未経験からコンサルタントへの転職。成長する上で大切なこととは?【事例】

採用担当者やマネージャークラスが考える「未経験でも」コンサルとして成長できる人材とは?

採用担当の方やマネージャークラスから、「未経験から」コンサルとして成長する人材についてお聞きした際の共通項として、「和して同ぜず」を実行できる方が挙げられます。

人と協調はするが、道理に外れたようなことや、主体性を失うようなことはしない、という意味で、周囲から良い面は積極的に吸収するが、悪い面については同質化しない、群れないことが徹底できる方のことです。

また、自分のためでなく、社会や人のために尽くす気持ちを持って仕事をしている方、自分を客観的に見れる方、できるかできないかよりも、やるか、やらないかと考えられる方、などともよく言われます。

シニアコンサルからマネージャーに昇格する際の壁は、アドバイザリー業務だけでなく「クライアントを巻き込んで問題を実際に解決することが可能か」という点だと言う声が多いです。

実ビジネスで会社や社会の問題を解決した経験のある方は、コンサルにおいてもその姿勢を貫けばキャリアアップにつながりやすいようです。

特に、コンサル業界未経験とはいえ30代で転職される場合、事業会社で培った実際的な問題解決力が期待されます。

参考:シニアコンサルタントが事業会社でステップアップしたいなら「社内コンサル」がおすすめの理由
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/scstep

次に、未経験から大手外資系コンサルタントに転身し、順調に成長してキャリアを築いている方の実例をご紹介します。

第二新卒、27歳で大手外資系コンサルティングファームに転職したAさんの実例

Aさんは大学卒業後、さまざまな事情で事業会社を転々としてきました。

年齢は27歳。転職回数や、経験が足りないなど懸念点も多数ありました。

しかし、担当のキャリアコンサルタントは、Aさんのポテンシャルや本物の雰囲気を感じ、各コンサルティングファームに強い熱意で売り込みをかけました。

「彼のために、面接時間を作ることは絶対に無駄にならないことを私が保証します。絶対に入社後貴社でエースになれるはずです」

その甲斐もあってか、数社書類選考に通過。面接で実力を発揮され、見事内定を獲得されました。

そのAさんから1年後にメールが届きました。

○○社オファー面談前に一緒に考えていただき、合意した目標は「できるだけ早くプロモーションして、5年以内にシニアマネージャーになる」でした。

入社時の私のランクは、シニアスタッフの4段階の一番下。今年の評価は、夏季S、冬季S、通年S、4段階の上から2番目へのスキップ、ということになりました。

評価元のグループの中でトップというおまけつきでした。来期は、さらにスキップしてマネージャーを狙っていこうとカウンセラーからも言われています。

入社前に思い描いた通りに、コンサルティングファームで成長を遂げ、一足跳びでキャリアを築いていることがわかる内容でした。

評価されるには理由がある

そんなAさんにコンサルティングファームで評価されたと思うポイントや実感している反省点について伺いました。

<評価されたと思うポイント>

・相手が求めることを少し先にやってあげる
社内外問わず、どんなタイミングで、どんなことをしてあげればよいか、相手の立場に立って考え、実践しました。

・指示をされる前に、自分で考えて提案する
提案型、プロアクティブな姿勢をとれるよう常に準備しました。

・チームワークを重視
自分で全部やらずに周りの人に依頼できることを整理し、うまく振るようにしました。

・深く考える姿勢を重視
なんでを繰り返し、選択肢や可能性を広げるようにしました。

・積極的にディスカッションを挑む
常識は守りつつも、パートナーやディレクター等上位の人たちにも積極的にディスカッションを挑みました。

・英語力
英語ができる方が意外と少ない印象。時間がない中、工夫して英語の勉強に力を入れたことが確実に有利に働きました。

・パートナー・ディレクターレベルの人たちと緊密な関係を築けた
コンサルティングファームでも「報連相」は基本と実感。可能な限りコミュニケーションの時間を持ちました。

参考:「成果の出ないコンサルタントと、パートナーまで上りつめるコンサルタント-その違いとは?」
https://www.axc.ne.jp/ccc-promotion-of-consultants

<改善点・弱いところ>

・仕事の精度を上げる
始める前に明確な完成形を描き、指示を出すことを改めて徹底していきたいと思います。

「次年度は、評価されたと思うポイントは維持・向上し、弱点を改善していこうと思います。マネージャー準備として、案件の拡大、新規獲得、部下を引き連れる等、やりたいことはたくさんあるので、引き続き努力してまいります」とのこと。

