BizValue Transformation(BVX)をミッションに掲げ、ソリューションやインダストリーを区切らず、新たな事業価値創出を目指す株式会社Gran Manibus。
今回は、同社のディレクターである木山順雄様、内藤秀治郎様、中山康成様より、同社に入られた経緯、Gran Manibusの特徴、組織のカルチャーなどについてお聞きしました。
ソリューションやインダストリーに縛られることなく、新たな「事業価値」を生み出せる環境に惹かれた
江頭
これまでのご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。まずは、中山様お願いします。
中山様
私のキャリアの3分の2がコンサルティングファーム、3分の1がスタートアップを含む事業会社です。前職のBIG4系コンサルティングファームではパートナーとして事業を推進していました。Gran Manibusには2022年に入社しました。
江頭
なぜ、Gran Manibusにジョインしたのか、その理由を教えていただけますか。
中山様
コンサルティングファームでは、ストラテジーからIT領域まで幅広く手がけてきました。ストラテジーとIT。この2つの領域が揃った状態の今、ビジネスパーソンとして新しい環境で何ができるだろう。そう考えた時に、Gran Manibusはインダストリーやソリューションに捉われるのではなく、“BVX”つまりあくまでもその先にある「事業価値」という視点からトランスフォーメーションできる会社であり、ここで新たなチャレンジをしてみたいと考えました。
また、ミゲルをはじめ経営陣と対話していく中、「自己資本を投下した形で新しいビジネスを立ち上げ、イグジットしていく」という一連の流れを経験できる点に惹かれたのも理由です。
江頭
内藤様のご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。
内藤様
1994年から約10年間大手外資系ファームに在籍していました。その後、2004年に一度コンサルティング業界を離れ、2021年まで自身が代表となり事業会社を経営していましたが、2021年7月にGran Manibusに入社しました。
コンサルティングファームに再び戻ってきた理由は大きく2つあります。1つは、これまで17年ほど事業会社で得てきた知見を活かして新規事業立ち上げのサポートに貢献したいと考えたからです。そしてもう1つは、自身のスキルをもう一度再構築するためです。
かつて同じコンサルティングファームで働いていた宮下(現代表取締役CSO)から新規事業を手がけるビジネスデザインチームが立ち上がったという話を聞いた時点で「面白そうだな」と興味が湧いたのです。そして、ここだったら自分のやりたいことが実現できる場所だと思い、入社を決意しました。
江頭
事業会社の経営という立場から、一転、社員として再びコンサルティングファームに戻られる際、周りから疑問の声はありませんでしたか。
内藤様
周りからは「なぜ、社長をしていたのに、再び社員になるのか?自分で事業を立ち上げればいいのでは?」という声は当然ありました。しかし、私自身は自分が求められている場所で活躍することが大事だと思っています。たまたまそれが前職で経営をしていたということに過ぎません。
今後は、再び起業を選択するかもしれませんし、Gran Manibus発で事業を立ち上げるかもしれません。常に自分の中で「何をやりたいか」を軸に考えて、自分が活躍できる場に立っていたいと考えています。
江頭
木山様のご経歴を教えていただいてもよろしいでしょうか。
木山様
SIer出身ですが、すぐに転職し、それ以降コンサルタントとして主に製造業を中心に携わってきました。入社したきっかけは、以前の職場の上司がGran Manibusの役員として当時在籍しており、「一緒に製造業の領域を立ち上げよう」とお声がけいただいたからです。2015年に入社し今に至ります。
江頭
お三方の中で木山様が一番長く在籍していらっしゃいます。他にも多くの選択肢がある中で、Gran Manibusを選び続けている理由はありますか。
木山様
製造業への支援を続けてきたことで、SCSKなど住友商事グループ内でGran Manibusは製造業クライアントに強いという認知を得られたという成功体験が大きいかもしれません。 日本は製造業が多く、とてもやりがいを感じる領域です。Gran Manibusでも引き続き日本の製造業の変革を支援していける環境に満足しています。
また、チームビルディングによって組織を拡大していけるチャレンジができています。個々の能力やスキルに目を向けて束ねていく、そこに面白さを感じますね。
Gran Manibus最大の強みは「X(トランスフォーメーション)」を最優先に考えられる自由なコンサルティング
江頭
皆さま大手コンサルティングファームを経てジョインされていますが、Gran Manibusの一番の強みはどこだと捉えていらっしゃいますか。
内藤様
世間ではDXが注目されていますが、個人的にはD(デジタル)がX(トランスフォーメーション)の前に来ることに違和感を覚えています。例えば、物事を変えていこうとした時に、デジタルではなくアナログでも変えられることは少なくありません。しかし、私の経験から言うと大手コンサルティングファームでは、どうしてもデジタルが先行しやすい。
もちろん“BVX”ではテクノロジーも駆使しますが、目的は“変革”を生み出し、新たな事業価値を創出していくことです。変革を最優先に置いているところが違いになっていると考えております。
中山様
総合系コンサルティングファームでは、左端から右端まですべてのスキルセットを持ち、その中でチームを組成して動いていきます。ですから、例えば「サイバーセキュリティを極めたい」という志向で総合系コンサルティングファームを選び、集中してサイバーセキュリティの案件に携わることも1つの道です。
