進む、フリーコンサルタントの正社員転身

“働き方の多様化”という考えが世の中に浸透したことに加え、
つい数カ月前まで続いていた売り手市場（有効求人倍率が高止まり）も追い風となり、
正社員からフリーコンサルタントとして独立される方がここ数年で一気に増えた印象があります。

しかしながら、今回のCOVID-19の影響により、現役フリーコンサルタントの方々からは、
業務委託案件の紹介依頼と併せて、「正社員に戻ることも含めて相談に乗ってほしい」といったご依頼が増えてきています。

そこで今回は、フリーコンサルタントとして活動されている方々の「正社員転身」に焦点を当て、転身のメリットや事例を踏まえた実現可能性などについてご紹介差し上げます。

【目次】

1. 正社員転身を検討する理由
2. 正社員への転身は可能なのか？
3. 「紹介予定派遣」型のスキームも提供可能
4. 終わりに

正社員転身を検討する理由

弊社に寄せられるご相談のうち、主な理由としては以下の2点が挙げられます。

■営業活動からの解放

正社員とフリーコンサルタントの大きな違いの一つが、この営業活動です。正社員の場合、マネージャー未満であれば上位者が案件を獲得してくれますし、マネージャー以上であっても正社員であれば自社のネームバリューやコネクションを活用した営業活動が可能です。

一方、フリーコンサルタントでは自身の名前と腕で案件を獲得する必要があり、弊社をはじめとしたエージェントが案件獲得のお手伝いをさせていただくとしても、営業活動に全く関わらない訳にはいきません。

直近のマーケット動向を受け、営業活動における不安を解消することを目的に、正社員転身を視野に入れている方が増えている傾向にあります。

■専門性の向上

こちらは、特に若くして独立された方から挙げられることが多い理由となります。

フリーコンサルタントは常に「即戦力」を求められる立場にあり、正社員のように「この領域は未経験だが、育成の観点でチャレンジさせよう」といった差配はされません。

結果として自身の得意領域のプロジェクトに取り組むこととなり、正社員に比べて経験領域を広げる機会が少ないと言えます。

そこで、数年後に改めて独立することを視野に、正社員として会社に属すことで、最新の課題解決手法やトレンドの習得、各分野の第一人者とのネットワークの構築などを目指される方が増えています。

正社員への転身は可能なのか？

正社員へのキャリアをご相談いただく方のうち、多くは業務委託案件を獲得され、そのままフリーコンサルタントとしての活動を継続されています。

その一方で、COVID-19の影響がビジネスシーンに広がって以降、弊社では既に複数名の正社員転身をご支援させていただいております。

具体的には、コンサルファームが元請けのプロジェクトに数カ月間参画された方が、そのまま元請けのコンサルファームに正社員登用される事例が複数ございます。

双方にその背景を伺ってみると、以下の回答がありました。

■企業

フリーコンサルタントとしての仕事ぶりを通して、専門性や人物面など入社後の活躍イメージを鮮明に持つことができた。

一般的な中途採用よりも入社後のミスマッチを抑えられるため、今後の採用手法の一つとして活用していきたい。

■フリーコンサルタント

社長をはじめ、社員の方々の仕事のスタンスや社風を知ることができ、安心感を持って入社を決めることができた。

過去に在籍した2つの会社は、良い部分も悪い部分も入ってみなければわからなかったため、当時と比べるとストレスなくキャリアを選択することができた。

上記から、フリーコンサルタント期間が双方にとって“お試し期間”として機能していることがわかります。

「紹介予定派遣」型のスキームも提供可能

ご案内した事例は、あくまで開始時点ではフリーコンサルタントとしての参画を前提としており、結果的に正社員へ登用されたケースとなります。

これに加えて、弊社では正社員とフリーコンサルタント双方の支援実績に基づき、派遣ビジネスで活用される「紹介予定派遣（派遣期間終了後、双方合意のもと正社員になる契約）」のように、参画当初から「●ヶ月間の業務委託契約の後、双方合意のもと正社員登用へ切り替える」といったスキームも提供可能です。

終わりに

今回はフリーコンサルタントの正社員転身に焦点を当ててご案内しましたが、大切なことは、実際に正社員に転身するかどうかではなく“正社員転身というオポチュニティを常に手元に用意できているか”ということです。

「正社員⇒フリーコンサルタント」の片道切符だったこれまでのキャリアと異なり、今後はご自身のライフスタイルや状況に合わせて「正社員⇔フリーコンサルタント」を上手に使い分ける社会がやってくるでしょう。

このような社会において、皆様の中長期的なキャリア支援を実現できるよう社員一同サービスの向上に努めてまいります。