コンサルタントは「役職名」で役割・年収が明確に異なる。自分に合った役職で転職するのが重要

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多くのコンサルでは上から下まで役職による役割の違いが明白で、年収レンジも大きく変わります。転職するうえでは、自分に合った役職で転職して、自分の能力を最大限発揮することが重要です。

今回の記事では、コンサルの役職名ごとの役割、年収などの違いを紹介していきます。これからコンサルへの転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

【目次】

  1. コンサルタントの役職の種類
  2. コンサルの職階制度の特徴
  3. 職階と年収
  4. アナリストの役割や年齢層
  5. アソシエイトの役割や年齢層
  6. マネージャーの役割や年齢層
  7. ディレクターの役割や年齢層
  8. パートナーの役割や年齢層
  9. 役職それぞれの年収や役割をおさえて自分に合った役職での転職を目指そう

コンサルタントの役職の種類

まずは、コンサルにおける職階の仕組みと、役職の種類や年収といった基本的な情報を紹介します。職階の全体像をおさえておきましょう。

ファームによって細かい違いはありますが、コンサルの役職は一般的に次の通りです。上がシニア層、下がジュニア層となります。

・パートナー
・ディレクター
・マネージャー
・アソシエイト
・アナリスト

この他にシニア〇〇が追加されて、階層が多層化しているケースも少なくありません。外資系企業や投資銀行では似たような職階制度を設定している企業はしばしばみられますが、コンサルファームは職階数が多い傾向にあるのが特徴です。

基本的にほぼすべてのコンサルタントはこちらの職階のいずれかに位置します。新入社員から、少なくともそのファームの一番ジュニアの職階に入りますし、社長を含めシニア経営層でもパートナーの1人となります。

外資系ではしばしばみられるシステム

日本の場合、外資系の投資銀行やコンサルファームがこのような職階システムを早くから取り入れていました。

その中でもコンサルファームは組織の規模が大きい場合も少なくないため「コンサル独自の職階制度」と考えられがちですが、実は外資系企業であれば、多くの企業で似たような職階制度を導入しています。外資系企業によくみられる慣例を早期からコンサルファームが取り入れたため「コンサルファーム独自の職階」という印象を持たれているのです。

コンサルの職階制度の特徴

コンサルファームの職階制度全体において、一般的にみられる特徴は次の通りです。

・職階で年収レンジが大きく変わる
・職階ごとに要求されるレベル・昇進に要求されるレベルが明確
・昇格にかかる年数はバラバラ
・降格も多い

制度としては、職階ごとに年収のレンジが決まっていて、年功や勤続年数による昇給は基本的にありません。ただし、実態としては、経験がつくことで評価が高まり、結果的に年数に応じて少しずつ評価・役職が上がっているファームもあります。

職階においてはそれぞれの役割期待や要求水準が明確になっています。これを基準に年次の評価がつけられるのです。さらに昇進するうえで求められる役割や達成項目が設定されていることもあります。

与えられた目標を達成して初めて昇格のチャンスが得られるため、昇格までにかかる年数は人によって大きな差があるのもポイント。仕事のレベルがその役職の役割に到達していない場合には降格となる場合も少なくありません。

特に未経験者が無理して高い役職で転職した結果、入社して1年もしないうちに降格されて年収が急に下がるケースもあります。未経験者は自分の能力に見合った役職で転職することが大切です。

職階と年収

コンサルファームの年収は職階ごとにおおよそのレンジが決まっています。そのため、職階が上がる時に年収も大幅にアップする傾向があります。職階ごとの年収水準はファームによってことなりますが、基本的に戦略系と総合系で開きがあります。

戦略系コンサルファーム
・パートナー:5,000万円〜
・ディレクター:2,000万円〜
・マネージャー:1,500〜2,000万円
・アソシエイト:800〜1,500万円
・アナリスト:500〜800万円

総合系コンサルファーム
・パートナー:2,000万円〜
・ディレクター:1,300〜2,000万円
・マネージャー:1,000〜1,500万円
・アソシエイト:600〜900万円
・アナリスト:500〜700万円

一般的に高年収なイメージがあるコンサルファームですが、戦略系の方が、シニアになるほど年収が高くなる傾向にあります。なお、パートナーについては成約した案件や手がけた案件の量によって大きく変わるため「年収は青天井」といわれることもあります。

続いてはそれぞれの役職に一般的に求められる役割、そして基本的な年齢のレンジなどについて紹介していきます。自分がどの役職での転職を狙うのか検討するうえで、参考にしてください。

