(編集部注)平成25年9月に「アーンストアンドヤング・トランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社」から「EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社」に社名を変更しました。下記記事は、変更前の内容になります。
EYTASは、グローバルではBig4と称される監査法人グループであるアーンスト・アンド・ヤング(EY)の日本でのメンバーファームとして、2004年12月に設立されたM&Aアドバイザリーファームである。日本では新日本有限責任監査法人グループとして、アシュアランス、タックス、アドバイザリー、トランザクションのトータルサービスを展開している。今回、同社にEYTASのサービスの特徴やトレンド、求める人物像をうかがった。
御社が得意とするコンサルティング領域・業界についてお聞かせください。

当社は、アーンスト・アンド・ヤング(EY)の日本でのメンバーファームとして、2004年12月に設立されたM&Aアドバイザリーファームです。
監査法人系のBig4ファームとして、M&Aの川上から川下までカバーし、プロジェクトがスムーズに流れているかをチェックしながら部分・全体との最適サービスをクライアントへ提供しています。当社のプロジェクトは主に中規模以上のM&A案件が中心で、クライアントは特定の業界に限らず多業界に渡ります。
EYTASはグローバルネットワークを活かしながら各産業の特徴、ノウハウ、世界各国の比較など最新情報をキャッチできる体制を整えています。日本では新日本有限責任監査法人グループとして、監査、税務、そしてTASと協力しシナジー効果を発揮しながら、サービス展開しています。
(前の問いに関連し)御社のコンサルティングプロジェクトの代表的な事例をお聞かせください。
当社がアドバイザーとしてサポートするプロジェクトには、国内企業の海外企業買収(アウトバウンドインベストメント)、海外企業の国内企業買収(インバウンドインベストメント)、国内企業同士のM&Aサポートの3つのパターンがあります。
プロジェクトにおける近年のトレンドについてお聞かせください。
リーマンショックに代表される昨今の金融恐慌により、インバウンドインベストメントは昨夏からほぼ停止するなど、外資が絡む案件は減少しており、国内中心のプロジェクトが多いのが現在のトレンドです。
国内案件でも、特に事業統合やリスクの高い事業などを切り離し、他社とのジョイントベンチャーを作るといったカーブアウト案件が多い傾向があります。その他の例としては、敵対的買収も散見されるようになりました。技術力はあっても各業界の国内市場そのものは限られた市場しかない日本固有の特徴もあり、それを有益に活用するための選択として、今後もこうした敵対的買収が増えてくることも予測されます。
他ファームとの差別化ポイントについてお聞かせください。

EYTASは、グローバルネットワークを活用し、アシュアランス、タックス、アドバイザリー、トランザクションのトータルサービスを提供しています。クライアントに対して高品質なサービスを提供していることが特徴です。その特徴を最大限に活かすシステムとして、EYグローバルとして独自のナレッジセンターを有しています。
このナレッジセンターは各国からアクセスすることができ、常に主要13業種の最新動向を、データベースとして蓄積し情報活用、高度な専門性を保持し、クライアントへの有用な情報の提供、サービスの実行に活かしています。
また、その業界の専門部隊がグローバルで組織化されており、各国のスペシャリストを集めたプロジェクトチームを構成できることもクロスボーダー案件を扱う時の強みとなっています。独立系と比較した場合には、監査法人系故に監査の独立性を保持しなければならず、インディペンデンス、リスクマネジメントの制約が多いと言わざるを得ないでしょう。
しかし、グローバルネットワークの活用などスケールメリットで独立系との差別化を図っています。ただ独立系のアドバイザリーファームとは、純粋なコンペティターというよりは、うまく住み分けができると考えています。
独立系のファームは各社独特の強みを有しているので、川上から川下までトータルにアドバイスできる当社とともに、プロジェクトによってクライアントが最適なパートナーを選択できればいいと思っています。
御社のカルチャー、社風についてお聞かせください。
EYは"People First"ということを掲げ、社内の風通しのよさとグローバルのネットワークを通じて個人の能力開発を行い、働き甲斐のある職場作りを目指しています。
御社の求める人物像をお聞かせください。
当社は、「日本のエクセレントカンパニー」を目指すため、質の高いサービスとより高いクライアントからの信頼感を得るため、人材育成投資を行っています。そのために人材採用は欠かせないのですが、現状、スペシャリストの中途採用戦略に注力しています。
具体的に求める人物像としては、年齢に見合った経験・専門性を有している人材、柔軟性を持っている人材、そして、円満な人格、かつ、言うべきことはしっかり言える人材です。特に我々のビジネスは、プロジェクトを進める上でクライアントとの折衝は不可欠なので、人物面を重視しています。
御社で活躍されているコンサルタントの方々はどのようなバックグラウンドをお持ちですか。
実際に当社に在籍する人材のバックグラウンドは多岐にわたります。
会計士・USCPAの有資格者やMBAを修了した人材はもちろん、大手メガバンクなどの金融スペシャリストや戦略系や総合系のコンサルティングファーム出身者のほか、事業会社で知財などの分野でスペシャリストとして経験を積んできた人々が活躍しています。
本日は貴重なお時間どうもありがとうございました。