外資系・日系企業の優秀なアカウントマネージャーに共通する4つのスキルとは

今回は、様々なアカウントマネージャーの方と日々お会いする中で知った、外資系・日系関わらずあらゆるフィールドでご活躍されるアカウントマネージャーに共通したスキルや知見についてご紹介していきます。

【目次】

  1. コミュニケーションスキル
  2. 議論の落とし所を見極めるスキル
  3. 自己解決能力
  4. 英語によるディスカッションスキル

コミュニケーションスキル

優秀なアカウントマネージャーに共通する1つ目のスキルとして、やはりこの「コミュニケーションスキル」は欠かせません。

アカウントマネージャーは、クライアントと自分の会社を繋げるとても重要な役割を担っています。つまり、クライアントとのファーストコンタクトからの関係構築、さらにはセールス段階でのやり取りや情報収集・情報共有。そして、プロジェクト開始後の日常的なフォローアップまで長期的にクライアントを支えていく役割を担っています。

早い段階でクライアント側のDecision Makerやキーパーソンを見つけ出して、コンタクトを取れる状況にする。そして、案件獲得するにあたって、自社にとって有益な情報を引き出せる状態を作るのが、優秀な方たちは非常に長けています。

社内で情報共有をする場合にも、クライアントから集めた情報を独自に精度良く、また分かりやすく情報選別をした上で、社内に情報共有ができる方は、やはり非常に優れていると感じます。

そういった方たちの多くは、独自に情報源を多く持ち、裏取りできるような関係構築もできていることで、1つの小さな情報から、信憑性も厚みもある情報に育てていくことができるスキルを持っています。

クライアントからどうしても入手することが困難な情報は必ずあります。しかし、顧客の状況を推測するにあたって、辻褄のあったストーリーと信憑性がないと、今度は社内を説得することが難しくなってきます。

そのために、クライアント側のより多くのキーマンを抑え、いつでも気軽に会話できるような関係を構築しているアカウントマネージャーは、やはり社内でみせる説得材料も非常に質が高いものになります。

さらに、どういう情報があれば、社内の経営層を説得できるかも経験的に把握し、自分の基準はつねに少しその上にしきい値を設けておくことで、社内の説得はそれほど難しいものではなくなっていくでしょう。

優秀なアカウントマネージャーは、「社内を説得」というマインドよりも、自分自身が社内以上に納得し、むしろ全力で社内を巻き込んでいくパッションを持っている印象を受けます。

こういったコミュニケーションスキルを持っている方たちは、クライアントとの関係構築はもちろんのこと、社内での関係構築のバランス感覚も非常に優れているように思います。

議論の落とし所を見極めるスキル

優秀なアカウントマネージャーの方は、「議論の落とし所を見極めるスキル」も非常に長けています。

このスキルがどういったものかと言いますと、クライアントから提起されてくる質問や問題に対して応える手段を複数もっている、ということです。

多くの場合、クライアントから預かった質問を回答するのに、社内のリソースを使って回答を用意することがほとんどではないかと思います。

もちろん、クライアントに対して質の高い回答をして、疑問の解消や問題解決することは大前提になりますが、質問の言葉じりそのまますべてに対応しようとすると、双方にとって遠回りになる場合は、実は少なくありません。

すべての質問・問題を1対1で解決しようとするのではなく、複数を1つにまとめて扱うことができるようにしたり、もしくは社内にわざわざ展開せずに、クライアントと直接会話することで簡単に解決できる内容もあったりします。

巻き込む社内リソースや問題の深刻度、売上への影響などを鑑みながら、適切なスピード感で立ち回れることが大切だと思います。
すべての事象に対して、ただもの凄いスピードで多方面に転送するのは「迅速な対応」とは少し違う場合がありますので、注意が必要です。

このスキルは、社内に対する配慮・コミュニケーションとしても、とても重要になってきます。

アカウントマネージャーの役割として、対クライアントに対する配慮だけでなく、社内バランスも考えて、クライアントと社内間のフィルタ役になることが求められます。

繰り返しになりますが、クライアントの問題解決が大前提となりますが、社内リソースの使い方に対してどこまで配慮ができるかも、社内の信頼構築においてとても重要になります。

理想的には、社内のリソースを使わずに、かつクライアントが満足してくれる質の高い回答をできることがベストな訳です。
その問題の「深刻度」や「緊急度」、もしくは質問の意図が「ただの興味なのか」「直面している大問題が背景にあるのか」などを、適切に見極める力を持っている必要があります。

そのためには、まず取り扱う商品・サービスに対する知識を適切に持っておくことと、「議論の落とし方」の手札(てふだ)の数を多く持っておく必要があります。

同時に、社内からクライアントに対して出ていく情報やその質の管理も人任せにせず、フィルタ役として積極的に関わることも望ましいかと思います。

もちろん、商品やサービスに対する専門的な深い知識は、別の社内メンバーが窓口になっているケースもあるかと思います。ただ、アカウントマネージャーとしての範疇では、少なくとも「社内から社外」「社外から社内」の双方向にとって最適なフィルタ役を担えることで、プロジェクトもより円滑に進行できるようになります。

