外資人事コンサルから事業会社の人事職へ転職後、日系の人事ファームを選択。ぞれぞれのキャリアチェンジの背景に迫る/パーソル総合研究所 ディレクター 長谷川直紀 様 インタビュー

パーソル総合研究所 ディレクター 長谷川直紀 様

パーソル総合研究所はパーソルグループのシンクタンク・コンサルティング部門であり、「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンのもと、企業や個人のゴールである「成長」にコミットする方針を掲げ、組織・人事コンサルティング、人材開発・社員研修、タレントマネジメントなど幅広いサービスを展開しております。
今回の記事では、外資人事系ファームにてプリンシパルとして活躍後、事業会社の人事部長を経て同社に転職された長谷川直紀様(ディレクター)に、同社へ転職された経緯、直近の人事領域のマーケット動向、また同社に入ることで得られる経験などについてお聞きしました。

目次
  1. 外資人事系ファームにてプリンシパルとして活躍後、事業会社の人事部長へキャリアチェンジ
  2. 「提案やデリバリーに集中できる環境」、「制度を運用する「人」への支援が可能」などの点から、国内系の人事コンサルであるパーソル総合研究所へ転職
  3. 組織の壁が低く、「人事戦略」から「採用・教育支援」まで関われるため、ポストコンサルのキャリアとして事業会社の人事統括に進まれる方もいる
  4. リーマン時と比較し、「人事戦略」視点での案件が増えており、総合的なサービスを提供できるファームの価値が高まっている
  5. 組織・人事の上流案件が増えているため、経営者を巻き込むリレーション力、複合的・実践的な施策を提案できるソリューション力のある方のニーズが高い
  6. パーソル総合研究所 求人情報

外資人事系ファームにてプリンシパルとして活躍後、事業会社の人事部長へキャリアチェンジ

庄村
長谷川様のご経歴に関して簡単に教えていただけますでしょうか。

長谷川様
まずマーサージャパンにて人事戦略策定・制度設計・人材開発、再生・M&Aに伴う組織・人事変革等のプロジェクトをリードしてきました。アソシエイトで入社し、最終職位はプリンシパルでした。
その後、日系企業2社の人事部長として、10年ほど人事全般の立ち上げ・変革、労務、役員指名・報酬関係等を担当し、その後再び人事系のコンサルティングファームであるパーソル総合研究所にジョインしています。

庄村
マーサージャパンから事業会社に転職された背景について教えていただけますか。

長谷川様
「組織・人事コンサルタント」を称する自分が、実は組織・人事の本当の難しさをわかっていないのではないか、と感じていたからです。

庄村
「組織・人事の本当の難しさをわかっていない」と感じられた具体的なエピソードについて教えていただけますでしょうか。

長谷川様
マーサーでプロジェクト・マネジャーになった頃からずっと、組織・人事をデザインする仕事では、コンサルに求められる客観的・合理的側面からの提案よりも、クライアントが担う主観的・非合理的側面を踏まえた決断・実行の方が、より重要で難易度が高く、そのスキルは、実践を通じ身体で覚える他ないだろうな、と、漠然と感じていました。そうした矢先に、とある再生案件で1年近くクライアント先に常駐することがあり、そこで、クライアントの人事責任者が、株主・経営・社内他部署・組合・従業員等と日々すり合わせ・交渉をし続ける様子を目の当たりにし、それが確信に変わりました。

実際、事業会社2社で人事を10年弱経験する中で、それは間違いではなかったと感じる毎日であり、まだまだ未開の領域は残しつつも、組織を創る・変える上での実践的ノウハウを積むことができました。

庄村
10年ほど事業会社を経験され、40代半ばで「ここで再び成長・チャレンジすべきではないか」と思われた背景について教えていただけますか。

長谷川様
私が事業会社に身を置いたのは変革期・立ち上げ期であり、課題自体を自ら設定し、変革・創造することが求められました。ただ、一定期間を過ぎると、それもどこかで一段落し、組織が定常状態に入るタイミングがやって来ます。そうした中で気づかされたのが、自分は、日常を守る仕事よりも、やはり何かを変えたり創ったりする仕事の方が燃えるんだよな、ということでした。日常を守る仕事は極めて重要ですし、そこがあっての変革・創造であることは言うまでもありませんが、自分の適性は変革・創造にあると感じたのです。