  • 「和して同ぜず」を実践する
  • 自分のためでなく社会や人のために尽くす姿勢で仕事をする
  • 自分を客観視する
  • できるかできないかよりも、やるか、やらないかと考えられる

など成長する人材に必要なポイントをしっかり押さえていますよね。

コンサルティング業界ではもちろん、他の業界でも共通することだと思います。 ぜひ参考にしてみてください。

また、コンサルティングファームそのものが非常に成長機会のある場所という意見もございます。その理由などについて知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

参考:なぜ、コンサルタントを経験すると成長できるのか?
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0308/2524.html

①未経験からの転職で求められるスキル20代

20代で未経験から転職する場合には、次のようなスキル・知識があると重宝されるでしょう。

資料作成スキル

若手のうちは、どのコンサルファームでもデータや資料を読み込み、分析した上でクライアントが理解したり、意思決定したりしやすくなるような資料作成をする場面が多くなります。コンサルファームでは高頻度で膨大な資料を作成するため、資料作成のスピード感が求められます。

一方で、資料はコンサルプロジェクトにおいて「成果物」の一種。フィーをもらう対価の一部の成す物であるため、短時間で作るからといって雑だったり、手を抜いたりすることは一切できません。素早く正確な資料を作成するスキルは、コンサルファームにおいて当然のように求められるでしょう。

資料はマイクロソフトオフィスのパワーポイントやエクセル、ときにはワードを活用して作成します。ワードについてはそこまで高いスキルは要求されませんが、顧客にも納品する議事録に使われるため最低限の体裁を整える能力は必要です。パワーポイントとエクセルは多用するため、少なくとも自力でスピーディに綺麗かつ論理的な資料を作れる状態になっている必要があります。

課題解決のスキル

コンサルタントの役割を一言で捉えると、主に顧客の課題を解決することにあります。顧客のタイプや課題の内容はさまざまですが、結局は顧客が抱える問題や悩みを、コンサルタントのアドバイスや、専門的な知見・システムの導入などによって解決していくのがミッションとなります。

コンサル未経験でも、例えばBtoB営業などの場合は、クライアント企業の課題を解決するために自社製品・サービスの導入を進めるケースがあります。このように他人の課題について能動的に考えて、解決するための施策を提案するような作業の経験がある人は高く評価されるでしょう。

特定の専門知識・経験

3点目はコンサルファームの系統によって変わってきますが、基本的に未経験で入るからには、コンサル外で培った知見をファームで活用することを期待されています。前職の経験から独自の専門知識や経験があると選考を優位に進められるでしょう。

例えば、戦略系コンサルファームの場合は、M&Aや資金調達の経験、財務部などのファイナンスやマーケティング、経営企画における事業計画の策定など、全社的な事業戦略に関わる経験があると強みになります。

IT系の場合はシステムに関する知識があれば役立つのはいうまでもありません。例えば前職でDXの社内プロジェクトを推進した経験などがあれば大きなアドバンテージになるでしょう。総合系は幅広い職種・プロジェクトを扱うため、特定の業界知識やビジネス領域の知見があれば、それぞれ活かす余地は充分にあります。

②未経験からの転職で求められるスキル30代

未経験といっても20代と30代で求められるスキルが大きく違ってきます。30代の方が難易度が高くなるのは言うまでもありませんが、プロジェクト推進やマネジメントのスキルがあればマネージャークラスでの転職余地が出てくるでしょう。

20代で必要なスキルは全て30代でも必要

まず、20代のところで紹介したスキルは、30代でも求められます。コンサルファームはパートナーの手前まで提案資料を作成する場面があるため、資料作成スキルは欠かせません。また、プロジェクトを推進する上で、課題解決能力がなければバリューを発揮するのは困難でしょう。そして、未経験ならではの新たな知見が求められるのも同様です。このように、20代で求められるスキルは、当然備わっていることが期待されます。

ここからは30代でマネージャー以上で転職する場合に求められるスキルについて紹介していきます。

プロジェクト推進の経験

コンサルファームで30代というと、多くの場合マネージャー以上での転職が想定されます。マネージャーアップということは、プロジェクトにおいて、少なくともプロジェクトの中の一つのスモールチーム、もしくはプロジェクト全体を運営し、計画通り推進することが求められます。

