海外売上高比率1%未満だったIT業界最大手企業の
NTTデータが、グローバル展開を急加速しています。
世界市場を見据えて、人材育成の仕組みを大幅に刷新していて、
社員教育へ費用は費やさずに、研修量は従来日で3倍以上にしたそうです。
NTTデータが海外市場に目を向ける理由のひとつは、収益構造の変化です。
かつては官公庁向けのシステム開発を手がける公共分野が売上の半分を占めていました。
気象庁地域観測システム『アメダス』や社会保険や輸出入・港湾関連情報処理の
システムは同分野での代表作です。
しかし、昨今の公共投資の落ち込みや競合企業の台頭を受けて、2010年3月期には
連結売上高に占める割合は20%にまでになりました。
同社は3年ほど前から海外の有力企業の買収を積極的に行っていますが、
真のグローバル企業に変身すべく国内の社員を”グローバル仕様”に変更しなくては
生き残れないと考えています。
同社山下社長は『社員が1年間に受ける研修の平均日数を、これまでの3倍に』
と打ち出しました。これにより、従来は平均3日ほどの研修日数が2010年3月期は
12.9日まで増えました。入社5年目までの若手、管理や向けの研修プログラムなどの
制度があります。
営業系、開発系の若手社員は入社から5年以内にそれぞれ100単位を取得
しなければいけない内容になっており、いろいろなコースから職務における
必要性や将来的な希望に合わせて選んで受講していきます。
また、年に20人を海外の顧客に派遣するなどグローバル研修などもあり、
真にグローバルに通用する社員を育てています。
NTTデータでは『グローバルITイノベーター』という全社スローガンを
掲げた2005年以降、M&Aを中心に積極的に海外展開をしてきました。
5年前まで0.6%だった海外売上高比率は、2010年3月期に6.1%まで上昇し、
2013年3月期には、20%に引き上げる計画をもっています。
同業他社も海外売上高の拡大を図っている激化するグローバル化競争に
勝ち抜くためにも、今後スキルと経験を磨いた社員に期待が掛かります。