世の中、もったいない労働力が多い。
ちょっとしたブランクや、道の選び方により、日本の労働市場からはじかれる人。
少なくとも問題意識も持たずに何となく過ごしている人よりも
よっぽど戦力になるであろう人材が、採用されない。
企業は仮に採用して失敗しても「言い訳」できる人材を欲しがるため、
何か経歴に「スパイス」のある人よりも、経歴がきれいな人を望む。
一流企業に入ってしばらく勤務していたが、海外出張時に感じた海外の空気や、
目の当たりにした貧困層に心を動かされ、青年海外協力隊に行って帰国した人。
「2年間のブランク」を理由に、書類が通らない。
大学卒業後に渡米し、向こうで野宿のような暮らしをしつつも、
仕事を見つけて某企業のインターンとして働き、帰国したが仕事が見つからない若者。
「正社員としての勤務経験」を理由に、書類が通らない。
コンサルファームに入社し、バリバリ働いて結婚、出産。
産休・育休を経て、復帰しようとするも、
「ブランクと子どもがいると子ども優先でしょ?」を理由に、書類が通らない。
大学卒業後に3?4年司法試験を目指して勉強に励んでいたものの、
通らず、司法試験を諦め就職しようにも、仕事が見つからない若者。
「年齢と経験のギャップ」を理由に、書類が通らない。
この道30年、ひたすらIT業界でスペシャリストとして歩んできたシニア。
ところがひとたび会社から離れると再就職ができない。
「マネジメント経験がない」を理由に、書類が通らない。
企業の言い分はよく分かる。
大体、何かしらリスクのある人を採用する余裕どころか、
自社の社員を切るか切らないかの瀬戸際だったりもするのだから。
とはいえ、これらの人々を有効労働力として活かせないのは
国家としての大いなる損失だと思う。
優秀な人は多少ブランクがあろうと、経歴が汚かろうと、
自ら道を切り開いていくだろう。
それはそれで良い。
が、優秀ではない「有為な凡人」をうまく活かす術はないものか。
少なくとも新卒で入社して特に何も考えずに暮らしている
「無為な凡人」よりよっぽどハイパフォーマーに化ける要素はあると思うのだが。
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