他ファームへの転職時に「セリングKPI」を確認する際の注意点

こんにちは、アクシスコンサルティングの福原です。

マネージャー層以上の方の『ファームtoファーム転職』を支援している際に、「●●社のマネージャーのセリング目標額は?」といった、セリングの金額に関しての質問をよくいただきます。

マネージャー以上のキャリアアップにおいてセリングは重要であるものの、ファームによってセリングのカウント方法や評価におけるプライオリティも異なるため、一概にセリングの数字が高い・低いだけで判断するのは危険を伴います。

今回は、他ファームへの転職時に、目標金額以外の側面から『セリングKPI』を確認する際の注意点についてお伝えします。

【目次】

  1. 「セリングのKPIがいくらか?」だけではなく「カウント方法」にも注意
  2. デリバリーとセリングの「評価の比重」もファーム毎に大きく異なる
  3. メンバーの育成・採用が、急がば回れ的にセリングにつながるケースも
  4. パートナーになる段階では単純なセリング以外の要素も重要に

「セリングのKPIがいくらか?」だけではなく「カウント方法」にも注意

先日、Big4ファームのシニアマネージャーにお会いした際、同社では「例えばシニアマネージャーとマネージャーの2名で協力して5,000万円の受注をした場合、両名それぞれに5,000万円の営業成績が残る(ダブルカウント方式)」とのお話を伺いました。

一方で、他ファームのパートナーにセリングのカウント方法について同様にお聞きしたところ、上記と同じような場合、「受注金額を協力人数で割った分、つまり2人であれば2500万円の成績が残る(折半or按分方式)」とのことでした。

上記のように、協力してセリングした場合のカウント方法が「ダブルカウント」「折半or按分」と、ファームによって異なります。 同じ受注金額でも、カウント方法によっては、“倍”の難易度になるということもあるため、事前にご確認いただくことをおすすめします。

デリバリーとセリングの「評価の比重」もファーム毎に大きく異なる

ご存知の通り、セリングのKPIを達成すれば万事OKというわけでもありません。 ファームのマネージャークラスは、稼働中のプロジェクトに顔を出し全体像を把握しながら次の案件を獲得しに行くことが求められるなど、デリバリーとセリングの両方を主軸にしたマルチロールが求められます。

例えば、中長期的案件の多いファームでは、大きな金額の案件を持続的に獲得することが重要であるため、セリングはあくまで評価の「加点要素」でしかなく、デリバリーに比重が置かれていることが少なくありません。

一方で、「戦略案件」など、数か月単位の短期プロジェクトの多いファームやユニットでは、一つ一つのPJ受注額が低い分「案件数」を重視する傾向にあります。 また、外資系のファームでは、グローバルへのロイヤリティを払う必要があるため、一案件の損益分岐点が高くなる傾向にあるという声もよく耳にします。

この評価の「比重」もファーム毎、ユニット毎に異なりますので、前もって内情についてのリサーチが必要でしょうか。

メンバーの育成・採用が、急がば回れ的にセリングにつながるケースも

マネージャーがセリングに対する稼働割合を増やせば増やすほど、必然的に現場を担当するコンサルタントに任されるデリバリーの負荷が大きくなります。

人を動かすことに長けたマネージャーは、急がば回れ的にメンバー育成や採用に注力することで、自分が現場に介さずともデリバリーが評価される仕組みを早期に確立し、自分がセリングに割ける時間を増やしつつ、さらにメンバーからの案件受注も続き、自然とセリングの数字が安定する土壌を生み出しているようです。

反対に、上記のマネジメントを怠ると、マネージャー自身へのセリング・デリバリーの負担が大きくなり、結果的に自分の首を絞めてしまいかねないと言えるでしょう。ただし、企業によっては「メンバークラスが受注したプロジェクトはマネージャーのセリング成績にならない」というケースもあるようです。 こちらも成績に直結するため、予め確認できると良いでしょう。

パートナーになる段階では単純なセリング以外の要素も重要に

マネージャー、シニアマネージャー、ディレクターとキャリアアップするにつれ、セリングのKPIも比例して上がっていきます。 ただし、一転してパートナーともなると、セリングの数字はもちろんですが、その他にも重要な要素が発生します。

あるファームのパートナーに「パートナーに昇格するために、ご自身の所属企業にとって一番大切なこと」についてお聞きしたところ、「会社の成績が悪くても逃げ出さないか」「会社全体に対して売上以外で貢献できるかといった、その人物に対する人的『信頼』に重きが置かれている」とのご回答をいただきました。

ただし、この辺りはエクイティパートナー制が採用されているかどうかなどによって事情が異なるようです。ご存知の通り、出資制度のないファームにおいては、売り上げの責任を会社が負います。 そのためセリングで結果を残せるディレクターが自然とパートナー・マネージングディレクターへと昇格しやすい傾向にあるようです。

その一方で、エクイティパートナー制度を敷くファームではパートナーが出資したお金でファームを経営していくため、「セリングで得たお金は会社を運営するために必要な共同資金である」との考え方から、「一緒に会社の責任を負えるか」「仮に赤字になっても逃げないか」「経営方針に対する考えが一致しているか」という点が重視されるとのことでした。

パートナーを目指す際には、経営に対する資金の考え方や責任の負い方などについてもぜひ事前にご確認ください。

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今回の記事では、他ファームへの転職時に「セリングKPI」を確認する際の注意点 についてお伝えしました。

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