「転職活動」を企業研修のテーマに組み込んでみてはどうかと思う。
一見ナンセンスなように見えるが、実は企業にとっても社員にとっても、
メリットは大きいように思う。
以前、「転職を考える3つのメリット」というコラムを書いたが、
特に新卒で入社してそのまま在籍している人にはお薦めしたい。
基本的には他の企業のことなど知らなくても生きていけるし、
社外とのつながりがあったとしてもごく限られた範囲でしかない。
よっぽど意識していない限り、視野狭窄に陥るのは間違いない。
転職活動を行うと、否応なく社会に求められているのはどんなスキルを
持った人材であり、自らのキャリアの強みと弱みがつまびらかになり、
強制的にキャリアパスなどを考えることになる。
企業内での自分ではなく、社会から見た自分のポジショニングが
明確になるのは決して悪いことではあるまい。
そして社会にとってより役立つ人間になろうと研鑽するきっかけになれば
企業としても悪くはないはずだ。
企業側としては研修がてらやらせた転職活動で本当に転職してしまっては
困るので、いかに優秀な人材を自社に引き留めておけるか、
創意工夫と努力が必須になる。
優秀な自分の部下は手元に残したい、なんて管理職もいるが、言語道断。
そんなことをしていたらそもそも社外に出て行ってしまいかねない。
社員は市場価値を高めるための努力をし、
企業は社員を惹きつけるための努力をする。
もちろん、企業は顧客を見ていないと繁栄しないのだろうが、
社員が嫌々働いていて良いサービスなんてできたもんじゃない。
ついでに、蛇足ではあるが、切羽詰まってない状況下でエージェントを
使うことで、冷静な視点・厳しい目でエージェントを見ることができる。
エージェントとのうまい付き合い方を知ってるかどうか、というのもスキルの一つだ。
大体、研修の一環で転職活動なんて、話題性も十分だし、
社員に対するアピールにもなるんじゃなかろうか。
我ながら面白い案だと思うのだが…。
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