A.T. カーニー株式会社 インタビュー

A.T. カーニー株式会社

A.T. カーニーは、1926年の創業より一貫して、創業者アンドリュー・トーマス・カーニーが提唱した「顧客企業の成功が、A.T. カーニーの成功である」との強い信念にもとづき、世界の顧客企業に対し変革の実現と、成果を重視するコンサルティング・サービスを提供。この経営理念は、A.T. カーニーがもっとも大切にしている「Tangible Results(目に見える成果)にこだわる」、という価値観に結実している。
戦略からオペレーション、ITにいたる広範で統合的な能力と、顧客の成功にコミットするコンサルティングによる積み重ねが顧客企業の信頼につながり、今日も成長を続けている。今回は金融プラクティスのプリンシパル 高橋昌裕氏にA.T. カーニーの特徴や求める人物像などをお伺いした。

まず高橋様のご経歴を教えてください。

A.T. カーニー株式会社 金融プラクティスのプリンシパル 高橋 昌裕氏

慶應義塾大学法学部を卒業し、三井生命に入社しました。三井生命では2年半ほど支店で経験を積んだ後、本店の営業企画部門で生命保険会社の要である営業職員をどのように強くするかの検討や、営業予算の作成、競合他社の状況分析などを担当し、A.T. カーニーには2002年に転職しました。

実は当初、転職することはまったく考えていなかったですね。三井生命では自分のサイズよりも大きな仕事をやらせてもらっている実感があり、日々充実していましたから。

しかし、「同世代の中でトップランナーなのか?」という視点で見てみると、世の中にはもっとすごいことをしている人がいることにも気づき、フィールドを変える決意をしました。

また、ゆくゆくは会社経営をしたいな、という漠然とした思いも持っていましたね。そう考えたときに、生命保険業界に居続けると、将来的な選択肢は保険関連業界に限定されてしまう可能性が高い、一方でコンサルであれば歳を重ねれば重ねただけ、幅も深さも広がっていくのでは、との想いからコンサルティング業界に飛び込みました。

様々なコンサルティングファームがある中で、御社と他社との違いはどのようなところにあるのでしょうか?

A.T. カーニー株式会社 金融プラクティスのプリンシパル 高橋 昌裕氏

当社は創業以来「Tangible Results」つまり「目に見える成果」にこだわっています。このこだわりが、全コンサルタントのDNAにまでしっかりと染み込んでいることを実感しますね。"きれいな絵を描くだけでいい"と思っているコンサルタントは誰もおらず、絵を描くことを越えて、"お客様が本当に変わるためにはどうしたら良いのだろうか""どのようにしたら組織全体に浸透して実効性をもたせることができるのか"といったことまでを全員が真剣に考えていますし、そこまでやらなければコンサルタントとして価値がない、と思っています。ここが当社の真の強さであり、差別化の根源といえるでしょう。

また、プロジェクトの進め方として、クライアント先への常駐スタイルが多いというのも、当社の特徴です。そういえば、お客様から「当社の誰よりも当社のことを考えてくれている」「当社のことを、当社の社員よりもよく知っている」などと言っていただけることも多いですね。こうした言葉をいただけるのは、日々、それぞれのコンサルタントがお客様の中に深く入り込み、そして「Tangible Results」の実現にこだわっているからだといえます。

これらの結果として、リピートいただけるお客様も比較的多くいらっしゃいます。これは非常に嬉しいことですね。我々の仕事は、経営者に認めてもらうだけでは不十分です。経営者に対して期待を上回る価値を提供するのは当然ですが、経営者だけに耳あたりの良いきれいごとを言って、それが現場の方には実現不可能なものと思われてしまっては何の意味もありません。これでは、「Tangible Results」にはつながらないですからね。経営者にも満足いただき、現場の方にも我々とやってよかったと言ってもらうことができて、初めてプロジェクトが成功したといえます。そして、これまでA.T. カーニーが、そして各コンサルタントが、経営者からも、現場の方からもしっかりと認めてもらえてきているからこそ、永いお付き合いをさせていただけていると考えています。

リピートのお客様とはどのようなお付き合いをされているのでしょうか?

例えば、あるお客様は私が入社した頃(2002年)から継続して、同一テーマを軸にお付き合いをさせていただいています。また、この4〜5年の間で20以上ものプロジェクトをさせていただいているお客様もいますね。A.T. カーニーには、こうしたお客様が少なからずいらっしゃる、ということが、繰り返しになりますが経営者にも現場の方にも認めていただけていることの証左かと思っています。

得意としている業界、得意としているテーマを教えてください?

A.T. カーニー株式会社 社内

採用面接にいらっしゃる方から話をうかがうと、A.T. カーニーというと金融業界に強いというイメージを持たれている方が多いようですね。しかし、必ずしも金融だけではなく、通信、ハイテク、消費財・小売、メディア、そして自動車に運輸・鉄道など、様々な業界のお客様とお付き合いをしています。

また、テーマに関していうと、我々は"CEOアジェンダ"と呼んでいますが、経営者レベルのあらゆる課題に応えさせていただいています。戦略・マーケティング・海外進出や新規事業といった成長を志向したものから、コスト削減や業務効率化などの足下を固めるためのものまで、経営者が課題ととらえるものについては広く取組んでいます。

それぞれのお客様が悩まれる経営課題に対し、経営目線を持ちながら、現場にも入り込んで考え抜き、戦略や実現策を導き出す。これがA.T. カーニーのスタイルです。

御社ではプラクティスと呼ばれる組織を形成されていますがコンサルタントの所属はどのようになっているのでしょうか?