庄村
変革することの方がモチベーションが上がるとのことでしたが、そう思われた具体的なエピソードがあれば教えていただけますでしょうか。

長谷川様
変革期にあった会社では、事業ポートフォリオを抜本的に組み替えるべく、人員構成や組織・人事制度を抜本的に変える、という取組を実施しました。具体的には、雇用・人事方針、人材像、人事制度、新卒・中途・障がい者採用、育成、労務、配置、退社、海外人事、労使関係、組織、業務プロセス、経営管理等々、全方位の組織・人事改革を実施しました。そのときは、コンサルや弁護士等の外部パートナーもフル活用しつつ、短期・中期で課題設定・解決を繰り返す毎日でした。2年間くらい、一息つく間もあまりなかったと記憶していますが、非常に充実し、学びの多い毎日でした。

変革・創造の方が色々な意味でパワーを要することは確かであり、職業人生の折り返しにあるこのタイミングを逃すと、更にチャレンジが難しくなる、と思いました。さらに、同じ変革期の事業会社に行ってもまた落ち着くタイミングが来て、また変革期の事業会社を求めて転職して、の繰り返しになるため、PJベースでいろんな企業の変革に携わり続けられるコンサルの方が「変革期のフェーズ」に関われると考えたため、ファームへの転職を視野に入れました。最後は家族にも「あなたにはその方が性に合っている」と背中を押され、復帰を決断しました。

「提案やデリバリーに集中できる環境」、「制度を運用する「人」への支援が可能」などの点から、国内系の人事コンサルであるパーソル総合研究所へ転職

庄村
コンサルティングファームに戻られる際の企業選びの軸について教えていただけますでしょうか。

長谷川様
これまでの経験上、いくら戦略・施策・制度・ルールを整えたところで、それを運用する「人」自体にアプローチできないと、殆ど役に立たないことを痛感する機会が何度もありました。
そのため、人事戦略や設計だけでなく、実際に採用活動など人材フロー領域の支援にも幅広く関われることを希望しておりました。
また、通常の外資コンサルは短期業績の達成が至上命題ですが、お客様の根本的な課題解決を優先するには業績以外の目的で動く組織としてのモチベーションが重要です。

そして、外資コンサル時代は、私も仕事一筋だったので特に違和感はありませんでしたが、事業会社に移ってからは仕事と生活のバランスをとることの重要性に気づいてしまったため、ワークライフバランスは現実的に重要視した部分でした。
今はどのコンサルティングファームも労務管理が徹底されてきていると思いますが、そもそもグローバルファームの場合、会社運営や案件等が時差を前提にしたものにならざるを得ず、仕事と生活のバランスを保つのは当然難しくなります。

庄村
そのような軸の中で、パーソル総合研究所を選ばれた背景について教えていただけますでしょうか。

長谷川様
正直なところ、私は当社の存在を知りませんでした。ただ、実際に話をお聞きすると、以前私がいたような外資系ファームとの大きな違いに気付かされました。
それは、①グループにおける当社の位置づけによるピュアコンサルとの違い、②分厚い営業基盤、③グループとして人材市場にリーチできることによる具体的ソリューションの幅広さ・奥深さ、④ワークライフバランス、です。

具体的に述べると、 ①については、パーソルグループ全体が当初の人材紹介業から、人と組織の価値創造インフラになることを目指す中、パーソル総合研究所はフラグシップとして、グループ全体のリブランディングをリードする役割を最も期待されている。

②についてですが、当社はパーソルグループの総合営業セクションと隣接しているため、我々からドアノックする機会も少なく、グループ内の営業組織より案件が依頼されることが多い。

③についてですが、パーソルグループは採用~退職までの人材フロー領域を主たる事業としており、そこを担当する部署とコラボレーションしながら、通常のコンサルティングファームでは概念的提案に止まる部分に対し、具体的・実務的なソリューションが提供できる。

