プライマルは新規事業の専門家として150を超える新規事業プロジェクトに携わってきた。成功も失敗もあったが、彼らはその経験から貴重な知識やノウハウを持つ。数少ない新規事業の専門家、プロフェッション集団として、クライアントと共に考え、共に行動し、プロジェクトを成功に導く。今回は代表取締役社長 森上氏にプライマルの設立背景や特徴、求める人物像などをお伺いした。
御社が得意とするコンサルティング領域・業界についてお聞かせください。

まず、当社の設立の背景をお話しますと、ソフトバンクと三菱商事の合弁ファームであるユーフォリンクのビジネスイノベーション部門をスピンアウトして立ち上げました。ユーフォリンクの前身はインキュベーション、カーブアウト支援を目的として設立されています。当社はそのDNAを引き継いで、新規事業・イノベーションに関するコンサルティングを主軸としています。
私自身のことを少し触れると、新卒でボストンコンサルティンググループに入社した後、元から音楽が好きだったこともあり、音楽業界で新人発掘オーディションの企画担当を経て、ソフトバンクグループにて音楽配信コンテンツの事業企画のほか、出資先企業・事業部の管理を行なっている中で、出資先子会社のユーフォリンクに転籍し、現在に至っています。キャリアの大半は新規事業に関わっていますね。
御社のプロジェクトにおける近年のトレンドについてお聞かせください。

直近では、純粋な新規事業の立ち上げのみならず、既存ビジネスの付加価値向上などの、いわばリノベーション・再生案件に関わる場合もあります。また、業界としては情報産業分野、ライフケア・ヘルスケア分野、環境分野のお客様が多い傾向にあります。特に、ライフケア・ヘルスケア領域では、メタボリックや紫外線関係など予防医療に対する意識が高まっていることもあり、各メーカーがこぞって新規事業として注目していることもあり、そうした分野の事業化をテーマにお声かけいただくことが増えています。
また、じっくりと戦略を練って事業化を図るだけでなく、最初から事業化の早そうなテーマを進めつつ戦略を練っていくパターンも最近の傾向として増えていますね。また、各社でオープンイノベーションへの取り組みが進んでおり、自社の技術と他社の技術、それぞれをうまく組み合わせていくバランス感覚が求められるようになっています。
他ファームとの差別化ポイントについてお聞かせください。

現場目線を常にもちつつ、一緒に新規事業チームの一員として、戦略をたてるだけでなく、実行に移していくことが当社の特徴です。新たな市場へアプローチする場合も、具体的な顧客を掴みながら市場全体を見渡していくという、2つの観点を備えていることが強みだと考えています。
具体的には当社のプロジェクトの進め方はお客様と当社が新規事業チームのメンバーとなり、クライアントが技術やサービスアイデアを、当社はビジネスモデル作りを担当します。例えば、先生の立場から、アドバイスを与えたり、報告書を出すだけではなく、お客様が自社の新規技術をとりまとめ、当社がビジネスモデルを作り出すというように共に考え共に行動しながらプロジェクトを推進しています。
お客様の立場からすると、"一緒にやってくれる"コンサルタントとして現場部門の方々から支持をいただき、他ファームとコンペとなる際は、現場の部門長の方から経営層へ推薦していただけることがとても多いです。これはトップ営業を得意とする大手ファームと異なる特徴かもしれません。
御社の組織体制とプロジェクトの進め方について教えてください。

当社のチーム構成は大きく分けると、IT・webサービスを中心としたサービス立ち上げの部隊と、今ある技術の事業化をサポートするMOTコンサルティングチームに分かれます。
プロジェクトは、おおむね3〜4名体制(現在一番多くて8名体制)で進められ、サービスモデルの立案や市場調査から、事業モデルの策定、プランニング、そして事業化までの一連の流れを、クライアント企業の技術者の方たちとともに一緒になってプロジェクトを進めていきます。
期間としては通常3ヶ月単位で進めていくことが多いですが、長いところまでは4年にわたってお付き合いさせていただいているケースもあります。
御社の求める人物像をお聞かせください。
現場目線、顧客目線を大切にする当社においては、事業会社出身者で新規事業など「新しい物に取り組んでいきたい人」は大歓迎です。新規事業に携わったことがあれば尚良ですが絶対ではありません。やる気があり、何事にもやりすぎてしまうくらいの方がフィットするかもしれません。逆にいうと、コンサルファーム出身者でも現場に入り込みながら進めていくことに難色を示すようですとあまりフィットしないと思います。
もちろん、現在活躍しているコンサルタントの中にも事業会社出身者の方々も多く含まれています。メーカー、情報産業、商社などの業界出身者や弁理士資格を取得してコンサルタントになった方もいます。コンサルタントとして、クライアントの現場の方々と事業化に向けて汗をかきながら新たな事業を創り上げていきたい人の応募をお待ちしています。