そのためプロジェクトマネジメントの経験は、30代でコンサルファームに転職する上では非常に重要です。コンサルファーム以外の会社でも商社や投資銀行などではプロジェクトベースのビジネススタイルを持つ業種はいくつかあります。こうした企業でプロジェクトリーダーとして案件を円滑に推進し、満足のいく成果をもたらした実績があれば、マネージャー以上で採用される上ではプラスに働くでしょう。

部下・後輩のマネジメント経験

マネージャーというのは一般企業で言うところの管理職の入り口です。プロジェクトを推進する中で、アナリストやアソシエイトに適切に指示を出して、仕事を円滑に進め、さらに彼らを育成する役割も担っています。

プロジェクト単位で動くコンサルファームでは、一般企業ほど組織が固定的ではないため、メンバーの成長に重点が置かれるわけではありません。しかし、プロジェクトを円滑に進めるためには、チームメンバーの適材適所やタスクの最適配分と管理、メンバーのモチベーション維持など、結局は組織のマネジメントと同じ能力が要求されます。

マネージャー以上でコンサルファームに入るということは、当然ジュニアコンサルタントのマネジメントを円滑に担える人材である必要があるため、マネジメント経験は必須要件の一つとなるでしょう。

③役職ごとのコンサルファームの年収イメージ

コンサルファームの年収は世間一般ではかなり高い部類に入ります。ただし、優秀な人材が多く集まるため、彼らが比較検討するような日系企業と比較した場合には、ジュニアクラスでは世間のイメージほど差はつかないケースもあります。

コンサルファームの中でも戦略系コンサルファームの方が年収レンジは高い傾向にあります。

  • パートナークラス(40代〜)5,000万円〜
  • プリンシパル(30代半ば〜)2,000万円〜

この二つについてはそもそも、ここまで昇格できる人がやや限られてきますので、括弧内の年齢は比較的早いケースです。パートナーの年収は同年代の大手の日系企業で達成するのは困難なので、年収面で見たときのコンサルファームの魅力でもあります。

プリンシパルクラスももちろん魅力的ですが、近年の好景気も背景に、一部の総合商社や大手金融の専門職などは、日系でもこれに比肩する年収が期待できる場合も。高いのは間違いありませんが、コンサルファームでなければ絶対になしえない年収、というわけではない点には留意しましょう。

  • マネージャークラス(20代後半〜30代前半)1,500〜2,000万円
  • アソシエイトクラス(20代半ば〜後半)800〜1,500万円
  • アナリストクラス(当初の3年程度)500〜800万円

ジュニアクラスの年収水準はこのような形です。こちらも日系企業の最高レンジと同等かやや高いという程度です。外資系企業も含めれば、金融などはさらに高い年収水準も期待できます。ただし世間一般で言えば、やはり魅力的な年収レンジであるのは間違いありません。

コンサルファーム内で生き残ることさえできれば、年数に差は出てもマネージャークラスまでは上がれる人が多いです。まだ若い人が多いこともあり、プロモーションに時間がかかるのに嫌気がさす人はクビになるのではなく、自分で新たなオポチュニティを見つけて辞めていく人がほとんどです。

続いて総合系のコンサルファームはこちら。

  • パートナークラス(40代〜)2,000万円〜
  • プリンシパル(30代半ば〜)1,300〜2,000万円
  • マネージャークラス(20代後半〜30代前半)1,000〜1,500万円
  • アソシエイトクラス(20代半ば〜後半)700〜1,000万円
  • アナリストクラス(当初の3年程度)500〜800万円

ファームによって職階は異なるので一般的な形式を掲載しています。総合系になると戦略系よりも年収レンジが下がります。近年は、日系企業の優良大手企業が年収を底上げする傾向にあったため、大手企業とコンサルファームの差は以前より縮まっています。

商社や金融の専門職では上記のレンジを上回るケースすらありますし、大手の総合職でも、年収レンジが高めな企業であれば、近い水準は期待できます。年収の底上げを目的にコンサルファームへの転職を検討している人は、留意しておいた方が良いでしょう。

④入社後のキャリアがうまくいく人

やりたいことが明確である人

コンサルファームでは、入社が決まった後も、自分でパートナーやディレクタークラスとコミュニケーションをとりながら、アサインされるプロジェクトを決めていかなければなりません。ここでは自分の意思表示や、強みに関するアピールが重要となります。

