管理部門専門の経営人材CAOの設置背景・CFOの役割との違い・年収・キャリアパスについて

管理部門の経営人材であるCAO(Chief Administrative Officer/最高総務責任者)が、重要な役割として注目されてきています。

CAOとはどのような経営人材であるのか、設置の背景や比較されることもあるCFOとの違い、CAOになるためのキャリアパスについても確認していきます。

【目次】

  1. CAO設置の背景
  2. CAOのおもな役割
  3. CAOへのキャリアパスや年収

CAO設置の背景

まず、CAO(Chief Administrative Officer/最高総務責任者)設置の背景についてです。おもに、経営戦略上、管理部門の重要性が増していることや、管理部門の業務の幅がこれまで以上に広がってきていることが考えられます。

さらに、優秀な人材の確保や活用の観点から、多様な働き方に企業が対応する必要が出てきていることもあるでしょう。

詳細について、それぞれ順に確認していきます。

経営戦略における管理部門の重要性向上

ベンチャー企業から大企業に至るまで、コンプライアンスやコーポレートガバナンスがますます重要になっています。

電子帳簿保存法や育児休業制度などの法改正により、企業として整えるべきフローが増えてきていることが理由として考えられるでしょう。

改正に伴い、どの企業もクラウドシステムの導入やそのための社内整備も行う必要が出てきており、柔軟かつ迅速な対応が求められているのが現状です。

管理部門全般における業務幅の拡大

管理部門の業務が多岐にわたり、ひとまとめにするのが難しくなってきていることが理由として考えられます。

対処するために、責任と権限を明確にした業務分担が必要となってくるでしょう。

例えば、資金調達を中心とした「カネ」にフォーカスしたCFO、人材採用や育成、さらには組織開発や労務など「ヒト」にフォーカスしたCHO、そして総務や法務、広報などの「コト」にフォーカスするCAOなどです。

企業が大きくなるにつれ、管理担当役員であるCFOもしくはCAOのどちらか一方が全てを見ていくことが難しくなってきています。

また、ベンチャー企業から大企業への急速な成長を遂げる企業も増えています。

企業規模が大きくなり、業務が細分化するに従って、これらに対応していくことへの難易度が上がってきていることも考えられるでしょう。

人事の役割の拡大

先ほども少し触れましたが、人事領域の採用や労務、組織開発分野が非常に重要となってきています。

リモートワークや時間に制約されない働き方など、従業員に対する多様化が求められる中において、成果を発揮していく必要があります。

働き方の柔軟性がより求められるベンチャー企業はもとより、従業員数が多い大企業においても、多様な人材をいかに活性化させるかが求められてきているのでしょう。

新卒からいる社員だけでなく、中途で入社した社員、ベテランであっても管理職ではない社員、さらには国籍が多岐にわたる社員たちなど、多様な価値観を持つ人材が企業には集まるようになっています。

お互いの強みをどのように組織の力に変えていくかが重要であり、組織開発も求められる傾向があります。

それにあわせて労務管理方法や人事評価制度も見直す必要が出てきており、人事の負担は大きくなっているでしょう。

CAOのおもな役割

そのような中で、CAOの求められる役割はどのようなものなのでしょうか。おもな業務範囲や、CFO(Chief Financial Officer/最高財務責任者)との違いについても確認していきます。

CAOの業務範囲

CAOは最高総務責任者と訳されるとおり、総務部門を管掌する担当役員ということになります。

会社ごとにどのような定義をするかにもよりますが、総務部門が明確にCAOを定める場合、CFOとの役割の違いを明確にするのが良いでしょう。

CAOの業務範囲は総務を中心として人事や法務、場合によっては経理などを中心にカバーしていく役割が期待されます。

CFOとはどこが違うのか

CFOは資金調達や運用、資金繰りなど、調達したお金をどのように活用するかに責任を持つ役員という位置づけです。

対してCAOは、経理や財務、総務、人事、法務などの管理部門を束ねる部門長という立場です。

役職的にはCFOはCAOの上に立つものの、資金調達や運用に責任を持ちながら、総務や重要度が上がってきている、CHO(最高人事責任者)といった人事の役割も担えるかどうかの課題が発生します。

とりわけ、CFOはキャリアの中で会計や資金調達、投資において強みを持つ方が多く、同様にハードと言われるCHOのキャリアを築いている人は少ないでしょう。

そのため、資金の調達や運用を中心に責任を果たす役割としてCFOを置き、それ以外の総務や人事、法務などを中心に責任を果たす役割としてCAOを置く傾向にあります。

CFOもCAOも双方役員として並列の立ち位置であり、管理部門の業務を分担して管掌していく位置づけになるでしょう。

CAO設置企業の例

海外においては比較的多いものの、CAOを設置している日本企業はまだ非常に少ないのが現状です。そのような中でも、設置している企業例と、各企業における設置の目的について確認してみます。

