課題として、「評価のために収集すべき情報の選別」「料金算定方法」などの検討も必要だとしています。
「テレマティクス保険」がビッグデータ応用の先鞭をつける
今年に入って、ソニー損保が日本初の「PHYD型(運転行動連動型)」自動車保険、「やさしい運転キャッシュバック型」の販売をスタート。
出典:http://www.sonysonpo.co.jp/auto/cashback/
「ドライブカウンタ」で加速や減速の発生状況を計測し、得られたデータに応じ、保険料のキャッシュバックが受けられるという仕組みです。
「テレマティクス」は膨大なデータ=ビッグデータを企業にもたらします。ビッグデータは自動車保険のみならず、今度はあらゆる業界に応用されていくでしょう。