パソコンを使いこなすシニア世代
最近は、外出先でスマートフォンやタブレットを使うシニア世代も珍しくありません。総務省の「情報通信白書」によると、高齢者のPC人口率は平成20年度〜25年度の5年間で約20%増加しているそうです。
これにかんしては、近年、「高齢になれば身体機能や認知機能が衰える」といった既成概念に当てはまらないシニアが多くなっていることも影響していると思われます。
また、定年を過ぎても働く人も少なからず、仕事や趣味を積極的に楽しむ「アクティブシニア」は新しいものを積極的に取り入れています。
このような背景も手伝って、メーカー側でもパソコンをはじめ、シニア向けICT機器の開発に力を入れています。
シニアの使用に特化したIT機器
シニア向けICT機器には、さまざまなものがあります。代表的なものとしては、各機能をシニアに特化したパソコン「GRANNOTE(富士通)」が知られています。ノートでありながらキーストロークが3mm、3段階押下圧キーボード(場所によってキーの押下圧を3段階に変え、指にかかる負担を減少)を採用するなど、「使い易く疲れにくい設計」になっています。
auのスマートフォン「BASIO」も、シニア世代にアピールする製品です。見やすい文字サイズ、通話の声の速度を落とす「ゆっくり通話」ほか、使いこなしやすい操作性と視認性、音の聞きやすさを考えた通話機能を追求しています。
シニア向けパソコン、各種ソフトの動向に注目
シニアがIT機器をより使いやすいよう、工夫を凝らした製品は、これからも増えていくと考えられます。具体的には「操作がわかりやすく、簡単に実行できる」「理解しやすい」といった点が重要視されることでしょう。また、機器だけでなく、導入した後も支援が得られる環境、情報を提供することも欠かせません。
消費のコアになりつつあるシニア層獲得のためにも、マーケティングに力を入れることをおすすめします。