④については、まだまだグループ全体が国内を主戦場にしており、国内案件が多いため、外資系ファームのように海外との時差に合わせて動くケースも少ない。

上記の点です。

庄村
実際に入社されて、入社前に抱いていた御社へのイメージはその通りだったのでしょうか。

長谷川様
①に関しては、我々も事業会社である以上、そうした要請は当然あります。ただ、私たちコンサルティング部門は、組織人事に関し将来にわたって乗り続けることができる総合的方針やストーリーを紡ぎだすことを目的に立ち上げられたため、クライアントとの絆を深めたり、世の中にインパクトを与える案件を創り出す役割の方が求められていると感じております。

②に関しては、国内400拠点、4,000人を超える営業組織を持つグループのバックボーンが大きく、お客様は東証一部上場の大手一流企業始め、極めて良質な案件の引き合いに恵まれています。
外資コンサルではドアノックが必須ですが、その必要がなく提案やデリバリーに集中できる環境は恵まれていると日々実感しています。

③に関してですが、パーソルグループ内には人材紹介やアウトプレースメント、BPOを扱う部門があり、パーソル総合研究所においてもタレントマネジメントシステム、フィールドHR、ピープルアナリティクス、ラーニングという専門部門があります。
実際にこれらの専門部門と協業するケースが増えており、例えば、ある小売業のお客様には店舗現場での課題解決に強い「フィールドHR」部門と連携しご支援をしています。他にも、「BPO」「人材紹介」の部門と協業している案件などがあります。お客様からは、外資系コンサルからは考え方までしか提供されない領域に対し、当社では、具体的なソリューションを伴う提案がある、ということでご評価頂いています。
また、パーソル総合研究所には、その名の通りシンクタンク部門があり、そこでの本格的なリサーチ結果を活かし、今後日本企業においてますます重要な人事課題となる「ミドルシニア」「日本的ジョブ型雇用」等の分野で、独自のソリューションを生み出してきており、我々コンサルティング部隊における独自性の一要素となっています。
こうした、それぞれの専門性の融合がもたらす「総合力」や「独自性」は、他コンサルファームには成し得ないサービスとして、お客様から高く評価されています。
直近増えている人事戦略などの上流案件では、複数の大手ファームと競合することも多いですが、こうした「総合力」「独自性」に基づく提案が他社を上回り受注できるケースが増えています。

④に関してですが、先ほども述べたように海外の時間に合わせて働く機会が少ないだけでなく、ドアノック営業が基本求められない、フレックスやテレワークを最大限活用できる等により、無駄な時間を削減できるため、コンサルのハードワークをこなしながらも生活との両立ができています。実際、子育てとうまく両立しながらも、非常に質の高いサービスを提供しているコンサルタントが多数います。
もちろん、そうは言ってもコンサルティング会社ですので、忙しいは忙しいのですが(笑)。

庄村
長谷川様以外で、直近コンサル経験がある方は何が決め手となって入社されているのでしょうか。

長谷川様
一番多いのが「営業リードの豊富さ」です。次いで、「パーソルグループ・パーソル総合研究所内の他部門との協業により他ファームにはない総合的な提案ができる」ことが挙げられますね。

組織の壁が低く、「人事戦略」から「採用・教育支援」まで関われるため、ポストコンサルのキャリアとして事業会社の人事統括に進まれる方もいる

庄村
長谷川様のお話を伺っていると、御社では人事領域の幅広い経験ができる点が魅力だと考えているのですが、その経験を生かして御社を卒業した後はどのようなキャリアを歩まれている方が多いのでしょうか。

長谷川様
中長期的にご活躍いただくことを前提として考えていますが、コンサル部門での経験を活かしてネクストキャリアを選ぶ社員ももちろんいます。

ネクストキャリアの実績としては、事業会社(人事・経営企画・事業統括など)、パーソル総合研究所のシンクタンク部への異動、独立などがあります。特に事業会社での人事統括クラスをネクストキャリアとして射程に入れている方にとって、弊社はお勧めです。

なぜならば組織がソリューションカットやインダストリーカットにはなっておらず、1人のコンサルタントが関われる範囲が広く、「採用」「教育」など特定の機能に偏ることなく、経営戦略から人材戦略への連携、全ての人事機能を俯瞰して見る視野・視座が身につくためです。加えて、パーソルグループやパーソル総合研究所の他部門との連携により、理論だけでない「実践的」なコンサルティングソリューション提供に携われる機会も充実しているため、組織・人事のキャリアを目指す方にとって恵まれた環境であると確信しています。