カタリナ マーケティング ジャパン株式会社

グローバルなデータマーケティングのパイオニアとして約40年間、大手スーパーやドラッグストアなどと提携し、購買・消費者動向データベース「カタリナクラウドプラットフォーム」を提供する企業です。

多様化する価値観、異なるライフスタイルを持つ優れた人材の獲得や組織づくり、効率的な業務オペレーションの構築などを目指すべく、CAOを設置しています。

西日本電線株式会社

大分県にて、電線・ケーブルの製造及び販売を行う1950年に設立された老舗企業で、株式会社フジクラの子会社です。

2022年6月9日のリリースで、コーポレート部門統括として取締役CAOを設置しています。

同社は未上場企業でありCFOがいないことから、管理部門全体を管掌する役割として、CAOを設置していると考えられます。

CAOへのキャリアパスや年収

最後に、CAOへのキャリアパスと求人の例、さらに年収レンジを確認してみます。

CAOへのキャリアパス

CAOへのキャリアパスの例が少ないものの、総務や人事、法務を経験した方がさらに業務の幅を広げる点で、コーポレート全体を管掌するパターンが多いようです。

また、財務や経理、経営企画など、財務会計をベースに経験を積まれた方が、総務や人事、法務に幅を広げて兼務をする形も考えられます。

さらに、事業部門の経験を経てCAOへのキャリアに行き着くこともあるようです。

その場合は、管理部門において、管理の論理だけではなく、事業側の意向がうまく機能することが期待できます。

一方で、総務や人事、法務を中心にキャリアを積まれた方が、CFOの役割を果たす例はあまり多くないようです。

それだけCFOに負担が掛かってくることや専門性が高いことから、CAOはCFOの管掌領域には踏み込まず、それ以外のキャリアを積まれた方が就任するのが一般的です。

CAOの求人内容の例

CAOの求人内容として、記載されるイメージを紹介します。

設立5年程度のSales Techベンチャーの例

◇職務内容
管理部門全般のマネジメント。
総務・人事に関する業務執行を統括し、保管が義務づけられている書類を作成・管理する他、経理財務部門の統括も行う。

設立20年程度の中堅ベンチャー

◇職務内容
管理本部の最高責任者として経理や財務、総務、法務の他、情報セキュリティー、内部監査、内部統制推進といったバックオフィス全体の統括マネジメントを行う。
社長や上層部と話し合いを行い社長直下の元で業務を遂行。
※経験によっては、役員での採用となる場合もあり。
※ミッションはCEOとCFOと共にバックオフィスを強化すること。

【必須スキル】
・上場企業での経験
・大手管理部門での統括経験
・最高責任者として幅広くバックオフィスを統括した経験
・経営者の側近の経験

【求める人物像】
・年およそ1,000名の社員が増員される組織への対応力がある
・急拡大・成長する企業への対応力がある
・経営者の意見を具体的に述べるスキルがある
・多職種・他部門との折衝経験がある

◇年収1,000万円~2,500万円

管理本部の最高責任者として、財務経理も担当し、役職はCAOであってもCFOの動きも期待される業務です。

CAOの年収

設立20年程度の中堅ベンチャーの例にもありましたが、CAOの役割は幅広いため、適応可能な職種に応じて年収幅も広いことが想定されます。

管理部門の職種全般に経験があるとともに、求める人材像にもフィットしている方、さらにはCFO経験がある方なら、2,000万円以上の年収も期待できます。

一方で、特定分野における非常に深い職種経験はあるものの、今後の活躍が期待できそうなポテンシャル採用となった方は、少し下がって1,000万円台からのスタートになることも想定されます。

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>関連記事

「攻めのCFO」「守りのCFO」の違いは?企業フェーズ毎に求められるのはどちら?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/cfo_attack-defense

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管理部門の担当役員としてはCFOが目立っており、CAOは日本ではまだまだ就任例が少ないのが現状です。

しかしながら、従業員の働き方やコンプライアンス重視の観点から、今後ますます重要な役割となってくることが期待されます。

攻めの役割が比較的多いCFOに対して、非常に重要な守りの役割も任されるCAOという両輪が機能すれば、企業としてもより強い組織が構築できるでしょう。

CAOのキャリアに興味をお持ちの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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