就活や転職がうまくいく人の傾向と同様で、やりたいことに対する意志が明確な人は、それを達成するために自分の強みやスキルを整理してアピールすることが自然にできるため、コンサル入社が決まったのちもスムーズに自分に合ったプロジェクトにアサインされ、活躍することができる傾向にあります。

ファーム内の人脈形成に積極的な人

コンサルタントとして大成していくためには、実はファーム内の別のコンサルタントや会計士などとの人脈形成が重要となります。

コンサルファームはプロジェクトベースで動くビジネスなので、いかに頻繁にチームメンバーとして求められるかが大切です。人脈を形成しておけば、さまざまなプロジェクトに参画できるようになり、参画プロジェクトのない「アベイラブル」な状態を減らすことができるでしょう。

また、自分とは異なる専門性を持つ知り合いをファーム内に増やしておくことで、自分の知見では解決できない課題が生じたときに助けてもらうことができます。人脈をうまく活用して、できるだけ幅広いテーマに対応できるようになることも、コンサルタントの付加価値において重要な部分といえます。

コンサルタントとして仕事が安定してくれば、クライアントなど社外の人間とのリレーション形成も進んでいきますが、実は入社してしばらくの間は、社内の人脈形成の方が重要といえるでしょう。

⑤すぐにドロップアウトする人

年収のみに着目して入社する人

年収アップを目指して入社するとなると、そもそも転職を成功させる難易度が高くなりますが、ハイクラスな人材の場合は、何かしら強みを持っている人も多いので、コンサルへの転職自体は成功するケースも少なくありません。

しかし、コンサルでの仕事像やキャリアイメージ、自分の希望などが不明確なまま入社すると、スタートからつまずくケースもあります。コンサルでは自分の能力を最大限活かせるプロジェクトにうまく参画してバリューを高めることが大切ですが、これはビジョンが不明確なままでは困難です。

結局プロジェクトになかなかアサインされなかったり、自分のスキルセットとマッチしない案件にアサインされたりして、早々にコンサルでのキャリアを諦めてしまう人も少なくありません。

自分のスタンスが明確ではない人

コンサルファームはプロジェクトベースで定期的にチームが組成・解散を繰り返していきます。そのため、一般企業と比べると、後輩やジュニアを育てる風土が希薄で、自ら積極的に成長していく能力が求められます。

そのためには、自分のスタンスを明確にして、自分で意思決定をしていかなければなりません。長期的なビジョンや、プロジェクトの希望、プロジェクトにおける意思表明など、あらゆる部分で自分の意思がある人がやがて大成していきます。

逆に自分のスタンスが明確ではなく、周りの意見に流されがちな人は、コンサルファームで評価を得るのは難しくなるでしょう。通常の企業と比較するとコンサルでは簡単に降格させられる場合もあるので、能動的に動いていかないとあっという間に評価と給与が下がってしまい、ドロップアウトする原因にもなります。

能力が極めて高い人

最後は「ドロップアウト」とは少し異なりますが、能力が高い人も、逆に早々にコンサルファームから抜けていく場合があります。先にも書いたように現代のコンサルファームの収入は「高いけど最高峰というほどでない」というレベルです。一方で、降格リスクが大きいなど厳しい競争にさらされるコンサルファームは、成長はできても人によっては働きやすい環境とはいえないでしょう。

そのため、特定の分野に際立った強みがある優秀な人材は、コンサルよりさらに良い待遇の企業や、同程度だがポジションが安定している企業に転職していきます。金融であれば外資系の投資銀行・ファンドおよび特定の専門職、事業会社でも総合商社などは年収においてコンサルファームのライバルです。また、将来経営者になるビジョンを持ってCFOなどスタートアップの役員・経営層に転職していく人もいます。

このような転職先への道を切り開ける優秀な人の場合は「コンサルだからこそやりたいこと」が明確でなければ、短期間のうちに新たな企業に転職していくケースも多いのです。

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今回は未経験からコンサルタントへの転身において、成長する上で大切なことについてご紹介しました。事業会社からコンサルティングファームへの転職では、年齢問わず年収アップで転職されるケースが多いです、しかし中にはキャッチアップできず、早めにドロップアウトしてしまう方もいらっしゃいます。事前にコンサルで求められることと事業会社で求められることの違いなどを認識しておくことをおすすめします。

「未経験」から「コンサル」への転職事例や、キャッチアップの事例についてはぜひこちらもご参考くださいませ

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