アナリストの役割や年齢層

一般的にコンサルファームにおいて、最もジュニアとして扱われる役職はアナリストです。一部のファームではアソシエイトから始まるケースなどもみられます。新卒でファームに入った場合は、MBA取得者などでない限りはアナリストから始まり、アソシエイトやマネージャーレベルの指示を受けながら、必要な分析をしたり、資料を作成したりします。

資料全体の構成やメッセージなどについてはアソシエイト以上が考えるケースが多く、正に指示に従って動く部分が多い役職です。そのため、速く・正確に、そして指示通りの資料をみやすく作成することが期待されます。

アナリストより下の職階はなく、仕事の評価が低くても職位が下がることはありませんが、順調な人の場合は新卒でも3年以内には次の役職に上がっていくため、資料作成に苦戦しているとあっという間に置いていかれます。また、業務量が最も多くなりがちな役職でもあり、激務に耐えかねて辞めていく人も少なくありません。

アナリストの年収は戦略系が500〜800万円、総合系が500〜700万円で、新卒は500〜600万円程度から始まるファームが多いです。資料全体を形成するアイデアを出せるようになったり、ミーティングの場で付加価値のある意見・見解などを出せるようなったりしてくれば、アソシエイトへの昇格がみえてきます。

アソシエイトの役割や年齢層

コンサルファームにおける2つ目の役職です。一部ファームでは最も下の役職がアソシエイトとなりますが、その場合は「シニアアソシエイト」などの役職が存在します。またコンサルタントという役職が存在する場合もあります。資料作成においてはアナリストより全体的なメッセージや構成などを形作ることが期待されます。

マネージャーは、資料のチェックはしますが、重要性の高い局面でない限りは、アソシエイト以下でほとんどの資料を作ってしまうことも珍しくありません。

典型的なプロジェクトチームでは1人のアソシエイトに対して1〜2人程度アナリストがついて、彼らに指示を出す構造となります。将来昇格していく中で徐々に大きな単位のチームメンバーをマネジメントしていくことになるため、それに向けた訓練の位置付けも大きいと言えるでしょう。

細かい分析・データ作成などはアナリストがやってくれるので、相対的には余裕が出てくる案件もみられます。ただし、それでもコンサルファームの中では激務な役職といえるでしょう。

また、小さいプロジェクトの場合は、チームメンバーが少ないため、直属のアナリストがいないケースも少なくありません。その場合は実質的に働きぶりがアナリストと変わらない、というプロジェクトもあります。

アソシエイトは、マネージャーの指示のもと付加価値の高い成果物を出し、またプロジェクトにおいて有効な示唆を継続的に与えることを期待されています。アソシエイトの後半になってくると、クライアントの事務方レベルのミーティングのファシリテーションや、小さいチーム単位のプロジェクトマネジメントなどを任されるようになってきます。

これは、次のマネージャーに昇格するための準備期間と言え、チームマネジメントがある程度できるようになれば、昇格候補として上がってくるでしょう。

アソシエイトは新卒で言えば3〜7年くらい、年齢で言えば20代半ばから後半くらいまでの人が多いゾーンです。早ければ入社から数えて5〜6年ほどでマネージャーに昇格します。

マネージャーの役割や年齢層

プロジェクトマネジメントや案件推進の中心となるのがマネージャーです。小さな規模のコンサルプロジェクトなら、1人でプロジェクトマネジメントを行いますし、規模が大きい場合は1つのプロジェクトチームを運営します。

クライアントとのミーティングではファシリテーションや意見交換などを積極的におこない、それ以外の時間では案件推進のために必要な調査・分析、資料作成の調整などをおこないます。複数人のアソシエイトやアナリストがあてがわれるため、プロジェクトの進行状況とメンバーそれぞれの適性に応じて、仕事を最適配分したり、プロジェクトの計画に間に合うように進捗管理をしたりします。

また、案件によってはクライアント側にも作業や調査の依頼などが必要になる場合もありますが、基本的に依頼内容の差配や期限の調整などはマネージャーが主導します。

一方で、案件進捗に必要な手作業を自分でやる頻度はやや下がり、特に難易度の高い部分や重要性の高い部分に限り対応し、その他はジュニアのメンバーが作成した成果物のレビューや品質維持が主な仕事になります。

年数を経るごとに大きなプロジェクトを任されるようになったり、中規模の複数のプロジェクトを同時並行で管理したりすることも増えてきます。自分が所属する部門において収益重要性の高いクライアント・案件に関わるようになってきたら、ディレクターへの道がみえてきます。