リーマン時と比較し、「人事戦略」視点での案件が増えており、総合的なサービスを提供できるファームの価値が高まっている

庄村
人事領域での経験が豊富な長谷川様に、人事領域というマーケットについてもお聞きしたいのですが、新型コロナウィルスの影響により各社少なからず経営レベルでのインパクトを受けていると思います。リーマンショック当時と比べた際、当時と今で人事領域に与える影響も異なるのでしょうか。また、それによる組織・人事コンサルへのニーズの変化があれば教えていただけますでしょうか。

長谷川様
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大が経済に与える影響は我々のビジネスへも大きな影響を及ぼすことは間違いありません。ただ、リーマンショック時のように組織・人事コンサルティングの需要全般が激減することはないと予測しています。
理由としては、2008年当時と現在を比べると、お客様の志向が多様化する環境下でプロダクトやサービスは短命化する傾向にあり、企業には「過去の成功体験に基づかない非連続の飛躍」が常に求められるようになってきています。そのため、持続的な競争優位の源泉に「人財」を位置づける経営者は間違いなく増えているためです。

これに伴いすでに組織・人事コンサルのニーズは人事施策レベルから、人事戦略レベルへと変化しています。実際に、経営戦略・事業戦略を実現するために、「組織開発を行う」ことや、「人事の諸機能を柔軟かつ総合的に改革する」といったニーズで、経営戦略・事業戦略の一部として検討するケースが増えており、人事と経営が切り離せない案件が増えています。

庄村
このような状況の中で、御社のニーズについてはどのようにお考えでしょうか。

長谷川様
これらのクライアントニーズに対応するにはまさに「幅広いソリューションを組み合わせた、総合的な解決」が必要となりますが、例えばパーソル総合研究所のコンサル部門はでパーソルグループ内の人材紹介の部門や、BPOの部門、店舗現場の人財課題解決に強みを持った部門と連携していった事例があるように、パーソルグループの強力な基盤を活かした「総合力」を持って具体的な解決策を提供できるため、より市場から求められていく可能性が高いと考えております。

組織・人事の上流案件が増えているため、経営者を巻き込むリレーション力、複合的・実践的な施策を提案できるソリューション力のある方のニーズが高い

庄村
組織・人事領域の課題も変化しているとのことですが、同領域に特化したファームである御社でも「求めている人物像」に変化が多少なりともあるのでしょうか。

長谷川様
先ほど述べたように人事戦略、組織開発等の上流案件が増えており、今後さらに組織としても対応を強化していく方針です。そのため、現在は主に人事領域のコンサル経験がある方など、上流案件からご活躍頂ける即戦力層を積極的に採用しています。

また上流案件では多くの関係者と協業していくケースが多いため、お客様に対してはもちろん、ともに働くメンバー、そして自らに対し常に謙虚である方が活躍できる傾向にあります。
加えて、山積する問題の中から本質を見出し、複合的な施策を組み合わせて解決に導くソリューション力と、経営幹部からの信頼を獲得するリレーション力を備えた方のニーズも高いです。

庄村
ありがとうございます。最後に読者の方へメッセージをいただけますと幸いです。

長谷川様
パーソル総合研究所には、多彩なプロが集い、お互いを刺激し合い、皆で新たな成長創造を成し遂げたいという強い想いがあります。パーソルグループのコンサル部門であるが故の大きなポテンシャルを秘めた環境で、ともに成長し、進化することを楽しめる方とご一緒できることを楽しみにしています。

長谷川直紀様
長谷川直紀 様

マーサージャパン株式会社においてプリンシパルを歴任、人事戦略策定・制度設計・人材開発、再生・M&Aに伴う組織・人事変革等、多数のプロジェクトをリード。その後、日系企業2社の人事部長として、人事全般の立ち上げ・変革、労務、役員指名・報酬関係等を担当。2019年9月より現職。

株式会社パーソル総合研究所

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株式会社パーソル総合研究所はパーソルグループのシンクタンク・コンサルティング部門であり、「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンのもと、企業や個人のゴールである「成長」にコミットする方針を掲げ、組織・人事コンサルティング、人材開発・社員研修、タレントマネジメントなど幅広いサービスを展開しております。

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