このように「議論の落とし所を見極めるスキル」に長けていることで、優秀なアカウントマネージャーは社内外のバランス調整を実践するのがとてもうまいと感じます。

また別の事例として、特に外資系企業のように海外の方と多く仕事をする場合、良い意味での曖昧さを許容できる必要があります。

海外の方の多くは、とても合理的でロジカルに物事を進めることが多く、あまり時間を掛けても意味のない議論はスパッと中断をすることもあります。

もちろん本当に考え抜かなくてはいけないところに対しては、無理をしてでも全員が納得のいく材料が揃うまで議論を尽くします。

外資系企業のアカウントマネージャーであれば、国内のクライアントからの要求と、海外の社内メンバーとの間に、温度差が生まれることがよくあります。

その場合、クライアントに対しては要求内容の緩和や別の解決案の提示などを行い、その一方で海外メンバーに対しては、その必要性を解くことが求められます。

こういった文化的な思考の違いも理解しつつ、またお互いの主張を尊重しながら双方が納得のいく折衷案に導くのが、優秀なアカウントマネージャーは非常にうまいように感じます。

自己解決能力

さらには、「自己解決能力」が非常に優れている、という点も優秀な方にある共通点かと思います。

あらゆる問題解決のゴールは、「相手がどういうふうになれば嬉しいのか?」その一点に尽きると思います。そして、それを実現するために、どのアプローチを取れば正しく達成できるのかが、本来注力しなくてはいけないことになります。

つまり、極端にお伝えすると、仮に当初質問として受けていたことに正面から回答できなくても、相手が満足いく結論に至れば、全く異なるアプローチを取っても良い訳です。

そのために、自分事として相手側の立場で考え抜き、自分なら100%納得するところまでアイデアを出し尽くして、その解決策を自分の言葉に落とし込んで伝えられるようになれば、相手との議論の内容も建設的になりますし、多くの問題は良い方向に向かっていきます。

もしくは、「そもそも解決することが難しい」という結論に至る場合であれば、それを双方納得の上で共有できることにも繋がります。

これは決してネガティブなことではなく、とても建設的な議論の結果、双方が納得して別の議論に移る訳なので、とても大切なアプローチかと思います。

優秀なアカウントマネージャーは、こういったプロセスを自分自身の中で実践しています。

それでも手詰まってしまう場合は、どうしても起こります。その時点ではじめて上司や同僚に助けを求めることで、より質の高い問題解決案を導ける可能性も高くなります。

もちろん、上司に対して状況報告として伝えておくタイミングなども配慮しておく必要はありますが、「自分ひとりで解決する!」という強い思いは、その人の仕事の質に想像以上に大きな差を生んでいるようにも思います。

英語によるディスカッションスキル

日本の企業でお仕事されている方は、もしかしたらあまり英語でディスカッションする機会は少ないかもしれません。

しかし、外資系企業でアカウントマネージャーとしてお仕事をされる場合、社内で英語によるコミュニケーションを避けることはできません。

海外のディスカッションは、非常に合理的で現実的な議論にフォーカスをするので、これ以上会話を続けていても答えが出ない議論に対しては、比較的早い段階でスパッと結論を出すことが多いです。

これは非常にありがたい面もあれば、例えば、自分のアカウント対応でどうしても社内の海外メンバーを説得して、巻き込んでいかないといけないケースには、英語でのネゴシエーション力が求められる、ということでもあります。

そういった時に、いかにロジカルにその必要性を訴えることができるのかは、非常に大切なスキルとなってきます。優秀なアカウントマネージャーの方は、こういった論理展開が体に染み付いていて、話も非常に分かりやすいです。

「日本はハッキリ言わない文化」ともよく言われるように、長時間費やして何も決まらないミーティングというのを多くご経験された方も、少なくないかもしれません。

海外の方との打ち合わせは、本質だけくり抜いて議論をすれば、1時間予定していたものが15分で終わることもよくあります。

これは「英語によるディスカッションスキル」に限った話ではありませんが、相手の時間に対する配慮も、優秀なアカウントマネージャーとして求められる資質かもしれません。

もし仮に、参加者が多いミーティングで、話すことも尽きてしまった場合は、想定時間より短くてもミーティングを早々に終えて、その後、自分だけがキーパーソンを捕まえて軽く会話をする方が良い場合もあります。

その方が、そのキーパーソンと関係づくりをしやすいこともありますし、全体のミーティングの場では言いづらかったことを口にしてもらえることもあるためです。

こういった全体への時間への配慮と、要点を引き出す環境を作り出すスキルも、優秀な方は秀でているように感じます。

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【転職事例から見る】営業企画から「事業企画」へのキャリアパス
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/salesplanningcareer

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今回は「外資系・日系企業の優秀なアカウントマネージャーの共通点」というテーマでお伝えしてきました。

ここでは以下4つのスキルを取り上げて、その詳細を解説しました。

1.コミュニケーションスキル
2.議論の落とし所を見極めるスキル
3.自己解決能力
4.英語によるディスカッションスキル

これら4つのスキルはすべて、社内外の人との関係構築スキル、というのが根本にあります。
相手にどういう切り口で配慮し、問題解決や疑問解消に導くか?
そして、相手にどういう配慮をして、無駄な労力が掛からずに、理想の解決状態へ導くのか?

そういったことが総じて、ここでお伝えしてきたような細かい配慮やテクニックに繋がっていきます。

アカウント担当は、どうしても売上やクライアントに偏った視点を持ってしまいがちでしょうか。ただ、社内メンバーに対して、誰も気がつかないような配慮が結果的には良い循環や関係をつくっていくようです。
アカウントマネージャーのキャリアについてお考えの方や、求人をご希望の方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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