投資銀行への転職で「学歴」は関係あるのか?その実情<20代半ば・20代後半・30代>

今回は、投資銀行への転職で学歴は関係あるのか?その実情を年齢ごと(20代半ば・20代後半・30代)にお伝えします。また、実際に具体的な学歴(たとえば20代半ばであれば早慶以上など、年齢でどのような違いがあるか)についてもご紹介します。

【目次】

  1. 投資銀行(IBD)における学歴事情
  2. 20代半ばで投資銀行に転職する場合
  3. 20代半ば:そのほか海外大学卒の比率
  4. 20代後半で投資銀行に転職する場合
  5. 30代半ばで投資銀行に転職する場合
  6. 投資銀行に国内の大学の学閥はあるのか
  7. MARCHクラスから投資銀行への転職は可能か
  8. まとめ

投資銀行(IBD)における学歴事情

一般的に日系であれ、外資系であれ、卒業大学に関しては高学歴の方が多く入社します。

IBDにおける職務内容について、キャピタルマーケット業務(IPOや新株発行、引き受け業務)のほかに花形と言われるM&Aアドバイザリーやカバレッジチームがあり、いずれもプレゼンテーションの作成能力や、財務モデル作成、バリュエーションの実務などが高いレベルで求められることは周知のとおりです。

投資銀行では、同時に複数の案件にアサインされ、パラレルにたくさんの仕事を処理していく能力が重要になりますので、頭の回転の速さや要領の良さが重要になり必然的に高学歴であることが必須であること、またクライアントに社員のメンバーを紹介する際にも、海外大学や国内のトップクラスの大学を出ていることがアピールポイントになります。

入社を狙うにしても、学歴が高く、かつバリュエーションや財務モデリング、M&Aのプロセス、ストラクチャーなどの素養がある人が望ましいです。難易度の高い資格を持っている人が書類も突破しやすいですが、高学歴かつ難関資格の保有者が多いというのが事実です。IBDに転職する際には基本的には中途で経験のある方が中心になりますが、未経験者であれ経験者であれ高学歴の人材が好まれます。

また特徴としては、大学の学部卒ではなく、大学院の修士課程を卒業ないし博士課程を卒業している人が多いのも特徴です。東京にオフィスのある外資系投資銀行では、外国人でも日本のトップクラスの大学(東京大学、一橋大学、慶応義塾大学、早稲田大学、京都大学)などを卒業しており、日本語、英語に加えて中国語などの3か国語を操れる人もいますので、高学歴かつそれに加えてエッジのあるスキルや、体育会の出身者も目立ちます。

20代半ばで投資銀行に転職する場合

20代半ばで転職する場合には、未経験者でも経験者でも高学歴の方が好まれます。20代半ばで経験者でも、FASないしは日系の投資銀行でアナリストもしくはアソシエイトになりたての人が多いので、そこまでディール経験などを求められないケースがあります。(新卒で業界に入った人に限る、新卒で投資銀行やFASのM&Aアドバイザリーの経験のない人にはディール経験ではなくポテンシャルを求めることが多い)
したがって、20代半ばで投資銀行への入社を実現する人には、学歴や資格を含めた国内外の難関大学を卒業した、高学歴な人が採用されやすい傾向にあります。

具体的な大学名をいえば、東京大学、京都大学、一橋大学、慶応義塾大学、早稲田大学が候補に入るでしょう。まれにそのほかの国立大学の方もいますが、マジョリティでいえば東京大学が最も好まれ、次いで一橋、慶応、京都大学、早稲田といった印象です。

上記の国内トップクラスの大学卒業に加えて、役に立つ資格を持っていると有利です。資格の筆頭は公認会計士やUSCPA、弁護士でしょう。公認会計士に関しては、日本の企業を相手にする投資銀行であれば、USCPAよりも日本の公認会計士試験に合格している、ないしはすでに登録済の方が望ましいです。

実際に投資銀行で働いている人には、上記のトップクラスの大学卒業に加えて業務に関連性の高い、公認会計士に合格ないしはすでに登録している方が多く、会計や税法、ファイナンスに関する総合的な知識をバランスよく身に付けているという点で評価されますし、弁護士やCFAといった難易度の高い資格を有している人も多くいらっしゃいます。

20代半ば:そのほか海外大学卒の比率

外資系ないし日系の大手投資銀行、ブティック系投資銀行(外資)では、新卒でも中途のポテンシャル採用や経験者採用でも海外の有名大学の卒業者が多いです。
実際にどのような大学を卒業しているかというと、韓国であればソウル大学、Yonsei Universityが挙げられます。シンガポールなどの東南アジアであれば、Nanyang Technological University in Singapore、NUS(シンガポール国立大学:National University of Singapore)、香港大学などが挙げられます。
米国であれば上記で述べたようなペンシルバニアのWharton, コーネル、INSEAD,HEC Paris, ハーバード、スタンフォード、MITスローン、シカゴ大学、INSEADなどが挙げられます。
海外大学の卒業者で外資系投資銀行などに入社する人は、上記の大学を卒業するだけでなく、非常に優秀な成績で卒業していることが求められるので、ハードルはかなり高いと聞きます。

