3Dプリンターの基礎知識
「3Dプリンター」は、何もない空間に3次元の造形物を作ることができる注目の機器です。立体の構築には、主に「積層法」を用いています。仕組みは2次元の薄い平面造形物を積み重ねていくというもの。
読み込めるデータ形式にはSTL、PLY、OBJ、IGES、DXFなど複数ありますが、STLが主流となっており、多くの3DCADソフト、3DCGソフトがこの形式に対応しています。
3Dプリンターはあらゆる産業の現場で使われています。その理由は以下が挙げられます。
少数で形状が異なるものを、低コスト、少ない時間で作れる
中空形状、内部が複雑な形状も造形可能
異なる材料を複数使用しての一体造形ができる
取り扱いが簡単で、高い技術力を必要としない
2000年代半ばまでは、価格も数百万円とかなり高額だったため、企業や工場が利用するのみでした。
しかし、基本特許が切れたため、現在は数万円~数十万円の製品も出回り、個人で利用する人も増えています。
時代はもはや4Dプリンター?
技術は日進月歩で、時代は3Dプリンターから「4Dプリンター」へと移行しつつあるようです。
「4Dプリンター」とは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のある研究室で研究されている機器。
3Dプリンターの機能に加え、素材に4つ目の次元~時間や動きにかんする情報を与えることができます。 つまり、必要に応じて造形物が変形するということです。
これは、木板が湿気を含むと反るといった原理を活用。変形のための他条件としては、温度や光なども使われます。
SF映画も顔負けの日常が実現する?
開発・研究が進む4Dプリンターですが、普及にはまだ時間がかかりそうです。現在、考えられている用途としては、「ロケットに搭載し、宇宙空間に出ると自動的に展開するアンテナ」など。 より一般的なところでは、「パッケージを開くと、自動的に組みあがる家具や部品」「自然災害時に、勝手に防災器具になる家具」などがあります。
SF映画の世界が日常で実現する日は、そう遠くないかもしれません。