この辺りからそもそも昇格できずに去っていく人も増えてきますが、30歳前後でマネージャーに昇格し、30歳後半でディレクターに上がるのが順調なケースです。ただし、年収水準も上がってくる中、ディレクターからはファーム全体のヘッドカウントの開き具合なども昇格を左右する要件になってくるため、昇格ペースは人によって大きく変わってきます。

ディレクターの役割や年齢層

ディレクターになると、中規模以下の案件であれば複数のプロジェクトを同時にみるケースが増えてきます。特に総合系コンサルファームの場合、1つの大手クライアントから複数のプロジェクトを受注するケースが多いですが、1つのクライアントに紐づく案件を1人のディレクターが同時に差配する場面などもあります。

その場合複数プロジェクトの進捗やリソース配分を、クライアント側の期待値や重要性、そしてカウンターパーティとなるクライアント側の部署のリソース余裕度なども踏まえながら調整します。プロジェクトの人事権を握るケースも多く、マネージャー以下のコンサルタントのアサイン・リリースの判断もおこないます。

またディレクターになると新たな案件獲得のための営業活動へのエクスポージャーが増えてきます。

案件獲得の直接の責任はパートナーにあるケースが多いですが、ディレクターも多数のプロジェクトを経験する中でリレーションのあるクライアントが増えてくれば、パートナーの案件獲得のサポート的な役割を果たすことも。特にピッチブックなどと呼ばれる案件を獲得するための提案資料などは、ディレクターが主導的に作成するファームも多いです。

クライアントとのリレーションが深まって、1人で案件獲得を主導できるようになってくれば、パートナーへの道が近づくことになりますが、パートナーは一般企業でいう役員に当たるため、ヘッドカウントの空き状況次第になる点も留意しましょう。

ディレクターの年齢の中心レンジは30代半ば以上で、パートナーへの昇格タイミングは早くて3~5年程度というところ。特に優秀なケースでは、30代後半でパートナー昇格に至るケースもありますが、40代前半で昇格できれば順調な部類です。そもそもパートナーまでは昇格できない人の方が多いと考えられます。

パートナーの役割や年齢層

役職名上の最高職位がパートナーとなります。コンサルファームの独特なところは、一番上の役職であるパートナーが営業活動を主導し、今後のコンサル案件の獲得に尽力するところです。彼らの評価や年収は自分が獲得した案件から得るコンサルフィーの水準によって決まります。すなわち大きな案件を取ったり、多数の案件を取ったりすれば、その時期の賞与が急激に増えることになります。

パートナーはクライアント側の経営企画や役員など、コンサル案件の受注を判断する人たちとリレーションを築きつつ、クライアント企業の課題やニーズなどを日々のコミュニケーションの中で察知していきます。そして、課題の中で自社のリソースにより解決できるポイントがあれば、ピッチブックを持ってクライアントの決裁者にアプローチ。プロジェクト自体の受注の他、投入するリソース数、プロジェクトの実行期間などを調整していきます。

正式に案件を受注したら、部下であるディレクターに指示を出して、プロジェクトチームを組成させて、案件を推進していきます。

1人のパートナーが関係を持つクライアントの中で多数のプロジェクトが走っているのが常のため、個々のプロジェクトに関わりを持つのは、プロジェクトの開始・クローズなど節目前後や、特に重要な意思決定・交渉が必要な場合に限られます。

役職上は最上位ですが、パートナーの中からチームのヘッドを1人決めたり、日本法人全体のシニア経営層を決めたりするなど、パートナー内でさらに序列が存在するケースもあります。日本の企業でいえば、パートナーが役員で、その中から執行役員、常務や専務、社長などが選ばれていくイメージです。

役職それぞれの年収や役割をおさえて自分に合った役職での転職を目指そう

コンサルファームは役職によって年収水準が如実に変わります。一般に高年収といわれるケースが多い仕事ですが、自分の実力より役職を下げてしまうと、期待ほど高い年収を実現できない場合もあるので注意しなければなりません。

一方で、自分の身の丈に合った役職で転職することも重要です。無理に高い役職で転職してもその役職の役割期待を満たすことができず、評価を下げてしまいます。さすがに簡単に解雇されるリスクは低いものの、短期間のうちに降格されて年収が大きく下がる可能性も。自身の能力が転職先の役職に見合っているのか考えながら、転職先を検討してください。

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>コンサルタントへのキャリアに関する記事

適材適所を意識して年収を上げる
https://www.axc.ne.jp/careertips/2014/1122/2400.html

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今回の記事では、コンサルの役職名ごとの役割、年収などの違いを紹介しました。コンサルティングファームへのキャリアをお考えの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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