子育て中のビジネスウーマン事情とキャリア構築・転職事情

母として、妻として、ビジネスウーマンとして

先日、子育て真っ最中のお母さんである同僚たちとランチをしておりました。余談ですが、弊社では仕出し弁当が会社から支給されます。

オフィスのセミナールームがランチタイムに解放され、様々な部署の同僚と弁当を囲みながらワイワイとお昼を一緒にするのです。

弊社は麹町にありますが、このあたりですとランチは1000円程度してしまいますので経済的にもだいぶ助かりますし、同僚と楽しいひと時を共にもできるというありがたい制度です。

彼女たちは我々の同僚として働いているビジネスウーマンですが、ひとたび家庭に帰ればママであり、妻でもあります。

弁当を食べながら話を聞いていると、今さらながら彼女たちの苦労を感じます。彼女たちは、総じて朝5~6時前に起床し、洗濯機を回し、干して、前日の洗濯物をたたみ、ごみを捨てに行き、子どもの弁当を作って、子どもを送りに行って、それから会社に来るのです。

そして仕事を切り上げ、子どもを迎えに行き、買い物をして、夕飯を作り、風呂に入れ、片付けをして、宿題をみるそうです(自動掃除機のルンバ、食器洗浄機、乾燥機付き洗濯機は働く母の3種の神器とのこと)。

【母】として、【ビジネスウーマン】として、なんと多忙な日々でしょう。世の旦那さん方が、「自分のことなんか全く気にかけてくれないんですよ」などと言いますが、こうした日々を送っている状況であれば、【妻】の時間はないはずです。育児がひと段落するまで、旦那さんは【妻】をあきらめないといけませんね。

子ども

「子どもに申し訳ないな、と思うことがある」

話が続く中、気になっていたことをそれとなく聞いてみました。

「お仕事も子育ても両立する中で一番大変なこと、辛いことは何ですか?」

自分の時間がまるで持てないんです――、仕事と子育てで休む間もなく疲れてしまって――、おそらく「自分自身の大変さ」が訴えられるだろうと私は思っていました。しかし彼女たちの答えはそうではありませんでした。

子どもと一緒にいてあげられる時間が限られていて、専業主婦の方のお子さんに比べて宿題などを見てあげられる時間が少なかったり、学校に持っていく持ち物を毎日見てあげられなくて忘れ物が多くて先生に怒られていたりするんです。子どもに申し訳ないな、と思うことがありますね。

小学2年生の時に、私が勤務中一人で子どもがスイミングスクールに行っているときの話です。夜に子どもが洗濯するときに水着を出してきました。濡れているのですが、なんだか匂いがちょっと違う。

問いただすと、スイミングスクールに行くのが嫌で、公園の水飲み場でバレないように水着を濡らしてきた、と。私は小さな子がアリバイを作ってまで嘘をつくことへのショックと、それ以上に、近くにいてあげられなくて、そこまでスイミングスクールに行きたくないことを気づけなかったことへの子どもへの申し訳なさ、ダブルでのショックを受けました。

彼女たちは、自分の時間が取れないことや、体力的に疲れてしまうことといった、自分自身が払う犠牲に対しての覚悟はできているのです。それよりも、自分の子どもに対してじっくり向き合う時間がないことへの申し訳なさを感じているというのですから、聞き手の私としては切ない気持ちを覚えます。

女性

離婚しても生きていけるように

ここまでは大変な話ばかりです。でも、良いこと、メリットもあるので、子育ても仕事も両方ともしているわけです。

「大変な中で仕事をするメリットは何ですか?」

答えはなかなかきれいごとでは済みません。かなり現実的な回答です。

あー、やはり自由なお金が増えることですよ。子どもへの投資が迷いなくできること。おけいこ事とか塾とか。

実は私、結婚するときに、極端な話いつ離婚しても自立していけるようにすることは心に決めていました。一度でも長期間仕事から離れてしまうと、現在の日本では良い仕事に巡り合えなくなると考えているので、仕事は絶対に続けますね。

これらも【母】として、子どもにより良い環境を与えたいという覚悟でしょう。

子育てと働くことを両立するようになり、逆に風邪をひかなくなりました。

これは責任感と充実感から来るのでしょうか。母強し!といったところですね。

似顔絵

子育て中の女性を受け入れてくれる企業が増えてほしい

しかし、こういう状況を聞けば聞くほど、社会的な支援が必要だと感じます。私はキャリアコンサルタントとして、子どもの世話があるために時短勤務でしか働けない女性を転職サポートできる事例が少ないことを痛感しています。

企業側が受け入れてくれないためです。派遣社員であれば受け入れはありますが、時短勤務前提の正社員転職を受け入れてくれる会社は極端に少ないのです。

女性の社会進出を妨げている問題の一つに、男女問わず時短勤務での転職が難しいということが挙げられるはずです。

そんな中、最近とてもうれしい転職事例がありました。2人のお子さんをお持ちのとある女性が転職の相談に来られたのです。

彼女は新卒入社した会社で20年弱システムエンジニア、プロジェクトマネージャーとして活躍してこられた方でしたが、2人の子どもの世話があるため10時~16時までの時短勤務に切り替わっておりました。

当然給料は大きく減額されますが、彼女もそれは納得しています。問題はその会社が、時短勤務であることを理由に、優秀な彼女の能力と見合わないような仕事しか与えないようになったことでした。

社会人2,3年目の社員に任されるよりも簡単な仕事です。それに加えて、全ては「時短勤務だから」という理由で評価もまともにしてくれない状況ですらあるというのです。彼女は、自分が飼い殺しにされているかのように感じて転職の相談にいらっしゃいました。

転職活動は難航します。私どもから、彼女がどれだけ優秀で能力のある方であるかを伝えたとしても、「能力は高いのですが、勤務時間が限られているのでお断りします」「時短勤務での採用事例がなく、受け入れる人事制度もないので」「ベンチャーだから夜遅くまで働ける方でないと」と話がなかなか進みません。

しかし、ようやく活動から2ヵ月ほどたち「彼女のような優秀な方を受け入れるために人事制度を作りました。彼女が入社してくれれば今後の良いロールモデルとなりますし、優秀な女性を我が社が受け入れることができることも宣伝できます!」

と素晴らしく理解のある経営者に巡り合えたのです(本当は社名を公開したいくらいですが、個人情報の絡みもありますからね)。

また、時短勤務の間は年収は抑えられますが、お子さんが育ちフルタイム勤務ができるようになった場合には年収もランクも見直してくれるお約束もいただけました。

こういう会社が増えてくれると、本当に日本のビジネスウーマンの活躍の幅が広がりますよね。心からそうあって欲しいと願っています。

さて、このランチタイムをきっかけに、子育て中の同僚たちに対する私の見方が変わりました。特に、時短勤務をしている彼女たちが「お先に失礼します!」と颯爽と帰る後姿――、その後姿を拝んで、尊敬の念を送ってしまう自分がいるのです。

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