ただ、内藤さんの言うように、我々は“BVX”という観点からクライアントをトランスフォーメーションする会社です。つまり、ソリューションカットされていないからこそ、自由度が高いというのは特徴でしょうね。ファイナンス領域もあれば、テック領域もある。またSCSKと連携しながら、“BVX”の部分をGran Manibusが担当し、SCSKが大規模なテック案件を受けることも可能だと思っています。
「求心力」と「遠心力」のバランスが良く、個性を貫ける
江頭
Gran Manibusのカルチャーについてお伺いします。強い意志や個性を持った個人が集合して組織を構成していく際に、どのようなコミュニケーションを心がけていますか。
中山様
正直な気持ちをお話すると、会社として良い方向へ向かっていると感じることができていれば、必ずしも全員が同じ方向を向いていなくてもいいと私は思っています。逆にこれまで経験を積んできたディレクターたちが、完全に同じ方向を向くことは現実的ではありません。しかし、それぞれが3次元で別の方向を向いていたとしても、その中で誰かが大きく突き抜ければそこに新たな事業が生まれますし、違う方向でうまく伸びていけばそれも事業になっていきます。新たに生まれたものをGran Manibusの事業として説明できれば、私は問題ないと思っているのです。
それを「求心力」と「遠心力」に置き換えた時に、ミゲルが組織の中心で「求心力」となり、それぞれがうまく繋がっていれば、「遠心力」で行きたい方向に伸びていける。この「求心力」と「遠心力」の関係がうまく成立できていれば、あえて同じ方向を向いていなくてもいいのではないかと私は思いますね。
内藤様
中山さんがおっしゃっていることは正しいと思います。会社のステージにもよりますが、お互いにどういう価値を外へ向かって出していくか皆で共有できていれば、組織の中にいろんなベクトルがあってもいいと思うのです。そして、それぞれが目の前のやらなければならないことに精一杯チャレンジしていく。「求心力」と「遠心力」のバランスが取れていたら、会社としてさらに強くなると思いますね。
「コンサルティング」と「ビジネスデザイン」の2軸でBVXの実現を支援
江頭
ここからは組織や採用についても伺いたいと思います。Gran Manibusにはコンサルティングチームとビジネスデザインチームがあります。
まず、ビジネスデザインチームのディレクターである内藤様よりチームをご紹介いただけますか。
内藤様
チームのミッションは主に2つ。1つは、我々のケイパビリティやアセットを活用し、新規事業の立ち上げや新規サービスづくりのサポートを行います。直接クライアントの事業をサポートすることもあれば、SCSKグループの事業やSCSKのクライアント先の事業をサポートするケースもあります。
もう1つは育成です。SCSKでは以前からSIerとして豊富な実績を持っていますが、今後はよりビジネスの上流工程から担える人材を育成するという方針があり、我々がSCSKからの出向メンバーを受け入れ共に新規事業、新規サービスを手がけることでグループ内にビジネスデザインを強みとするメンバーを輩出しています。
江頭
どのような案件を手がけているのか教えていただけますか。
内藤様
直近では、SCSKが得意とするIoTを活用した新規事業立ち上げのサポートをしました。また、SCSKのクライアントで製造業のお客様がいらっしゃるのですが、IoTを利用して取得したデータを使って「どのようにリテンションを高めていくか」「新たなビジネスをどう組み立てるか」などをSCSKと共に考えたり、他にもGran Manibus発の新規事業に向けて事業の検証をしたりしました。
江頭
続いて、コンサルティングチームについて木山様より教えていただけますか。
木山様
コンサルティングチームは、SCSKと連携してグループ内外におけるコンサルティング業務を行っています。いわゆる“ビジネスパートナー”と言われるメンバーと共にプロジェクトを推進しています。主に金融と製造の2つの領域に注力しており、コンサル代表の神原(現代表取締役副社長)が金融を担当し、私が製造や通信、公共などの領域を担当しています。
江頭
どのような案件を手がけているのか教えていただけますか。
木山様
私がメインで手がけている案件は2つあります。1つ目はBRP(業務改善)で、我々は主に上流工程を担いプロジェクトを回しています。2つ目は、SCSKのシステム導入案件のプロジェクト管理を担っています。
「自分のキャリアは、自分でコントロールしたいと思える人」が集まっている
江頭
「コンサルティングサービス」だけでなく、新規事業を創出する「ビジネスデザインサービス」を手がけているのが特徴だと考えています。実際、ビジネスデザインを志向される方は多いのでしょうか。
木山様
多いですね。我々は新規事業を謳っているので、それを希望される方は増えています。一方で、「ビジネスデザイン以外はやりたくない」と言われる方も実は多くて。しかし我々は、ロジカルに考える力がつくコンサルティングサービスも重要だと捉えています。そのため「コンサルティング」「ビジネスデザイン」と区分けせずに両方経験していただくため、人材をプール制にしています。
内藤様
個人的な意見ですが、新規事業だけをされたい方は、むしろ、スタートアップや起業の道を選んだ方がいいのかもしれませんね。私自身は、「Gran Manibusには新規事業を手がけられるチャンスがある」という捉え方をしています。それに向けて自分のケイパビリティやスキルをどのように組み合わせていけるだろうかと。
江頭
どういった人材像を求めていらっしゃいますか。
中山様
自分のキャリアは、自分でコントロールしたいと思える人だと嬉しいですね。Gran Manibusで「自分はこういった能力、こういうスキルセットを得てこんなことができるようになりたい」と明確に言える方がいいなと思いますね。
江頭
木山様は、どういった人材像を求めていますか。
木山様
私も中山さんと同じく、Gran Manibusで自分はどんなキャリアを描きたいのか、明確な目的を持って入ってきてくださる方がいいですね。そうすると面接の時からどんな未来を描きたいのか前向きなお話ができると思います。