20代後半で投資銀行に転職する場合

20代後半では全くの未経験者は入社が難しく、外資系投資銀行に転職する場合でも、FASや日系の証券会社の投資銀行部門での経験が必要です。学歴に関しては、まだ20代ということもあり多少の頭の良さや吸収力、キャッチアップ力も確認されますので、東京大学、京都大学、一橋大学、慶応義塾大学、早稲田大学といった国内でもトップレベルの大学を卒業している方が優先されます。
なお、20代後半であれば20代前半で海外大学のMBA(欧米でいえば、Wharton, MIT,ハーバード、スタンフォード、イェールなど)に受かり、早ければ卒業している方もいますので、そのような方はMBA後にアソシエイトとして採用候補になることもあります。
ただしいずれにせよ、最近は急ぎの募集や即戦力を求める求人が多いので、ほぼ未経験でMBAをとっても、必ずしも採用につながるとは言えません。まずは国内のトップレベル大学の学部ないしは海外大学の学部を優秀な成績で卒業していることが望ましいです。

30代半ばで投資銀行に転職する場合

30代前半から半ばになると、これは学歴というよりは、職歴を問われることがほとんどです。
当然トップクラスの大学を卒業をしている人が多いですが、大学の学部に加えて、海外大学のMBA(経営学修士、国内ではなく欧米のトップ校)が多いです。

外資系投資銀行で、出身者が多い学校は、ペンシルバニアのWharton, コーネル、INSEAD,HEC Paris, ハーバード、スタンフォード、MITスローン、シカゴ(Booth)などの有名かつ難易度の高い大学が多いです。米国の若手バンカーでも、新卒は投資銀行と関係ない職歴で、上記のトップMBAに進学して、中堅ないし大手の投資銀行に転職する人は多くいます。

外資系投資銀行であれば、シニアバンカーは欧米の有名MBAを取得している人が相当数おり、日本人だけでなく海外のオフィスのバンカーも海外の有名大学でMBAを取得していることがほとんどです。海外の有名大学でMBAをとると海外の同僚と話すときに共通のネタができるということもありますが、実際に海外の有名大学でMBAをとっても結局日系の投資銀行で働くことになった、もしくはBig4のFASになってしまったという人もいるのでその点は注意しましょう。

いずれにせよ30代になれば、下手に学歴をよく見せようとするよりも20代のうちに多くの経験を重ねることが望ましいです。

投資銀行に国内の大学の学閥はあるのか

学閥というのは特にありませんが、実際に採用される人は東京大学出身の人が非常に多く、次いで慶応義塾大学ということが多いので、比較的上記2大学の出身者が多いかもしれません。
一方出身大学名に何か不都合があるかというと、そういうことはないため、特に不安視する点ではないと思います。

MARCHクラスから投資銀行への転職は可能か

MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)で外資系ないし日系投資銀行に新卒で入るのは至難の業です。これらの大学学部の卒業者は、新卒で狙うのであれば日系であれば可能性がありますが、それ以外であれば海外の有名大学のMBAを優秀な成績で卒業する、ないしは同業他社ですでにそれなりのトラックレコードがあれば、シニアバンカーとして採用される可能性があります。

まとめ

このように投資銀行(IBD)のキャピタルマーケットやM&Aアドバイザリーチームで採用される可能性のある学歴は、国内大学では(東京大学、一橋大学、慶応義塾大学、早稲田大学、京都大学)といった難関大学が優先され、その中でも東京大学出身者がマジョリティになる業界です。
海外大学でも、アジア圏ではNanyang Technological University in Singapore、NUS(シンガポール国立大学:National University of Singapore)、香港大学といったトップクラスの大学、中国でも北京大学、清華大学の出身者が多くなっています。中国国籍の方で、外資系投資銀行で働いているバンカーは中国国内のトップの大学に加えて、上記の欧米トップクラス大学のMBA取得ないし大学院修了している人が多いです。
そのほかにも、上記の難易度の高い大学の経歴に加えて公認会計士、弁護士、MBAなどの総じて難易度が高い資格を有している人が多くいます。
とはいえ、学歴・資格を有していることそのものが合否を決めるわけではないので、志望動機と一貫した自分の学業や学歴をアピールすることが重要です。学業のみならずボランティアや学外の活動、体育会での活動実績なども問われることがあります。
学歴だけでなく、入社後にエグゼキューションやカバレッジの実務で、資料作成やプレゼンテーション、顧客とのやり取りなども重要です。高学歴もしくは自頭の良さは当然としてキャッチアップする意欲や素養の高い人は、入社後も違和感なく業務に邁進・評価されるでしょう。

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>投資銀行へのキャリアに関する記事

コンサルファームから投資銀行(IBD)への転職後、活躍できるコンサル・できないコンサルの違い
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/postconsulinvestmentbank

投資銀行におけるタイトル毎の「年収・スキル・働き方」
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/investmentbank_title

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今回は、投資銀行への転職で学歴は関係あるのか?その実情を年齢ごと(20代半ば・20代後半・30代)にお伝えしました。
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