お客様の立場にたってSIerやコンサルティングファームなどのベンダーマネジメントをするアーケイディア・コンサルティング。「企業の懐刀」として活躍している同社では、ITは経営戦略実行の為の道具と言いきる。代表取締役社長の鈴木浩之氏にお話をお伺いした。
設立の経緯を教えていただけますか。

前職ではインターネット関連ソリューション提供のビジネスの責任者をしていました。大手企業からベンチャー企業まで様々な企業へITソリューションのワンストップサービスを提供していました。私が所属していた会社の事業は上手くいっていましたが、サービスを提供してきたお客様の事業そのものが上手くいっていないケースがありました。その原因は様々ありますが、IT活用側であるお客様側に大きな2つの原因があると思いました。
1つは、お客様がITに過度な期待をし、期待される効果を見誤っている。もう1つは、お客様自身がIT活用を十分に行える体制や環境にないにも関わらず、IT導入や効果的でない活用を行ってしまっていることです。ITは宝箱ではありません。システムを作れば何でも解決するわけではありません。導入するシステムそのものが経営戦略にマッチし、そのシステムを使いこなし、効果を出せるの状態になっているかが重要です。
経営資源としてのITをお客様に有効活用してもらいたい。このような思いから当社を設立しました。我々はあくまでもユーザー側の立ち位置でサービスを提供します。経営戦略や経営課題に照らし合わせ、どのような方法でその課題解決をするのかユーザ企業と一緒になって考えます。
また、IT導入においては、SIerやコンサルティング会社をマネジメントし、ベンダーが最高のパフォーマンスを発揮できるようにします。常にユーザ企業におけるIT活用による結果(効果)に対しコミットし、経営者に喜んでもらう。その結果に対し、我々も対価を頂き、真のWin-Win関係を構築すべくビジネスを展開しています。
御社が得意とするコンサルティング領域を教えてください。

IT活用企業におけるITマネジメント活動の支援・代行を行っています。領域は大きく分けて2種類です。CIO的役割の代行・支援を行うCIO事業とプロジェクトにおけるPM、PMO、各担当者の代行・支援を行うPMO事業になります。
特徴としてはお客様の自主自律を目的としたファシリテーション型のコンサルティングによりサービスを提供します。また、クライアントのITマネジメント力を客観的に判断し、あるべき姿をクライアントと考えます。
例えば「そもそもこのITをどのように使うか」をクライアントユーザー側が判断出来るように支援していきます。そのためには組織・人の教育まで支援する必要があります。状況によりCIOの代行を行う場合がありますが、将来的に我々がいなくてもIT活用ができるように、3〜5年掛けてCIO育成をしていくのです。
他社との差別化ポイントを教えてください。
CIO支援やPMO支援をしている会社は他にもあると思いますが、当社ではシステム開発やソリューションの提供を行いません。大手のSIerやコンサルティングファームはビジネス的にはソリューション提供まで行わないとビジネスメリットがありませんので、必ず何らかのITプロジェクトの企画やベンダーの利益誘導を行う必要があります。弊社はそれを行わない、つまり、ITソリューションの必要可否、または、どんなITソリューションであってもお客様の立場での利益誘導を考えることができるというメリットがあります。
実際のプロジェクトについて教えてください。
我々は「CIO支援=経営者、PMO支援=プロジェクトオーナーの利益を最優先する。」この考え方を軸にしています。
クライアントの社内を調整することもとても難しいですね。場合によっては、クライアント企業のユーザーへ辛辣な意見をする事もあります。「いい人」だけでは出来ない仕事だと思います。
大抵1〜2名で支援させていただきます。ですから個々の業務範囲は広くなり、職務も多岐に渡ります。お客様と一緒の船に乗るわけですから、ある意味、一緒に泥水を舐める覚悟で仕事をする必要がありますね(笑)。
その結果、徐々にお客様に信用していただけるようになり、新たな相談が来るようになります。そこまで関係性ができるとクライアントにとっての「懐刀」のような存在になっていきます。
実際のプロジェクト事例は弊社のホームページでも公開していますので、ぜひご覧になって下さい。
■松竹株式会社様の事例:ITマネジメント支援
最近のプロジェクトのトレンドを教えてください。
SaaSなどのクラウドコンピューティングの導入や活用(移行)プロジェクトです。ベンチャー企業など中堅、中小企業では、クラウドコンピューティングを上手く利用する事により、情報システム部門リソース自体の負荷を軽減し、効率的にITを活用し、業務の効率化を行いコスト削減につなげることができる環境になってきています。
またIT部門の組織・キャリア戦略立案もあります。「IT部門の組織をどのように育てていくか?」企業経営にとって大きな課題です。例えばひとつのシステムを7〜8年運用したら次のシステムにローテーションという具合に、システムの運用のためだけに人がいるケースは多いと思います。このようなエンジニアをどのように戦略的に育成していくのか?という大きなテーマがあります。
その他、内部統制構築後の運用支援、各種制度変更による連結業務システム再構築等の新ビジネス要件などがあります。今後についてですが、CIO支援を更に強化していきたいと考えています。
御社のカルチャーについて教えてください。
私が元々外資系企業出身なので個人への裁量は大きく委ね自由度が高い環境だと思います。コンサルタントは、コンサルティングファーム、SIerや事業会社の情報システム部門出身者が中心です。
積極的に発言して行動できる人が多く、コミュニケーションが活発です。またFSS理論(※)を積極的に活用し、個性を重視したキャリア育成に力を入れています。
※FSS理論:FFSはFive Factors & Stressの略で「人材一人一人の強みを活かし、最適に組み合わせることが組織生産性の向上につながる」というコンセプトに基づき、目的に合った組織編成を可能にする理論。小林惠智博士により提唱された。
御社の求める人物像を教えください。

弊社には社員の行動指針的な役割としてクレド(Credo)があります。まずこのクレドに共感していただける方ですね。
「思い」を発信する
悩まず、働く。
絶えず本質に立ち戻る
やる前に正解を求めない
衝突を恐れない
経験から学び、「知恵」とする
また、我々の仕事には正解はありません。「めくったら何が出てくるか分からない」こういうスリルを楽しめる人が活躍できます。
コンサルタントして活躍する上でのジョブスキルより、ワークスキルを重視しています。机上の理論や知識ではなく、お客様の課題解決を支援するための基本的な業務をしっかり実行できる人が向いていると思います。技術や業務等のスペシャリストというよりは、幅広い経験があるゼネラリストタイプの方が向いていると思います
この記事を読まれている方にメッセージをお願いします。
アーケイディアの理念や方向性に共感する方、熱い思いを持っている方。ぜひお待ちしております。