大きくは、マネージャー以上と、アソシエイト以下とで異なっています。

まずマネージャー以上については、業界やテーマに関するプロフェッショナルとして、業界・テーマ別のプラクティスに所属をしています。ただし誤解を招かないように補足をしますと、当社のプラクティスは、多くの事業会社でみられるような「XX部」といった縦割りの強い組織にはなっていませんので、プラクティスの枠を超えた活動も少なからずあります。例えば、金融プラクティスに所属するマネージャーであっても、場合によっては自動車業界のプロジェクトを担当することもありえます。

そしてアソシエイト以下のコンサルタントについては、マネージャー以上のように特定の業界・テーマ別のプラクティスには原則として所属をしない形をとっています。この考え方の背景には、ジュニアなうちは、様々な業界・テーマについて経験を積みコンサルタントとしての懐を広げてもらいたい、という会社の思いがあります。こうして経験を重ねるなかで、将来的にどの業界・テーマのプロフェッショナルとして活躍をしていきたいのかを考えてもらうこととしています。

御社の社風を教えてください。

A.T. カーニー株式会社 社内

様々なバックグラウンドをもつ人が混ざり合い、お互いに刺激を与えあっている組織だと思います。

新卒で当社に入り活躍しているコンサルタントもいれば、中途で金融機関やメーカー等の民間企業から来る人も、官公庁から来る人も、また他のコンサルティングファームから来る人もいます。そして、それぞれが自身の強みや個性を活かしながら、決して「金太郎飴」的にはならず、自分なりのバリューの出し方を考えてプロジェクトに取組んでいますね。

また、最近では女性コンサルタントも多くなり、従来以上に多様性も増してきています。

ただ、多様性はありますが、先ほども申し上げましたとおり「戦略を描くだけでは意味がない」という思いは、全員に共通するものとして、しっかりと一本線が通っていますね。

御社ではどのようなタイプの方が、入社後に伸びているのでしょうか?

今申し上げましたとおり、当社では多様な人材が活躍をしています。それらの人に共通する要素を考えてみると、まずマインド面では、自分の成長だけでなく、お客様への貢献を最優先するマインドを持てている人は入社後にしっかりと伸びていますし、当社へのフィット感も強いですね。あと、周囲からのアドバイスを受け入れられる「素直さ」を持っている人も成長のスピードは速い傾向にあります。

また、スキル面では論理的な思考力はベースとして求められますが、人を惹きつける力・人を巻き込む力など、対人コミュニケーション力が高い人も伸びていく傾向が強いよう思います。これは、当社が常駐型のプロジェクトが多いこととも関係していますね。

面接ではどのようなポイントを確認されているのでしょうか?

中途入社の面接では、ディスカッションを通じて、普段からどれだけ問題意識をもって仕事をしているのかをチェックしています。自分自身の仕事に対する問題意識が低いのに、クライアントの経営課題を解決することなんてできませんからね。

御社の今後の方向性について教えてください。

日本、そして日本の企業が強くなるためのサポートをすることが、我々の重要な使命の一つだと思っています。関わり方は、プラクティス毎に様々ありますが、大きな考え方としては、クライアント企業はもとより、世の中にも、そして日本の成長にも意味があることをやっていきたいですね。

また、そのためにはグローバルとの連携も強くしていきたいと考えています。前代表の深沢は現在中国の代表を務めていますので、そうしたネットワークも活かして、アジアを含めたグローバルとの連携強化を進めていきたいですね。

こう考えると、我々としてやりたいこと・できることは今以上に多くあります。そこで、コンサルティングの質の維持・向上は当然に図りながら、組織も拡大していく方向で考えています。

最後にメッセージをお願いします。

A.T. カーニー株式会社 金融プラクティスのプリンシパル 高橋 昌裕氏

コンサルティング業界は、社会的意義の大きい業界だと思っています。また、お客様の喜ぶ姿が見え、そして自身が提言したことが実現にうつされるという、やり甲斐を感じることのできる魅力もあります。

もちろん、魅力の裏側には厳しさもあるのですが、クライアント企業への「Tangible Results」の提供に興味関心のある方、高い志を持っている方には是非、門をたたいてみて欲しいと思います。

企業情報

社名 A.T. カーニー株式会社
設立 1972年
企業概要 経営コンサルティング
待遇・福利厚生 雇用、労災、健康、厚生年金保険完備
勤務時間 フレックスタイム制
休日休暇 土・日、祝日、年末年始、有給、慶弔
採用プロセス 面接3〜4回

アクシスコンサルティングは、
プライバシーマーク使用許諾事業者として認定されています。


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